第6話怒りを押さえられない妹
帰宅すると沙絵が待ち構えていた。
腰に手を当てながら、頬を膨らましながら唇を尖らせ、怒りをぶつけてきた。
「おっっそぉーいぃっっ!おにいってばぁっ、どこ行ってたのっ!心配させるなんて酷いよ、酷すぎるぅっ!」
「悪かったよ、心配させて。腹が空いてるからそんなイラついてんのか?クラスメートに付き合ってて、それで......」
「うるさいうるさぁーいぃっ!言い訳なんてしないでよ、おにいに話せるクラスメートなんていないでしょ!」
地団駄を踏み、腕を振り回し聞き分けない沙絵。
「ごめん、沙絵。今度からは一言いれるって。好きなおかずを作るから、なっ、沙絵。信じなくて良いけど、怒りはおさめてくれないか?」
彼女を抱き締めながら、謝る。
「......ぅああ、うん。わかった」
食事を摂り終え、テレビを観ながら二人並んで寛いでいると浴槽に湯が張ったことを告げる音楽が鳴る。
「さきに入ってこいよ、沙絵」
沙絵をさきに入らそうと促すと甘えた声で誘ってきた。
「おにいと入りたいよぅ、駄目かな?」
「駄目だよ。そんな歳じゃないし」
「えぇぇ、何で何でぇ~もうー!」
駄々をこね始めた沙絵を身体から引き剥がし、リビングから追い出した。
10分も粘り強く駄々をこねていたが諦めた沙絵だった。
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