第8話一期生決定!選ばれた10人!めがねめがね!

 今日は記念すべき『UDN47ぷらすワン』最終選考会ですね!それにしてもその最終選考会、テナント契約を結んで初めて入る日に行えるとは素敵ですね。床も壁も新築で綺麗ですねえ―。厨房の中もピッカピカじゃないですか。新しいっていいですねー。ボコッ!痛い…。殴られました。


「俺は古くても前の作りの方が好きだったんだぜ。ネズミと毎日戦いながら、油がしみ込んだ換気扇や思い入れのあったものばかりだった。実は俺はこの店の二代目なんだぜ。ほれ、俺のシャツのロゴを見てみろ」


 黒のTシャツに『粉衛門』の文字が。このお店は『粉衛門』というんですね。


「飲食店をやるのにこの浅草って場所は恵まれてんだぜ。分かるか?」


 いえ、分かりません。その理由は何でしょう?


「業務用のエキスパートが揃う合羽橋商店街が近い。先代からの言葉だ。俺は包丁も握ったこともないド素人だった。それが不思議なもんだ。うどん県香川で生まれ育った俺がこの東京でうどん屋をやるなんてな。サラリーマンだった二十代では考えられないことだぜ。俺のすべては先代から叩きこまれたものだ。種明かしすると商売は芸術とかも全部先代の言葉だ。まあ、七年前に亡くなっちまったがな。それから休店まで、本当にいろいろあったぜ…」


 ピッカピカの新しい厨房で咥えタバコの讃岐さんが少し感傷的な顔を見せる。へえー。讃岐さんは元サラリーマンだったんですね。


「だが、働きたくねえ!!それは今でも変わらねえ!一ミリもな!」


 讃岐さんの本音はどうなんでしょうね?きっと先代であるお師匠さんを尊敬されていて、この『粉衛門』の看板で全国制覇して日本一のうどん屋さんにしたいと言う思いもあるのでしょう。私はそう信じたいですね。いや、讃岐さんを信じてますよ。それにしても讃岐さんを作り上げた先代の方はどんな方だったのでしょうか?


「あのジジイは天才としか言いようがねえ。俺は人を滅多に褒めねえし、信じることもない。それもあのジジイに教わったのかもしれねえ。というより影響を受けたの方が正しいな。ネズミが出ても天ぷら鍋の油をオタマですくってぶっかけて瞬殺だぜ。若しくは茹で釜の熱湯を柄杓で同じ。何度、俺の足に直撃して火傷して喧嘩をしたことか。まあ、それをよけるテクニックも身に着いたがな」


 豪快な方だったんですね。そんなに豪快なのに商売や料理の哲学はとても計算し尽くされた方でもありますよね。


「だから天才なんだよ。あのクソジジイは。しかもあのジジイはうどんの修行も一日しかしてねえんだぜ」


 え?修行一日だけですか?


「何度も言わせんなよ。だから天才だって言ってんだろ。しかも最後はこの店でくたばっちまったが、それまでは水商売に始まって、不動産、ガソリンスタンドもやってたって言ってたな。まあとにかく一代でありとあらゆる商売を成功させて、この店も趣味の一環みたいなもんだったな。亡くなる直前には『うどんのドライブスルー』も計画してたからな」


 『うどんのドライブスルー』ですか?あの大手がやっているような…。


「そう。大手のはなまーるとかのやり方だと一日二千人の入客でもセルフサービスなら人件費もかからねえとか。うどんの原価って一杯四十円もしないんだぜ。『粉衛門』で三十七円だぜ。それでなんか、今はファミレスとかの空きテナントが多いと聞いてるとか。内装そのままでほとんどタダで入れるとか。そこに設備と看板だけでって。月に一千万以上の売り上げが必要だけど土日祝で稼げるとか言ってたな」


 なるほどですねー。


「今はそういう安い店が人気だとも言ってたな。逆にビジネスチャンスだと」


 安くて美味しい店も増えましたし、いいですよね。


「飲食店のライバルは同業者だけでもねえんだぜ」


 そうなんですか?


「外食率も昼は六十%以上でも夜は大体二十%から三十%。場所によって変わってくるけど昼はコンビニも入れてほとんどの人が外食だ。手弁当は一部だろう。でも夜は家に帰る人、飲みに行く人は昼の半分以下、中心地では余計夜の外食は少ないんだぜ。これもジジイの受け売りだけどな」


 確かにそうですね。今は主婦の方もランチで外食される方も多いかもですね。


「今は安くクオリティーの高いお惣菜もスーパーで手に入る。だから『粉衛門』は夜に力を入れている。なんでか分かるか」


 それは「うどん居酒屋」だからですかね。


「そうだぜ。夜は酒が出る。酒は利益率が高い。提供スピードも速いし、基本、グラスに入れるだけだ。酒類に力を入れれば、それだけつまみで差をつけるか、値段で差をつけるかになる。今は『家飲み』って言葉もあるがな。電話一本で酒を届けてくれる。出前も電話一本、もしくはネット注文の時代だ。俺は店を継いでからランチは止めた。ワンコインでセットものを出しても効率が悪い。理由は他にもいろいろあるが夜営業のみにした。あーーーーーーーー、働きたくねえ!!!」


 いや、働きましょうよ。


「うるせー!でも、俺のアイデアが上手くハマれば…。ふっふっふ…。ジジイめ、見てろよ!俺はジジイを超えてやるぜ!!」


 働きたくないとか楽したいとか言ってますが、讃岐さんはきっとお師匠さんを超えたいんだと思いますね。きっとお師匠さんの教えに讃岐さんの発想力とものすごいダイエットも短期間で簡単にこなしてしまう行動力があれば…。全国制覇も夢ではないと思います。あ、お店のドアを開けて誰か入ってきました。最終選考までまだ時間はたくさんあるのですが。


「業者さんだぜ」


 元気のいい挨拶と共にたくさんの業者さんが『粉衛門』に商品を届けに来てくれている。各業者さんに笑顔で対応する讃岐さん。一年ぶりの再会と言うこともあり、会話も弾んでいます。


「お久しぶりです!どう?うちでアイドルやってみません?」


「いやあ、あの張り紙は本当だったんですね。僕は地道にやっていきますが応援してますよ」


「全国進出したら全部の店も担当お願いしますね」


「いやあ、エリアごとに決まってますので。それは難しいですが是非今後ともよろしくお願いします」


 運び込まれる、業務用のうどん粉、てんぷら粉、何か別の粉物、一斗缶に入った油、同じく一斗缶に入った醤油が二種類、みりん、ビニール袋に入れられた「ざらめ」?あとは鰹節に昆布、サランラップなど細々したもの。


「商社に粉屋さん、鰹節屋さんだ。もう少ししたら合羽橋の業者さんも来る」


 その通りに合羽橋の器屋さんと什器屋さんが商品を搬入する。割れないように新聞紙で包まれているのが器類ですね。寸胴や天ぷら鍋など大きいものもどんどん運び込まれる。さすが讃岐さんですね。準備の段取りもしっかりとやってたのですね。これならすぐにお店を再開できますね。ボコッ!痛い。殴られました…。


「馬鹿かお前は。まあ、役所関係の立ち合いチェックは済んでるけど。うどん屋はこれですぐに営業再開できるほど簡単じゃあねえよ」


 ああ、なるほどです。確か、うどんは寝かしたりする時間もあるんでしたね。


「いちいち説明すんのめんどくせー。この後、最終選考もあるし、詳しい話は実際にメンバーが決まってからだ。お店のリニューアルオープンは二週間後。それまでに『UDN47ぷらすワン』のメンバーも選んである程度やれるようにする。この二週間できっちりおもしれえ店を作ってやるぜ!」


 そして指定した時間前に一人、また一人と『UDN47ぷらすワン』の最終選考に残った方がお店の中に入ってきます。ブオンブオン。ブオンブオンブオンブオン。あ、あの音は。あの方も最終選考に残ったんですね。そして指定した時間には十人の方が店内に。この十人は讃岐さんに選ばれた応募総数を考えると十倍ちょっとの倍率を突破した方たちなのですね。ここからさらに多くても六人が選ばれるとなると四人は補欠枠なのですねえー。


「讃岐さんとやら。バイクはお店の横に停めたけど大丈夫なの?原付停まってたしさ」


「あ、大丈夫ですよ。お店の横は私道ですので。ヘルメットは店内では脱いでくださいね。コンビニだと怪しまれます。さて、それでは全員揃いましたし、時間になりましたので『UDN47ぷらすワン』最終選考会を始めたいと思います。本名では呼びません。あ、僕のことは讃岐さんでいいですよ。呼び捨てでもいいですよ。そんなことで怒ったりはしませんので。ではまず最初に『運』最強を決めておきましょう。今回、一次選考会は三回に分けて行いました。それぞれの『運試し』で無敗の方、三名いますよね。『めがねめがね』さん、『おおぼけこぼけ』さん、『十八号』さん」


 讃岐さんの言葉に一同がキョトンとしています。えーと、眼鏡の子は一人しかいません。初日のあのジャンケンで優勝した子ですよね。それで『めがねめがね』なんでしょうか。とりあえず訳が分からないけれど、『運試し』で無敗だった子たち三人が讃岐さんの前に集まります。


「えー、初日はジャンケンでした。優勝者の『めがねめがね』さんです。どうぞ拍手をお願いします」


 パチパチパチパチ。


「あのお…、本名は別として、私のニックネームは『めがねめがね』で決定なのですか?」


「いえ、とりあえず『仮』です。ご自分で決めてもいいですし、他にいいのがあればそれに変更します。あなたは眼鏡をかけています。それは武器になります。だてメガネではありませんよね?それは。コンタクトを選ばず眼鏡をかけているのですよね?」


「そうですね。でもコンタクトでも見た目はそんなに変わりませんよ」


「ちょいと失礼しますね」


 そう言って讃岐さんが眼鏡の子の眼鏡をスッと取り上げました。


「あー、めがねめがね」


 両手を交互に縦振りしながら漫画でよく見るお決まりのセリフを言う眼鏡の子。


「そういうわけで『めがねめがね』です。素晴らしいリアクションに感謝します」


 そう言って眼鏡を眼鏡の子の顔へ戻す讃岐さん。


「個性的でいいですね。それでお願いします」


「いいんですか?ではとりあえず『仮』でしたが『めがねめがね』さんでいきましょう。次に二回目の一次選考会であみだくじを制した『おおぼけこぼけ』さん」


「え、え、え、私?」


「そうです。あなたの魅力はその天然っぽいところです。ドジっ子として『ボケ』ではストレートすぎますので。徳島県に『おおぼけこぼけ』と言う名の駅があります。その響きのよさから頂きました。どうでしょうか?」


「そ、そ、それは…、え…、『おおぼけ』と『ちゅうぼけ』と『こぼけ』を使い分けるってことですか?」


「いえ、それも別にいいですが。それとも『おんどけい』にしますか?」


「え、え、え?それは『おんどけいこんどけい』ってことですか?」


「じゃあとりあえず『仮』でいきましょう。あ、皆さん拍手でした。あみだくじで『当たり』を三十八名の中から引き当てた方です」


 パチパチパチパチ。


「最後に『ビンゴ』で一番に列を揃えた『十八号』さんです。拍手お願いします」


 パチパチパチパチ。


「ちょっと。ちょっとちょっと。なんで私が『十八号』なんだよ?」


「それはあなたが『数字』に強いと感じたからです。今回の応募者の中には実に様々な志望動機がありました。それでも大半は『アイドル』目的か『お金』目的でした。僕は完全に『お金』目的です。ご説明したように全て『売り上げ』で評価します。あなたからは『お金』への意識の高さをとても感じました。『十八金』ではあんまり聞こえがよくないと思いました。それに『十八』って数字はとても素晴らしい数字なんですよ。野球のエースの背番号も『十八』です。大人の映画がみれるようになるのも『十八』です。フィギュアでも断トツ人気が『十八号』です。だから『十八号』なんです」


「ほう、そうなのか。それなら悪くないな。『十八号』、『じゅうはちごう』…」


「じゅうはちゴー!!ですよ」


「『じゅうはちゴー!!』か。いいな」


「はい。それではこの三人でまずは『強運』最強を決めましょう。ジャンケンで決めます。早速どうぞ」


 ジャンケンポン。


「おめでとうございます。『めがねめがね』さん、最強決定です。皆さん、実は『めがねめがね』さんは『あいこ』も一度もないんです。負けどころか引き分けもないんです。おそらく僕とジャンケンをしても『めがねめがね』さんは勝つでしょう。これで『強運最強』は決まりました。優勝賞品は何もありませんが皆さん拍手を三三七拍子でお願いします」


 パチパチパチ、パチパチパチ、パチパチパチパチパチパチパチ。


「さて、これから最終選考会にて『UDN47ぷらすワン』第一期生のレギュラー六枠を決めることになるのですが。最初に言っておきます。もう結果は出てます」


 え?そうなんですか?讃岐さん。聞いてませんよ。集まった方たちの中にもちょっと驚いている方が何人かいます。


「まず、この場にいらっしゃらない方たちは申し訳ありませんが補欠枠になります。ただ、ご本人がそれでもいいとおっしゃってくれるなら候補生として採用致します。つまり、今回応募していただいた方でご本人が断る場合以外、全員合格として『UDN47ぷらすワン』一期生として候補生として採用させていただきます。この場にいるこの十名は別です。レギュラー枠は六つです。この場には十名います。ここまで来て四名は補欠枠に行くことになる可能性があると言うことです。しかし先ほど申し上げましたようにご本人が断らなければ『UDN47ぷらすワン』一期生は当確です。当然入れ替えはあります。売り上げが全てです。売り上げが悪ければレギュラーから補欠枠に降格します。逆に昇格もあります。募集は定期的に行いますし、きっかけで伸びる方もいます。単純に言えば、補欠枠の候補生が億万長者のファンを獲得すれば売り上げが悪いレギュラーとすぐに入れ替わってもらいます。ここまでのご説明で『結果を聞く前に今回は辞退する』という方がいらっしゃいましたら僕に思い切りビンタしてからお帰りください。ではどうぞ」


 誰も讃岐さんにビンタしようとしませんね。と言うことはこの場にいる十名は『UDN47ぷらすワン』一期生当確ということですね。


「では『UDN47ぷらすワン』第一期生レギュラー枠合格者を順に発表します。あ、順番に意味はありませんので。あと一気に最後まで発表しますので。それでは『アニマル』さん、『よくできすぎさん』、『めがねめがね』さん、『スピードマウス』さん、『みすえっこ』さん、『おおぼけこぼけ』さん、『十八号』さん、『キューティフル』さん、『おっか』さん、『ぴーてぃーえー』さん。以上です。そうです、全員レギュラー枠でスタートです」


 皆さんぽかーん。私もぽかーん。え、え?いろいろが多すぎます。どういうことなのでしょうか?


「いろいろご質問があると思いますので、まずは僕から簡潔にご説明します。今回の最終選考会は本当に熟考に熟考を重ねて悩みました。全国制覇の大いなる第一歩であり、記念すべき『UDN47ぷらすワン』の第一期生です。百を超える応募者の中から強烈な個性を選びました。しかし、六枠である限られたレギュラー枠数も曜日の関係で変更は難しいと悩みました。一か月、三十日を皆さん十人で割り、三日ずつという選択肢もありません。何しろ育成に使う日曜日もなくすことは出来ません。今回、レギュラーを十名にし、その中で『ソロ』でやっていただく方。つまり、その曜日を一人で自由にやっていただく方が四名、残りの六名は『トリオ』で二組。それで計六枠を十人でスタートしていただこうと考えました。これに異論がある方は現時点で僕にタイキックをしてお帰りください。ではどうぞ」


「タイキックはねえけどさ。一ついいかな?」


「はい、どうぞ。アニマルさん」


 バイクの方がやはり『アニマル』さんなんだ…。


「募集の項目にあった『時給二千円から。若しくは一日の売り上げの三十三%』の約束はどうなるのさ?『ソロ』の人は良いけど、『トリオ』なら山分けで十一%だよね。六時間で十万売っても、三万三千円を山分けすると一万千円だよね。時給二千円なら六時間で一万二千円。約束の時給より安くなるよね。それで納得すんのかい?少なくとも私は納得しないね。納得できる説明があれば別だけどさ」


 『アニマル』さんのおっしゃる通りです。讃岐さん。どうなんですか?


「その質問はずいぶんとマイナスな質問ですね。逆に『トリオ』なら『ソロ』の三倍の売り上げが出せる発想はありませんでしたか?」


「マイナスな質問ではないさ。席数を考えれば分かること。このお店に入る客数のキャパは決まってるよね。コンサートもチケットは前売り即完売で取れないこともよく聞く話。飲食店も同じだよね。満席ならお客さんを帰すよね。百歩譲って立ってもらってもいいよ。『ソロ』でこのお店を満員御礼、ソウルドアウトにする力を持った子が三人同時に働けばどうなるか分かるだろ?」


「おっしゃる通りです。しかし、その考え方はアイドルも飲食店も甘く考えてますね。このお店を満員御礼ソウルドアウトに出来るなら、その時点で二号店、三号店とどんどんお店を展開していきます。こちらとしても嬉しい悲鳴です。また、今回はそのバランスも考えて個々のベクトルを考えて『ソロ』と『トリオ』を分けました。『ソロ』に選ばれた方には自由なやり方で結果を期待してます。『トリオ』の方たちはそれぞれ自分が持たないものをカバーし合ってもらうことで一つのベクトルでは『ソロ』の方より勝っているけれど総合力で考えると『ソロ』の方に今の時点では劣る、けれどそれを『トリオ』で補い合い、『ソロ』の方より勝っているベクトルが三つ揃えば『ソロ』の方に勝てるのではと考えて振り分けました」


「ちょいちょい!待った!待て待てーい!」


「はい、どうぞ。十八号さん」


「ベクトルって方向のことだろ?結果が全てだろ?要は売り上げだよな?総合力とか負けてるって何だよ?売り上げを出せばいいんだろ?」


「その通りです。こちらが求めるものは結果のみです。売り上げです。一つだけです。ただ、皆さんは『UDN47ぷらすワン』第一期生でもあります。一次選考会の応募者のアピールで多くの『個性』を見せて頂きました。レギュラーである皆さんと補欠枠である候補生との差はその『個性』の部分です。ここにいらっしゃる皆さんがその『個性』の中で共通して候補生より勝っている部分を持っていると言うことです。そして僕がその『個性』で期待できると思ったものが大きく分けて三種類の『個性』です。一つ目が『アイドルとしての魅力』です。料理が出来なくても、ビール一杯注ぐことが出来なくてもこのお店を繁盛させられる魅力を持った『個性』。二つ目が『料理の腕、知識』です。『アイドルとしての魅力』で負けていてもそれを補うそれがあれば実力で飲食店を繁盛させることが可能でしょう。そして三つ目。『お金に対する執着心』です。もっと簡単に言えば『計算高さ』です。腹黒いですか?僕はそう思いません。僕はお金が欲しいですよ。たくさん稼ぎたいですよ。そのためなら皆さんにどんなアドバイスも惜しみませんよ。ただ、世に溢れるブラック企業のようなことはしません。理不尽な要求もしません。ノルマもありません。ただし、降格はあります。枕営業をしろなどとは口が裂けても言いませんよ。逆に恋愛も自由にしてくださっていいですし、色恋で誘惑するのもいいです。しかし、体を売るような真似だけは許しません。それだけは禁止します。発覚した時点で解雇です。僕、おかしなこと言ってます?」


 なるほどおおおおおおお!そういうことなんですね!


「あのお!私も質問ですう!」


「はい、どうぞ。みすえっこさん」


「え?私は『みすえっこ』なんですかあ?」


「そうですよ。はい、ご質問をどうぞ」


「えー、あー、ええええと、あのお…、あれ?な、な、なんて言えばでしょうかねえ?この場合はあー、えーと、分かりました!」


「みすえっこさんはご自分のあだ名が知りたかったのですね?」


「はい!そうですぅー!でもなんで『みすえっこ』なのですかねえ?」


「はい、それも含めて、次に他にも同じように『自分のあだ名がどれなんだろう?』と思っていらっしゃる方も多いと思いますのでそれを説明しながら、『ソロ』か『トリオ』か、魅力は何なのかなどをご説明していきます」


 記念すべき『UDN47ぷらすワン』一期生レギュラー十名が決まりました。なんと最終選考に残った方全員がレギュラーだとは想像もしませんでしたね。「めがねめがね」、「アニマル」、「よくできすぎ」、「スピードマウス」、「みすえっこ」、「おおぼけこぼけ」、「十八号」、「キューティフル」、「おっか」、「ぴーてぃーえー」。その十名の残り七人のあだ名の由来や『ソロ』と『トリオ』の内訳、選ばれし十名の『個性』とは?讃岐さん!続きをお願いします!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る