第18話 メイクード城へ向かう

3人は異様な光景の町を後目に足早にメイクード城を目指した。


行き交う人々に違和感を覚えながらも城の門へ辿り着く。


「私よ!アイリスよ。門を開けなさい!」


何故かアイリスが偉そうに門にいる兵達に話しかけた。


「アイリス?誰だそれ?」

「そんな名は知らん!ここはスプライト城。貴様らのような下衆が来る場所じゃない!帰れ!」


「え…スプライト城?メイクード城じゃなくて?」


「はぁ?メイクード城?聞いたこともねぇ。ここはなぁ?偉大なるスプライト様が統治する国だ。死にたくなきゃさっさと帰れ!」


「…そんなぁ……お父様は…お父様は?…どうなったの?」


アイリスは途端に目いっぱいに涙を溜め零れ落ちんとする涙を必死に腕でガシガシと拭く。


「アイリス様お気を確かに!まだ望みは捨てるべきじゃありません!バルムス様は生きているかも知れませんよ?しかし…それにしてもおかしいですね…たった数日で城の名前も挿げ替わっているなんて…」


「…うん…うん…。メシウスありがとう……」


それにしてもおかしな話だ。当たり前のように城の名前が変わり、城主が変わり、街の様子が変わっている。明らかな変化。それなのに住民も兵士達もなんの違和感も無く過ごしているのだ。


「うーん…入れないみたいだし…これからどうする?」


「私にいい案があります。」


「いい案?」


「はい。1度宿へ戻りましょう。」


メシウスに促されるまま僕達は1度アッパーに戻ることになった。アッパーに戻る前に確認したいことがあるとメシウスは1人街の中に消えていった。


「ねぇ気になったんだけどさ?アイリスって…この国の王女なの?」


「え…!?今更?」


「へぇ~やっぱそうなんだ。ま、別に興味はないけどさ。」


「興味無いんかい!」


「だって…ぽちゃ体型だし……」


「ぐぬぬぬぬぬ!王女に向かって無礼な!打首じゃーーーーー!」


「僕を打首にしてもいいの?君放っておいたらすぐ死ぬよ?」


「それは……ダメ。でもぽちゃ体型って言ったらダメ!次言ったらコロス!ブッコロス!」


あらま。アイリスさんキャラ変しちゃってる。まぁどうでもいいけど。ぽちゃだから。


「ただいまです!」


メシウスが帰ってきた。


手には《鉤縄かぎなわ》が握り締められていた。


うん。嫌な予感しかしない。

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