第12話「火竜の住む火山島」
「しまった…」作者は第12話を書き始めた時点で自分のミスに気づく。
本作は作品の全体構成に失敗した作者がその失敗を挽回しょうと画策する物語である。
********************
「おい勇者様、あれが見えるか?」
この勇者達の乗る帆掛け船の船頭、[
「あの島ですかウオコさん?」
勇者[
「[
ウオコのその話を聞いてた船乗り達も首を傾げていた。
「大丈夫ですか、そんな海に船を出して?」
勇者はウオコ達の事が心配になった。
「ああ、大丈夫、大丈夫、近くにでも行かなきゃ襲われる事なんて滅多に無いのさ、それに今は勇者様も居るしな」
そう言うとウオコは鼻をこすり笑った。
「でも何であのイカくんは外周の浅瀬なんかにきたんだ?火山のせいかな……」
僕は原因がわからないのは少し気持が悪くそう呟いた。
「いや違うと思うよ勇者様、火山は前から煙ってたし変な事は無いんだ」
ウオコにも検討がつかないらしい。
「勇者様お迎えがきましたわ」
今まで沈黙を保っていた女神[
「お迎え?」
僕の言葉は回りに居たウオコや漁師達には聞こえなかっただろう。
***
「これ完全に食われたな…」
勇者は巨大な何者かに食べられ口の中に居た、たぶん空を飛んでいる。
「噛んだり飲み込んだりしないのは運ばれてるのか?でも何かキモい、早く出たい!」
勇者は何者かの口の中で体を捻りショートソードを抜いた。
「えい!」
「痛って!!」
「えーーい!」
「痛たたた!」
「えいえい!」
「しつこい!!」
勇者様は舌で丸められたあと「フッ」っと吐き飛ばされた。
「痛った!?ここ何処だ?」
勇者は微振動をしている大地に転がって居た、回りには溶岩が固まった火山岩の大地と短い草ばかりの
「痛いのはこっちの方だ魔法使い、ちんけな
勇者が見上げるとばかでかいドラゴンが口角を上げ笑って居た、いや口角を上げ笑っているように見えた。
「このあいだののスゲー魔法見てたぜ魔法使い、俺は
何か脳筋ぽい事話す筋肉質のそれはその背に大きな翼を持つ深紅の
「何か唾液でぐちゃぐちゃだよ」
勇者は火竜の言葉はそこそこに海にでも潜って体を洗い流したいと思った。
「おい、魔法使い!俺様の話を聞け!」
火竜は自分を無視する勇者に苛立ちを募らせる。
「え?ああ、うん、あと何だっけ?魔法使い?僕は魔法使いじゃないよ、一応こんなでも女神に選ばれた勇者だよ……」
勇者はチラリとショートソードを見つめたあと、肩をすぼませ少し笑った。
「何だお前、かほこがストーカーしてた破壊神のガキか?この世界に連れてこられたのか?」
そう言うと火竜は肩を震わせ笑いをこらえる。
「ドラゴンさんはかほこさんの知り合いですか?船に乗ってたでしょ?」
笑い事じゃない。
「いや俺は、空飛んでたら面白そうな魔法使いが居たからカプッただけだ」
いきなりカプるな!
「で僕をこんな所に連れてこられて何のようですドラゴンさん?」
何だか展開が読めるな……。
「勝負だ魔法使い!」
どうやらこの生き物は本能の赴くまま好き勝手生きていて話を聞かないらしい(僕は勇者で魔法使いではない)、深紅の鱗の火竜は指をポキポキと鳴らし首をコキコキ言わせ肩をグルグル回したあと格闘家の様に構えた。
「きみには荷が重いかな?」
僕はショートソードをさやの上からポンポンとたたき僕も拳を握り構える、竜の鱗なんて切ろうとしたらショートソードが折れると思ったからだ。
…………。
↑
解りづらいので一応書いておきます、上記の…………。は伏線です。
僕と火竜の闘いが始まる。
「嘘でしょ?僕のパンチが……」
闘いが始まってまず意外だったのは僕のパンチを火竜が受け止めた事だ。
「ヴググググ……」
火竜は荷見事にガードし脂汗を流し顔を青くしながら痺れる腕の痛みに耐えている。
「すごい流石ドラゴン、ちょっと強めに殴ったのに……」
火竜はあまりの衝撃に混乱している。
「かほこのやつどんだけコイツに入れ込んだんだ?本当に魔法使いか?」
どうやら火竜は勇者の強さ、イヤ、いろんな事柄を見謝っていた(人の話をちゃんと聞かないからだ)。
「まだやりますか?ドラゴンさん?」
僕は何だか可哀想になりもう止めようとそう言った。
しかしどうもこの言葉は火竜のプライドを傷付けたらしい。
「ふざけるな!こちとらこの星の誕生と共に生まれた古代竜だぞ!たかだか破壊神のガキ風情が!」
何だか火竜のヤツ余力がないな、火竜は僕のパンチが届かない様に飛び上がり空から攻撃する構えだ、やり口がきたない。
スウウウウウウ!!
「ファイヤーブレス!!」
凄い!流石火竜!炎とか吐いてきた!僕は思わず左手でその炎を振り払う、衝撃波は空に有った雲と火山の噴煙を巨大な天使の輪の様に丸く吹き飛ばした。
「グヌウ……」
火竜はと言うとマトモに衝撃波を食らったらしく地面に墜落して頭から突き刺さっていいる……。
「仕方がない、やりたくは無かったがこの強さ……俺も本気を出さざるおえんな!」
何か火竜が1人で盛り上がってる。
「レッドドラゴンラーーーンス!!」
そう言った火竜は口の中から赤く輝く焼けた鉄の様な槍を吐き出した、そしてそれが地面着くより早く思いもよらない行動に出た、自らを炎のカーテンに包み込みその火竜のゴリマッチョボディを人へ、人型の女性の姿へと変えたのだ。
「俺は人型はこのみじゃあ無いがお前と殺り合うには
火竜はゲロ強そうな槍[レッドドラゴンランス]を片手にお前も抜けとばかりに僕のチープな[ショートソード]を見つめる…が僕は今それどころでは無かった。
「服を着ろーーーーーーー!!!!!!」
僕は2連チャンで俺っ娘(漢字とひらがなの違いはあるが)が登場した事に突っ込みを入れるのも忘れ、目の前にいる全裸の女にそう突っ込んだ。
「何を突然?俺は会った時から服など着てないぞ」
火竜の頭の上にハテナ(-ω- ?)マークが浮かぶ。
「それより続きだ早く早く!」
それどこじゃ無いんだよ!近付くなよ!これが小説、いやイラスト有りの小説なら大問題の光景だ、何で作者はこっちに話を振った?服は着せる方向でやり直しを要求する!
「かほこさーーーーーん!!!!」
僕は某アニメの劇場版アバンタイトル終わりの様に便利道具で助けてくそうな女神の名を全力で叫んだ。
***
女神は異世界通路を通り僕等の目の前に帆掛け船ごと直ぐ様現れる。
「はい、オレコここは人前ですの服を着て下さいですの、コンプライアンスが大変な事になりますの!」
女神は状況を見るなり全てを察し火竜にそう言った。
「おうそうか!そうだった!かほこ
火竜がそう言うと女神は異次元空間から漢らしい服を引っ張り出し火竜に着せた。
「漢らしいの?」
僕は訳のわからなさに頭を抱えた。
「そうだ俺様は
「読み辛いし、解り辛い、めんどくさい!」
勇者は漢の解釈何か間違ってないか?と思った。
「女子でも漢ですの?」
女神の意見に勇者も思う「それな!」
「おれとしてはそれよりキャラクターかぶってんのが気になるな…」
ウオコは火竜を目の前にして尚おれっ娘キャラがかぶっているとそっちにクレームを入れる。
そうなのだここまで書いておいて何だが、冒頭で言った様に作者は全体構成に失敗したのだ、つまり一人称が「俺」と「おれ」の男っぽいキャラクターが同じ話数に登場することでキャラクター分けがしづらいのだ。
そして更に悪い事が重なる、先にウオコと言う[おれっ娘]を出したが為に火竜を男性キャラクターとするミスリードが効きにくく[カリューン・アシステッド・オレコ]が女性キャラクターだと気づかれ易くなってしまっている始末。
「[俺]と[おれ]の文字違いって…どうなんですの?」
この通り女神の「ですの」喋りはキャラクターを分けやすく分かりやすい。
当然作者も俺(おれ)っ娘2連戦だけど大丈夫か?と思ったがカルデラの内海[竜の目玉]との表記が更にストーリーの足を縛ってしまう、ここで竜の話を書くしか無くなったのだ。
第12話反省会……。
1、俺とおれで一人称がかぶってしまった事
(漢字は後付けで変えたものであり最初はカタカナで更に紛らわしかった)
2、前話におれっ娘が出ていたお陰でミスリードがききにくかった事
(話の途中でオレコが女性だと気づいた読者様、申し訳ございません)
3、何となくカッコいいかもと付けたカルデラの内海[竜の目玉]が竜をこのタイミングで出さざるおえなくしてしまった事
(この島を迂回して戻るアイデアも考えたが手筋がかかりすぎだし根本問題、ウオコが先に登場した事への問題解決に成らない為に却下しました)
以上がちゃんと全体構成とキャラクター表をしっかり作らず場当たり的に書いた作者のツケとこの第12話の
これからはしっかりした設定を書いてから物語を紡ぐつもりです(たぶん)。
「良し勇者、俺はお前も漢と認めて
何か火竜が戦闘を中断して勝手な事言ってる、レッドドラゴンランスとかどうした?
「[ライバル]と書いて[友]なのね……」
ボロ負けした割には結構図太い性格してるなこの火竜はと勇者は思った。
***
エピローグ。
「でも何で火竜を女の子にしたんだ?そもそも俺=男でもよかったんじゃ?」
勇者は作者の製作意図が分からなかった。
「……勇者様お気づきではありませんの?」
女神は驚いた様子でこう言った。
「気づく?」
ラノベ主人公は鈍感さが命である。
「この小説、実は主人公つまり勇者様の回りには女性ばかり集まると言うハーレム系ライトノベル小説のウラ設定がありましたの」
自らバラしておいてウラ設定も無いが、女神[
「つまり火竜も当然の様に女性だしこれからも僕の回りには女性のキャラクターしか現れないの?」
勇者は[ハーレム小説]と言えば羨ましがられそうだがこれってただの[女難小説]なのでは?と作品の真実に触れ心から落ち込んだ。
勇者の女難の相はこれからも続く、気がむいたら男性キャラも出します。
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