第2話

「んじゃ、誰も来なかったことだし帰るか。」

「だねー…」


そう言って、俺たちが校門から出てきた時だった。


「なあ…、あれなんだ?人間か?」


陸が指した方向には、なんと謎の宇宙人らしき生物が横たわっていた。しかも…


「おいおいどうしたんだよ…?」

「おいこら、道路の上で寝るな!」

「ちょっとお!!私のおやつ取らないでよ!!」


なんと、その生物の回りを歩いていた人達が突然だらけだしたのだ。

その生物は言った。


「ここかあ?無限学園とかいう厨二臭い名前の学校は?」

「そうだけど、あんた誰?てか何者?そもそも人間?あと一言余計だよ!!」

「俺の名前はニック。人間じゃあないな。宇宙のどっかにあるトキタイー帝国ってとこから来た、魔王の使者だ。この地球の学校を滅ぼしに来た。」

「学校を、滅ぼす…?」

「な、なんだってー!?」


俺達はたちまちパニックになったが、和也の一言で全員気がついた。


「なあ…俺達って『ヒーロー部』だよな…?もしかしたら、こういう時こそ俺達の出番なんじゃないか…?」

「あ…」


そうか。そうだよな。俺達ヒーロー部はこういう時に戦ってこそ、意味があるのかもしれないな。


「じゃあ、早速これ使って変身しちゃおうか!?」

「よし!!皆行くぞ!!」

「おう!!」


…ところが。


「へ~んし~ん!!」

「ヘシン!!」

「Let’s…変身!!」

「…」


いやバラバラすぎない!?しかも千鶴と和也は完全にアウトだし!!お前ら変身の台詞忘れたのかよ!?


「あ。」

「そうだ」

「思い出した。」


「こういう時だけタイミングそろうなよ…まあいいや。行くぞ!!」

「おう!!」


「クエストチェンジ!!」



これで俺達はやっと変身できた。


「ゴウカイレッド!!」

「ゴウカイブルー!!」

「ゴウカイイエロー!!」

「ゴウカイグリーン!!」

「4人合わせて、4教科戦士ゴウカイジャー!!」


「あーもう!さっきからヒーローがどうこううるさいなあ!俺達は楽したいだけなの!変身でもなんでもとっとと済ませろよ!!」

「じゃあとっとと帰れば?」

「かーっ、これだから最近の高校生は…全く!!可愛くねぇなあ!!」


まあ、その通りなんだけどな。大いに共感。でも…ん?


「うるせぇ!だったらあんたがとっとと倒されろ!!」

「は?うるせぇのはそっちだろうが!仕方ねぇ…付き合ってやるよ!!とぅりゃっ!!」


はあ…こんなやる気の無い敵なんてテレビでも見た事無いぞ…こっちからやる気出させてどうするんだよ…


「エンピツスピアー!!たあっ!!」

「消しゴムスライサー!!とうっ!!」

「最後は皆で一緒にいくぞ!!」


皆でサーベルを重ね合わせれば、先っぽにエネルギーが集まって、それが爆弾になる。これもそれぞれ先輩から聞いている筈だ。


『必殺、ゴウカイダイナマイト‼』


「うわああああっ!!」


…ってあれ?悪役ってこんなに簡単に倒せるものだったっけ?まあ倒せたからいいけどさ。




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