第29話 素敵なお客様

 コールセンターには色々な人がいて、色々な人生をおくっている。そこは、まさに社会の縮図である。人生十色あなたは何色?


僕のいるコールセンターは電話で商品のご案内を

するいわゆるアウトバンドと言われるものです。

反対に御要望のお客様の対応をするインバンドと

言われるもの。


僕は、顔が見えないお客様名前も住所もわからないお客様と電話一本のつながりからご契約をいただく

のです。


電話をガチャ切りされ、耳がいたくなることも

多いのですが、

お客様、正確にはお客様候補の方が中には

私もコールセンターで働いていたことがあったので

気持ちわかる、頑張ってね💕と励ましてくれる方や

案内いただいてありがとうね💕なんて言ってくださったり、この地域で、その商品売り込むなら、

こんな言い方した方がいいよ、なんてアドバイスを

してくださる方もいてくれます。


人さまざまですが、電話の切り方や、断り方にこそ、電話口の方の品格や品位がみえるのです。


ある日、名前も知らないおばあちゃん👵が

電話をとった時、第一声に振込詐欺なら振込むお金がないといわれるのです。


いきなり笑ってしまった僕は

おばあちゃん、振込詐欺ではないですよというと

じゃ、ばあちゃんの話を聞いてくれ と

いきなり切り出されたのでした。


おばあちゃん👵は、九州の田舎の8人兄弟4番目で、食いぶち減らしと下の弟たちのこともあり

夜汽車に揺られ上京をし、紡績工場に住み込みで働いたこと 夜、立ち仕事で足が痛かって寝れなかったこと 工場で後のご主人となる敏夫さんと知り合い

結婚したこと 子供ができ、楽しい生活だったこと

結婚生活は6年で終焉。早くにご主人をなくし、

残された子供と母子家庭の生活だったこと

子供が1人前になり、社会にでてようやくと

言う時に、病気でなくなったこと


淡々とおばあちゃんは話をした

僕は、そう、それでそれからどうなったの

を繰り返すばかり

最後におばあちゃんは僕に

ありがとうね ばあちゃんの話を聞いてくれてと

感謝されたのです。


一人で寂しかったこと、話相手がらいなかったこと

が僕はわかった


生きていれば、辛いことも沢山ある。でも

きっといい事もあるから、頑張りなさいねと

おばあちゃんは、僕にいった

おばあちゃんにとって、僕との会話は

まるで子供と話をしているようで、

いい事だったんだ


商品案内する気なくなったよ おばあちゃん

長生きしてね メ~♥


瞑想に入ります

いっつ瞑想タイム🧘‍♂️



これってフィクションですからね〜っと🤪









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