第7話

 あいつらから…たーっぷり…調教された…後…俺は…やっと無限学園に…戻って…きた…


「呼んだ…か?ぐはっ…」

「文彦君!?」

「文彦!!」

「さわ…るな…俺に…」


その場で俺は倒れた…らしい。

俺の脳裏に、あの時の記憶が蘇る。

行かないでと泣き叫ぶ二人の妹。冷たい声で俺の手を引っ張る母親。

何故あの時俺は母親の手を振り払う事ができなかったのだろう。たとえ、その先にいるのが裏社会の人間だったとしても。


そうだ、俺は兄のくせにこれっぽっちもそれらしき事をしてやれなかった。だから今度は…


「はっ!!」

「良かった…文彦君。目が覚めたんだね。」

「ああ…」

「びっくりしたぞ。急にいなくなったと思ったら、今度は傷だらけになって帰ってくるんだもんな。」

「さあ、何があったか教えてもらおうか。」


俺はこれまでの出来事を皆に話した。但し、あの二人との関係は伏せて。


「…そうか。」

「なんか随分エッチでセクシーな敵だなあ…」

「あ?💢」


今度は千鶴に殴られて陸が倒れたが…まあ当然か。


…その時、俺はまたもや例の二人の姿を見かけた。


「あ、おい文彦!?」


俺は奴等を追いかけた。



「あら、また調教されに来ましたの?」

「いいや。確かに俺はお前等の兄にしてトキタイー帝国の王子、レモンだ。だから兄としてもう一度きこうか。何故俺の事をこんなに傷つけるんだ?」

「それは…」


「居たぞ!!」

「…っ!!お前等、どうしてここに!?」

「もう、勝手に失踪されちゃ困るからな…」

「そんな…」


…最悪の展開だ。


「おいそこの甘いの二人、よくもうちのリーダーを誘惑してくれたな!?」

「和也っ…違うんだ!!こいつらは…」

「これ以上、あんた達の勝手にはさせない!!」

「や…やめろ…!」

「行くぞ!!」

「クエストチェンジ!!」


「やめろぉー!!」


俺は必死に二人を庇った。


「クエストチェンジ!!」


「…文彦君、どういうつもり!?」

「…俺の…」

「え?」

「俺の妹達に手を出すなあぁぁっ!!」


俺は自分でも驚いていた。何故俺は敵なのにこの二人を庇ってしまったのだろう。


「…文彦、まさかお前…!?」


「…ごめんな。みんな黙ってて。実は俺はこいつ等の兄にしてトキタイー帝国の消えた第2王子、『レモン』だったんだ。こいつ等とは小さい頃に別れたきりだったから何も覚えていなくて敵として戦ってしまった。でも俺はこいつ等に対して、兄として何もしてやれなかった。だから俺にできる精一杯の事をしてやりたいんだ…」


「一体何を…!?」


「変わろうよ…!!俺も変わるから…!!」


そして俺はナイフで自分の胸と自分の変身アイテムを突き刺した。







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