第5話「次の町へと行くつもりが着かなかった話。」
大陸横断鉄道、それはこの世界[アシステッド]を縦横無尽に貫く大鉄道網でありその長大な車両の中には豪華寝台車両もあった。
………………………???
「どうですの勇者様、豪華寝台車両の旅を楽しまれては?」
「おかしな物を整備すの止めて下さいね、かほこさん」
勇者は懲りもせず移動手段として大陸横断鉄道網を貢ごうとしていた女神に、もはや過保護な女神と言うより駄目な女神として[駄女神]の称号を与えていた。
「どうしてですの?」
女神は楽しい旅になると思った。
「何が嫌だって寝台車両が嫌ですね」
勇者は身の危険しか感じなかった。
「でもこんな
女神は寝台車両を諦めたくないらしい。
「あのですね、かほこさん、鉄道とか出すと産業革命以降の異世界になってスチームパンクみたいに成りかねないし、リアルに寝台車の話し書くと旅番組みたいに成ってグルメリポートとかしたり、さらにまかり間違って列車トリック殺人とか起きたら目も当てられない状況が生まれますよ」
勇者はファンタジー感にかんがみ移動手段として馬車を選択し、動物愛護団体に配慮したパワフルな
旅やグルメの話しは実体験が物を言うので作者の経験と
「ならせめて、せめて馬車をもっと素敵な感じに変えさせて下さいませんの?」
みなさん素敵な馬車ってどんな馬車だと思いますか?
答え。
↓
「どこの王族の結婚式だよって馬車なら駄目って言った筈ですよ、かほこさん!」
最初に女神は真っ白なオープンタイプ馬車を白馬8頭立てで勇者の
「でも8頭立てですとよりパワフルですの」
女神は既にウェディングドレスを用意しているらしい。
「冒険の旅ならシンプルな幌馬車が一番ですよ♪」
勇者は笑顔で女神を受け流し、どこの神様にウェディングドレスで愛を誓うんですか?と心突っ込みをいれた。
「では、ではですの…
「カボチャの馬車なんてもっての他です!」
女神が言うより早く勇者は止める、勇者はここ数日で女神の思考を読むまでに成長していたのだ。
「確かにファンタジーですがカボチャの馬車を贈られた僕はどこの王子様と結婚するんですか?」
勇者は曲解突っ込み?も使いこなす。
「
…そして女神は諦めたらしく、ふてくされて幌馬車の荷台後部から足を出しパタパタと揺らしすねて見せた。
「かほこさん?」
勇者は少し静かになってしまった女神を心配する。
「私…勇者様に喜んでほしいですの…」
勇者は絶対自分の為だろうと思いつつも、僕の為と言う言葉も嘘では無いと思い馬車を停める。
「かほこさん、次の町に着いたら美味しい物でも食べましょうか、折角の異世界なんだから地元の名産品とかも楽しまないと」
勇者は少し言い過ぎたかなって思い、かほこさんに優しい言葉を掛ける。
「たっ、たべますの~~~~~~~❤️」
女神は勇者に抱きつき勇者は少し迷惑そうにするも、ゲンキンな女神の行動を今日はそのままにする事にした、かほこさんにとっては豪華寝台列車の旅で無くても大好きな人との食事は嬉しいものなのだ。
なお作者の都合により料理の表現を避ける場合があります。
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