第2話学級委員長

6月にはいったが未だに月史絵に話しかけられずにいた。

もうDMをくれなくなりそうで不安が頭に過り、現状維持のままだ。

席に座って話してる月史絵に視線を向けていると、学級委員長に呼び掛けられた。

「高ヶ浜君、ちょっといいかな?」

教卓にいる笹浪嶺ささなみみねに届く声で返す俺。

椅子から立ち上がり、授業ノートを抱える笹浪に駆け寄る。

「ノートをどこまで運べば良いの?」

「職員室なんだけど。ごめんね、高ヶ浜君しか頼める人が居なくて」

教卓に積まれた授業ノートを抱え、笑顔で返して、教室を出る。

「別に何も無かったし。躊躇しちゃうよね、に声を掛けるのは」

授業ノートを抱え、職員室に向かう俺と笹浪。

「悩んでいたのに頼み事をしてごめんね。本当に」

「いいよ。......ってぇっ、何でそんなっ!えっと、それほど深刻な悩みでも......ない、かなぁ~って。一人だと辛いですよね、これは」

「そうなんだよね。副委員長の老獪川ろうかいがわ君は違うクラスに行ってるから。解決出来ることなら、今度は私が手を貸すよ。いつでも聞くから溜め込みすぎないようにね、高ヶ浜君」


職員室に着き、授業ノートを運び終えた俺達は教室に戻るため、廊下を歩いた。

俺は、友人に出くわした笹浪と廊下で別れ、教室に戻った。


教室には相変わらず、月史絵達が会話を交わしていた。


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