EP No.017「煉獄登り⑦」

~前回の最終シーン~


颯真「さて、移動しよう。」

女王「あぁ。ルーラー。」

ルーラー「了解です。女王様。」

ウォン、、、ジジジ、、、。

そう言うとルーラーはポータルを開き、別の場所へと続く空間を作り出した。

女王「付いてきたまえ…案内しよう。私達の住処、基、生命の塔を。」

ルーラー「こちらです。」

彼女ルーラーが先導して出口まで案内する。

颯真「頼む。」


~前回の続き~


三人がポータルを潜り抜けた先、、、それはセルリアンの住処だった。それは塔の様な形をしており、壁一面にセルリアンが居る。

颯真「これが、、、セルリアンの、、、。」

女王「そうだ。外にはファージセルリアンが見張っている。もっとも、、ヒトがこちらに侵入してきたのでな。」

颯真「まさか、、ファージセルリアンが外に居るって事は…ここは煉獄の塔なのか!?」

女王「煉獄の塔?」

颯真「あぁ。俺達が探していた場所だ。」

女王「なら幸運だったな。だが、その目的は何だ?」

颯真「この塔を登って、更に上の世界へ。」

女王「更に上の世界?」

颯真「そうだ。そこが俺達の目的地…世界の頂き〈天国〉だ。正確には、その上の世界、〈神国〉に向かわなきゃならないが…。」

女王「ハッハッハッハッ、、、ハッハッハッハッ、、、ハッハッハッハッ!」

塔の中央で、女王は高笑う。

颯真「?」

女王「随分興味深い話だ、、私達下界の民を束ねる者が居るのか?」

その知識を聞いた女王は、ニヤける。

颯真「いや、、、正確には、束ねるというと違うが…」

女王「ほう?なら支配か?」

颯真「そうじゃない!ただ…」

女王「ただ…?」

颯真「世界をより良くする為に…」

女王「より良くする為に、、、だと?聞いて呆れるな、、、君はどうやら世界を一部しか見ていない様だ、、、。」

颯真「?」

女王「なら、ここにヒトが攻撃してくるのはどう説明するのだ?」

颯真「、、、。」

女王「我々を殲滅しようとしてくるのは?」

その問いに、彼は黙るしか無かった。

女王「我々を除け者にするのは?!一体誰だというのだ?!」

それは変え難い事実だったからだ。

女王「その根源は何だ?」

????「もう良い、、、女王。全ては私のシナリオにある。」

塔の影から現れた白い衣装、、、。

女王「誰だ。」

ケモナー「そう事を荒立てるな。」

女王「君は、、、!?」

颯真「だ、、、誰だ!?」

ルーラー「全身が白い、、、?」

ケモナー「争いで解決するのは私のシナリオには似合わないのでね。」

女王「誰だ君は、、、。」

ケモナー「私か?私に名乗る名前は無い。」

女王「なら、何故ここが、、、。」

ケモナー「簡単な話だ。私がこの世界を創造した。それだけだ。」

女王「!?」

颯真「…ソロモンがこの世界を創ったんじゃ無いのか?」

ケモナー「正確には、私が創り出した世界をソロモンが改変しただけだ。」

颯真「いや、何故か見覚えがあるぞ…お前、何処かで、、、。」

ケモナー「おっと、、、記憶処理が甘かったかな?それとも勘が鋭いだけか?」

颯真「記憶処理、、、!?一体どういう…」

ケモナー「必要な情報のみを保存すると言うのは、、、複雑で苦手だな。」

ケモナーが、空中に弧を描く様に擦るなぞると、そこにキーボードが現れた。

颯真「お前、、、一体何をッ!」

ケモナー「私は。」

キーボードにコマンドを入力する。

颯真「!?」

ケモナー「そう、この世界に私は居ない、、居なかったのだよ。」

コマンドを打ち終えた。

颯真「うっ、、、!頭が、、、ッ!」

女王「一体、、、何を、、、。」

ドサッ!

ルーラー「女王、、、様、、、。」

ドサッ!

颯真「おい、、、待て、、、よ、、、。」

意識が朦朧とする中、颯真は必死にケモナーを制止する。

ケモナー「まだ耐えるか…。」

颯真「あぁ、、、当然だ、、、こんな事を…して、お前はそれで、、、良いのかよ!」

ケモナー「あぁ。この世界の為なら。」

颯真「お前、は、、、世界を良くする為に…居るんじゃ、、、無かったのか、、、ッ!」

ケモナー「、、、。」

颯真「…応えろ!」

ケモナー「今の君に知る権限は無い、、。」

颯真「他者を欺いて、、、自分を隠して、、お前は、、それでも良いのかよ、、ッ!!」

ケモナー「、、、。」

颯真「お前は、、、それでも、、、。」

ドサッ!

颯真は気絶してその場に倒れ込んだ。一方で彼はタロットカード〈大アルカナ〉で占っていた。先ずは今の出来事について。

ケモナー(恋人の逆位置…間違った選択。)

二枚目を引く。次はこの先の未来について。

ケモナー(隠者の逆位置…閉鎖、、、。)

そうして彼はこう結論付けた。

ケモナー(今のはするべきではなく、この先閉鎖的になってしまう、、、か。)

そして彼は三枚目を引いた、、、今度は何をすれば良いのかについてだ。

ケモナー(吊るされた男の正位置…忍耐、、今は耐えろ、、、か。)

そう思った彼は、行動に移す。

ケモナー「さて、時間を少し巻き戻そう。」

パチン!

指を鳴らした瞬間、時間が元に戻った。

ケモナー「これで世界は崩壊しない。これで良い、、、これで、、、。」

そう言い残したケモナーは虚空へと消えた。


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~意識~


二人は花畑に居た、、、四季折々の花々が、美しく咲き誇っている。

颯真「う、、、うぅ、、、ん?」

その花達に埋もれる様に、彼は意識を失っていた。

ピアサ「起きて。」

颯真「お前は、、、ピアサ、、、。」

ピアサ「またあったね、颯真。」

颯真「あぁ、、、。」

ピアサ「なんで来たの?」

颯真「え?」

ピアサ「君は、、、女王を信用した結果、、裏切られてここに居る、、、でしょう?」

颯真「…違う。」

ピアサ「違う?」

颯真「あぁ。女王は俺の話を聞いてくれた。聞いた上で否定した。女王は仲間を守る為に生きていたんだ。その為にはらどんな手すら厭わない、、、それが女王の信念だ。」

ピアサ「聞いた上で否定、、、。」

颯真「女王の意思は、、願いは、、しっかり聞いた。だから今は争っちゃ駄目なんだ。」

ピアサ「どうする気?」

颯真「両陣営に停戦を呼びかける、、それが駄目なら無理にでも、、、ッ!」

ピアサ「貴方はメシアなんでしょう…?ならもっと平和的に解決出来る筈だわ、、、。」

颯真「、、、。」

ピアサ「貴方の輝きで、真の闇を照らして…闇は貴方のすぐ傍まで迫っているわ…。」

そう言った瞬間、彼女は、光の粒子となって消えた。

颯真「おいッ!…。」

?????「行きましょう…貴方が信じる、正しき未来の為に。」

颯真「お前は、、、ユニコーン!!」

ユニコーン「私は可能性の獣、希望の象徴…貴方が何を望み、何を願うのか、、、それをまだ聞いていませんでした、、、。」

颯真「俺は、たとえ強欲でも良い、他者から蔑まれようとも、、、自分が信じた道を進み続けたい。時間を戻せなくても、、、奇跡を起こせなくても良い。仲間を、皆を守るならどんな絶望とだって戦って見せる。それが、俺の信念だ。だから俺は、、、行くよ。」

ユニコーン「分かりました。この先貴方が、どんな絶望に当たろうとも、私が、私達が…貴方の願いの為に、、、でしょう?比翼。」

そう言われて現れたのは、比翼の鳥、、、。


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久しぶりに解説入りマース!


比翼の鳥とは?〈この物語での容姿〉


身体系:右目と右翼しかない幻獣のフレンズ

左翼は元々無い。左目は前髪で隠している。

右翼は髪色と同じく、茶、金の順で根元からグラデーションがかかっている。

尾羽は鳳凰と近い物が4,5本が生えている。

身体自体はある。


髪色:上記と同様


虹彩:右が金左が茶色のダイクロイックアイ

※ダイクロイックアイとは、一つの目の中で虹彩が左右ではっきりと違う目の事。


肌色:アジア系の黄色じみた茶色〈薄め〉

体の所々に切り傷がある。


衣服系:赤系のゴスロリ

全体的な容姿としてはゴスロリのワンピース〈全体的に赤系統で、腰部に大きな黒リボンが付いたもの〉を着ており内側にドロワーズを着用。白いロングソックスに茶色のブーツ〈紐付きの物〉を履いている。踵の高さは、約2cm、つま先は1cm。


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~片翼の幻獣~


比翼の鳥「初めまして、、、比翼の鳥です。宜しくお願いします、、、。」

そう言って彼女は深々と頭を下げた。

颯真「俺は颯真、、エゾオオカミの颯真だ。宜しくな。」

比翼の鳥「宜しくお願いします。」

ユニコーン「比翼の鳥は、まだ、この世界に生まれたばかりなの、、だから貴方が導いてあげて。」

颯真「分かった。これから沢山の事を俺と…いや、俺達と学んで行こう。な〜に、今からでも遅くは無い。少しずつ学んで行こう。」

比翼の鳥「はい!」

颯真「それでだが、、一々比翼の鳥比翼の鳥って言うのは面倒だ。だからお前に渾名、、いや、呼び名を付けたい。」

比翼の鳥「呼び名、、、?」

颯真「あぁ。何か丁度良い名前は無いかな…なぁユニコーン。お前ならどう付ける?」

すると、彼女ユニコーンは少し考えてこう言った。

ユニコーン「鶼鶼けんけんなんてどうでしょう?」

颯真「うん。そうだな。多分それが一番。」

ユニコーン「貴方はどう付けるんですか?」

颯真「…ひーちゃん。」

比翼の鳥・ユニコーン「、、、。」

颯真「だろうな。」

彼は半ば察した様な表情をした。

颯真「そんな事はさて置き、、、鶼鶼、お前にはパートナーが居る筈なんだ。」

比翼の鳥「パートナー、、、?」

颯真「例えば俺とユニコーンみたいな。幻獣ってのは、パートナーが居るから存在出来る訳であって、、、パートナーが居ない幻獣はそもそも存在出来ないんだ。だからお前にもパートナーが居る筈、、、。」

比翼の鳥「…私には誰が誰だか、、、。」

颯真「なら一緒に外に行こう。お前と一生を過ごしてくれる奴が居るはずだ。」

ユニコーン「ですがどうやって探すんです?情報も無しに探すのは、、、。」

比翼の鳥「いえ、良いんです、、、。」

少し焦り気味に返事をした。

颯真「ん?何でだ?」

比翼の鳥「良いんです、、、今、、この時が幸せですから…それで。」

颯真「ん???まるで意味が分からん、、、どういう事だ?」

ユニコーン「、、、。」

比翼の鳥「とにかく、良いんです。」

ユニコーン「…そうですね。」

一角獣は何かを感じ取った様だ、、、。

颯真「ユニコーンまで、、、どうしたんだよお前ら、、、。」

彼は不安そうな表情になる。

ユニコーン「行きましょう。貴方はやるべき事があるでしょう?」

一角獣は彼を急かした。

颯真「…分かった、行くぞ。」

比翼の鳥「…はい!」

ユニコーン「えぇ、行きましょう。」

三人は元の場所へと戻る。


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~比翼の鳥と連理の枝~


颯真はセルリアンの住処へと戻って来たが、そこに女王が立ち塞がる。

颯真「女王、、、お前は生きようとしてる…だが、それだけじゃ駄目なんだ。」

女王「ふん、、、私は種の保存にしか興味が無い。君の論理とやらは、いまいち合理性に欠けるのだ。」

颯真「、、、。」

女王「存在しない何かを信じて戦うとは、、実に愚かしい物なのだよ!」

颯真「心は生き物に、普遍的にある。」

女王「ほう?ならばそれを証明してみせろ。お前の論理とやらで。」

颯真「俺が昔いた世界には、、様々な種族が居た。ヒト、フレンズ、セルリアン、天使、悪魔、神、幻獣、アンドロイドの全てが、、感情を持っていた…生きていたんだ。」

女王「ほう?アンドロイドが生きていた…?機械的生命体であると?」

颯真「そうだ。」

女王「なら感情が存在しないロボットは?」

颯真「生きている。」

女王「お前は動く物であれば生きている、、そう言いたいのだな?」

颯真「…実際はそれに近い。宇宙も、俺達を乗せて生きているかもしれないんだ。」

女王「それは何故だ?」

颯真「これは普遍的に言える事だがあらゆる要因は辿って行けば原初…ビックバンにまで遡る事が出来る、、これを決定論と言って、この主張を元にピエール=シモン・ラプラスによって提唱された理論がラプラスの悪魔…神にも等しい存在が考察されたんだ。」

女王「なるほど、、、ではそれとほぼ全てが生きている事と、どんな関係があるのだ?」

颯真「…あぁ、、だから宇宙が誕生したのも何らかの要因があった筈なんだ。それを俺は意思がある筈と考えている。」

女王「意思…?」

颯真「そうだ。神様然り、創られた物には、意思が存在するんだ。少なくとも、この世界はそうだった。だから俺はこう考えた、、、全てに意思は存在する…と。」

女王「ふん、少々非現実的だが、面白い、、だがどう証明する?単なる論理的思考では、証明するには至らないぞ…?お前の提唱した説は聞いた感じではそう簡単な事では無い。だが…あるのだろう?その方法が。」

颯真「あぁ。1つだけ。だがそれは、、今は出来ない…皆の力が必要だ。」

彼の言葉に、女王の記憶が反応した。

女王「少し、、、君に関する昔の記憶を思い出した…。」

颯真「!?」

女王「どうやら、私と君は、、以前出会ったらしい…それもかなり最近だ。」

颯真「思い、、、だしたのか?」

女王「あぁ。あの時、私は彼女の為に動いていた。輝きと言う、、失われた物を取り戻す力を集める為に、、、。」

颯真「、、、。」

女王「だが、、今は関係ない。セルリアンを統べる者として、今を生きる。」

颯真「じゃあ、、、協力してくれるか?」

女王「勿論だ。それ以外に何がある?」

颯真「…ありがとう、、、女王。これで…」

ルーラー「そんな事させないわ。」

二人の友としての結びに、彼女ルーラーは水を差す。

女王「何…?」

颯真「ルーラー、、、。」

ルーラー「…セルリアンとしてのプライドがあるわ。フレンズ風情に分かってたまるもんですか、、、ッ!」

颯真「今戦っても、お前に勝ち目は無い。」

ルーラー「それはどうかしら?」

すると、何体かルーラーの背後から表れて、ルーラーと一体化した。

颯真「!?」

女王「自身の身体に取り込んだか、、、。」

ルーラー「これぞ私の能力、、セルリアンを統べるに相応しい能力よ!」

ルーラーの各部位が強化されている。

女王「そうだな。だが、だからこそ、お前は何時まで経っても女王になれないのだ。」

颯真「…どういう事だ?」

女王「私は、、元々小さなセルリアンの一塊でしか無かった。だが、ある時、私の身体に変化が起きた、、突然変異だ。人の様な体を手に入れた私は必然と女王になった。人間の輝きを手に入れなくとも…な。」

颯真「そんな事、ありえるのか?」

女王「長年進化してきた動物達とは違い私も最初は困惑した。だが順応した、、、それが進化たる所以だろう、、人やフレンズがその体系を変えてゆく様に、セルリアンもまた、進化する。その中で、最も優れたセルリアンこそ私だったのだろう、、だから私は女王になった、、、なってしまったのだろう。」

颯真「でも、お前が女王で良かった、、と、俺は思う。なぜなら、お前が誰よりも優れた観察眼と、それを思考し、正しく選択出来る能力を持っていたからだ。」

女王「分かりやすい戯れ言はよせ、、、今はルーラーを止めるぞ。」

颯真「分かった。」

彼は能力を起動させ戦闘態勢に。

ルーラーを止めるべく、二人は戦う!


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~悪魔と死者~


一方で旦那はバルバトスと共にハシュマルを止めようとしていた。

ハシュマル「どうした?その程度か?」

旦那「チッ、ビームがうぜェ、、、。」

バルバトス「なら砕く?」

旦那「いやダメだ、無力化が好ましい。」

バルバトス「でも、これじゃ埒が明かない…どうする気?」

旦那「アイツに腹パンすりゃ一撃だろ。」

バルバトス「はぁ〜、、、クソデカため息本当に?」

旦那「あぁ。勿論だ。」

バルバトス「じゃ隙作るから一撃頼むよ?本当に大丈夫だよね?」

旦那「あぁ。任せろ!」

旦那から黒いオーラが発生!

ハシュマル(何だ、、、悪魔の力か?)

バルバトス「ハァッ!」

大型のメイスで殴りかかる!

ハシュマル「この程度!」

いとも容易く回避する!

旦那「まだまだァ!」

着地直後を狙って殴る!

ハシュマル「甘いッ!」

素手でカウンターし、旦那に一撃を与える!

旦那「グッ!」

少し怯む!

バルバトス「どこ、、、見てるんだ?!」

背後からメイスで殴りかかる!

ハシュマル「フン!」

バルバトスの脇腹に一撃を入れた!

リョコウ「!」

バルバトス「グッ、、、。」

二三歩バックステップで下がる。

ハシュマル「無駄な抵抗はよせ…傷が増えるだけだぞ?それでも戦うのか?」

旦那「俺のリョコウバトを守れるなら、、、傷の1つや2つ、、、どうって事ねぇッ!」

息を切らしながら返事をする。

バルバトス「こっちはずっと待ってたんだ…お前が現れるのを、、、ッ!!お前が俺から全てを奪ったあの日から、、、俺は、怒りで今日まで生きてきた、、、お前が憎くて、、憎くて、憎くて憎くて憎くて、、、どうにかなりそうだった、、、でも、、それも今日で終わりだ…俺はお前を倒す…殺すんだよ。」

ハシュマル「ふっ、だがその体でどう戦う?お前達の身体は既に満身創痍、、二人がかりでも俺を倒す事は出来ない、、、。」

旦那「それはどうかな、、、?」

ハシュマル「…何?」

旦那「俺が普通の人間じゃねぇ事、、忘れてねぇよな、、、?」

ハシュマル「あぁ。だが弱い、、、これでは相手にもならない。」

旦那「俺が弱い、、、?違うぜ…俺がお前に勝てないのは、俺がお前を殺す訳じゃなく、お前を倒す…ぶちのめす為に戦ってんだ。」

ハシュマル「ほう、、、?では手加減をしていた、、、と?」

旦那「俺の妻と、、、約束したんでな。」


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~約束~


旦那が悪魔化し、移動中の出来事、、、。

リョコウ「ねぇ貴方、、、。」

旦那「何だ?」

リョコウ「私と約束して、、、。」

旦那「約束、、、?」

リョコウ「この力は、皆を守る為に使う、、誰かを傷付ける為に使わないって、、、。」

旦那「この力について、俺はまだわかっちゃ居ない、、、なんならこの世界に来てから、右も左も分かったもんじゃない、、、だが、もし、お前が危険な目に遭ったら、、、俺は迷わずこの力を使う。俺は、お前を守る為に戦う。だからお前は、安心して後ろから見ていてくれ、、、。」

リョコウ「分かりましたわ、、、。」


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~覚悟~


ハシュマル「約束か、、忌まわしい物だ。」

旦那「俺はお前を止める。」

ハシュマル「お前達は私が処分する。」

バルバトス「違うんだよ、、それを決めるのはお前らじゃない、、天使達や悪魔達じゃないんだよ。」

ハシュマル「何、、、?」

ソロモン「そうさ、、、僕が決める。」

ハシュマル「なっ、、、ソロモン様!?」

ソロモン「ハシュマル…君はやりすぎだ、、事もあろうか人間に手を出してしまった、、やはり主天使は不完全な存在か、、、。」

リョコウ「貴方、、、一体誰、、、。」

ソロモン「僕はソロモン、、、柱の悪魔達を司る神…と言ってもまだ不完全だけどね。」

リョコウ「神様、、、?」

ソロモン「そうさ、バルバトスも僕の能力の一部にしか過ぎない、、どうやらその反応だと、既に出会ったみたいだね。」

リョコウ「えぇ、、、アスタロトさんと、、アンドロマリウスさん、、、。」

ソロモン「ほう?あの二人が、、、。」

バルバトス「で、どうするの?」

ソロモン「う〜ん、、、どうしたい?」

バルバトス「もうこの際殺意も失せた、、、どうでも良いや、、、。」

そう言ってバルバトスはメイスをしまった。

ソロモン「旦那は?」

旦那「なっ!俺の名前を、、、!?」

ソロモン「君の名前は聞いてるよ、、、彼女からね。」

そう言って茂みから出てきたのは、、アスモデウスだった。

アスモ「やぁやぁ、また会っちゃったね。」

リョコウ・旦那「!?」

ソロモン「アスモデウス、、君が居て本当に助かったよ。」

アスモ「いや〜それほどでもあるかな〜♪」

ソロモン「それじゃあ、僕達はこれで。」

指を鳴らしてリョコウバトと旦那以外をTPさせた。ソロモンは魔法陣で転移した。

旦那「、、、。」

リョコウ「貴方!」

彼女が心配そうに駆け寄る。

旦那「行くぞ、リョコウバト。」

リョコウ「え、えぇ、、、。」

二人は走って颯真達の所へ向かう。


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~二人の矜恃~


颯真「お前は、何故戦う、、、。」

彼女ルーラーを見て、彼は質問責めにする。

ルーラー「何故って、、、?」

颯真「種を存続させる為か?」

ルーラー「違うわ。」

颯真「他者を排斥する為か?」

ルーラー「違うわ。」

颯真「自分が生きる為か?」

ルーラー「違うわ。」

颯真「じゃあ、何故戦う。お前は何を求めて戦う?」

ルーラー「それは…輝きを集める事よ。」

颯真「輝き、、、?」

ルーラー「全ての輝きを集め、完全体になる事よ!」

そう言って波動を飛ばす!

颯真「ッ!」

女王「、、、。」

ルーラー「そうよ、、、私はルーラーセル…セルリアンを司る者よ!」

背中から鳥の翼、尾骶骨から鞭の様な尻尾、両手甲には鉤爪が生えた!

颯真「何じゃありゃ、、、!?」

女王「どうやらあいつが取り込んだのは鳥、蛇、犬の輝きだった様だな。」

颯真「冷静に分析してる場合か!とにかく、能力を、、、!?」

女王「どうした?」

颯真「能力が、、、使えないッ!」

ルーラー「フッフッフッ、、、ハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!!」

女王「なるほど、、セルリアンを司る奴は、クリエイターに対して特効なのか…。」

颯真「仕方ない、、、久しぶりに、、生身で戦うか、、、。」

そう言って彼は黒刀三日月を生成した。

女王「武器生成が出来るのか?」

颯真「サンドスターさえあればな。」

ルーラー「御託はそこまでよ!貴方の輝きは最高に、、、輝いているわ♪取り込んだら…さぞ強くなれるでしょうね♪アッハハハ♪」

颯真「はぁ、、、クソデカため息あれ使うか、、、。」

女王「あれ、、、とは?」

颯真「天照大御神よ、、我が身に宿る浄化の炎で、敵の悪意を焼き尽くし給えッ!」

そう言って抜刀した瞬間、刀身が物凄く燃え盛り、眩く輝いた。

ルーラー「ッ!何なの、、、この輝きッ!」

女王「ッ!…眩し過ぎて、、、見えんッ!」

颯真「まさかお前にこれを使う事になるとは思いもしなかった…消え去れ!悪意よッ!」

ルーラー「グァァァッ!!力が、、、抜けて行くッ!嫌、、、嫌ァァァァッ!」

ルーラーセルが白くなって行く!

颯真「切るまでも無かったな。所詮その程度だったって訳だ。」

ルーラー「こんな奴に、、、私が、、、ッ!フレンズごときにッ!グァァァァァァッ!」

すると全身が白くなって倒れた。

女王「これは…伝承にあった…太陽の力ッ!まさか、、、持っていたなんてッ!」

颯真「もう良いか、、、。」

そう言って発光を止めて納刀する。数秒後、ルーラーセルは起き上がり辺りを見回した。

女王「まさか、悪意を消し去ったのか?」

颯真「あぁ、、強大な悪意を持った敵に対抗する為、俺はこの力を貰った。」

女王「本当に存在したとはな、、、。」

颯真「だが、乱発は出来ない。俺自身に負荷がかかり、寿命を縮めてしまう、、、。」

女王「なるほど、、、人間故の障害か…。」

颯真「悪意が消滅したか、、今一度、真偽を問おう。お前の目的は何だ、、、。」

ルーラー「私は、、、私は、女王様に仕え、女王様と共に、、、セルリアンを纏め上げる事です。女王様、何なりとご命令を。」

そう言ってお辞儀をした。

女王「ルーラーよ、現時刻を持って命ずる。各地のセルリアンを呼び戻せ。」

ルーラー「畏まりました。」

そう言ってルーラーはゲートを作り出して、各地へテレポートした。


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~ドールとハクトウワシ~


ルーラーの命令で逃げていたドールは、琉球地方の最南端に居た。

ドール「…ハッ!」(…私は、、、一体何をしていたんでしょう、、、何をしていたか…確か、隊長さんに言われて、、シェルターに向かっていたんでしたっけ、、、。)

と、そこにハクトウワシが飛んできた。

ハクトウ「ドール!!何処に居るの!?」

ドール「ハクトウワシさん!?ここです!」

ハクトウ「見つけたわ!探したのよ!」

そう言いながら着地する。

ハクトウ「今までどこ行ってたの!?」

ドール「いや、あの、その、、、それが、、分からないんです。」

ハクトウ「分からない、、、?」

ドール「はい、、、隊長さんに言われて、、シェルターに向かっていた筈なんですが、、人型のセルリアンに出会ってから、、記憶が無いんです。気付いたらここに、、、。」

ハクトウ「え?じゃあ、その人型セルリアンに操られてここに居るの?」

ドール「多分、、、。」

ハクトウ「ドール、やはりセルリアンは、、倒すべき敵、、、殲滅しなければ、、、。」

ドール「、、、。」

ハクトウ「行くわよドール、、私達の隊長が待ってるわ。」

ドール「はい!」

二人はシェルターへと向かった。


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~ハヤブサとセーバル~


セーバルはハヤブサを連れてシェルターへと向かっていた。

セーバル(ハヤブサ、、、君はまだ、本当の世界を見るまでには至っていないみたい。)

ハヤブサ「っ、、、私は、、、。」

セーバル「起きた?」

ハヤブサ「!?」

驚いて空を飛びながら距離を取る。

セーバル「元気だね。良かった。」

ハヤブサ「セルリアン、、、ッ!」

セーバル「心配しないで、私はクリエイターだよ。君達と、私達と、手を繋ぐ存在。」

ハヤブサ「まさかセルリアンからも発生するなんてね、、、!?あれは!?」

セーバル「セルリアンの大軍、、、これは、煉獄の塔に、、、!?」

ハヤブサ「させないわ!」

攻撃しようとしたその瞬間!

セーバル「駄目だよ、攻撃しちゃ。」

ハヤブサの前に出て、首を横に振り、行動を抑止する。

ハヤブサ「セルリアンの味方をする気?」

セーバル「違う。私は君と、私の仲間と、、争って欲しくない。」

ハヤブサ「それは言い訳にしか過ぎないわ…そう言ってセルリアンを守る気でしょう?」

セーバル「うん。でも、君達も…」

ハヤブサ「やはりセルリアンなのね。」

と、食い気味に話す。

セーバル「、、、。」

ハヤブサ「セルリアンは、、、殲滅すべき、私達の敵よ!」

セーバル「違う。仲良く手を取り合える皆の仲間だよ。私はそれに気付いたんだ。」

ハヤブサ「セルリアンは、、仲間ですって?冗談じゃないわ!あんな、意思の欠片も無い生き物が!?」

セーバル「…そろそろ怒るよ?」

ハヤブサ「…私の仲間は、、、セルリアンに殺されたのよ!それを、、、今更捨てる事は出来ないわ!」

セーバル「じゃあ、、、その仲間の名前は?フレンズだったんだから覚えてるよね?」

ハヤブサ「それは、、、ッ!」

セーバル「確かに、仲間を殺されて、大切な者を亡くして、悲しまない人は居ないって、教わった。悲しまない人は、きっと、もっと大切な物を失っているんだって、、、。」

ハヤブサ「大切な物、、、?」

セーバル「私の能力は知覚させる事。失って気付く事もあるんだよ。」

セーバルの瞳が、青く、星が並んで、、、。

ハヤブサ「何、、、これ、、、!?」

セーバル「私の能力で、、貴方に悪意を知覚させた…貴方の身体から、オーラの様な物が出てる、、、それが悪意だよ。」

それは、真っ黒く浮き上がるものだった。

ハヤブサ「これが、、、私の、、、悪意、、嘘、、、どうして、、、どうしてこんなに…黒いの、、、!?」

セーバル「悪意とは、知覚しにくい物だと、彼から教わった。だから、私が知覚させる。過ちを犯させない為にも。」


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❊ここで解説ッ!


セーバルの能力は、させる能力です。

例えば、ハヤブサに能力をかけた様に、ある特定の感情等を対象者のオーラとして、浮き上がらせる事が出来ます。


例)

悪意のオーラの度合い

薄(善人)↔濃(悪人)

無色(善)↔黒色(悪)

普通は若干からまあまあ出るくらい。

ドス黒いと大悪党。無色だと聖人。


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~悪意とは~


ハヤブサ「嘘よ、、、こんな、、、ッ!」

セーバル「君は今、自分に巣食う悪意を知覚した。今度はそれを駆逐する番だよ。」

ハヤブサ「そんな、、、私は、、ッ!偽善者だったというの、、、!?」

セーバル「無意識の内に、君は悪意にその体を乗っ取られて居たんだよ、、という暗示をかけられてね。」

ハヤブサ「え、、、?」

セーバル「思い出して…君は何故戦うのか。何故、セルリアンをそれ程までに憎むのか。何故怒りに震えているのか。」

ハヤブサ「私は、、、ッ!?」

ドクン!

ハヤブサの鼓動が、一瞬大きく動いた。

セーバル「君は元から一人の筈だよ?」

ハヤブサ「違う、、、ッ!」

セーバル「じゃあ殺された仲間の名前が言えないのは?まさか、、ショックで忘れたとは言わせないよ?だって、君はハクトウワシとオウギワシ、オオタカとしか友達として付き合ってなかったよね?全員生きてるし、まだ寿命を迎えてない。じゃあ、死んだのは誰?となると幻覚しかなくて、、使う者はかなり限られてくる。上位の幻術を使う者…そう、クリフォト…それかソロモンだね。でも、、旦那の事や颯真の事を考えれば、クリフォトが妥当だね。そろそろ出てきなよ、、相手になってあげるから。」

この一連の流れでハヤブサの中にある何かが目覚めた。クリフォトだ。

ハヤブサ?「いや〜…バレちゃった?名推理だねぇ?流石クリエイターだ、、、。」

セーバル「やっぱり、、、ハヤブサから出て行って。」

ハヤブサ?「嫌だな〜。全く、、、もう少し楽しんで居たかったのにさ〜。」

セーバル「君の名前は?」

ルキフグス「僕の名前はルキフグス、、言いづらいからシェリダー拒絶でも良いよ?」

彼の右手にはi3が黒く光っていた。

セーバル「拒絶、、、。」

ルキフグス「そっ。実体化してるのはサタンとアスモデウス、アスタロトと僕だけ、、、まっ、その内増えるんだけどね。」

セーバル「何をしようとしたの?」

ルキフグス「彼女を使って遊んでただけさ。ちょっと悪意を弄ってね。」

セーバル「弄る、、、?」

ルキフグス「そうさ。僕は他人の悪意を弄る事が出来るんだ、、、無くす事も出来るし、最大限にする事も出来る。まっ、、専ら取り憑くか目を合わせるかしないと発動出来ないけどね。」

セーバル「、、、。」

ルキフグス「さて、、この体にも飽きたし、君に取り憑こっか。」

セーバル「、、、ッ!」

彼女は身構える。

ルキフグス「なんてね、、実は君に聞きたい事があるんだけど、この辺りで君に似た様な人物を見かけなかったかい?セルリアンで、黒くて、まさに君の色違いの様な。」

セーバル「!?」

ルキフグス「知ってるみたいだね。じゃ聞くけど、どの辺に居た?」

セーバル「…分からない。」

ルキフグス「分からない?本当に?」

セーバル「…どこに転移したか分からないんだけど。」

ルキフグス「う〜ん、、何処に行ったかだけでも分からない?」

セーバル「確か、セルリアンの住処に行く…とか言っていたかも、、、。」

ルキフグス「住処、、う〜ん。それだけじゃ分からないね、、、仕方ない、、、探すか。協力してくれる?」

セーバル「分かった。協力する。」

二人はルーラーセルを探しに飛び回る。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

~女王の信念~


颯真「よし、、これなら何とか戦いが終わりそうだ、、、。」

女王「そうだな…それよりお前のその右手首に着けているのは何だ?」

颯真「ファージセルリアンだ、、いつも俺の行動を見ている。な?」

その呼び掛けに、ファージセルリアンは反応し、返答をする。

ファージ①「そうですね、、、右手首に装着されてからこれまでの貴方の行動を見させて頂いてますが、実に合理的な判断です。」

女王「そうか…世界は広いな。」

颯真「だな。この世界はまだまだ知らない事が溢れて止まらない。最高だ。」

女王「まるで研究者だな。」

颯真「そうか?まっ、変わる前の世界じゃ、俺の知る限り研究者は三人居たんだがな。」

女王「ほう?しかし多種多様なんだな、お前の世界は。」

颯真「あぁ。人間に似た種族が二種類居る位だからな。」

女王「多種多様な種族社会か…興味深いな。実現出来るかどうかを除けば、の話だが。」

颯真「あぁ、、、それを創るには、余りにもハードルが高すぎる。それぞれの価値観、、それぞれの倫理観、、全てを1つにするには物凄く時間がかかる。だが、それが俺の目標なんだ。仲間を見つけて、この世界を全ての種族が幸せに生きて行ける様にする…その為には、少しずつ段階を踏む必要がある。」

女王「だが、、世界を変えてしまえば、その被害に遭う者達もいる筈だ。」

颯真「あぁ。分かってる。だが今は、仲間を見つけてアイツを止める事が先決だ。そしてその為には、この不毛な争いを止める。辞めさせる。二度とさせない。」

女王「覚悟したのか?」

颯真「あぁ。アイツと約束したんだ。」

そう言って刀を見つめる。

女王「、、、。」

すると、颯真の通信機から通信が流れる!

???[メーデメーデ!隊長さん、、ミライさん!今、アンイン地方の支部が、襲われてますわ…!今、私とマイルカさんが戦ったんですが、、足の筋肉を切られてしまって、、どちらもここから動けませんの…敵は、基地の外で、こちらの様子を伺ってますわ、、、出来るなら…来て欲しい…ですわ…。]

ドサッ!

という物音と共に通信が切れた。

颯真「!!」

女王「行くのか?」

颯真「あぁ。止めに行く。しばらくアンイン地方の基地に行く。」

女王「分かった。お前の目的を果たせ、、、その、託された願いを。」

颯真「あぁ。行ってくる。」

そう言って彼はアンイン地方へ向かった。

果たしてアンイン地方の基地を襲った敵とは一体誰なのか、、、次回に続く!

To Be Continued...


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

~後書き~


どうも、第二回テストが終わって、一安心なケモナー1号です。次の節からミニコーナーを実施したいと思います!楽しみにしていてくださいね!

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