みんなでお泊まり! そしてお預けです!
はい、どうもこんにちは。
今年やっと悲願である彼女ができた時森望です。
さて、この度は我が愛しの彼女である柊夜の家にお泊まりをする話になったのですが、これまた一悶着ありそうです。
さてさて、同棲者であるアリスが一緒に泊まるという話を聞いた俺は膝から崩れ落ちる程の悲しみを覚えました。
というのも、もしかしたら大人の階段に……なんて期待を抱いていたからです。
まぁ、でも仕方がない。これが現実なんだ。受け入れよう。
この作品で、思い通りにいった展開などあっただろうか? いえ、ありません。
というわけで、俺達は柊夜宅で泊まるという話になったのだがーーーー
「来たよーひいちゃん!」
「お姉ちゃんも来ちゃいました~」
ーーーー何故か、一人増えました。
「なぁ……一人増えた気がするんだけど?」
「えぇ……増えましたね」
玄関に現れた二人を見て、あからさまに頬をひきつる柊夜。
可愛い顔が台無しである。
「……どして麻耶ねぇもここにいるわけで?」
「いやー、なんかアリスちゃんが柊夜ちゃんの家に泊まるって横で聞いちゃってね~、どうせだったらと来ちゃった~」
「どうせだったらって……」
麻耶ねぇには家主の許可という概念が存在しないのだろうか?
「男の子と二人っきりなんて、間違いが起こるかもしれないからね! ……っていうか、起こす気だったでしょひいちゃん?」
「そ、そそそんなことありませんよアリス!? 何を言い出すんですか!?」
「ふーん……」
慌てる柊夜にアリスがジト目を向ける。
ふむ……その反応だと、本当にワンチャンあったのか……。
というか、二人っきりで間違いが起こるんだったら、俺とお前なんて毎日情事だぞ?
「ま、まぁ来てしまったものは仕方ありませんし、今日は皆さんでお泊まりしましょうか!」
「「おー!」」
ってな感じで、お泊まりメンバーが一人増えた。
♦️♦️♦️
お泊まりと言っても、もう時間は遅い。
明日は問題なく学校だし、多分このまま軽くお話をして寝るだけになるだろう。
だけどーーーー
『相変わらず、ひいちゃんってスタイルいいよねー』
『本当にね~、お姉ちゃんにその秘訣を教えて欲しいくらいだよ~』
『……それはこっちのセリフなのですが?』
シャーシャー。
シャワーの音が何故か聞こえる。
リビングのソファーに座っている俺の耳に、水を浴びる美少女の声が聞こえる。
「……この感じ、デジャブだ」
悶々とするこの感覚。
近くに女の子の裸があるというこの気持ち。
覗きたいという沸き上がる欲望。
いつぞやの、俺の家の時と同じではなかろうか?
「うーむ……突撃はないだろうなぁ」
今、前みたいに突撃かましたら、間違いなく殺される。
って言うか、柊夜が容赦しないだろう。彼女いるのに何してんの俺。
「で、では……俺はこの溢れる欲望をどうすればいいのか……ッ!?」
我慢しろ。そう言われたらおしまいなのだが、それだとお預け状態だ。
思春期男子には辛い。
『あっ……んっ! な、何するのですか鷺森さんっ!?』
『え〜、スキンシップだよ〜』
……思春期男子には辛い。
何よ柊夜のあの声?
めちゃくちゃ興奮するんですけど?
『……ひいちゃん? どうしてさっきから私の胸を揉むの?』
『……後学の為です』
……昔の俺だったら突撃してたなぁ。
俺も揉みたい、アリスの胸。
「心の底から……辛い」
浴びるシャワーの音がここまで拷問と化すなんて、今まで思いもよらなかった。
♦️♦️♦️
「……えー、俺ソファー?」
「仕方ないではありませんか。私もまさかこんな大人数になるとは思わなかったのですから」
「じゃあ、今日は一緒に寝る?」
「アリスよ……流石にそのセリフを柊夜の前で肯定したらあかんのだよ」
「……望さん?」
「いや、だから断っただろうに……そんな冷たい目で俺を見るな」
お風呂を女性陣があがり、俺も入り終わっていざ就寝ーーーーなのに、何故か俺は冷たい目を受ける。
……理不尽じゃね?
(……それにしても、みんなの寝間着は可愛いと言うか色っぽいと言うか)
改めて皆の格好をまじまじと恥ずかしげもなくガン見する。
アリスは何時も見ているが、白いパジャマが何とも可愛らしい。
麻耶ねぇに至っては、少しサイズの大きいTシャツ……胸がすんばらしい。
そして柊夜はーーーー
(やべ……普通に鼻血が出そう)
黒を基調とした寝間着で、半ズボンであるためにその太ももが顕になっている。
それに、髪を括っている所為で、白いうなじが妙に色っぽい。
「……すみません、俺多分耐えられそうにないので、一人大人しくソファーでいいっす」
「いいの望くん? 明日辛いよ?」
「いいんだ麻耶ねぇ……関節痛より、多分一緒に寝た方が辛いから……」
多分、これは男の子にしか分からないだろうなぁ。
美少女3人、パジャマ、色っぽい。
この状況下で手が出せずに極限のお預け状態ーーーー無理、一緒に寝るなんて刺激が強すぎる。
「はぁ……じゃあ、そろそろ寝ましょうか」
「「はーい!」」
ってな感じで、本当に何も無く、俺達は夢に入っていくのであった。
※追記
壁が薄いのか、皆の寝息が聞こえてきて、それが妙に色っぽく、結局寝れませんでした。
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