EP No.015「煉獄登り⑤」
~前回の最終シーン~
ドール「はい、、、無人のフェリーに乗るんですけど、、、船は大丈夫ですか?」
ルーラー「それでは時間がかかり過ぎるわ。転移しましょう。」
ドール「転移、、、ですか?」
ルーラー「このゲートを通れば、、、直ぐに目的地に着くわ。」
~前回の続き~
二人は黒いポータルを潜って、琉球地方へと向かった。
ルーラー「どう?」
ドール「凄いです、、、隊長さんにも見せてあげたいです!」
ルーラー「そう…でも私がその…隊長さんと出会ってしまえば、私が排除されるわ。」
ドール「でも、最近フレンズとセルリアンの間の子みたいなフレンズが居ますよ?」
ルーラー「それは知っているわ。彼の戦闘力も確認済よ。」
ドール「知ってたんですか?」
ルーラー「そうね、、、ここに来る前から…かしらね。」
ドール「へぇ、、、凄いです!」
ルーラー「そう、ありがとう。やっぱり、、私の初めてのお友達は貴方で良かったわ。」
ドール「あ、ありがとうございます///」
ルーラー「だってこんなにも頼もしい友達は他には居ないわ。」
ドール「えへへ…///」
ルーラー「私はね?ドール。貴方とお友達になって、一つ思った事があるの。」
ドール「はい、、、何でしょう?」
ルーラー「貴方…セルリアンにならない?」
ドール「セ…セルリアンですか?」
その言葉に、ドールは動揺した。
ルーラー「えぇ…セルリアンになるの。」
ドール「、、、。」
ルーラー「私と同じ、、、仲間になるのよ?貴方は何時も、、、同類と群れを作りたいと願っている…それを叶えてあげるわ。」
ドール「群れを、、、?」
ルーラー「そう、、、セルリアンの群れ、、貴方はその一部になるのよ?」
ドール「でも、、隊長さんや、ミーア先生…マイルカちゃんやハクトウワシさん、ミライさん、サーバルさん、アライグマさん、、、私には、、、仲間が、、、。」
ルーラー「私は貴方がセルリアンになる事を強制しないわ。考えて置いて。」
ドール「、、、。」
ルーラー(それに貴方は、、この戦いでもうじき消える運命なのよ…彼の手によって…)
ドール(私には、、、かけがえのない、、、仲間が居る、、、でも、、、このまま、、、何もしないままなのは、、、嫌です…。)
ルーラー「急ぎましょう。」
ドール「えぇ。」
二人は早足で歩いて行く…と、そこに!
セーバル「行かせない。」
草むらから
ルーラー「セーバル、、、。」
ドール「セ、セーバルさん!?」
セーバル「ルーラー、何をしようとしてた?ドールを、何の為に?」
ルーラー「貴方には関係無いわ。これも全て女王様の為よ。」
セーバル「……ルーラー、嘘つき。ドール、操ってる。目的、他にある。」
ルーラー「貴方の能力は便利で良いわね。」
セーバル「セーバル、聞きたい事ある。何故ドールと、一緒?」
ルーラー「あら、話して何になるのかしら?この子は渡さないわよ?」
セーバル「分かった。セーバル、ルーラー、倒す。倒して話聞く。」
ルーラー「っ!…逃げなさいドール!」
ドール「え、、、わ、分かりました!」
セーバル「セーバル、魔法、使う。」
ルーラー「分かってるわよ?魔法陣ね、、、重ね掛け可能、、、厄介だわ。」
セーバル「
ルーラー「その程度ッ!」
地面から、壁型のセルリアンを出現させて、攻撃を防ぐ。
セーバル「なら、
今度は紅い魔法陣の前に一重で橙色の魔法陣が出現して、攻撃を強化している!
ルーラー「耐えるのよ!」
これも防ぐ!
セーバル「仕方ない…セーバル、、ちょっと本気だす。」
ルーラー(来るッ!なら、、、ッ!)
セーバル「
紅い魔法陣の周りに十個の強化魔法陣が出現して、とんでもなく大きい火球が出たッ!!
ルーラー「それは、、、対策済よ!」
すると、
ルーラー「アブソーブ!」
右腕から盾が出現して展開する!
セーバル「どうかな、、、。」
とんでもなく大きい火球を、、、投げたッ!
ルーラー「グッ、、、ウゥゥ、、、ッ!」
その火球を全て吸収した!
セーバル「う〜ん、、、。」
すると、その時!
颯真「ここかッ!」
ガサガサッ!
茂みの中から彼が現れた!
ルーラー「!?」
セーバル「?」
颯真(一体、、、ここで何を、、、?)
セーバル「セーバル、君、知らない。でも、なんか、既視感ある。」
颯真「セー、、、バル、、、なのか?」
ルーラー(来てしまった、、、。)
セーバル(何だか、優しい、キオク、、。)
ルーラー「!?」
颯真(セーバルの瞳が、、、虹色に、、!?クリエイターでも無いのにか?)
セーバル(でも、オモイダセナイ、、、。)
颯真(なにか、、、何かマズイ!)
ルーラー(ここは一旦、、、ドールと合流を優先、、、いや、折角出逢ったのだから、、少し聞きたい事もあるわ、、、。)
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セーバル(ナンダロウ、、、コワイ、、、?デモ、コワクナカッタ。)
段々と思考が変異して行く。
セーバル(オモイダセナイ、、ワカラナイ…コワイ、、、コワイッ!イヤッ!タスケテ!シニタクナイッ!!)
???(じゃあさ、君の見るもの全て、、、破壊しちゃえば〜?形が無くなるまでさ♪)
誰かが話しかけて来た、、、。
セーバル(エ、、、?)
???(嫌いだよね?妬けちゃうよね?)
まるでそれは、悪意の塊である。
セーバル(ダメ、、サーバルトノヤクソク、マモレナイ、、、。)
???(そっか〜♪フフ♪じゃあサーバルが居なければ良いんだね〜♪)
セーバル(ダメ、、、サーバル、シンユウ…ハカイ、サセナイ、、、ッ!)
???(楽になりなよ〜♪君はさ…いつまでそうしてるの?素直になりなよ♪)
セーバル(イヤ、、、ダメ、、、アァ、、、ダメ、、、。)
???(アッハハ♪そんな君に試練だよ♪)
セーバル(エ、、、?)
???(僕の名前はレヴィアタン、、嫉妬を司る悪魔の名前さ。まぁリヴァイアサンでも構わないけどね♡)
ケタケタと笑いながらその悪魔は名乗った。
セーバル(セーバル、キイタコトアル、、、アクマの、、、ヒトリ、、、。)
レヴィ(そうそう♪そんな君に、取捨選択をさせてあげよう♪優しいでしょ?)
セーバル(、、、。)
レヴィ(今から君にある物とある物を何方か選んで切り捨てて貰うよ?)
セーバル(?)
レヴィ(まぁ理解しなくても、直接送るから分かるよ。それ!)
セーバル(!?)
レヴィ(安心して?害はないよ。)
セーバルは困惑したままだ。
レヴィ(さて、君は、、、完全にフレンズになって〈死〉と〈痛み〉の恐怖を得るか、、感情と記憶を取り除き、、セルリアンとして永遠に生きるか、、、選んで貰うよ?)
セーバル(セーバルは、セルリアンの、、、でも、本当にフレンズじゃない、、、。)
レヴィ(そう♪それが問題なんだよ♪つまり君は半端な存在さ。可哀想だね〜wフレンズからは、〈セルリアンだから〉って除け者にされてさ〜♪セルリアンからは〈フレンズの味方だ〉って嫌われてw)
セーバル(セーバル、そんな事無い。皆、、凄く暖かい、皆友達。)
レヴィ(本当にそうかな〜?僕ってば相手の心がオーラで見えちゃってさ〜w君の周りの友達は何人かを除いて皆ドス黒いよ〜?)
セーバル(違う、皆、優しい。)
レヴィ(じゃあ聞いてみなよ。僕の能力を、一時的に使わせてあげるよ、、、それで皆の本心を聴くと良いさ、、、本当に後悔しても良いなら、、、ね。)
セーバル(セーバル、皆、信じる。)
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一方の颯真達は、思考を続けていた。
颯真(…まさか、、、こんな所でセーバルに会えるなんて、、、しかも前より強いッ!)
エミカ(でも、あの子、何か様子が変だよ?まるで…何か探してるみたいに…セリアンは何か分からないの?)
セリアン(私に聞かれてもな、、、だが、、セーバルは先程の様な感じかもしれない。)
颯真(…大罪者に取り憑かれてる?)
セリアン(その可能性が高い。)
エミカ(そうだとしたらどうしよう、、、?もしかしたら、またビースト化したり…?)
颯真(可能性はなくは無い、、、だがあれはフレンズ限定だからな、、曖昧な存在であるセーバルは、元々セルリアンだった…でも、ある事がきっかけでフレンズに近くなった。それを鑑みると、有り得なくはない。)
セリアン(だがどうする?今のままでは、、セーバルは崩壊するぞ?)
颯真(様子を見るしかない…はっきり言ってそれ以外出来ない。)
エミカ(わかった。僕もそうするよ。)
そして、ルーラーセルはこう考える。
ルーラー(きっと彼は戦う気は無いんだわ…だから、様子見をするに違いない、、、と、なると…私も待機した方が身の為ね。)
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セーバル(セーバル、フレンズになる。)
レヴィ(本当に?昔の自分…いや自分自身を捨てるんだよ?…それとも…痛みを知らないから言えるのかな〜?)
セーバル(え?)
レヴィ(じゃ、痛みを知ろっか。)
嫉妬の悪魔が指を弾くと、セーバルの全身に激痛が巡った。
セーバル(ッ!!?)
あまりの痛さに倒れ込む!
レヴィ(これが痛みだよ、、セルリアンでは味わえなかった苦痛だよ、、、。)
セーバル(これが…痛みッ!)
レヴィ(じゃあ、この痛み受けた上で、、、なりたいのはどちらかな?)
セーバル(、、、。)
レヴィ(あらあら、、、黙り込んじゃった…早く決めないと、君死んじゃうよ〜?まっ、僕には関係のない事だけどね〜♪)
そう言ってケタケタ嗤う。
セーバル(そ、そんな、、、。)
レヴィ(友達を選ぶか、自分を選ぶか、、、今は君の番だよ?)
セーバル(、、、。)
レヴィ(怯えちゃった?アハハ♪そっか〜♪じゃあ、、、死んじゃおっか♪)
セーバル(待って…ッ!死にたくない!)
レヴィ(そう、、、それが死ぬ事の恐怖ッ!これからフレンズになる君は、毎日毎日、、その傷付く事の痛みと、死ぬ事への恐怖で、震えるんだよ?!)
セーバル(、、、。)
レヴィ(じゃ、君を暴走させるよ♪このまま自滅しちゃえ!!)
セーバル(!?)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
すると、
セーバル「グゥゥゥゥッ!!!ヴァァァ!!ギシャァァァァッ!!!」
颯真「まずいッ!!」
瞬間的にユニオン・フレンズを起動させて、セーバルを抑え込む!
ルーラー(これは、、、一体!?)
颯真(やばいッ!力強すぎだろ!?)
セリアン(パワーが今までの比じゃないッ!押し返されるぞ!)
エミカ(待ってて!今行く!)
セリアン(待て!今行ったら危険だぞ!?)
エミカ(ならどうするのさ!?)
颯真(…今のアサルトレイダーならば、、、コンビネーションアタックでセーバルをどうにか出来る筈だ。)
セリアン(だが、、、それだけではパワーが足りない。となれば、、、。)
エミカ(だね。)
颯真(当分は使わない予定だったがな、、、一か八か!やるぞ!)
エミカ・セリアン(了解!)
そう言った彼はミライに通信を入れる。
颯真[聞こえるか!?こちら颯真!敵の幹部らしき者と遭遇した!そいつはドールと行動していた!恐らく操っていたかもしれない!そこにセーバルも居たが、急に暴走を初めて暴れているッ!何とか抑えてはいるが、、、暫くそっちに行けない!直ぐに済ませて行くからもう少しだけ持ち堪えてくれ!]
ルーラー「!?」
ミライ[分かりました!こちらが済んだら、直ぐにそちらに向かいます!]
颯真[いいやダメだ危険過ぎる!普通の人間が立ち入ったら死ぬぞ!]
ミライ[え、、、?]
颯真[ミライ達はシェルターを守ってくれ!俺も後からそっちに行く!]
ミライ[、、、分かりました。]
ここで二人の通信が終わる。
ルーラー「何故貴方は私達を止めるの?」
颯真「あん?そりゃあ、止めたいからさ!」
ルーラー「理由になってないわよ!」
颯真「俺は何も失いたくない、強欲な男さ!だから皆を守るし、今の自分が出来る全ての事を最後まで尽くす!それが俺、、、いや、俺達、ユニオン・フレンズだ!」
エミカ「そうだよ!」
超小型の飛行機が戦車を吊るして来た!
セリアン「だから私達は、、、。」
颯真「限りない希望と可能性を生み出せる!だからこそ!俺達は強欲なんだッ!それが罪って言うなら!一生背負い続けてやる!力を手に入れる事が悪なら!俺は死神にでも悪魔でも、何にでもなってやる!!行くぞ!」
エミカ「分かった!」
セリアン「了解!」
レヴィ(じゃあさ、これならどうかな〜?)
セーバル「ヴヴヴ、、、ギシャァァァッ!」
すると、
エミカ「させないよ!」
肩に備わっているSSビームライフルで触手を全て撃ち落とす!
セリアン「颯真!」
ルーラー「させないわ!」
彼にけも合体をする様に声をかけるが、
エミカ「言ったよね?!させないって!」
腕に備わっているバーニアを使ってルーラーセルの顔面にパンチを喰らわせる!
ルーラー「ぐふぅ!」(強いッ!)
颯真「今だ!けも合体するぞ!」
エミカ・セリアン「了解!」
そう、合体は彼の掛け声で始まる!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
~初の
颯真「アサルトレイダー!クロスモードッ!けも合体、初め!」
エミカ・セリアン「了解!」
彼の指令が入ると、ユニオン・フレンズは、ジョイントを展開し脚と腕を畳む。(肘は下向きでVの字になる様に後ろ向きに畳み、肩が前に芹出して手とくっ付き、腕は肘の外側から下腕のジョイントが展開、脚は下脚から下を曲げて、膝上にジョイントが展開して、足は尻とくっ付く。)
セリアンは元々の脚部の状態から全身の装甲へと変形。(上腕脚を保護する物と、新しく下脚を接続する。盾は左下腕に装備。)
エミカは元々腕部の状態から、四肢や背面のバーニアやブースターと装備している火器に変形した。(バーニアはセリアンの装甲の上から四肢に接続。ブースターは、Xの字を横倒しした様な型に、火器二種のライフルは肩の後ろ側に銃身を下側にして接続、ミニガンは右腕、ビームガンは両側の腰に一つずつ、下向きに接続する。)
ユニオン・フレンズの装備している、ロングブレードを左手に装備して、センサー付きのヘッドギアを装着して完成!!
颯真・エミカ・セリアン「我ら、蒼空と大地を駆ける者!」
セリアン「三位一体となりて、強大なる敵を討て!」
エミカ「けも合体!!」
颯真「邪悪なる意思を打ち砕く三つの力!UF・トリニティver.Ⅰ!!」
ルーラー「あれは、、、!?」
颯真「これが人間とフレンズとセルリアンの絆の結晶だッ!!」
ルーラー「絆、、、?」
颯真「行くぞッ!!」
エミカ(行っけぇ!フルバースト!)
背中側にある銃身を前方に展開!ミニガンの銃身を高速回転させて、相手に当たらない様に掃射する!
颯真「今のは威嚇だ!次は当てる!」
レヴィ(あらあら、、、ここまで進化してるなんてねぇ、、、?)
セーバル(なら、、、答えは一つ、、、!)
レヴィ(ん?)
セーバル(彼の様になりたい。)
レヴィ(!)
セーバル(彼の様に、、、強くなりたいッ!皆を助けられる様な、力を手に入れたい!)
レヴィ(、、、はぁ〜、、、妬けちゃうねぇ全く、、、分かったよ、僕が出来る限りの事はするけど、後は知らないからね!)
セーバル(、、、ありがとう。)
レヴィ(!べっ別に、君が気に入ったとか、そんなんじゃないんだからね!、、、僕は、役目を果たしただけだからね///)
セーバルは笑顔で頷いた。レヴィは照れ隠ししながら魔法を発動する!
レヴィ(ふぅ、、、地の獄より眠りし力よ、我が大罪の力を持って戒めの門を開き、その強大なる力で、正義を求む者に、力の片鱗を与えよ!
セーバル(ウッ!!ヴァァァァ!!)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
~選択せよ!~
セーバル(、、、ここは?)
彼女は神殿の中に居た。両側にあるステンドグラスから、神々しい光が差し込んでいる。まるで礼拝堂の様な仰々しさを感じる。
????『選べ、、、。』
神殿の一番奥に座る老人が彼女に話しかけて来た。まるで神父の様な姿だが人間としては余りにも老けている。
セーバル(?)
????『その身に力を宿すという事は、、力によって引き寄せられた運命を、、、我が身一つで、受け入れると言う事なのだ。』
その老人は彼女に語りかける。
セーバル「運命、、、?」
????『だが、一人では、この力を授かるには余りにも
※憐憫とは、可哀想等の言い回しである。
セーバル「、、、。」
????『遥か昔から存在する創造者の力…それは、生きる者全てに受け継がれなければならないのだ。』
セーバル「受け継がれる、、、力?」
????『そうだ、、、だが、その力が、、悪意ある者に受け継がれてしまった場合…』
セーバル「場合…?」
????『軈てこの世界は崩壊を始め、、、全てが消え去るだろう、、、。』
セーバル「、、、。」
すると、彼の姿がみるみる若返って行く!
セーバル(!)
????『では、問おう、、君は、彼と同じ運命を、力を受け入れる覚悟はあるか?』
その姿こそ、宗教的な白帽子に垂れ下がった白い一枚布で頭全体を覆い隠し、白い神父の服装を着こなし、それでいて首には十字架のネックレスが掛けられている、、、その服の殆どが白い、まるで信仰者のような姿、、、そう、ケモナーである。
ケモナー「と、言ってもだ、、、君の回答はもうわかって居る。」
セーバル「ア、創造者、、、サマ、、、。」
ケモナー(創造者?その様な設定をした覚えは無いが、、、独自に内部データが変化しているのか?)
ケモナー「あぁ。今回は私から君にギフト…と言っても形のない物だがね。それを渡そうと思って話の展開を変えさせて貰ったよ。」
セーバル「?」
ケモナー「クリエイターの能力、、それは、全てを創る能力、、、自身を在るべき姿へと変える能力。」
セーバル「??」
ケモナー「君が欲していた力だよ。」
セーバル「!!」
ケモナー「さぁ、先ずは基礎からだ。時間は動いてないから、存分に練習したまえ。」
セーバル「あの、、、教えては、、、?」
ケモナー「クリエイターの能力は自分の真の姿と表裏一体、雑念が入れば、自身の形成は困難を極めるぞ?」
セーバル「そう、、、。」
ケモナー「なら、彼のでも見たらどうだね?彼なら参考になると思うが…どうだろうか?それで差し支えはないだろう?」
そう言って見せたのは資料。
セーバル「え?見たい!」
ケモナー「ではこれを。」
そう言って渡したのは、颯真の能力や形態等の情報が詰まった資料集。本人がどの様な姿を取ったのか。どの様な戦闘スタイルなのか等が乗っている。
ケモナー「現状で私が持ち合わせている彼の能力についての資料だ。」
セーバル「…この、幻獣って、、、?」
ケモナー「人間の間で、古くから伝わる幻の獣の事だ。」
セーバル「私、幻獣と、友達になりたい!」
ケモナー「友達…か。なれるかな、、、?」
セーバル「なれるよ!だから、私と一緒に、一緒に歩んでくれる幻獣が欲しいの!」
ケモナー「困ったな、、私の知っている限りの範囲では、、、いや、いるとも。」
セーバル「え?いるの?」
ケモナー「あぁ、、、彼女の名は比翼の鳥…一つの目と片方の翼しか持たない鳥だ…。」
そう言いながら〈幻獣神話〉を読んでいる。
セーバル「え?片方しかないの?」
ケモナー「あぁ、目も羽も、片方だ。」
セーバル「何で片方なの?」
ケモナー「私に聞かれてもねぇ、、、。」
セーバル「でも、セーバル好き。」
ケモナー「比翼の鳥が?」
セーバル「うん!セーバルこの子にする!」
ケモナー「ペットじゃ無いんだぞ?」
セーバル「分かってるよ、、、セーバルが、一生可愛がるから!」
ケモナー「…そうか。なら大丈夫だろう、、セーバル、現時刻を持って幻獣〈比翼の鳥〉の正式なパートナーとして認める。君には、幾つかの責務が課せられる。」
セーバル「何、、、?」
彼は以下の様に続けた。
ケモナー「⒈パートナーとして認定された者全ては、互いに命をかけて守護する。」
幻獣は、この世にまたと無い生き物であり、失われたりでもしたら、この世界全てが維持出来なくなる為である。
ケモナー「⒉パートナーは絶対的な信頼の元成り立っている。決して悪の道へ走るな。」
悪とは、サタン等の悪魔になるなとは言っていない。他者を躊躇なく傷付け、大切な者を奪う者達の事である。
ケモナー「以上だ。何か異論は?」
セーバル「無いよ。今から楽しみだなぁ、、どんな子かなぁ、、、。」
ケモナー「残念だが、私と関わった君の記憶は自動的に削除されて、空いた部分に代わりの記憶が入る事になっている。」
セーバル「え?なんで!?」
ケモナー「この世界の保全の為だ。」
セーバル「酷いや!」
ケモナー「じゃあもし私の存在が、この世界の者達に知られたら?」
セーバル「えっ、、、?」
ケモナー「彼らは容赦無く私を消しにかかるだろう。私の能力は彼らに取って凄く有害で遂行の邪魔になるだろう。私は、彼らの邪魔などしないがな。」
セーバル「私情だけで!」
ケモナー「私情?違うな。これは、私の私情では無い。製作者故の障害なのだ。この世界の主人公は誰だ?君か?私か?違うな、、、この世界の主人公は彼だ。現時点ではな。」
セーバル「そんな、、、。」
ケモナー「許しておくれよ。私はこの世界で生きる事は許されていないのだ。この、、、私が求め創り上げた理想郷では、、、ッ。」
セーバル「どうして、、、?」
ケモナー「私は最後の希望なのだ。暴走した者達を止める、最後の希望…それは、並の者では務まらないだろう。他者に理解されない能力を持って、自身に関わった者全ての関連する記憶を消されて、私は永遠に孤独と絶望を味わうのだ。そんな絶望に苛まれながら、限りなく低い最悪の未来に備える。君にこれが耐えられるか?いいや間違いなく君は精神
崩壊すると断言出来る。」
セーバル「、、、。」
ケモナー「悲劇のヒーローを気取る積もりは毛頭ない。分かったら帰り給え。」
彼が言うのは、間違いなく本当の事である。人間は孤独に弱く一人では何も出来ない事を知っている彼だからこそ言えるのである。
セーバル「なら、何度でも来るよ!」
ケモナー「?」
セーバル「何度忘れても、何度も思い出してここに来るよ!」
ケモナー「私に構うな。君には君の生き方があり、私には私の…」
セーバル「ならセーバルは、君のその孤独を埋める為に、何度でも来るよ。それが私の…セーバルの生き方だから。」
ケモナー「参ったな、、余程の物好きが居たとは、、、生きていて…本当に良かった。」
セーバル「じゃあさ、これからは二人で!」
ケモナー「二人で?」
セーバル「そう!セーバルと君で!」
ケモナー「止めろ君まで気負う必要は…」
セーバル「いいじゃんケチ!」
ケモナー「駄々をこねるな…分かった!君と私で、この世界を創ろう。セルリアンとしての君の意見も聞きたかった。なら、、先ずはお勉強からだな。」
セーバル「えぇ、、、。」
ケモナー「そう簡単な事では無いさ。なに、今からでも遅くはない。まだまだこの世界は作りかけだからな。」
セーバル「そっか!ワクワクするね!」
ケモナー「あと、この事は口外禁止だ。理由は、、、分かるな?」
セーバル「分かった!セーバルと君の、、、二人だけの秘密だね!」
ケモナー「少々待ってくれ。君を特別な存在として判定する。これで君の記憶は、上書きされない筈だ。」
キーボードからコマンドを入力しセーバルを特別な存在として登録した。
セーバル「ありがとう、、、。」
ケモナー「私はこの世界を創る、、、それが私の生に課せられた使命なのだから。」
二人は世界の構築を進めている。果たして、世界はより良いものになるのだろうか。
To Be Continued...
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
~後書き~
どうも、ケモナーです。なんと、第四陣営にセーバルちゃんが参戦と言う事で…え?どれだけ陣営があるかって?以下の表に、分かりやすくまとめました。見てくださいね。
第一陣営〈主人公サイド:物語の主軸〉
颯真等のキャラが該当。
第二陣営〈敵サイド:物語のスパイス〉
ソロモン神等が該当。
第三陣営〈中立サイド:物語の影武者〉
基本的にある章にしか登場しないキャラ。
第四陣営〈製作者サイド:物語の創造者〉
全ての陣営を監視しながら調整する者。
以上です!長らくお待たせしました!次投稿する時も大分待たせてしまうかも知れませんが、誠意製作するので、これからもよろしくお願いします!
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