第9話あきた話題

休み時間になると度々クラスメートや他クラスの生徒から話し掛けられた。

普段であればスルーされるジメジメした俺に、だ。

月史絵との関係についてだ。彼女に聞きづらい、訊ねてもはぐらかされたといった生徒ばかりが近付いて聞き出そうといった魂胆だった。

彼女が口を閉ざしている話題をそうペラペラと話すなんて、やっちゃいけないことだ。

なので、こうこたえることにした。


「些細なきっかけで話すことになって」

といった返答だ。


結局、俺もはぐらかし、有耶無耶にした。

に転がろうが結末が変わることはないだろうし、これまで以上に孤立するのは否めない。


彼女は校内で名の知れた美少女であり、密かに?ファンクラブまで組織されているとのことなので、だ。


彼女は気に掛ける様子もなく、俺に話し掛けてくる。


「高ヶ浜、移動教室だから一緒に行かない?」

といった誘いもされる頻度も多くなっていた。

さすがに二人で居る間以外は苗字で呼ぶ彼女。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る