EP No.004「地獄巡り②」

~前回の最終シーン~

リョコウ「私は、、、皆さんの様に、強くはありませんが、私は、行きます。」

旦那「私もです、、、確かに私の様な者が、ここに居ちゃいけないのはわかってます、、でも、、、それでも、、、私は見てみたいんです、、、何故貴方達が強いのかを、、。」

アンドロ「分かった。言ったからには、、、最後までやり通せ。何かあったら最大限協力する。着いて来い。そして案内しよう、、、最下層コキュートスまで、、、ッ!」

リョコウ「分かりました、、、。」

旦那「頑張ります、、、ッ!」


~前回の続き~


颯真「さて、、、下るか、、、。」

アンドロ「そうだな。」

アスタロト「そろそろ嵐が戻りそうだ。早く階段を下ろう。」

その提案に皆が賛同した。五人は螺旋階段を下る。その螺旋階段にて話は再開する。

リョコウ「あの、、、。」

最初に話しかけたのはリョコウバトだった。彼女は少し不安気にしている。

颯真「何だ?」

リョコウ「次は、、、一体何処に?」

颯真「次…か。アン。次って何処だっけ?」

アンドロ「次は第三圏、貪食者の地獄だ。」

颯真「食い過ぎって奴か。」

アンドロ「あぁ。この圏では文字通り貪食者に対しての地獄だ。ケルベロスが、、、ってグロい話だから聞かなくても良いんだぞ?」

リョコウ「、、、。」

旦那「グロいんですか、、、?」

アンドロ「勿論。地獄は皆グロい。」

リョコウ「一応聞きます、、、。」

旦那「私も、、、。」

アンドロ「そうか。第三圏ではケルベロスが罪人を喰らう。以上。」

オブラートに包み、短く解説した。

颯真「思ったよりオブラートに包んだな。」

アンドロ「まぁこれ以上言ったらな。」

颯真「あっ、、、。」

どうやら何か察した様子。

リョコウ「、、、。」

旦那「、、、。」

颯真「そう言えば、ケルベロスって三つ首の犬だよな、、、。」

アンドロ「あぁ。」

颯真「フレンズになったらどうなるんだ?」

アンドロ「それは私も知らない。」

アスタロト「ふむ、、、見た事が無いが、、フレンズになったらどうなるのだ?」

リョコウ「いや私もわかりません、、、。」

旦那(そもそも話について行けない。)

??「うぎぁァァァッ!」

颯真・リョコウ・旦那「!?」

三人は叫びに驚く。

アンドロ「久しぶりに聞いたな、、、。」

アスタロト「あぁ、、、この感じ、、、実に久しぶりだ、、、。」

?????「グォォォォォォォォォンッ!」

犬の様で犬では無い狼に似た声が、階段中に響き渡る、、、。

颯真「この声、、、聞いた事あるぞ…。」

アスタロト「そうだな、、、私もだ。」

アンドロ「そうか?」

リョコウ「この声って、、、。」

旦那「ままっ、、、まさか、、、ッ!」

アンドロ「さて、、、地獄の第三圏だ、、、喰われるなよ?」

颯真「察しは着いた、、、さて、、何時でも来やがれ、、、。」

アスタロト「第三圏、、、突入だ。」

リョコウ「行きます、、、ッ!」

旦那「はい、、、ッ!」

五人は第三圏を横断する。


~一方で天使サイドは~


天使達は、地獄へ向け準備している。

ラファエル「さて、そろそろ地獄だな。」

サンダル「地獄かー、、、ほんと久しぶりに行くよな、、、。」

彼女の名はサンダルフォン。生まれた時から宿敵サタンを打ち倒すべく運命付けられた、四枚羽根の大天使である。

ラファエル「おいサン、、今回はそう簡単に出来そうに無いぞ、、、もしかしたらこれを使うかもしれない。」

そう言う彼の左手の甲にはⅧの数字がありそれを彼女に見せる。

サンダル「それかよー、、、俺達の生命にも等しいその能力を使うのかー?」

彼女も両手の甲にⅩと数字がある。

ラファエル「仕方ないだろう?相手はあの、サタンなのだから、、、。」

サンダル「お前も手伝ってくれるんだよな?なら出来そうだが、、、。」

ラファエル「一応俺はサタンに対応する美徳を積んでいる以上は、こうして戦わなければならない。お前もそうだろう?サン。」

サンダル「まぁそうだが、、、また戦う時が来るなんてな、、、。」

メタトロン「頑張ってね。」

そう言い、この場を後にする。

サンダル「あぁ。必ずやサタンを。」

そう…彼女、メタトロンはサンダルフォンの妹であり、姉妹である。

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❊解説はいりマース!


上記の描写ではサンダルフォンとメタトロンは姉妹となっているが、ユダヤ教では兄弟であり、二人とも男性である。しかしこの世界では二人は女性で姉妹である事を十分に留意してくれ、、、。

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ラファエル「さて…後はあいつだけだ。」

サンダル「まだなのか、、、?」

ラファエル「もうそろそろ降りたいんだが…大丈夫なのか、、、?」

ハニエル「お待たせしましたァァァッ!?」

ドテーッ!

盛大にコケる。

ラファエル「……大丈夫か?」

ハニエル「あっはい!大丈夫です!」

彼女の名はハニエル。沢山の別名を持つ彼女だが、その能力は強力だ。

ラファエル「さてさて、、、揃ったな。」

サンダル「あぁ。サタンを討ちに行くぞ。」

ハニエル「はい!分かりました!」

三人は天界から飛んで地獄に行く、、、。


~もう一方の悪魔サイドは~


サタン「ふむ、、、第三圏に突入したか。」

黒く染まった王座に座り、十二枚の黒い翼の堕天使に話しかける。

?????「どうやら、只事じゃないみたいですね、、、。」

サタン「あぁ、、、彼が来る頃には、勢揃いで迎え撃てるだろう、、、。」

と、、、そこに、、、。

?????「サタン様!」

扉を勢い良く開けて入って来た。

サタン「何だ、、、アンドラス。」

アンドラス「奴らが来ましたッ!」

サタン(遂に勘付いて地獄に来たか。)

アンドラス「対応は如何なさいますか。」

サタン「奴らに事態を当たらせるのだ、、、それとアンドラス。お前も出るのだ。」

アンドラス「ですが、、、。」

サタン「奴らは簡単に倒せない、、、お前の力が必要なのだ、、、。」

アンドラス「分かりました。サタン様。」

そう言い、部屋を出た。

サタン(流石は、幾千も戦い続けて来た我が宿敵だ、、、我は、この地獄の最下層、、、コキュートスにて貴様を待つぞ、、、。)


~戻って颯真組~


アンドロ(彼女は、、、居ないな。良し。)

アスタロト(居ないな、、、。)

リョコウ(見つからない様にしないと…。)

旦那(獣…嫌な予感しかしない、、、)

アンドロ「良し、あの物陰まで移動だ。」

ジェスチャーを混ぜながら小声で伝える。

それに皆が頷き、タイミングを見計らう。

颯真(それにしても、、、さっきの悲鳴とは裏腹に、とても静かだな、、、。)

アスタロト(彼女も馬鹿には出来ない、、、静かなのは、、、何か裏があるのか?)

アンドロ「良し、行こう。」

岩影から建物の影まで移動する、、、しかしそうしたのが間違いだった、、、。

?????「みィつけた♪」

彼女はニヤリと笑う。

アンドロ「!?」

彼が見た物、、、それは、、、。

颯真「逃げろッ!アンッ!」

首の左右に血で描かれた魔法陣、、、右目の召喚陣、、、黒いイエイヌ、、、。

?????(1)「アッハハハハハハッ!ハハハハハハッ!!餌、、、見つけたァッ!」

そう、、、彼女は、、、三つ首の犬。

?????(2)「おやおや、、、漸く獲物を見つけましたか、、、私の愛犬。」

黒い博士が言った。

?????(1)「ねぇねぇ!食べても良いよね!?食べても良いよね!?」

物凄く嬉しそうに尻尾を振る。

?????(2)「駄目なのです。この人はサタンの使いなのですから。」

?????(1)「じゃあこっちは!?」

アスタロトを指さす。

?????(2)「この人も駄目なのです。お前と同じソロモンナンバーズなのです。」

?????(1)「じゃあこの人は!?」

颯真を指さす。

?????(2)「この人は、喰ったら不味そうなのです。喰べない方が良いのです。」

?????(1)「じゃあさ!!じゃあさ!あの人達は!?」

半ば興奮気味である。

?????(2)「この人達は良さそうなのです。喰べても良いのですよ?」

?????(1)「やったァ!」

リョコウ「え、、、。」

旦那「は、、、ッ!?」

颯真「逃げろッ!」

この一声で二人は逃げ出す。

?????(2)「さて、お前は私が喰らうのです。美味しく料理するのです。覚悟するのですよ、、、。」

彼を指さし、宣言する。

颯真(え、、、俺も!?)

瞬間的に立ち上がり、距離を取る。

アンドロ(何とかしなければ、、、ッ!)

颯真「なぁアン。もしかして、さっきの犬がケルベロスって奴か、、、?」

アンドロ「あぁ、、、正しくだ。」

颯真「それで、あの目の前に居るのが、、、ベルゼバブって奴か、、、?」

アンドロ「あぁ、、、。」

颯真「いきなり詰みに近くないか?」

アスタロト「そうだな、、、。」

ベルゼバブ「お前ら鬱陶しいのですよ、、、さっさと消えれば良いのです。」

黒い博士、、基ベルゼバブは、不機嫌な顔を浮かべ、臨戦態勢に入っていた。


~一方でリョコウバトさん達は~


リョコウ「はぁ、はぁ、はぁ、、、。」

旦那「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、、、何時まで追って来るの!?」

ケルベロス「はァ、はァ、はァ、はァッ!」

興奮気味に二人を追いかける。

リョコウ「旦那さん!私に捕まって!」

旦那「分かった!」

空へ飛び、逃げようとするが、、、ッ!

ケルベロス「まァてェェェッ!」

全力でジャンプし、旦那の足元を掠める!

旦那「うわぁぁぁッ!」

リョコウ「確り捕まって下さい!」

旦那「はい、、、ッ!」

更に飛翔して回避する!

ケルベロス「ぐぬぬ、、、覚えてろ〜!主が来たら、、、必ず捕まえてやるからな〜!」

そう言い、ベルゼバブの所へ走り去った。

リョコウ「ふぅ、、何とかなりましたね。」

旦那「はい、、、って、、、うわァァァッ!高いッ!高いッ!」

リョコウ「あら、、、ごめんなさい、、、!今下ろします、、、!」

ゆっくりと降下し、地面に降り立った。

旦那「スリリング過ぎ、、、。」

リョコウ「追っては来てないみたいですね。あそこの建物に隠れましょうか、、、。」

旦那「はい、、、。」

二人は建物の中へ。


~戻って颯真組~


ベルゼバブ「ふむ、、罪人が最近減って来たのは、、、地上が平穏になって来たと言う事ですか…平和と言う言葉はなんて忌まわしいのでしょう…聞きたくもありませんねェ。」

颯真「なに、、、!?」

ベルゼバブ「大体私達地獄の管理人は罪人が居なければ成り立たずに崩壊するのです。」

颯真「崩壊、、、?」

ベルゼバブ「自らを生かす…その為に罪人を喰らい、、聞きたくも無い悲鳴を聞き、、、またお腹が空けば、、、グ、、、ッ!」

ドックンッ!

彼女の中で、、、何かが動き出した、、、。

アンドロ「ベルゼバブ、、、ッ!」

ベルゼバブ「私は最近お腹が空いて堪らないのです、、、生きる為には、そうでない者も喰らうしか無いのですよ、、、ッ!」

アスタロト「ならば、、、尚更、、、ッ!」

ベルゼバブ「私は、、暴食の罪、、喰わねば餓死して死んでしまうのです、、、ッ!」

お腹を抱え、苦しんでいるッ!

アンドロ「運命だと定められているのか…。喰わねば死ぬ運命に、、、。」

颯真「冗談じゃない、、、ッ!」

ベルゼバブ「魂が満たされれば、、、私だってこんな事をしないで済むのです、、、ッ!だから、、、喰ワせろ、、、喰ワセろ、、、クワセロォォォッ!」

黒い波動が三人に伝わるッ!

アスタロト「ダメだ、、、飢餓状態に、、、もう止められないぞッ!」

颯真(これが、、、地獄、、、ッ!希望さえ光を閉ざす闇の世界、、、ッ!)

ベルゼバブ「先ずはァ…お前からだァ…。」

のっそのっそと歩き、颯真に接近する!

颯真「…………ッ!」

それに比例して、彼もゆっくり逃げる。

アンドロ「颯真…私達は階段で待っている。必ず来い、、、良いな?」

そう言って彼らは走って向かった。

颯真「あぁ、、、分かった、、、。」

ベルゼバブ「グ、、、ヴヴ、、、ッ!」

腹を抱えながら苦しんでいる、、、。

颯真(何か、、、何か方法は無いのか、、、俺は、、、俺は助けたい、、、罪に囚われたあいつを、、、助けたいんだ、、、ッ!)

彼の心に、、、変化は

颯真(考えろ、、、考えろ、、、今の俺には何が出来る、、、思考を止めるな、、、俺はあいつを止めたい、、その為には、、、何をすれば良い、、、ッ!)

考えど考えど、、、心に変化は無い。

颯真(そうだ、前は勝手に能力が目覚めて…それを過信して、、、驕逸だった、、、それこそ…俺の可能性に蓋をしていたんだ、、、皆を守る、、、たったそれだけだったのに…我儘だったんだ…!助けたいと言う我儘は、何時しか俺を支配する様になってしまった…それに気付かずに、、、俺は、、、ッ!)

ベルゼバブ(早く、、、殺すのですよ、、、私はもう、、、生きては行けないのです。)

彼女の声が、、、彼の中に響く。

颯真(…!?この声、、、あいつの…。)

ベルゼバブ(お前なら、、、やれるのです。さぁ、、、早く断罪するのです、、、。)

颯真(断罪ったって、、、俺には、、、。)

ベルゼバブ(私が居ないのは、、、寂しい…そうなのですか?)

颯真(俺は…誰一人だって殺したくないッ!争いによる流血や死者を無くしたいッ!)

ベルゼバブ(なればこそ、、、私を。)

颯真(、、、。)

ベルゼバブ(早、、、く、、、そろそろ、、抑え切れなく、、、なります、、、ッ!)

????(さぁどうする?)

颯真(!?)

????(自身の儚い夢か…他者の切実なる願いか…選んでみせるが良い、、、。)

颯真(誰も死なない最高の夢と、、、誰かが必死の切実な願い、、、?)

????(ふん、、、言えば何とでもなる…お前はどっちを選ぶ、、、?その意思に何を見る、、、?選択したまえ、、、お前は既に持っているぞ、、、?)

颯真(分かった、、、俺は、、、俺は、、、皆を助けて見せるッ!)

????(よかろう、、、私は、お前を見ているぞ、、、?颯真、、、。)

颯真(?)

と、そこに、、、。

ケルベロス「ベルゼバブ様ァァァ!」

彼女が走り込んで来る!

颯真「!?」

ベルゼバブ「はぁ、はぁ、はぁ、、、ッ!」

ケルベロス「大丈夫ですか、、、?」

彼女が駆け寄る。

颯真「、、、。」

ケルベロス「もしかして、、、お前がッ!」

彼に牙を向けるッ!

颯真「どうやらそいつは、、、重度の、、、飢餓状態にあるみたいだ、、、。」

ケルベロス「え、、、?」

ベルゼバブ「早く、、、離れるのです…。」

ケルベロス「出来ません、、、ッ!」

ベルゼバブ「何、、、してるです、、、早く逃げるのです、、、私、ハ、、、そろそろ、私、、、デハ、、、ナクナル、、、ッ!」

ケルベロス「ベルゼバブ、、、様、、、?」

数歩後ろに下がりつつ、不安と、恐怖に酷く怯えながら、まるで自分の精神でも削られたかの様な表情をし、後に尻餅を付いた。その光景に、颯真は恐怖する。


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❊R15描写注意ッ!


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ベルゼバブ「アハ、、、アハハ、、、ッ!」

その狂人的な笑い声に、二人は恐怖する。

ケルベロス「な、、、あ、、、あ、、、。」

颯真「なん、、、だ、、、。」

ベルゼバブ「アタマ、、、アァ、、、アガ…アハ、、、アハハ、、、ン、、、?」

目を左右別々に動かし、涎を垂らしながら、周りを見つめる。

颯真「、、、。」

???(さぁ、、、選択の時だよ、、、。)

颯真(お前、、、は、、、。)

失った筈の、、、その誰かの声を、、、。

???(君の思いは十分に分かった、、でも君はその本質を理解していなかったんだ。)

颯真(何で、、、お前が、、、。)

???(君は前に御稲荷様の所で死にそうになって、代わりに僕の命を使ったでしょう?そんな君が居ない事になったって事は、、、僕は必然と死んでないって事さ。)

颯真(そうか、、、なら、、、ッ!)

???(おっと、、、君の本質は僕が持っているんだ、、だから、僕が代わりにしよう。その…君の求める対話とやらを、、、。)

それを聞いた瞬間、、、瞳が青く、、、星が並ぶ様に描かれる、、、。

颯真(これ、、、は、、、ッ!)

ケルベロス「!?」

???(フフ、、、後は頼んだよ、、、。)

颯真(おい、、、ッ!待ってくれッ!)

???(僕の、、、願いは、、、叶ったよ…ソロモン、、、あぁ、、、。)

颯真(三日月、、、ッ!)

彼女の意識は消えて無くなった、、、。

颯真(今、、、俺、、、。)

ベルゼバブ「グゥ、、、ッ!ヴァァッ!」

ケルベロス「何…何が…起きてるの…?」

颯真「ふぅぅぅ、、、ッ!」

息を整え、能力を使うッ!

ケルベロス「!?」

天高く、思いを胸にこの言葉を叫ぶッ!

颯真「Conect…!!Alive!!!真・繋がる心ッ!!

ベルゼバブ「ヴァ、、、アァ、、、ッ!」

ケルベロス(何なの…この光は…まるで、、この地獄に齎すかの様な、暖かい光は…。)

颯真「ウォォォォォォォァァァッ!」

この時、彼の心が、、、初めて自らの意思で成長した瞬間である、、、ッ!


~精神世界~


颯真「、、、ッ!」

目覚めると、そこには、、、。

三日月「やぁ、、、久しぶりだね。」

颯真「お前、、、は、、、ッ!」

三日月「いや〜参った、、、また死ななきゃならないなんてね、、、あの時の君は、、、まだ幼くて、、、他人の死なんて物は、、、到底理解出来なかったね、、、。」

颯真「犠牲の上で成り立つ平和なんて、、、俺は大っ嫌いだ、、、死ぬなよ、、、何度も俺の目の前で、、、ッ!」

泣きそうになる、、、。

三日月「そう言う訳で、僕はまた、、、神国に逝くよ、、、寂しいけどさ、、、きっと…また会えるよ、、、。」

彼女もまた、、、。

颯真「逝かないでくれ、、、誰も、、、死ぬ所なんて、、、見たくない、、、ッ!」

三日月「それは、、、我儘だよ、、、颯真。人は何時の日か死ぬ、、僕はそれが今日ってだけなのさ…君は…我儘でも良いのかい?」

颯真「あぁ、、、良いさ、、、我儘で、、、誰も死なせたくない我儘な…幼い少年でも…俺は、、、ッ!」

三日月「そっか、、、うん、、、じゃあさ…その願い、、、必ず叶えてね、、、。」

彼女も、、、泣きそうになる。

颯真「あぁ、、、必ず、、、約束だ。」

三日月「約束だよ、、、颯真。」

そう言って、、、彼女は消えた、、、。

颯真「涼し気に言いやがって、、、おセンチなんだよ、、、お前は、、、ッ!」

そう言い、、、涙する、、、彼の種が、、、芽を出そうとしている、、、何時しか、涙も止まり、、、再び歩き出した。


~傷だらけの番犬~


彼が彼女らを探し出してから数分、、、その場所に彼女は居た、、、。

颯真「……居た、、、。」

そうボヤき、近寄る。

ケルベロス「!?」

颯真「お前、、、。」

ケルベロス「見たな、、、ッ!」

犬歯を剥き出しにして威嚇する、、、それもその筈…彼女の姿はとても醜いのだから、、右脇腹から溝落ちに出来た引っ掻き傷や酷く変形し、火傷の跡が残る右腕…更に顔面にも重度の火傷の跡がある、、、色の失せた右目はとうに使えなくなっていた、、、イエイヌとしてはかなり醜く、誰もが近寄り難い姿を彼女はしていた、、、。

颯真「、、、。」

心配と哀れみの心情が顔に出ていた、、、。

ケルベロス「そんな顔で僕を見るなァッ!」出来る限り怖く吠え、威嚇する、、、しかし彼は動じない、、、。

ケルベロス「何で、、、何で、、、何で威嚇しているのに動じないッ!!?」

颯真「お前の威嚇は怖くない、、、寧ろ負け犬の遠吠えにしか聞こえない、、、。」

ケルベロス「何、、、ッ!?」

颯真「としか聞こえないって、俺は言ったんだ、、、。」

彼女には、敢えて厳しい事を言う。

ケルベロス「僕が、、、臆病者、、、?助けを求めてる、、、?馬鹿にするなッ!」

颯真「そうだな。馬鹿にしてる。」

ケルベロス「、、、!?」

颯真「お前みたいな吠える事しか出来ない奴に最愛の主人が守れるのか?」

彼女に問いかける。

ケルベロス「、、、。」

颯真「確かに見た所、お前は主人、、ハデスに愛されて育ってきた、、、奴もそんな事をする奴じゃないし、誰だってそう見えた。」

ケルベロス「何が言いたいのさ、、、。」

颯真「その結果、飴と言う甘さしか知らずに育ち、門番を任される事になった、、、。」

ケルベロス「、、、。」

颯真「所がどうした?お前は碌に冥府の門を守れてねぇじゃねえか、、、。」

ケルベロス「君に、、、何が分かるって言うのさッ!あの時はどうしようも無かったッ!僕一人では、、、何も、、、ッ!」

颯真「一人で抱え込むな。お前一人では出来なかった事でも二人ならどうだ?三人なら?お前にはそれが足りないんだ。」

ケルベロス「、、、。」

颯真「その傷は、何の為に付いた?何故逃げなかった?答えは既に、お前の中にある。」

今一度、彼女に問いかける、、、。

ケルベロス「僕の、、、中に、、、?」

颯真「あぁ、、、そうだ。」

彼女は数分間考え、こう結論付けた、、、。

ケルベロス「僕は、、、ハデス様の事を敬愛していて、、、役に立ちたかった、、、。」

颯真「そうか…じゃあお前は逃げない勇気ともう一度立ち上がる力を持ってるんだな。」

ケルベロス「え、、、?」

颯真「それをするのはとっても難しいんだ…きっとそれを一度辞めたら、、、絶対に俺は出来なくなる、、、だからお前は俺には無い強さを持っている、、、恐怖に負けない強い精神と、何度も立ち上がる覚悟がある。」

ケルベロス「、、、。」

颯真「だからその傷は勲章じゃないのか?」

ケルベロス「勲、、、章、、、?」

右腕や腹を見て、、、こう言う。

颯真「主人の為に闘い、傷付き、、、なおも立ち上がるお前の精神は、、、強い。でも、お前がこの傷を忌み嫌い、、治して欲しいと願うならば、、、俺が治してやる、、、。」

ケルベロス「治、、、す、、、?」

颯真「あぁ、今の俺はフレンズやセルリアン限定だが治癒は出来る。勿論お前の傷を治す事も出来るし、治したくないならそうしなくても良い、、、自分で決めるんだ。」

彼はメシアに近くなって行く、、、。

ケルベロス「僕は、、、僕は、、、また、、ハデス様と一緒に居たい、、、ッ!だから…傷を、、、治して下さい、、、ッ!」

颯真「そうか、、、分かった。」

そう言って、彼は…彼女の傷を全て癒した。

ケルベロス「あ、、、ぁ、、、これが、、、メシアの、、、能力、、、ッ。」

颯真「メシア?」

ケルベロス「全てを救う…聖なる者が持つとされている、、、救済の力、、、。」

颯真「勝手に救済者判定下されてもな、、、自分じゃ分からねぇし、、、。」

ケルベロス「そうですよ、、、きっと。貴方はきっと、、、メシアです、、、。」

颯真「まぁ好きでやってる訳だし、、、ん?もしかして、、、。」

ケルベロス「どうしました?」

颯真「俺のこの能力は、、、普通に死ぬだけでは手に入れられないのか、、、?」

ケルベロス「え、、、?」

颯真「俺の様な能力を持つ奴をリターニーと言って、一度死を経験すれば手に入れられる能力かと思っていたんだ、、、。」

ケルベロス「と言う事は、、、?」

颯真「リターニーを得るには幾つかの条件があったんだ、、、。」

ケルベロス「条件、、、?」

颯真「あぁ、、、きっとその一つは…メシアに認定される事が入って居たんだ、、、。」

ケルベロス「聖人になる事、、、。」

颯真「そして、その人が死する時、ご褒美と言わんばかりに、能力が与えられるッ!更に能力を得た者は、体力が急速に回復する!」

ケルベロス「これが、、、リターニーの真相なんですね、、、。」

颯真「あくまで仮定だがな、、、。」

ケルベロス「しかし、それなら逆説的に貴方の神聖さを表しているのでは?」

颯真「そうかもな…さてと…いよいよあいつを止めないとヤバそうだ、、、。」

ケルベロス「、、、。」

颯真「行くぞ、ケルベロス。」

ケルベロス「え、、、?」

颯真「何言ってんだ?お前も行くんだぞ?」

ケルベロス「どうして、、、?」

颯真「お前が一番あいつを知っている、、、つまり手助け出来るんだ。」

ケルベロス「確かにそうですけど、、、。」

颯真「この能力は俺一人じゃ不完全なんだ。何故なら、心が繋がり難いからな。」

ケルベロス「繋がり難い、、、?それって、一体どう言う事なんですか?」

颯真「例えば、誰かと何らかの関わりを持てれば良いんだ。」

ケルベロス「関わり、、、?」

颯真「勿論それは絆や愛なんかが当て嵌る。そして繋がりがあれば、、連鎖的に繋がって行き、最終的に直接繋がれるんだ。」

ケルベロス「成程、、、メシアに匹敵する、貴方らしい能力ですね、、、。」

颯真「あぁ、そうだな。それじゃ行くぞ?」

ケルベロス「はい!」

二人は彼女を止めるべく、、、彼女の元へ、歩き出す!果たして二人はどうなって仕舞うのか!?次回に続く!


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

~後書き~

どうも、彩月です。何とベルゼバブ戦が次回に持ち越しって言う訳で、、、第三圏はもうちょいつづきそうです。更新ペースは、今週まで週二ですが、来週からは更に落ちて週一ペースで小説を書いて行きますので、どうか宜しくお願いします。それでは!次回も、、お楽しみに!


追記:シャナルアさん別視点お願いします!

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