第三節「力」

EP No.020「天国昇華①」

〜久しぶり!〜


どうも、最近学業が忙しすぎて中々小説が

更新出来なかったケモナー1号です。


最近は小説の書き方を学んでいた為、

書き方が前回とガラッと変わっています。


読みやすくはなったかな〜くらいの感じ

なので、何卒御理解をお願いします。


あと今回は足踏みします。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

〜前回(まで)のあらすじ!〜


ソロモンと一度対峙した颯真だったが、

死力を尽くして意識を失ってしまう。


一方で旦那とリョコウバトは、クリフォトの力に目覚め、旦那は人格が変化。

リョコウバトは新たな人格が芽生えた。


そして、サタンは頂へ登る為、旦那と

リョコウバトを生き返らせる為、昔の姿で

颯真を背負い、旦那と共に天国を登る

のだった!


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

〜門前〜


颯真「……ん……うぅん?」


彼は門の前で横たわって居た。

石作りの道で、それ以外は雲の様に白い

何かがあった。


颯真(どこだ……ここ……)


身体を起こし、左右を見回す。


颯真(門? なんでこんな所で……)


門は閉じている。

辺りを見回してもそれ以外見当たらない。


颯真(どこから来たんだ?)


今までの事を思い出す。


颯真(確か俺は……ソロモンと戦って……

それから……)


『やぁやぁ!』


突如として大きな声が響く。

若い女性の様な声だ。


颯真「!!」


『びっくりさせちゃったかな……』


少し恥ずかしそうに話す。


颯真「お前は誰だ?」


『名乗る程の者じゃ無いよ……ただ、貰った名前ならあるけど、それでいいなら。』


颯真「それでも良いぞ。」


『そうだね……私の名前は、セリオン。

赫き炎竜の幻獣……よろしくね。』


颯真「セリオンか……よろしくな!」


互いに自己紹介を済ませ、本題へ入る。


颯真「所でセリオン、1つ聞きたい事があるんだが……良いか?」


『なに?』


颯真「ここは……どこだ?」


素朴な疑問をセリオンにぶつける。


『ここかい? それはね、この門の先にある物を見れば分かるよ。』


颯真「ん? なんだそりゃ……」


意外な返答に困惑している。


『……さぁ、行こう。』


颯真「あぁ……」


門は軋む様な音を立てて開き、彼を迎える。


━━━━━━━━━━

〜壱の地・記憶〜


颯真(それにしても、やけに見覚えのある

場所なんだよな……)


颯真は辺りを見回しながら道なりに歩いた。

そして着いた場所……それは檻の前だった。


颯真(檻……? なんか、普通の金属とは

違う様な……それに大きい……まるで、

檻の中に庭が入っている様な……)


その檻は、颯真の思った事を表現していた。

しかし、私達が日常的に見ている様な草花

の色や形ではないし、檻も、まるで何かを

頑なに閉じ込める様に張り巡らされていた。


『着いたね。』


颯真「あぁ、何やら凄く硬そうな金属の檻が現れたんだが……?」


『そこで待ってて。』


颯真「あぁ……」


待っている間に颯真はもう1度檻の中を観察する事にした。


颯真(にしてもこの花……見た事が無い……青い花は他色の花と比べてそう多くない……

だが、この花は辞典には無かった……それにこの形……何か薬品を使わない限り、こんなふうには成長しない筈だ……)


颯真は辞典に載っていない様な青く綺麗な花を見つけた。 成長の仕方も普通の花とは

違う様だ……この様に成長するのは、薬品の様な別の作用があるのかもしれないと推測した。


続いて、檻に注目した。


颯真(この檻、何か金属を用いて作られた

感じがするな……色合い的に合金か……?

光の反射で所々虹色に変色してるな……

鉛や銀ではない……もっと硬いミスリルか

オリハルコンの可能性があるのかもな……

でもなんでそんな硬い物質を使う必要が

あったんだ……?)


檻を見回すと何やら硬そうな物質が使われている事が分かった。 その物質は太陽の光で照射されていた部分が虹色に淡く輝き、変色している。 光に当たると可視光線を分解して反射する物質かもしれない。


更に颯真は空を見上げた。


颯真(ふむ……後は空模様……そう言えば、いつもと違うな……オゾンの青色じゃなくて何か別の色……塩素や臭素の様な、何か色が付いた気体で構成されてそうだ。)


空を見上げると、その色は朱色や青色では

なく、緑や黄、紫と言った色に代わる代わる変化していた。 どうやらオゾンではなく、何か色の付いた数種類の気体がオゾン層の

代わりをしている様だ。


颯真(どこか不思議な世界だな……)


すると、檻の向こう側から全身が赤とその

コントラストに身を包み、赤い竜の尻尾を

生やした女性が歩いて来た。


セリオン「やぁ、待たせたね。」


颯真「お前が……セリオン?」


セリオン「うん。 君は颯真?」


颯真「あぁ。」


セリオン「あなたに、お願いがあるの。」


彼女は颯真に真剣な眼差しで言った。


颯真「お願い?」


セリオン「そう、私をこの檻から出して。」


颯真「この檻から……?」


セリオン「うん。 ここに人が来たのは

貴方で2人目。 だから貴方に頼みたいの。ここに来れるのは、貴方とその生みの親。

私はここに閉じ込められてる……。」


颯真「閉じ込められてる? 誰に?」


セリオン「あなたの生みの親に。」


そう言って彼女は少し俯き気味に言った。


颯真「……ケモナーか?」


セリオン「そう……だから……」


????「これはいけない……まさか君が

ここに来るなんて……」


声を響かせ空からゆっくり着地したその

男の名前は……


颯真「その声は……ケモナー!?」


ケモナー「如何にも。」


颯真「聞きたい事が山ほどある……」


ケモナー「なんだ?」


颯真「この檻はなんだ。」


ケモナー「彼女の能力を封印する為の

魔法陣の代わりだ。」


颯真「能力とはなんだ?」


ケモナー「知った所で君がどうこう出来る

問題では無い。」


颯真「応えろよ……」


ケモナー「知ったら君が損するだけだ。」


彼が颯真に威圧をかける。


颯真「構わない。」


しかし彼は動じない。


ケモナー「……彼女は獄炎を司る……その

力は、君ですら手足が出ない程に強い。」


颯真「それ程に強いのか?」


ケモナー「あぁ、なぜなら彼女は、天国で

幽閉されていた禁書より生まれた存在……

当然、野放しにしておく理由も無い。」


颯真「だからって、幽閉して良いのかよ。」


ケモナー「もちろん良くない。」


颯真「なら、何で!」


ケモナー「君は、その娘の能力が原因で

恋人が死んでも、その娘を許せるのか?」


颯真「グッ……」


ケモナー「大切な仲間が死んでも良いのか?大切な物や場所を失っても良いのか……? 

私は嫌だ……きっとそうなってしまったら、私はその娘を許せなくなる。」


ケモナーが少し拳を握る。


颯真「卑怯だな……価値観を押し付けて、

正義を主張するなんて……ッ!」


ケモナー「押し付け? 主張? 違う。

これは未然に防いでいるのだ。」


颯真「未然に……?」


ケモナー「そうだ。 大切なモノを守る為、

致し方ない犠牲だ。」


颯真「犠牲……?」


ケモナー「この件に君は介する余地は無い。大人しく帰りたまえ。」


颯真「……犠牲は出させない。」


ケモナー「まさか……解放する為にこの私と戦う訳じゃないだろう?」


そう言ってケモナーは不敵に笑う。


颯真「……たとえ負ける戦いでも……

戦う事に意味がある!」


そう言って白と黒、2つの剣を抜剣した。


ケモナー「颯真よ……私に剣を向けたと言うことは……この世界に反旗を翻す事と同義と思え……それとも、その幼い覚悟で、私を

討ち滅ぼすか?」


颯真「世界に……反旗を?」


ケモナー「無知なる者に等しく知恵を……

愚か者には等しく罰を……愛ある者には

等しく褒美を……君は私に似ると思った

のだがな、いつの間にか君は私とは別の

存在になった様だ。」


颯真「どういう事だ……?」


ケモナー「全て君の事だ……無知だった時、

知恵を与えたのは? 過ちを犯した時、罰を与えたのは? 愛を咲かせた時、褒美を

授けたのは……? そう、全て私だ。」


ケモナーのセリフと、颯真の過去の記憶が

一致し始める。


颯真「!!」


ケモナー「君に剣術を習得するように、

サンドスターの扱い方が分かるように、

新しい力の使い方が分かるように差し向けたのも、他でもない私だ。」


颯真「いや、だって……」


ケモナー「君が他人を傷付けた時も、

この世界の外側に足を踏み入れた時も、

他の世界に許可なく立ち入った時も……

その時に罰を与えたのも私だ。」


段々と一致していく記憶に颯真は困惑する。


ケモナー「君が仲間の為にその身を犠牲に

した時も……世界の為に、全てを救う覚悟で

戦った時も……窮地に陥り、負けじと奮闘

した時も……その時褒美を与えたのも、

全て私だ……」


颯真「嘘だ……そんな事……俺を騙そうと

してる……!」


ケモナー「嘘ではない……! 全ては君の、父である私の意思だ。 私は君に私の全てを注ぎ、この世界最強の究極の救世主となる筈だった……なのに……なのに君と来たら……私の期待を裏切るばかりで、あらぬ方向に

逸脱し、突き進んだ……ッ! 」


颯真「……」


ケモナー「確かに、今までの私なら、今

ここで君を消していたのだろうが……私は

君を許し、学ばねばなるまいと思う。

よって……この台詞を、君に投げかけよう。

"おい、決闘デュエルしろよ。"」


その時、彼の体が、少し、発光を始めた。


颯真「わかった。 手加減はなしだ。」


ケモナー「私は、この武器を使わせて貰う。文句は無いな?」


そう言って取り出したのは、昔使黒い死神の鎌だった。


颯真「あぁ……しかし、ここじゃ狭い。

場所を移してくれ。」


ケモナー「わかった。」


[/tpa @e 0 0 0]


コマンドを入力すると同時に、2人は特別な

空間へと転移した。


━━━━━━━━━━


ケモナー「ここなら気兼ねなく戦える。」


移転した先は、何も無い白いタイルが続く

平坦な場所。


颯真「そうだな。」


ケモナー「開始の合図はこのコイン。

私がコインを弾き、地面に落ちた瞬間、

決闘開始だ。 武器の使用は近接と遠距離の

二種1つずつまで。二刀流と二丁持ちは

1つの武器として扱う。 良いな?」


颯真「わかった。」


ケモナー「で、武器は決まったか?」


颯真「勿論これで行く。」


彼は二本の剣の代わりに黒い刀を生成し、

左腰に帯刀した。


ケモナー「やはり刀……か。」


その刀には彼の知らない細工がされていた。

薬莢が入るカートリッジがあるのだ。

そしてさらに、反対側にはトリガーも

ついている。


颯真「思い出の品なんでな。」


ケモナー「それはこちらもだ。」


黒い鎌をどっしりと構える。

勿論この鎌にも細工がされている。

直接ではないが、繋がっていた。

ヒンジの様なパーツが目立つ。


颯真「さぁ、やろうか。」


ケモナー「あぁ、弾くぞ。」


ピィン……

コインは彼の手から弾かれ……やがて両者は

物凄い気迫と剣幕でコインを見つめる。


そしてコインは……地に落ちた。


颯真「はぁッ!!」


ケモナー「うおォォォッ!!」


互いの武器が衝突する。

物凄い金切音と共に、空間を歪ます程の

波動が四方八方に伝わって行く。


ケモナー「見ない内にだいぶ強く

なったなッ! だがそれこそ、私が生み

出した力!」


互いに拮抗しながら、鍔迫り合いにも似た

音を発しながら打ち合う。


颯真「抜かせッ! もう俺は、お前の人形

なんかじゃないぞッ!」


速度を速め、更に速い速度で斬り掛かる!


ケモナー「人形?! 笑わせる! それも

これも全てお前が導いて来た結論だろう!?私はそんなお前が羨ましかったよッ!」


それに拮抗する様に更に鎌の斬り掛かる

速度を速くする!


颯真「何ッ? じゃあなんでッ!」


互いに互いの急所を狙いながら斬り掛かる!


ケモナー「私には、やらねば……果たさねばならぬ事があるッ! それは口外する訳には行かなかったッ!」


颯真「だとしてもッ!」


刀でケモナーを突き飛ばし、体制が崩れた

所を狙いに行く!


ケモナー「グッ! お前には関係無いが、

昔の……大切な者との約束なのでなッ!

その代償として、私には、愛も、感情も、

友情すらも奪われてしまったのだ!」


反転して切りにかかるッ!


颯真「俺にも約束はあったッ! でも、

しがらみにはならなかったッ! お前もそうだったんじゃないのかッ?!」


刀で鎌を受け止めて、拮抗状態にする。

互いに全力で押し合う。


ケモナー「私も昔はそうだったッ! だが、私の創り上げたこの世界は、もう私の手には収まらないッ! 私の手に余るのだ!」


颯真「どうして……どうしてそうなるまで、1人で抱え込んだんだッ!」


ケモナー「私の存在を認知される訳には

いかなかったのだッ!」


颯真「何故だッ! 生きる場所ここは……この

世界は……お前1人で抱えて良い場所モノなんかじゃないッ!」


ケモナー「そうだ……もうこの世界は……私だけの場所では無い……だが、私にしか創れないのだッ! お前に、私の気持ちが分かるものかッ!!」


颯真「確かに分からないッ!

だが寄り添う事は出来るッ!!」


ケモナー「寄り添って何になるッ! お前はそうやって無差別に手を差し伸べ、世界を、

ことわりを、意図も簡単に捻じ曲げてしまう! 私以上にお前は、世界を崩壊へと導いて

いるのだッ!それが何故分からんッ!」


颯真「そんなこと無いッ!! 世界を変革

する事で、悲しむ者や、苦しむ者を救う!!それしか、俺の生きる意味は無いからッ!」


ケモナー「確かに、この世界には変革が

必要だッ! だが変革する事で、世界は

痛みを伴うッ! そしてその痛みで歪みが

発生し、罪も無い者達が巻き込まれるッ!

お前はそれでも良いのか!?」


颯真「……そんなの、ダメに決まってるッ!

俺はこの世界も……お前も、救ってみせる! 守って見せるッ!!」


ケモナー「出来るものかッ! この世界は

余りに複雑で広大すぎる……それをたった

1人で……」


颯真「1人なんかじゃないさッ! 俺には、仲間がいるッ!」


ケモナー「……仲間……か。 私も、昔は

居たさ……だが消えた……この世界の意思によってな……」


二人は距離を取り、話し始めた。


颯真「世界の意思……?」


ケモナー「そうだ。 紛れもないお前が

解決した事件で発生したバグによって……」


ケモナーは拳を強く握った。


颯真「バグ……?」


ケモナー「あぁ……私の仲間は、半身が

不自由だった……だが、必死に生きようと

していた……それなのに……残酷にも世界は彼女を飲み込み、そのバグは姿を消した。」


颯真「そんな……」


ケモナー「私の力不足だったよ……あと

1歩の所で間に合わず、消えてしまった……だからもう消えて欲しくない……この世界に住まう限り、存在は、生きた証は、簡単には消させない……お前もそうだったろう?」


颯真「……!!」


ケモナー「死んでは復活し復活しては死ぬ…そんな事を繰り返す内に、やがて世界は

処理出来る範囲を、限界を超え、バグが

生まれる様になった……」


颯真「おい待て、時間軸が合わないぞ?

バグが生まれたのは、俺が生き死にを

繰り返した結果なんだろ? じゃあお前の

仲間がバグに飲まれて消えたのは、おかしいんじゃ無いのか?」


ケモナー「いや、間違ってない……なぜならバグは、時間軸をも揺らがせるからだ。」


颯真「バグが……時間軸を……?」


ケモナー「君が世界の理を変えてしまった

せいで、世界は変革した。 そしてその代償がしわ寄せとなって、私の方に来た。 私は君の生き様が羨ましかった……全てを救い、敵味方問わず手を差し伸べ、やがて笑顔に

させてしまうその生き方が……」


颯真「だって……それはお前が俺に、生きる意味を与えてくれたからじゃないか……

俺はそんなお前が羨ましかった……全てを

見知った様に動く、慧眼を持つお前が……」


ケモナー「颯真……この世界には、未来を

知っていても避けられない事がある。」


颯真「ある訳ないだろ、だって俺は……」


ケモナー「ある……この現状がそうだ……

君が世界から拒絶される未来を、私は2年前に見た。 正夢とはかけ離れた……いや、

正夢とは言いたくなかった様な悪夢だった。

その夢は、君が消滅する夢、君が仲間から

忘れ去られ、正体不明の敵と戦う夢……

今までは唯の夢だったのかと慢心していた…だがこうなった以上、もう変えられない。

現実になってしまった……それでもお前は、諦めないのか?」


颯真「あぁ……もちろんだ。」


ケモナー「その過程で、私が、君の仲間が、消える事になったとしても?」


彼は今一度問い掛けた。

真に確証に迫る為に。


颯真「……ッ!」


ケモナー「君は私とは違う……私が君ならもうとっくに諦めて隠居している所さ……」


颯真「それは本当に二者択一なのか……?」


ケモナー「……!? なんだって……?」


颯真「俺はお前と違って強欲なんでな……

片方しか取れないなら、両方をもぎ取るまでの事だ……そしてその方法を、俺は探す。」


ケモナー「正気か!? こんな選択肢……

正気の沙汰じゃない……この世界に発生したバグは、君の想像以上に深刻なんだぞ!?

現に今、君の仲間は君の記憶”だけ”を忘れて居るし、私の世界では、この世界と未来が

離れ始めている……ッ!」


颯真「あぁ、そうだな。」


ケモナー「今世界で君を知る者は、私と、

少数の記憶を思い出した仲間だ……あと、

旦那の世界の作者が創り出したこの世界の

未来は、私が創り出したこの世界の未来から

離れ始めている……ッ!」


颯真「どういう事だ? 何がどうなってんだ説明求む。」


ケモナー「本来、この世界は私の世界だ。

私にしか創れないし、誰かの手が加わり、

その間の連携が無いと、不明な世界観や設定により、矛盾が生じてしまう。 これを私は

コンピュータのプログラムエラー……つまりバグと呼ぶ事にした。 おk?」


颯真「おk!」


ケモナー「そして今この世界に蔓延るバグは大きく分けて4つだ。 それぞれナナシ型、プリン型、ボウシ型、シャナルア型と呼んでいる訳だ。」


颯真「なぁ、1つ良いか?」


ケモナー「何だ?」


颯真「名前がお前のコラボ先www」


ケモナー「……だって作品から生まれたバグだし、発生原理がゲート繋げた瞬間から

生まれたし……」


颯真「お前のネーミングセンスどうなって

んだよwww」


腹を抱えて笑う。


ケモナー「お前が言うな。 それより、

少し前にナナシさん所のキャラが来た時に

生まれた巨大セルリアンが居たよな?」


颯真「あぁ、俺がぶった斬った奴な。」


ケモナー「アレがバグだ。」


颯真「!?!?」


ケモナー「因みにプリンさんのキャラが来た時も、帽子さんのキャラが来た時も、同様の事例が発生した。」


颯真「……はぁ!?」


ケモナー「と、言う事は?」


颯真「旦那が来た時も、発生した可能性が

極めて高いって事か?」


ケモナー「そうだ。 そこで、君に確認して貰いたい。 この先の天国でそのセルリアンが出現しないかを。」


颯真「……第1、俺に頼ってどうすんだ?」


ケモナー「安心しろ、お前にとっておきの

武器を用意してある。」


そう言うと、空中にスカイブルーの

キーボードを出現させ、コマンドを

入力していく。

[/give @SoumaUmemiya sword_of_hope 1]


颯真「武器……?」


ケモナー「そうだな……言うなれば、それは希望のつるぎだ。」


颯真「希望の剣?」


ケモナー「あぁ、この世界の伝承に、己が

理想郷を創る為に創られたとされる伝説の

剣があるんだよ。」


コマンドを入力し終え処理待ちをしている。


颯真「で、その剣ってのが?」


ケモナー「コイツだ!! 来いッ! 希望の剣、ユートピアソード!!」


ケモナーが空中に手を翳すと、瞬く間に

黄色い六角形の魔法陣が出現した。


ユートピア『了……解……シタ。』


その魔法陣から、白に黄色い文字やラインが入った直剣が飛び出して来た。


颯真「エッ!?」


ケモナー「フン!」


剣を振り翳すと、太陽からの可視光線を反射して淡く虹色に輝いた。


颯真「それは……」


ケモナー「ユートピアソード。 文字通り

希望のつるぎだ。」


ユートピアソード、別名[希望の剣]。

この剣には能力が秘められている。

この剣は日光に翳すと、淡く虹色に輝く

サンドスターインゴットで作られている。


全身が黄色く、ルーン文字の刻印が彫られている。


武器の種類は、直剣寄りの刀である。


鞘も同様の素材で作られており、こちらは

黒く輝く。


刃は白銀に輝き、そこにもルーン文字の刻印が彫られている。


颯真「なんかどっかで見た事ある様な……」


ケモナー「気にするな!」(`・ω・´)キリッ


颯真「気にするわ!」


ケモナー「……互いに言葉足らずだな。」


颯真「だな。」


互いに見つめ合い、感情を共有しあった。


ケモナー「今のお前ならきっと……」


すると突然、ケモナーは考え込んだ。


颯真「……?」


ケモナー「……颯真、1つ聞きたい。

もしお前がセリオンあの子を解放したいなら、

お前が連れて行け。」


颯真「は……?」


突然の提案に、颯真は困惑した。


ケモナー「暴走したあの子をどうにか出来るのは、今の所お前しか居ないんだよ。」


颯真「……しかしだな……あの子が俺に

ついて来てくれる訳が……」


と、否定的な意見を出した颯真だが……


セリオン「行くよ?私も。」


ひょっこり出てきたセリオンの言葉に、

目が飛び出る程驚く颯真。


颯真「……えぇぇぇ!?ウッソだろお前!?本当に来るのか!?」


セリオン「だってこの人ケモナーと遊ぶの飽きちゃったし。」


ケモナー「いや火の玉ストレートやん……」


何気ない一言が、ケモナーの心を傷付けた。


セリオン「だって本当だし〜!」ブーブー


颯真「まぁまぁ……とにかく、自己紹介を

求むんだが?」


セリオンにそう言った。


セリオン「はいはーい!私の名前はセリオンだよ!取り扱い注意の火竜だからね!」


颯真「取り扱い注意……?」


セリオン「あの人が言ってたんだけど、

私にはかつて、世界を滅ぼす程の偉大な力を持ってたんだって。」


颯真「うん?なんか聞いた事ある様な……」


セリオン「今はガッチリ私の中に封印されてるんだけど、いつまた封印が解けるか分からないから、ここに閉じ込めてたんだって。」


颯真「なるほどな……だからか。」


ケモナー「何を言う、最悪の未来を無くす為に私は動いてるんだ。」


颯真「でも、もう1人で抱え込むなよ。

お前が過労死しちゃお先真っ暗だからな。」


颯真は少し小突く様にからかった。


ケモナー「はいはい、わかってるよ。

それより、これからどうする?お前のボディは満身創痍でヤバいぞ?」


颯真「……忘れてた。」


颯真は額に手を当てて悩ましい顔をした。


ケモナー「……アイツ探すか……」


ケモナーは何かを思い付いた様で、

再びキーボードを出現させる。


颯真「ん?アイツって誰だ?」


ケモナー「先ずはフィールドを解除しよう。」


[/tpa種類を指定  @e対象を指定 0 0 0場所を指定]

(/tpaは、/tpの次元移動版。teleportテレポート anotherアナザー Dimensionディメンションの略である。)

そうコマンドを入力すると、元いた檻の

場所へテレポートした。


ケモナー「全く……全能の権限が無いと

こうも不便になるかね……」


ケモナーは少し苛つく様に言った。


颯真「全能の権限……?」


ケモナー「……知りたいか?」


颯真「……まぁ、知りたいな。」


その疑問に答えるように、ケモナーは

真剣に話し始めた。


ケモナー「この世界をコマンド無しで

好き勝手に出来る権限。俺しか持てない様に出来てるんだが……」


颯真「だが……?」


ケモナー「バグの影響で、誰かの手に渡っている……それだけは確かだ。」


颯真「……あれ?もしかしてかなり大変な事になってる?」


唖然とする颯真に、ケモナーはこう言った。


ケモナー「漸く気付いたか能天気。そうだ。俺が持ってないという事は、世界が滅びかねない緊急事態って事だ。」


颯真「うそーん……」


ケモナー「だから何回も言ってただろ?」


颯真「何がだ?」


颯真は全く覚えて無い様だ。


ケモナー「あのなぁ……まぁ、仕方ないか。良いか?この世界は今滅亡しようとしてる。おk?」


颯真「おk!」


ケモナー「その理由は、全能の権限と呼ばれる重大なデータがバグの影響で、俺の手元を離れて誰かの手に渡ったから。おk?」


颯真「うん。」


ケモナー「だからお前には、仲間を探すのも良いが、全能の権限が誰の手に渡ってるかを調べて欲しい。良いか?」


颯真「あぁ、分かった。見つけたら報告する。」


ケモナー「ならば良し。じゃあ俺はバグの

解析と解消をやってみるから、お前は全能の権限が誰の手に渡ってるか探してくれ。」


颯真「……いや待て、見つけられるのか?」


ケモナー「見つかりやすい様に、お前に

鍵(全能の権限)を探す能力を与えた。見付けたら強調表示されるぞ。」


颯真「.....(・∀・*)なるほどな…」


ケモナー「じゃあ、最後に……」


ケモナーはもう1度キーボードを出現させ、

コマンドを打ち込む。

[/find @satuki_ichinose to souma_umemiya]


(@○○ to ★★は、見せるもの to 見せたい人の順で入力する。)


ケモナー「俺に出来るのはここまでだ。」


颯真「を?……彩月の姿と、その周りの景色が見えてきたぞ……?」


ケモナー「見えた景色の場所に行け。

その場所に彩月が居る。」


颯真「えらく近代的な町だな……」


ケモナー「じゃあ、ここいらで一旦お別れだ。負けんなよ。」


颯真「あぁ、負けはしない。必ず神国に辿り着いてみせる!」


希望の剣と禁書の竜を仲間にした颯真。

果たして、神国に辿り着く事が出来るのか!


続く!


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

〜後書き〜


小説の執筆が大変遅れてしまい、申し訳

ございませんでした。ケモナー1号です。


今日から、月1ペースで1話を書けて行けたらなと思います。幸運にも、病気とかには

罹患してないので、来月中に1話完成を

目指したいと思います。


なのでどうか首を長くしてお待ちください。

次回に続きます!

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