EP No.019「煉獄登り⑨」

~前回の最終シーン~


アスモ「本気出せば余裕だけど、、出したら面白くないよね〜。」

そう言って彼女アスモはニヤリとした。

旦那「どういう意味だ?」

アスモ「そのまんまの意味さー。」

旦那「?」


~前回の続き~


アスモ「君を堕とすのは、簡単じゃ無さそうだねぇ〜。」

旦那「はぁ、、どこぞの恋愛ゲームじゃあるまいし…。」

バール「今から君を堕とすよ〜♪」

旦那「堕ちて溜まるか。」


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

~覚醒の代償~


一方で颯真は、、、アンイン地方の基地で、無力にも横たわっていた。

颯真「、、、。」

ドール「颯真さん、、、大丈夫ですか?」

颯真「ダメだ…ピクリとも動けん、、、。」

死にそうな顔で返事をする。

ハクトウ「どうして動けないのかしら?」

颯真「恐らく、あの時だ。」

ドール「あの時?」

颯真「俺があと一歩でやられかけたその時、突如周りの時間が減速したんだ。」

ドール「それって、、、どういう?」

颯真「恐らく、集中力の延長線上にある何かなんだろうが、、、今は分からない。」

ハクトウ「火事場の馬鹿力って奴?」

颯真「…多分。だが、、それとはまた違った力だった。」

ハクトウ「どういう事?」

颯真「…力を発揮する直前、、、誰かの声が聞こえた。誰かは分からなかったが、それを聞いて、俺は生きる決意をした。力が溢れて止まらなかった。」

ハクトウ「、、、。」

ドール「私達の野生解放の様な物ですかね…それなら説明が付くんですけど、、、。」

ハクトウ「でもそれじゃ行動不能になる理由が説明出来ないわ…単純な野生解放なら、、サンドスターを消費するだけで、ここまではいかないわ。ならどうしてこうなったか、、つまり、野生解放とはまた別の、人間にしか存在しない能力を発動させた…と言う事しか考えられないわ。」

ドール「人間にしか…存在しない能力?」

ハクトウ「つまり、火事場の馬鹿力みたいな能力の事ね。颯が言うには、、私達フレンズにも備わっているらしいのだけれど。」

颯真「とりあえず、ミライ達と合流したいんだが、、、。」

ハクトウ「ダメよ、、、真面に動けない今は待つしか無いわ。」

颯真「能力の弊害か、、割とキツいな…。」

ミーア「今は…待つしかありませんわ。」

壁伝いにゆっくりと歩いて来た。

颯真「ミーアキャット!大丈夫か!?」

ハクトウ「貴方、出血が、、、。」

ドール「ミーア先生!大丈夫ですか!?」

ミーア「大丈夫ですわ…しかし動けない人が三人に対して二人しか居ないのは、、最悪な状況に近いですわ、、、。」

ハクトウ「最悪な状況ってなに?」

颯真「お前らが来なくて俺達しか居ないって状況か、更に俺が死んだ時の話だ。守る奴が一人も居ない状況こそが最悪なんだ。」

ハクトウ「、、、。」

ドール「…でも、颯真さんは能力を使えるんですよね、、、?」

颯真「ダメだ、、、さっきから、能力を発動しようとしても、発動出来ないんだ、、体が動かなくても、能力を使えば、、動けなくは無かったんだが、、あの時から一向に能力が発動出来ない、、、。」

ドール「そんな、、、。」

ハクトウ「でもやるしか無いわ。颯達が来るまで。私とドールで守り抜くわ。」

颯真「とりあえず、マイルカをこっちに。」

ドール「あっ、はい。」

彼女ドールは、マイルカを背負ってこちらに連れて来て、同じ部屋のミーアキャットの近くの床に寝かせた。

ミーア「足は動かせませんが…援護なら、、いけますわ、、、。」

ハクトウ「無理しないで。今は休むのが先決だし、第一貴方は怪我人よ。」

ミーア「、、、。」

ドール「そうです先生。大きな怪我をしたら手当をして直ぐに休むようにと言ったのは、ミーア先生じゃないですか、、、。」

ミーア「ハクトウワシさん、、ドール…。」

と、そこに、颯が帰って来た。

颯「皆無事かい!?」

ドール「はい!怪我人が二人居ますが…。」

颯「良かった、、それより、君は何で…?」

颯真「何か知らんが動けん、、、多分、暫くこのままだ。」

颯「…もしかして、、、君、、、。」

颯真「ん?」

颯「したんじゃない、、、?」

颯真「覚、、、醒、、、?」

颯「不完全な覚醒をしたから、、体が動かせないんじゃないのかい?」

颯真「不完全な、、、覚醒?」

颯「僕の記憶が正しければの話だけど、、、不完全なクリエイターは覚醒すると、体力が追い付かず、一時的に身体に障害が出るって本で読んだ事がある、、、。」

颯真「まさか、、、体力不足!?」

颯「君はもしかしたら技術だけがずば抜けて高い状態で、体力だけが低い事に気付かず、身体にダメージを受けたんだと思う。」

颯真「マジかよ、、、今の体力じゃ覚醒した時の負荷に耐えられないなんて、、、。」

颯「能力に依存しすぎたんだ。体力が衰えるのも無理ないよ。」

❊実はこの時の颯真は一般人と同等の体力をしている。

颯真「能力の使い過ぎも、悩みの種だな。」

颯「…贅沢な悩みだよ、、、全く…。」


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

❊ここで解説ッ!


クリエイターの覚醒時の能力は、以下の通りとなる。


必要な体力:平常時の約二倍

全体的な体力上昇:約五倍

知覚能力・反射速度:約五倍

空間把握能力:約四倍

情報処理能力:約五倍

┗相手の動きが5倍減速して見える。

継続時間:体力に比例する

┗使い過ぎると身体に弊害が出る。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

~ゴッドキラー~


颯真「…何か来る…ッ!」

彼の耳が何かを感知した。

颯「?何も聞こえないけど、、、。」

ドール「何か、、、来ます!」

ハクトウ「足音、、、?」

ミーア「いえ、、、一人ですわ、、、。」

颯真「この足音、、、聞いた事あるぞ、、、ヤバい、、、ヤバいぞ!皆ここから逃げろ!早く!」

切羽詰まった様子で話す!

颯「君はどうするんだ!?」

颯真「捨て置け…狙いは恐らく、、俺だ。」

ソロモン「やぁやぁ!フレンズの諸君!」

ドール「!このプレッシャー、、、ッ!」

ハクトウ「只者じゃない、、、ッ!」

ソロモン「私の名はソロモン。この世界の…創造者だ。」

颯真「ソロモンッ!…お前、、、一体何しに来やがったッ!」

ソロモン「分かっているだろう?君に止めを刺しに来たんだ。」

颯真「、、、ッ!」(まだ身体は動かない…このままじゃ、、、ッ!)

ソロモン「…これ以上動かれてはたまった物ではないよ、、、だから今消えて貰う。」

颯「なに、、、!?なんで神様が…ッ!」

ソロモン「言った筈だよ?彼に止めを刺しに来た。それだけさ。さっ、他の者は早く逃げたまえ。さもないと消える事になる。」

颯「いいや、逃げない。」

ドール「隊長さん!?」

ハクトウ「What!?何を考えて、、!?」

颯「神様に運命を決められるなんて、、それこそたまったもんじゃないッ!」

ソロモン「ほう、、、?」

颯「神様に運命を決められて死ぬ位なら、、自分で運命を切り開いて死ぬ方がマシだ!」

ソロモン「何をヤケになっているんだい?」

颯「知ってるか?この世界で一番命を奪って居るのは、、、人間でも、、天使でも、、、悪魔でも無い!神だ!」

ソロモン「反神論者か、、、。」

颯「この世界に、神なんて居ない!」

ソロモン「無神論者かな、、、?だが今、、目の前に居るじゃないか。」

颯「…自身の事を神と驕り高ぶるのは、、、堕落した人と何一つ変わりない、傲慢な人、そのものだ!お前は神じゃない!」

颯真「颯、、、。」

ソロモン「言ってくれるねぇ、、、?」

颯「神とは、人が創り出した、空想上の、、脆い生き物だ!」

ソロモン「、、、。」

颯「だから俺は、、、ッ!お前を倒す!」

そう叫んだ彼の身体が、黒く変化して行く!

颯真「!!あれは、、、ッ!」

颯?「神と驕る者よ、我が力にひれ伏せッ!我が名は、、、サタンッ!!!」

ソロモン「やはり君だったんだね。」

サタン「クリフォトの名において、、貴様を消滅させるッ!」

ソロモン「出来る物なら、、やってみな?」

サタン「消え失せろ。偽りの神よ。」

そう言った瞬間、、ソロモンが数百メートル先まで吹き飛んだ。

ソロモン「!!?」(一体…何が起こったと言うんだ、、、!?)

サタン「、、、。」

颯真「サタン!」

サタン「後は任せろ。」

サタンの左目にはⅠiの数字が出ていた。

颯真(お前もなってしまったのか、、ッ!)

心底悔しそうな顔をする。

ハクトウ「、、、。」

颯真「クソっ、、何も、出来なかったッ!…してやれなかった、、、ッ!」

自身の無力さに打ちひしがれていた。

ハクトウ「前を、見るのよ。」

颯真「、、、。」

ハクトウ「貴方には、こんなにも素晴らしい力があると言うのに、まだ何か望むの?」

颯真「あぁ…あるさ、、、それはな、、、力だけじゃ、、、到底届かない所にある。」

ハクトウ「力だけでは、、、届かない?」

颯真「…力だけでも…想いだけでも…。」

ハクトウ「、、、。」

颯真「大変な事になる前に、、、早く、、、行かなければ…ッ!」

無理矢理身体を動かして起き上がる。

ハクトウ「駄目よ!貴方、まだ身体が…!」

颯真「それがどうした…ッ!今動かなくて、助けに行かなくてどうするんだ、、、ッ!」

ミーア「今は、颯さんを信じて待つしか…」

颯真「ソロモンは、、、アイツだけじゃ、、敵わないッ!それは、俺が一番分かってる!だから助けに行く、、、ッ!」

ふらつきながら屋外へ出ようとする。

マイルカ「駄目、、、だよ、、、。」

彼女マイルカも、無理やり立ち上がり、制止をする。

ハクトウ「マイルカ!無理しちゃ、、ッ!」

マイルカ「君は、、、凄く強い、、、でも、それ故に、一人になっちゃうんだ、、、。」

颯真「、、、。」

マイルカ「フレンズやヒトは、、、一人じゃ生きて行けないんだよ、、、。」

颯真「だが、、、誰かが行かなければ、、、やらなければ、、、他の誰かが犠牲になる…そんなのは、もううんざりだ、、ッ!だから俺は戦う。より良い未来を創る為に…誰かが悲しい思いをしなくて済む様に、、、ッ!」

マイルカ「一人じゃ…無理だよ…。」

颯真「俺達なら、、、大丈夫だ。」

マイルカ「どういう事?」

颯真「…未来は、俺が創る物じゃない、、、皆で創る物なんだ。この世界で生きる、、、全ての者達と、創って行くんだ。」

マイルカ「、、、。」

颯真「行ってくる。」

ハクトウ「なら私も。」

颯真「駄目だ。ここに居る怪我人を守るのが最優先だ。」

ハクトウ「…貴方の、、未来に思いをかけるその覚悟を、私も見てみたいの。」

颯真「…後悔するなよ。」

ハクトウ「分かったわ。」

ドール「二人は、必ず守ります。」

颯真「頼んだ。」

ハクトウワシと颯真は、、、ソロモンの元へ向かった。その数分後、カコ博士が来た。

カコ「大丈夫か?」

ドール「はい、、二人が足に大怪我を負っていますが、、、何とか。」

カコ「そう。良かった。なら、私とドールでこの拠点を守るわよ。」

ドール「えぇ、、、でも戦えるんですか?」

カコ「こう見えても、CQCは出来るのよ。」

ドール「しぃきゅうしぃ?」

カコ「近接戦闘の事よ。 貴方達の言い方で言うと、、、爪で攻撃する…とかね。CQCは人間が人間に対して使う攻撃の仕方よ。」

ドール「なるほど、、、。」

ミーア「対人戦を想定した立ち回り、、、と言う事ですわ。」

カコ「彼が戻って来るまで、耐えるわよ。」

ドール「はい!」


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

~最終戦闘!?~


一方で颯真とハクトウワシは、、ソロモンの元へ向かっていた。

颯真「大分身体が動く様になった、、、。」

手をグーパーして確かめる。

ハクトウ「能力はどう?」

颯真「いけ、、、無くはない。」

ハクトウ「どっちなの?」

颯真「使えるが100%じゃないって所だ、、これじゃ援護しか出来ないな、、、。」

ハクトウ「…あの状態から援護出来る状態になっただけまだマシじゃないのかしら?」

颯真「確かにな。今度全開戦闘したら、、、意識飛ぶかもしれない、、、。」

ハクトウ「それだけは勘弁よ。」

颯真「善処する…しかし…お前が来てくれたのが少し嬉しかった、、、。」

ハクトウ「え?」

颯真「最初、俺に疑心暗鬼だったお前が、、俺を信頼して、真っ先に来てくれた、、、。それが嬉しかった。」

ハクトウ「…ミーアとマイルカの事もあったってだけよ…でも、正直に言うと、、貴方のそんな一面に私は憧れてたわ。それを正直に言えなくて、つい反発しちゃったの…。」

颯真「…お前がこうして他者を認めて、共に生きる決意をしたなら、もうお前は、偽りの正義を振りかざす様な奴じゃない。ハヤブサも認めてくれるだろ、、、。」

ハクトウ「そう…かしら。今からでも、、、間に合うかしら、、、。」

颯真「あぁ…間に合う…今からでも。十分に間に合うさ。」

少し悲しい顔をして、そう返事をした。

ハクトウ「居たわ!彼処に!」

颯真「!」

サタンとソロモンは完全に拮抗していた。

颯真「サタン!」

サタン「何!?なぜ来た?!」

颯真「お前は俺の仲間だって言った筈だッ!だから今、、、助けるッ!ハクトウワシ!」

ハクトウ「OK!颯真!Are you redy?!準備は良い?!

颯真「出来てるぜ!」

そう言うと、彼はゲートを作り出して、ハクトウワシを通過させ、アーマー形態に!今、彼女の革新が始まるッ!


━━━━━━━━━━

~正義の名のもとに~


ユニオン・フレンズはトリニティと同じく、腕と脚を畳み、合体準備状態へ!

ハクトウワシは、空力に特化した装備に変化して、畳んだ腕や足に装着する!

最後に専用のヘッドギアを装備して完成!


颯真「我は奇跡を起こす者!!」

ハクトウ「我は正義を示す者!!」

颯真「今交わりて、」

ハクトウ「正義の名のもとに、最善たる未来を切り開け!!」

颯真・ハクトウ「ケモ合体!!」

ハクトウ「正義を刻む空の王者!」

颯真「UFユニオン・フレンズ・ジャスティス!!」


━━━━━━━━━━

~正当進化~


ソロモン「ほう、、、まだこんな力を隠して居たなんてね、、、。」

サタン「フン!!」

片割れの剣で押し込む!

ソロモン「流石はクリエイター、、、だが、神である僕には、、、敵わないッ!」

強力な波動を飛ばして二人を弾き飛ばす!

颯真「なんてパワーだ…ッ!駄目だッ、、、近付けない…ッ!」

フルブーストをしているが、前に進めない!

サタン「この風圧、、、ッ!グアッ!」

剣を突き刺し堪えるが、吹き飛んでしまう!

ソロモン「僕に逆らった罰だ、、、ッ!」

颯真「罰は…お前が下す物じゃないぞッ!」

ソロモン「いいや、私が下すんだ、、、私は全知全能なのだから、、、ッ!」

颯真「全知全能は、、、この世界には、、、居ないッ!」

ソロモン「いいや、、、居るんだよッ!」

颯真「居てたまるかッ!」

ソロモン「この世界を司る者としてッ!私は君を倒さねばならないッ!!」

颯真「何故だッ?!」

ソロモン「この世界は私の世界、、、ッ!!身勝手に世界を変える君は、、ッ!害でしか無いのだよッ!!」

颯真「そんな事無いッ!」

ソロモン「あるのさッ!だからこうして、、私は君と戦っているッ!!」

颯真「俺は不必要な存在なのか?!」

ソロモン「そうだ!君が存在する限り、、、世界はめちゃくちゃになり続けるッ!」

颯真「!」

この時颯真は、ある事を思い出していた。


帽子の男〔そうだ、、、お前のせいでパークが滅茶苦茶だッ!〕

帽子の男〔お前の所為で、俺の予想した未来とは掛け離れた未来になったッ!〕

帽子の男〔そうやって、他の次元も滅茶苦茶にするんだろ!?〕


颯真「違う、、、ッ!」

ソロモン「私の描いた未来をぐちゃぐちゃにして、、、勝手に塗り替えて、、、ッ!」

風が急に止み、颯真の首を掴む!

颯真「グッ!」

ソロモン「…それが悪だと、君はなぜ分からないッ!!」

颯真「グァ、、、この、、、ッ!!」

颯真は全力で腕を首から引き離しに行く!

ソロモン「君は身勝手過ぎるんだよッ!自分の物差しで勝手に測って、それで満足してる愚かな者でしかないッ!」

颯真「違う、、、ッ!!」

ソロモン「それを悪とは知らずに、死ぬまで繰り返し、君はどれだけ世界を、未来をねじ曲げたら気が済むんだい?!!」

颯真「違う、、ッ!」

ソロモン「違わないさ!君の行った言動で…一体何人の命が犠牲になった?!!」

颯真「、、、。」

能力が解除された。ハクトウワシは颯真の体から押し出され少し離れた場に倒れ込む。

ソロモン「他者の命まで利用して、、自身の願いを叶え、挙句の果てには世界を壊すッ!それが今の君自身だッ!!」

颯真「違う、、、俺は、、、ッ!」

ソロモン「君が認めないなら、、認めさせるまでだッ!」

更に力を強める!

颯真「俺は、、、ッ!」

ソロモン「正義のヒーロー気取りで…世界は救えないッ!変わらないんだよ!」

颯真「変えてみせる、、、ッ!」

ソロモン「君はヒーローになれないッ!」

颯真「なってみせる、、、ッ!」

更に力を込めて引き離しにかかるッ!

ソロモン「なれるものか…ッ!君は、世界の破壊者!私は君を打ち倒し、世界を在るべき姿へと戻すッ!それが…私の使命だッ!」

ソロモンはただ、世界を守ろうとしただけ。

颯真「壊れてしまった世界への償いは、、、後で受けるさ、、、ッ!世界を変えた事への償いは、、、また、世界を変えることでしか償えない…ッ!」

ソロモン「君では無理だ…ッ!なぜなら、、この世界は、私が創ったからだ。この世界を知り尽くしている私なら1秒ともかからずに全てのバグを治す事が出来る、、、ッ!」

颯真「それじゃ駄目なんだッ!」

ソロモン「ダメじゃない…私ならッ!」

颯真「何故この世界にクリエイターが居るか分かるか、、、ッ?!」

ソロモン「?」

颯真「共に歩み、世界を創る為だ、、、ッ!だから俺は、、、世界を創る為に、、、戦い続ける、、、ッ!俺は言わば、、、不完全なプログラムで出来た生命体、、、だが、、、それこそが、俺を俺たらしめる物なんだッ!俺の輝き、俺の命、俺の運命の一部だ…!」

ソロモン「なら、ここで終わりだ…ッ!」

颯真「終わって、、、溜まるか、、、ッ!」

ソロモン「君の想いは分かったよ、、でも、この世界じゃ通用しない。力を失い、能力の無い人間として生きると良い。」

颯真(この世界を、、、変えるまでは、、、まだ、、、まだ終われねぇんだァァァッ!)

彼が掴んでいた腕を蹴り飛ばしたッ!

ソロモン「!?」(不意を付かれた…ッ!)

そのまま互いにバックステップをし、距離を取って様子を見る。

颯真「野生解放、、、全開ッ!」

ソロモン「誤算だった、、ッ!それほど醜く抗っていたとは、、、ッ!」

颯真「これが俺の…俺達の…ッ!!!けものミラクルだァァァァァァッ!」

そう、彼にも備わっていたのだ!


━━━━━━━━━━

~けものミラクル:今の俺に出来る事を!~


颯真「今の俺に出来る事を!」

そう言って颯真は地面がめり込む程踏み込みソロモンに急接近!

ソロモン「ッ!」(なんて速さだ…ッ!)

目に見えぬ速さでソロモンの胴体に5回もの打撃を食らわせたッ!

ソロモン「グッ!」

颯真「まだだッ!」

更に!両手に力を最大限込めて、、、地面を踏み込み繰り出す最大級の必殺技ッ!

颯真「ハイパーァァァッ!」

至近距離まで接近!

ソロモン「!!」(まずいッ!)

颯真「サンドスターァァァァァァッ!!」

地面を踏み込み最大限の力を両手に込める!

ソロモン(避けられないッ!)

颯真「ナックルゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

右手でボディブローを放ち見事に命中ッ!!

ソロモン「グゥゥゥゥッ!!」(だが、、、この程度、、、ッ!!)

ソロモンは打撃をくらって少し怯んだッ!!しかし!彼にはまだ、残っていた!

颯真「ウォォォォォォッ!」

残った左手で、顔面を殴ったァァァッ!

ソロモン「グアッ、、、!!」(2連打、、だとォッ!?)

颯真「これでェェェ!終わりだァァァッ!」

左手を振り抜き、数メートル殴り飛ばすッ!

ソロモン(なんという強さだ、、、ッ!)

地面を転がりながら数メートル吹き飛ぶ!

颯真「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ。」

息切れしながら何とか立っている。

ソロモン(流石に、、、攻撃を喰らいすぎた様だ、、、ッ!駄目だ…立ち上がれない。)

精一杯立ち上がろうとするが、無理だった。

颯真「どうする、、、?まだ、続けるか?」(ぶっちゃけもう動けない、、、早く、逃げちまえよ、、、ッ!)

息切れしながらソロモンに問いかける。

ソロモン「まだやるさ、、、ッ!」(相手も疲弊してる、、、ッ!倒すなら今だ…ッ!)

颯真「そうか、、、なら、かかって来い!」(おいおいマジかよ、、、ッ!)

ソロモン「…ッ!今、、、立ち上がって、、お前を、、、。」

ソロモンはそのまま意識を失った。

颯真「やっとか、、、クソっ、、、。」

ドサッ!

彼はサンドスターを使い過ぎたのかその場に倒れ込む。全く動けない様だ。

颯真(くそッ、、、今の俺じゃ、、、アイツに食らいつくだけで精一杯なのかよ…ッ!)


弱さを知り、、真実を知り、、彼の旅はまだ始まったばかりである。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

~クリフォトの賢者の復活~


アスモ「居る、、、近くに、、、ッ!」

旦那「、、、!」

アスタロト「とうとう来たか、この時が。」

サタン「我らの運命を導く者、、、。」

ベルゼバブ「、、、。」

ナヘマー「はぁ、、、。」

バール「来ましたねぇ、、、!」

リリス「私を創った者、、、。」

ルキフグス「しょうがないな〜。」

ベル「ここでダラダラしてたい、、、。」

十人の選ばれし悪魔が陣を描き呼び出したるアークデーモンの名は、クリフォト!

クリフォト「、、、。」

アスモ「お待ちしてました、クリフォト様。何なりとお申し付け下さい。」

クリフォト「やぁ、私の使者達。先ずは、、私を蘇らせてくれてありがとう。それと、、私が蘇ってしまった、、、という事は、、、やはり世界は変わりませんでしたか…。」

アスモ「はい。天使達は未だに武を捨てず、地獄へ度々進軍しています。」

クリフォト「それはいけないねぇ、、まるで変わっちゃいないねぇ、、、。」

アスタロト「どうやら天使達は、、サタンを狙っていた様です。」

クリフォト「そうか、、私の弟子を狙うか…だが、ここで焦ってはいけない、、、焦ればあちらの思う壷だ、、、だからと言って手をこまねいていては何も始まらない、、、。」

旦那「なぁ、どうすんだよ?」

旦那以外のクリフォトの使者一同「!!?」

クリフォト「はっはっはっはっ!これは随分元気な子だなぁ!私はその程度で怒ったりはしないよ。」

サタン(なんて事を、、、っ!!)

旦那「あと、俺の奥さんどうにかしてくれ。誘惑されまくって困ってんだ。」

そう言ってバールを指さす。

バール(えぇぇぇ!?ばんなそかな!?)

クリフォト「そうかそうか、、これは迷惑をかけてしまったね…バール、その体を、主に返してあげなさい。」

バール「は、はいッ!」

すると身体が分離して、リョコウバトが解放された。

旦那「あと、この能力の事だ。」

クリフォト「ん?」

旦那「俺にこの能力は要らない。返すぜ。」

クリフォト「それはまたどうして、、?君にとっても害は無いはずだが?」

旦那「俺が使うと能力が腐る。」

クリフォト「ほう、、、?」

旦那「なんてのは冗談で、はっきり言うと、俺は別の世界から来た。だから、能力貰ったままじゃ、、、帰っちまうと永遠に返せなくなるからな。」

クリフォト「そうか。だが、、それは無理な相談の様だ。」

旦那「…?何でだ?」

クリフォト「君の能力と生命は直に、密接に繋がりあっている。つまり、、君から能力を奪えば、君は消滅してしまうんだ。だから、そんな事は出来ない。これで良いかな?」

旦那「あぁ、、、分かった。ありがとう。」

クリフォト「さて、じゃあどうしようかな…なんなら今からでも送り返す事も出来なくは無い筈だ、、、そうだろう?」

ケモナー「気安く私を呼ぶな、、、。」

旦那「うわ!!いつの間に!?」

ケモナー「まぁ、、、そうだな、、、一つ、助言をするのであれば、、君は生き返ってもこの世界に居る事になる可能性が高い。」

旦那「どうしてだ?」

ケモナー「現在、この世界は非常に不安定で何時崩れるか分からない。この状態こそ奇跡と呼ぶに相応しいな。では、この状態で君を帰還させた場合、、、どうなると思う?」

旦那「やべー事になる。」

ケモナー「その通り。だから君はしばらく…と言っても、1~3ヶ月程ここに居なければならないのだよ。」

旦那「リョコウバトは?」

ケモナー「それは私の管轄外だ。」

旦那「は?責任逃れか?」

ケモナー「担当が違うのでな。詳しくは、、睦月に聞いてくれ。」

旦那「睦月って誰だ?年月か?」

ケモナー「黒くて君の体位大きい鎌を持っている少年だ。匂いで直ぐ分かるだろう?」

旦那「鎌使うのか!?それと匂いって?」

ケモナー「血腥い匂いがする。」

旦那「、、、。」

ケモナー「あと一つ忠告しておくが、食事中は絶対に話しかけるなよ?死ぬぞ。」

旦那「何となく想像してしまった俺を許してくれ、、、。」

ケモナー「大方予想通りだよ。」

旦那「なっ、、、なにぃ!?」

ケモナー「彼はね、〈耳打ち中…〉だよ。」

旦那「お〜う、、、こりゃ刺激の強い…。」

ケモナー「この程度で吐かれて貰っては私の手に負えないぞ?」

旦那「前の俺なら確実に吐いてた。うん。」

ケモナー「あと、颯真と共に天国へ行け。」

旦那「行けるのか?」

クリフォト「君なら行けると思うよ?」

サタン「なら、我も同行させて欲しい。」

ケモナー「…あの姿を使うのか?」

サタン「無論だ。」

ケモナー「そうか。では、これにて私はお暇させて貰おう、、、。」

クリフォト「いつもご苦労さまだね。」

ケモナー「常勤と言うだけだ。」

そう言ってケモナーはテレポートした。

旦那「はえ〜、、、すげえな。」

クリフォト「じゃあ私達は地獄に居るから、後で報告お願いね。あっそうそう。君に、、忘れ物を。」

サタン「?」

ドサッ!

転移して出てきたのはボロボロになった姿の颯真だった。

サタン「随分と、、、。」

クリフォト「彼も仲間、、、なんでしょ?」

サタン「有り難き行動に感謝致します。」

彼はそう言って颯真を背負った。

アスタロト「私も行きたいが仕方あるまい…それと、、、壮年よ、、君に一つ聞き忘れた事がある。」

旦那「なんだ?あとその呼び方やめてくれ。俺には旦那って言う名前があるんでな。」

アスタロト「そうか。では旦那、、一つ君に聞きたい事がある。」

旦那「?」

アスタロト「君は何故戦う?」

旦那「何故って、、、そりゃ、、、う〜ん…愛する人、、、リョコウバトを守る為だ。」

アスタロト「質問が少々悪かったな。なら、こう聞こう。君は何がしたい?」

旦那「…何がしたいかって、、、そりゃ、、生き返ってハト丸やハト音に会いたい、、会って、ただいまって言ってやりたい。」

アスタロト「…そうか。君はとても家族想いなんだな、、、。」

旦那「他人に関心される義理はねぇよ。」

アスタロト「また会ったらその時は、、君の思い出話を聞かせてくれないか?」

旦那「かなり先になると思うけどな…まあ、悪くねぇか、、、。」

そう言って旦那はリョコウバトを背負った。

旦那(重っ、、、リョコウバト、、やっぱり鍛えてたんだな、、、。)

リョコウバトの体はフレンズとは思えない程屈強な筋肉が付いていた。その為か、体重が少し増加していた。

サタン「では、ここからは我、いや、、私が案内しよう。天国の頂天、至高天まで!」

二人切りの旅が、、、今始まるッ!

To Be Continued...


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

~後書き~


え、、?終わり方が雑?伏線回収してない?下手くそなんで許して。どうも、、ケモナーです。これにて、煉獄編は終わりとします。え…?颯真の意識が無い?これは大変。でもそれが天国編なので、、、天国編では颯真とリョコウバトがダウンした状態で物語が進みます。もしかしたら、颯真とリョコウバトが復活するかも?そんな訳で、次回も、宜しくお願いします!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る