第29話 メイクード到着
イリアス女王とバルムス王の会談のあと──
イリアス女王は早急な対応をしてくれた。何でもジュピタンにも魔族はちょっかいを出してきていたらしいのだ。明日は我が身ではないが他人事とは思えないと言うことで大臣その他が反対する中イリアス女王の一存で出兵を判断。1泊した後僕達はメイクード王国へと向かった。兵士の数凡そ1000名。従軍する中にはニューク兵士長の姿もあった。
「ニュークさん。来てもらえるのは嬉しいんだけど本当に良かったの?」
「うむ。私たちは精霊国の守護が主たる任務だが、その他にも他国への援軍も我々の任務のひとつだ。ライネル殿がそのような心配をせずともよい。」
うーん。本当に良いの?兵士長だよ?まぁ僕としてはありがたいんだけどね。
「しかもだ。イリアス様の命令でもある。「《水神様》のお力添えをしてくるのだ。」と言われてしまったからな。兵士達も誇りを持って任務にあたってくれている。ライネル殿は我々に謙遜されるより鼓舞して頂けると助かるのだがな?はっはっはっ!」
それもそうだな。僕が謙遜していたら士気も下がるか……。
「うん。分かったよ。ニュークさん!頼りにしてるからね!」
「ふふふ。それでいいのだよ。ライネル殿。」
大人とは言え1000人の兵と歩幅を合わせるのは難しい。僕、アイリスは旋風を使い狡をしている。兵士たちから狡いと声が上がるも試しにニューク兵士長に旋風を試すと皆口々に「私は地道に歩いて行きます。」と理解してくれた。良かった良かった。僕はニューク兵士長の犠牲を忘れないよ。安らかに眠ってくれ。
メイクード王国を目指して約1週間。僕達は再びメイクード王国門の前に到着した。移動途中の食事に
門の前は前と同じ風景が広がっていた──
僕はそう思っていたんだ。
しかし──誰かが言ったのだ。
ここには濃い死臭がすると。
それも単純な臭いではないのだと。
その言葉はバルムス王とアイリス、メシウスの顔を歪ませるには十分な言葉だった。
綺麗な街並み。そして道行く人々の笑顔。それは偽りだと告げられている様だったからだ。
ニュークが率いた兵士の中には呪術師のスキルを持つ者がいた。その女兵士が更に言葉を紡ぐ。
──これは悪夢だ。私たちは悪い夢を見ているんだ。屍人が街を闊歩しているだなんて。悪い夢なのだ。まるで操り
ニュークが率いた兵士の中に解呪に長けた術士がいた。話し合いの結果、門の前にいる兵士に解呪を施す事になったのだが……
その兵士は僕にこう言うのだ。
「これから解呪を行います。しかし先の者が言いました通り……彼らは屍人でしょう。凄惨な事になるやも知れません。お覚悟を。」と。
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