第15話「聖都の港で土竜はどうしたと叫ぶ勇者」
「
勇者[
***
「じゃあな勇者、悪いがアタイは漁で稼がないといけないから速攻で帰るぜ」
物語をショートカットするためカルデラの
「今思えば全然ショートカットじゃなかったな……」
勇者は肩を落とす。
「勇者様はVSドラゴン3連戦お疲れ様です、今日は早めに宿を取って休みますの♪」
女神[
「夜も気が休まない……」
勇者は女神のつもりを察して更に疲れた。
「そう言えば
火竜[カリューン・アシステッド・オレコ]が
「カリューン、下らん事言っておらんでさっさと行くのじゃ」
水竜[スイリューン・アシステッド・ワラワスキー]は火竜を軽くあしらい勇者と腕を組もうとするが勇者にスルリと交わされあしらわれる。
「無駄ですの、勇者様は逃げ場の無い馬車でしかイチャラブしてくれませんの」
女神は今までの旅の経験者として水竜に勇者のガードは甘く無いと伝える。
「ふふふ」
勇者は不適な笑みを浮かべた、セクハラ駄女神との旅において貞操の危機にさらされ続けた勇者はついに[勇者専用オリジナルスキル][
「て言うかかほこさん、誰が何時イチャラブしましたか?」
勇者は桟橋から城壁の様な高さのほど有る防波堤の大階段を登ろうとする。
「勇者様ーーこっちですのーーー♪」
女神は勇者に声をかける、女神は1人桟橋から街へと登る長い長い石のスロープを荷馬車の後ろに当たり前の様に便乗し、馴れた手付きで隣をポンポンしながら勇者を呼んでいた。
「さっきの逃げ場の無い馬車の話を聞いたあとで?」
勇者は階段を人蹴りして、一気に防波堤の上まで飛び上がった。
「じゃ、俺も」
「妾もなのじゃ」
竜達も勇者に負けず劣らずの身体能力で勇者に続いた。
「あっ!そう言えばワラワスキーさん達ってこの街、イヤこの異世界と同じ[アシステッド]のミドルネームがついてるんだけど何かの伏線ですか?」
勇者はここに来てようやくその事に触れてみる。
「おおそうじゃぞ、妾等はこの世界の誕生と共に創られたのじゃ、この世界の育成を女神と天使だけでやるには手が足りんのでな」
勇者は抱きつこうとする水竜を交わしつつ疑問を抱く。
女神と……天使???
「かほこ様~~~~♪♪」
「あれ、かほこ様はどこっす?」
出た天使だ、無論女の子である。
「ドラゴンの次は天使か……」
勇者は立ち眩みがした。
「おっ!あなたが勇者様っすね、ボクはお助け天使の[タスケエル]っす!」
天使はかなりチビのバタバタと走る女の子で勇者のパーソナルスペースにDONと入り込みそのEが2つの並んで呼びづらそうな名前を勇者に継げた。
「今度はボクっ娘かよ!」
勇者は突っ込みつつ思う、一人称が勇者の[僕]と天使の[ボク]でかぶるけどコレだけ喋り方が違ったら聞き分けられると作者は判断したのかと。
「よっ!タスケール」
さっそく火竜が名前を間違える。
「カリューンさん、ボクはタスケエルっす!タスケエル間違えないでくださいっす!」
天使は両手をぐーと振り上げながら火竜に可愛く文句を言った。
「うーんタスケエルか……名前の語尾を[エル]にして天使っぽさを出すのはベタだけど分かりやすくていいな」
勇者は感心し、作者は先人達の残したノウハウは利用するかまえだ。
「ベタは大切なのじゃ!」
水竜は笑いの基本に忠実に3回目のアタックをかける、背中からのおんぶ攻撃である。
「ほい!」
勇者はしゃがむ。
「なのじゃ!」
水竜はしゃがんだ勇者を跳び箱の様に飛び越えた。
「随分と楽しそうだなスイリュン」
ちなみに水竜の名はスイリューンであるが水竜も火竜も長い付き合いである、今さら突っ込んでも無駄だと水竜は分かっている(諦めているとも言う)。
「おお、そうじゃのカリューン、かほこの連れ込んだ勇者は大当たりなのじゃ、きっとうまくいくのじゃ」
何だか水竜が伏線めいた台詞をはくも作者はまだ大オチをふわっとしか決めていないので「そう言うのやめてほしい」と思った。
そして勇者の台詞。
「ワラワスキーさん、連れ込んだって言い方やめてくれるかな?」
勇者は勇者で伏線をスルーして見事に突っ込みを入れてくれる、当然だが我が勇者様も[ラノベスキル][
***
「勇者様、ゼイ、酷いですの、ゼイゼイ、
女神は体力の無さを
勇者は思う、「これだけ疲れさせれば安心か?」と……。
なお土竜が出ないのも伏線であり、
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