EP No.005「地獄巡り③」

~前回の最終シーン~

颯真「お前が一番あいつを知っている、、、つまり手助け出来るんだ。」

ケルベロス「確かにそうですけど、、、。」

颯真「この能力は俺一人じゃ不完全なんだ。何故なら、心が繋がり難いからな。」

ケルベロス「繋がり難い、、、?それって、一体どう言う事なんですか?」

颯真「例えば、誰かと何らかの関わりを持てれば良いんだ。」

ケルベロス「関わり、、、?」

颯真「勿論それは絆や愛なんかが当て嵌る。そして繋がりがあれば、、連鎖的に繋がって行き、最終的に直接繋がれるんだ。」

ケルベロス「成程、、、メシアに匹敵する、貴方らしい能力ですね、、、。」

颯真「あぁ、そうだな。それじゃ行くぞ?」

ケルベロス「はい!」


~前回の続き~


二人は精神世界でベルゼバブを探す。

颯真「……ん?」

ケルベロス「居ました、、、。」

二人の視線の先に、、、彼女は居た。

ベルゼバブ「ヴヴヴヴヴヴ、、、ッ!」

彼女は唸り声を上げながら威嚇している。

颯真「この感じ…前にも見た事がある…。」

ケルベロス「え、、、?」

颯真「ビーストだ、、、あいつは、、、ッ!ビーストになってるッ!」

ケルベロス「ビーストッ!?」

颯真「フレンズにも人間にもなれずただただ暴れ回る獣、、、それがビーストだッ!」

ベルゼバブ「ヴァァァァァッ!」

彼女の眼光は二人を怯ませるッ!

颯真「……ッ!」

ケルベロス「ヌゥ、、、ッ!」

ベルゼバブ「ヴァァッ!アァァァァッ!」

彼女の放つ波動に二人は押されるッ!

颯真「何だ、、、ッ!クソっ、、、ッ!」

ケルベロス「全く、、、近付けませんッ!」

颯真(それにこの感じ、、、前にも何処かで感じた様な、、、ッ!)

彼は過去の記憶を振り返る。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

颯真「ビーストモード?」

彼女の提案に素朴な疑問をぶつける。

セリアン「あぁ。このモードはお前の意思に反応して発動する。」

颯真「意思に反応して、、、か。」

セリアン「もしかしたらそれを増強する何かがあるかもしれないがな、、、。」

彼女は考察を進める。

颯真「例えば、激情状態になったりしたら、勝手に発動するのか?」

セリアン「それは勿論だが、、、未知数だ。故に何が起こるか分からない…裏を返せば、可能性の一部と言う事だ。」

颯真「ヒトの感情が、、、可能性の一部か…確かにそうだな、、、だが、今の俺にこんな能力が扱えるのか、、、?」

セリアン「私は今のお前を信じている、、、道を踏み外しそうになったら私達が止める。お前は安心して使えば良い。」

やけに彼女の瞳は綺麗だった、、、。

颯真「頼もしいな、、、。」

そうボヤくが彼女には聞こえなかった。

セリアン「それともう一つ。」

颯真「ん?」

セリアン「これは可能性の話だ。」

颯真「可能性の話?」

セリアン「あぁ。私達セルリアンの能力を、戦闘、或いは、、、それ以外にも取り入れてみたいんだ。」

颯真「例えば?」

セリアン「特有の変化能力であらゆる場面に対応したり、、、そうだな、、、仲間と融合して一時的な進化をしたり、、、。」

颯真「いやいや、、、どこぞのカードゲームじゃあるまいし、、、出来そうだけど危なくないか、、、?」

セリアン「勿論その辺は考慮しているぞ?」

颯真「ふ〜ん?それで?」

セリアン「先ずは、、、そのペアを一時的にセルリアン化させるんだ。」

颯真「、、、。」

セリアン「その、セルリアン化させた物体を装甲に変化させてユニオンフレンズの装甲と合体。そしてその武装はフレンズの輝きからコピーした物を使用して創るんだ、、、これでどうだ?颯真。」

得意気に喋っている。

颯真「凄いな、、、セルリアン化させた後に装甲に組み込むなんてな、、、しかしその後合体解除する必要があるだろう?それは一体どうなるんだ?」

セリアン「それはサンドスター物質の法則を使い、体を元に戻して、そこに元々存在した意識と輝きをそのまま移植する。」

颯真「サンドスター物質の法則な、、、確か全ての物質は、光輝く物質、サンドスターによって出来ている。だっけ?」

セリアン「そうだな、、、つまり、これと、セルリウムを使えば、簡単に合体が出来ると言う訳だ。」

颯真「成程、、、装甲を分解すると同時に、相手の体を生成するのか、、、良く考えたら凄い事をしてるな、、、これ。」

セリアン「だな。」


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

颯真「………ッ!」

彼の脳裏に、一つの可能性が浮かぶ、、、。

ケルベロス「どうするんですか…これッ!」

ベルゼバブ「ヴヴヴ…ヴヴヴァァァッ!!」

苦しみと痛みが入り混じった唸り声がする。

颯真「ケルベロスッ!」

ケルベロス「はい!」

颯真「この能力を一旦解除するッ!」

ケルベロス「はい!?」

颯真「これはただの洗脳じゃないッ!」

ケルベロス「ただの洗脳じゃないって、、、どう言う事ですか!?」

颯真「後で話す!」

ケルベロス「どう言う事ですかァァァ!?」

Conect・Aliveを解除し、三人の意識を現実に戻す。


~本領発揮~


颯真「……ハッ!」

意識が戻ると同時に立ち上がり、ケルベロスを背負って連れて行きかなり離れた茂みに身を隠した、、、。

颯真(この辺りなら大丈夫か、、、。)

ケルベロス「う、、、うぅん、、、。」

彼女も目覚めた、、、。

颯真(さて…と、、、どうしようかな、、、今あいつは普通の状態では無く、何かの原因でこうなっている、、、となれば、、、その原因は何か…あいつに何か取り付いているか或いは、、、。)

遠くに居るビースト化したベルゼバブを観察しながら、考察をする。

ケルベロス「う、、、うぁ、、、。」

颯真「起きたか?」

ケルベロス「はい、、、。」

颯真「あいつはまだ目覚めてない、、、今の内ならどうにか出来そうだ、、、。」

ケルベロス「でも、どうするんですか?」

彼女は不安気に彼に聞いた。

颯真「現状、有効な手立ては無い、、、無理にでもあいつを止めるしかないんだ。」

ケルベロス「ダメですよ、、、ッ!だって、貴方だって万全の状態じゃ、、、」

颯真「それでも、、、止めるしかない。」

彼の瞳には、揺るぎない意思が宿っていた…そう、、、何かを決意した目だ。

ケルベロス「、、、。」

颯真(大丈夫だ、、、さっき感じたあの感覚に間違いは無かった、、、彼女以外の何かが彼女を支配している、、、。)

ケルベロス「あの、、、僕に、、、何か力になれる事って、、ありますでしょうか…。」

彼女は不安で一杯だ、、、。

颯真「俺を信じる事だ。」

ケルベロス「信じる事、、、?」

颯真「嘗てのお前が、ベルゼバブやハデスを信じた様に、、、俺はお前を信じる…お前も俺を信じろ、、、。」

彼のそんな声掛けとは裏腹に、彼女の不安は増々高まって行くばかりだ、、、。

颯真「大丈夫だ、、お前のご主人様は、俺が取り戻してやる。」

優しい声を掛ける。すると彼女は、、、。

ケルベロス「僕も行きます。」

颯真「、、、。」

ケルベロス「僕にしか出来ない事は…きっとあるから、、、だから、、、」

颯真「ぶっちゃけ言うとな、、、お前のそのセリフが聞きたかった、、、。」

ベルゼバブを観察しつつ食い込む様に返事を返す。それは、、久しぶりに彼が漏らした…ヒーローらしい贅沢な弱音だった、、、。

ケルベロス「え、、、?」

颯真「良し、、、行くか、、、。」

頃合いを見た彼は茂みから出てベルゼバブに歩いて近づいて行く、、、。

ケルベロス「まっ、、、待って下さいよ!」

彼女も慌てて着いて行く、、、。

ケルベロス「何故貴方は、こんなにも…」

颯真「良いも悪いも無い…ただ、俺は…皆を救いたいだけなんだ、、、」

ケルベロス「そんなの、、、自己中ですよ…自分勝手過ぎます、、、ッ!」

颯真「誰に何と言われても…俺は構わない。傍から見れば確かに俺は自己中だ、だが、、俺の所為で犠牲になる奴を増やすのは、、、もううんざりなんだ、、、ッ!」

彼の脳裏には、今まで一緒に居た人達の記憶がよぎって行く、、、。

ケルベロス「だからって、、、ッ!」

颯真「だからこそ、、、俺は皆の為に、、、皆を救う、、、無茶苦茶な事を言ってるかもしれないがな、、、。」

そう言いつつ、足は止めない、、、すると…彼女が、、、ッ!?


~叫び~


ベルゼバブ「ヴゥ、、、ヴァァッ!」

突然飛び起きて、颯真に襲いかかるッ!

ケルベロス「!?」

颯真「あっぶな、、、警戒していなかったら終わってたなこれ、、、ッ!」

ユニオン・フレンズを起動し盾で彼女の体内から出た大きいセルリウムの爪を防御する。

ベルゼバブ「ヴァァッ!ヴアァァァァッ!」

颯真「強、、、ッ!」

確り踏み込むが、、想定外の怪力に押されるばかりだ。その傍らで彼女は慌てていた。

颯真「おい、、、ッ!早く退け!」

ケルベロス「!?」

颯真「あいつを止められるのはお前だけだ!お前の言葉であいつを説得しろ!」

ケルベロス「……はい!」

彼女は二人から少し距離を取りベルゼバブに思いを伝える、、、。

ケルベロス「ベルゼバブ様ッ!」

ベルゼバブ「ウァ、、、?」

少なからず反応を示す。

颯真(良し、、、良い感じだッ!)

盾を構えたまま、その場に留まる。

ケルベロス「何故、、、こんなお姿になってしまったのですか、、、?僕で良ければ、、お話聞きます、、、だから、、、そんな事…しないで下さい、、、ッ!」

ベルゼバブ「ヴヴヴ、、、ヴァァッ!」

しかし全く別の反応がかえって来た…彼女の願いとは裏腹に、ベルゼバブは威嚇する、、ただそれだけだ、、、。

ケルベロス「お願いですから、、、そんな事しないで下さいッ!こんなの、、、本当の…貴方じゃありませんよ、、、ッ!」

ベルゼバブ「ヴァァァァァッ!」

しかし彼女の声が届く気配はしない、、、。

ケルベロス「今まで、、、沢山遊んで、、、沢山褒めて貰って…でも厳しい所もあって…地獄に取り残された僕に、、、希望を与えてくれて、、、僕は、、、僕は、、何時の日か恩返しをしようって、、、決めていたのに…こんな事を、、、僕に隠して、、、あの時の言葉は、、、嘘だったんですか!?お互いに正直者で居ようって、、、ベルゼバブ様は、僕に言った筈じゃないですか、、、ッ!」

颯真(そうか、、、だからか、、、だから…ケルベロスは腹の右側から溝落ちまでの傷が火傷では無く引っ掻き傷なのか、、敵の攻撃からご主人を守ろうとして、、、ッ!)

ベルゼバブ「ヴヴヴッ!ヴァァァァッ!!」

だが、この時の彼女の威嚇は、何か違った。

颯真「?」

ケルベロス「お願いですから…元のご主人様に、、、戻って下さぁぁぁいッ!」

この時、彼女の中にある、、、ある何かが、解き放たれた…それを彼は見逃さなかった!

颯真(今のは、、、ッ!)

セリアン(もしかしたら、、、もしかしたらだが、、、行けるかもしれないぞ!颯真!)

颯真(それは本当か!?)

セリアン(彼女次第だがな、、、。)

颯真(やってみる価値はあるだろ?)

セリアン(あぁ。私は信じているぞ?)

エミカ(そうだよ!僕も颯真を信じてる!)

颯真(ありがとう、、、俺は必ず成功させて見せるッ!行くぞッ!)

エミカ(うん!)

セリアン(あぁ!)

彼らも決心した様だ。

ケルベロス(きっとこの思いが、ご主人様に届かなくても、、、ッ!)

颯真「ケルベロス!」

ケルベロス「?」

颯真「あいつを助けるぞッ!」

ケルベロス「助ける!?」

颯真「その為にはお前と俺が信頼し合い息を合わせる必要がある。」

ケルベロス「信頼と、、、連携、、、?」

颯真「良いか、、、?あいつは今セルリウムに侵されて居る、、、だがそれは引き抜いて取り除く事が可能なんだ。」

ケルベロス「どうしてわかったんですか?」

颯真「あいつの首元、特に後ろ側だ。」

ケルベロス「……これは、、、?」

颯真「そこからセルリウムが溢れている、、恐らくそこに奴が居る。」

ケルベロス「じゃあ、、、。」

颯真「そいつから塊を引き抜けば助ける事が出来るって訳だ、、、。」

ケルベロス「分かりました、、、でも、どうするんですか、、、?」

颯真「さっき言った通り、奴を引き抜く。」

ケルベロス「引き抜く!?」

颯真「奴が攻撃の為に触手を出した瞬間、、背後に回り込み、根元を掴んで引き抜く。」

ケルベロス「、、、。」

颯真「俺があいつを押さえる、、、お前は、背後から奴に奇襲し、引き抜いて助けろ。」

ケルベロス「出来るんですか!?」

颯真「出来るかどうかじゃない。やるんだ。現状はそれしか無い、、、。」

ケルベロス「はい、、、ッ!」

彼女も決心し、二人の作戦が、今始まるッ!


~成長~


颯真「良し、俺が傷付けない様に攻撃して、奴の注意を引く。その隙に奴を引き抜け!」

ケルベロス「はい!」

二人は互いに距離を取って作戦を実行する。

颯真「お前の相手は、、、俺だッ!」

彼は、シールドを構えたまま勢い良く走り、ベルゼバブにシールドチャージを仕掛ける!

颯真「ハァァァッ!」

ドォンッ!

非常に重苦しい音がしたが、数歩後ろに後退しただけで、体勢は崩れていないッ!

颯真「……ッ!……!?」

ケルベロス「大丈夫ですかッ!?」

颯真「大丈夫だ、、、それより、、、早く…奴を、、、引き抜け、、、ッ!」

足裏のクローを使っているが、彼はジリジリと押されている!

ケルベロス「……はいッ!」

彼女は背後に回り込み、根元を引き抜こうとするが、、、!?

ケルベロス「……!?ぬぁッ!」

颯真「ケルベロス!?大丈夫か!?」

ケルベロス「大丈夫です!ぐぬぬ、、、ッ!ご主人様から、、、ッ!離れて下さいッ!」

根元のセルリウムに掴み掛かろうとするが、急に目と触手が出て来て、彼女に攻撃する!

ケルベロス「グァ、、、ッ!」

颯真「チィッ!これじゃ埒が明かない、、、ケルベロス!聞いてくれ!」

彼女に問いかける。

ケルベロス「なんですか!?」

距離を取りながら会話する。

颯真「どうやら、宿主に一定量のダメージを負わせないと出て来ないらしい、、、ッ!」

ケルベロス「え、、、?」

颯真「仕方ない事だが、、、奴を引き抜く為には、あいつを傷付ける必要が出て来た!」

ケルベロス「そんな、、、ッ!」

颯真「さっきのConect ・ Aliveで、あいつの意識は寄生するセルリウムに侵されていると確信した…だが、今の状態じゃ、あいつは救えない、、、でも、お前の力を使えば、奴だけを倒す方法が出来るんだ!」

ケルベロス「奴だけを、、、倒す方法!?」

颯真「そうだ。セルリウムは、各獣の輝きに反応してターゲットを決めている。」

ケルベロス「……そうか、、、僕達の輝きを合わせれば、、、でも、どうやって?」

颯真「一つになるんだ、、肉体的にも、、、精神的にも、、、ッ!」

ケルベロス「、、、?」

颯真「このユニオン・フレンズには、最大の特徴とも言える能力が備わっているんだ。」

彼女の押しに耐えつつも、説明を続ける。

ケルベロス「能力、、、?」

颯真「そうだ。その能力こそけも合体だ。」

ケルベロス「けも合体!?」

颯真「だが、その為には…ッ!絆を持つ事…信頼する事が必要なんだ!」

ケルベロス「だからさっき、、、ッ!」

颯真「出来るか!?」

ケルベロス「……大丈夫です!行けます!」

颯真「良し、、、行くぞッ!」

ケルベロス「はい!」

颯真「オラァッ!」

ベルゼバブに至近距離でシールドチャージを噛まして、その隙にけも合体をする!

颯真「ケルベロスッ!!」

ケルベロス「はいッ!」

ベルゼバブ「!?」

颯真「スゥゥ、、、フゥゥゥ、、、。」

ガシャンッ!ガシャンガシャンッ!

ユニオンフレンズは各装甲が展開し準備状態で待機している!

ケルベロス「行きますッ!」

彼女は彼に走り込んで来る!

颯真「遠慮せず来いッ!」

ベルゼバブ「グァッ!グァァァッ!」

セルリウムの触手で妨害する!

颯真「させるかッ!」

ダダダダダダダダダダダダダダダダダダッ!

マシンガンで触手を破壊する!

ベルゼバブ「ギシャァッ!」

颯真「良しッ!」

ケルベロス「心を、、、一つにッ!」

二人は一心同体と化し、今!交わるッ!

颯真「我は希望を創りし者ッ!」

ケルベロス「我は忠実なる三つ首の番犬!」

颯真・ケルベロス「今、重なりてッ!邪悪に染まった敵を噛み砕けッ!」

颯真「けも合体ッ!!」

ケルベロス「三つの力強き牙持つ獣ッ!」

颯真「ユニオンフレンズ・第24番ナベリウス!」

そう、、、遂に、、、遂に出来たのである!

颯真「これが、、、ケルベロスの、、、。」

ケルベロス(来ますッ!)

颯真「ヌワッ、、、ッ!」

大きくなった腕で触手の攻撃から妨害するが押されてばかり居るッ!

颯真「先ずはそのデカい触手からだッ!」

両腕のアーマーを展開し大きな牙を形成してその触手に噛み付くッ!

ベルゼバブ「グァ、、、ァァァッ!」

颯真「我慢しろッ!」

そのままジャイアントスイングの要領で彼女の後ろ側に回り込むッ!

颯真(ケルベロスッ!)

ケルベロス(ザ・ビースト、、、始動ッ!)

アオーンッ!ガシャン!ガシャンガシャン!ガシャンガシャンガシャンッ!ジャキーン!

狼の様な遠吠えと共に、各装甲が展開して、シールド発生機が露出すると同時に発生機がセルリアンブルーからグレーに発光する!

颯真(良し、、、行けたッ!このまま一気に奴に畳み掛けるッ!)

ケルベロス(はいッ!)

颯真「ハァァァァァァァッ!」

凄い瞬発力で接近し、背後からベルゼバブに取り付いているセルリウムを、根元から引き抜きに行くッ!

颯真「行っけェェェェェッ!」

ガシッ!ググググググ、、、ッ!

展開したファングで、がっしり掴むッ!

ケルベロス(ウォォォォォォッ!)

ブチ、、、ブチブチブチッ!パッカァンッ!

奴を引き抜きベルゼバブの無力化と、事態の収束化に成功したッ!

颯真「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、、、。」

ウィーン、、、ガシャンガシャン。

ザ・ビーストモードとけも合体を解除して、彼女はご主人様であるベルゼバブに近寄る。

ケルベロス「ご主人様ァァァッ!」

泣きそうになりながらベルゼバブに近づく。

颯真「ふぅ、、、。」

ユニオン・フレンズを解除して地面に座る。

颯真(一段落したな、、、はぁ、疲れたな。それにしても、久しぶりにけも合体したな…それより早く四人と合流しなきゃな。)

彼は、彼女らとは何も話さずに立ち去ろうとするが、、、。

ケルベロス「待って下さい!」

颯真「?」

ケルベロス「せめて、、、名前を、、、。」

颯真「俺はエゾオオカミの颯真だ。」

ケルベロス「颯真さん、本当に、ありがとうございましたッ!」

そう言って彼女は頭を下げた。

颯真「あぁ。」

ケルベロス「颯真さんは、、、僕達の、、、恩人です!」

颯真「、、、。」

ケルベロス「だから、、、今この借りを返す事は出来ないですけれども、、、返せそうにありませんけど、、、」

颯真「返さなくて良い、、、。」

ケルベロス「?」

颯真「後は自由に生きろ、、、そこに、俺は一切の介入をしない、、、ベルゼバブと共に生きるか、、、或いは一人立ちするか、、、お前自身で決めろ。今じゃなくて良い。一人で考えるな。じっくり吟味しろ、、、きっとそれ相応の未来があるしそこでしか見れない何かを見つけるのもありだ。」

ケルベロス「、、、。」

颯真「あとこれだけは覚えてろ。お前の人生はお前の物だ、、、そこに他の奴が立ち入る場所なんて無い、、、とな、、じゃあな。」

ケルベロス「ありがとう…ございました。」

そう言葉を零し、彼を見送った。


~合流~


颯真(さぁて、、、さっさと合流して、、、次の圏に進みたいが…その前にリョコウバトと旦那を階段付近に連れて行かなきゃな。)

エミカ(大丈夫?サンドスターが四分の一を切ったけど、、、?)

颯真(大丈夫だ、、、多分。)

セリアン(さっきのけも合体でサンドスターが少し回復出来たからな、、、敵が強く無い限りは大丈夫だろう、、、。)

颯真(あぁ、、、だな。)

エミカ(それと、戦闘続きだから残留に注意してね?サンドスターが切れると、戦えなくなるからね?)

颯真(分かってる。)

と、、、その時ッ!

バシュゥゥンッ!!

颯真(何だ、、、あれはッ!?)

彼が見たのは建物を貫くビーム攻撃だった!

エミカ(ビーム砲みたいだけど、、一体誰がしたの、、、?)

セリアン(分からない、、、もしかしたら、リョコウバトか旦那だな、、、。)

颯真(リョコウバトなら有り得そうだけど、旦那は違うんじゃないか?)

セリアン(確かに確率は低いが、、、。)

颯真(とりあえず向おう。見れば何か分かるかもしれないな、、、。)

彼は巨大な建物の中へ走って言った。


~建物内部~


颯真(ここが建物の内部か、、、思ったより広いな、、、。)

建物の内部は石造りで、1c㎡のタイルが、正方形に縦横15枚ずつ並べられている。

エミカ(そうだね、、、敵が居ないのが幸いだけど、、、二階へ行く階段が無いね…。)

セリアン(成程、、、これが所謂謎解きか。興味深い、、、。)

颯真(確かに何かしなきゃ階段が出現しない様な感じだな、、、良し、、、探索しよう。先ずは階段らしき場所を探すか、、、。)

エミカ(そうだね。)

セリアン(そうだな。)

彼は部屋を探索する。


……………………数分後………………………


彼は部屋を隅々まで探した…しかし。

颯真(明らかに変だよな、、、これ。)

セリアン(あぁ。)

エミカ(階段の出現場所が天井か壁際、、、或いは中央にある筈なのに、、、無いよ?)

颯真(有るのは、さっき入った時に使った扉だけ、、、階段やワープらしき場所は無い…良し、一旦戻るか、、、。)

セリアン(そうだな、、、根詰めても事態は変わらないからな、、、。)

エミカ(もしかしたら外から入るのが正攻法かもね、、、?)

颯真(まさかな、、、一応試してみるか。)

そう思い、外に出た。


~屋外~


颯真(さてと、、ビーム砲が放たれた場所は約5、6階の辺りからだから、、、ひとまず飛んで入ってみるか、、、。)

エミカ(あの穴から出て来たから、、、まぁそこから入るのが妥当だよね、、、。)

セリアン(う〜む、今はそれしかないか、、とりあえず入って見よう。)

颯真(あぁ、壁伝いで三角跳びするか。)

キュィーンッ!タッタッタッタッタッタッ!

そう思った彼は、背中のスラスターを使い、壁を蹴りながら建物を登って行くッ!


颯真(この辺りかなッ!)

バビューン!ズザザザザザッ!

貫通した穴からブースターを使って侵入し、華麗に着地する。

颯真(さて、、、この辺りだよな、、、。)

リョコウ「誰ですか!?」

部屋の隅に居る。

颯真「俺だ。大丈夫か?」

ユニオンフレンズを解除して話しかける。

リョコウ「えぇ、、、。」

旦那「颯真さんですか、、、。」

颯真「さて、、、じゃあ階段に向おう。」

リョコウ「分かりました。」

旦那「はい。」

三人は第三圏地上に降りて、アスタロト達の待つ階段へと向かう。


~合流その2~


颯真「お、、、居たぞ!」

リョコウ「確かに!」

旦那「安心しました、、、。」

アスタロト「待っていたぞ少年達。」

アンドロ「かなり時間がかかったが、大丈夫だったのか?」

颯真「まぁ…少なくとも俺の方は大丈夫だ。ベルゼバブ、ケルベロスと対話して来た。」

アスタロト「対話か…争いはしてないと?」

颯真「いや、ベルゼバブはセルリウムに取り憑かれていたんだ。」

アンドロ「セルリウムに?」

颯真「あぁ。ケルベロスと協力して、それを引き抜いた。合流しようとしたら近くの建物からビーム砲が発射されたので見に行ったら二人が居たって訳だ。」

リョコウバトと旦那も経緯を説明した。

アンドロ「そうか、、、さて、、、気を取り直して、、、次は第四圏だ。」

颯真「第四圏貪欲者の地獄?」

アンドロ「そうだ。吝嗇と浪費は罪である。よってここに落とされる。内容は重い金貨の入った袋を真反対に転がしつつ互いに罵り、言い合う場所だな。」

颯真「何とも言えない地獄だな、、、。」

リョコウ「でも、この下に、、、。」

アンドロ「そうだな。」

旦那「恐ろし過ぎます、、、。」

と、身震いする。

颯真「じゃあ、、、行きますか。」

アンドロ「あぁ。」

アスタロト「そうだな。少年。」

リョコウ「はい、、、。」

旦那「頑張ります、、、。」

五人は更に階段を下って行く、、、。

次回に続くッ!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

~後書き~


彩月「夏休みが終わった、、、。」

颯真「大丈夫か?」

彩月「大丈夫だ、、、また地獄の学校に、、逝かなければ、、、。」

颯真「字が違うw」

彩月「だってーぇ、、、。」

颯真「大丈夫だって!」

彩月「うん、取り敢えず頑張る、、、。」

次回もお楽しみに!


追記:


次はユニオンフレンズ・ナベリウスとかの、設定の説明を公開予定です。つまり、Eternal Flash Primitiveを更新するぞ?


予定:簡潔掲載

次回更新→ケルベロスとそのけも合体形態。

次次回更新→本編EPNo.006

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