1.Swords Qualification.
何故か目の前の光景には刀剣だけしかない。地面を見てみれば色んな色をした剣や刀が置いてあったり刺さっている。
しかし土らしきものは見えず有るのは隙間無く埋まっており上を見上げて見ても刀剣。だが太陽如く光り輝いてある物もある。
とどのつまり何処もかしこも刀剣で出来ている世界の夢?という訳だ。
「ど、どうなってるんだよ!?」
桜色の女に切られた筈の胸には傷がなく何一つ変わっていなかった。
意味が分からない、寝たら訳分からん場所に飛ばされて女に切られるわ、また別の場所に飛ばされるわ。
夢ならばお願いだから覚めてくれと願うが現実か夢か分からなくなってきた。取り敢えず立ち上がり周囲を歩いてみる。その刺さっている剣や刀は……
「これって全部俺が考えた剣と刀じゃねぇか。やっぱり夢なのか?」
先ずは地面に鞘ごと刺さっている柄から切先に掛けて全てが鈍色の剣『鉄剣スチールソード』を引き抜こうと柄を握って引っ張るがどれだけ力を出しても抜けない。抜けないと云うより鉄剣自体が重いのだ。運動なんで全くやって無いからまぁ納得は出来る。
次は鉄剣の側に置いてあった柄も鍔も灰白色の刀『鉄刀アイアンブレード』を両手で持ち上げる。
「!?結構重いな………此れだと片手じゃ満足に振れないなや……」
『鉄剣スチールソード』『鉄刀スチールブレード』両者共に鉄だけで出来た刀剣。全部が鉄なので当然重量は重い。
筋力が無い為片手で持つのを維持すのが精一杯だ。やっぱり自分で考えた刀はじっくり見てみたいので両手で切先を上に向けて刀身を横から見てみる。
刀身は刃を含めて完全に鉄で出来ている。下手な模様も無く、重量も相まって本当に鉄だと思わせる。鉄刀が入っていた鞘も触ってみるとひんやりとした冷たい感触が伝わって来る。
「おぉっ!鞘も設定通りちゃんと丸々鉄だ!」
余りの興奮に鞘に頬を擦ってしまう。まさか鞘まで完全再現しているとは思っていなかった。一旦座ってみて鉄鞘に鉄刀を入れてみる。
金属の擦れ合ったり、小気味良くなる甲高い音が心地良い。鞘と刀を一体化させると実に絵になる。重いが柄と鞘を持って刀を横にして持ち上げてみる。
「刀ってやっぱりかっけぇ………」
時間が経って来ると持ち上げている腕がプルプルと震えだす。流石にこれ以上は限界だ。俺の腕と骨が逝く。
鉄刀にほんの少し満足した俺は鞘に入れたまま地面?に置いて立ち上がり辺りを見渡す。鉄刀を震えないのは残念だが仕方無いので比較的軽く設定している剣か刀を探す。
重量を軽く設定している金属の刀身で一番思い付くのは『礬剣アルミニウムソード』、『礬刀アルミニウムブレード』を探してみる。
アルミニウムは別名、軽銀と言われていて鉄よりも比較的明るい色なので歩き回って探してみる。剣の方を見つける。銀色の刀剣は結構あるのでそこそこ苦労した。
「うん、この軽い感じと銀に似て似つかない色は多分アルミ………だな。だよな?検証出来る物が無いから何とも言えないけど」
薄い銀色をした光沢のある鞘に差し込まれている剣を引き抜く。鞘の挿入口と鍔の間から見える刀身は光が反射して輝いている。
刃渡りは凡そ60センチメートル位の長さである。長さについては特に初期の長さが60センチメートルに設定してある。一応適当に設定しており実用性も何も考えた事は無い。だって剣とか持った事無いし。
刀剣鍛冶で幾らでも長さ、長さを変えられたり出来る設定にしているけど刀剣鍛冶という『異能』は存在するのだろうか?存在していたら是非とも使ってみたいけど無い物ねだりしても意味は無い。
「フンッ!」
礬剣を軽く振ってみる。初心者は刀を振ると間違って足を切ってしまう聞いた事があるのでゆっくり真横に向かって振るう。
軽いとはいえそこそこの重さは有るので前のめりになってしまう。するとビュンと空気が震える音が鳴った。
「初めて実剣?を振るってみたけど結構難しいな」
剣を操ると云うより振り回されているっていう感覚だな。アニメとかでよく経験する奴って太郎が言っていたな。
「もっと他の刀剣も探してみよ」
そこから数時間歩き回った。少し歩くだけで周りにある刀剣姿形、色が変わっていく。火、水、風、土、熱、氷、雷、毒、光、闇、無、概念、現象、星座、星、生物、植物、様々なモチーフがある刀剣を一通り見てきた。
「フゥいやーカッケェッ!」
こんなにも自分の創った刀剣を見れるなんて幸せだ。
「で、何時になったらこの夢は覚めるんだよ」
そう、かれこれ四時間は経過した筈なのに一向に俺の身体の方の意識は目覚めても良い筈だし、母さんも俺の事呼びに行ってると思うんだけど。
「────ん?」
突然、カチャカチャとした金属音と足音が耳に響く。その足音はどんどん大きくなっていた。もしや他にも人が居るのかと思い音のする方に足を運んでいく。
「!?」
音のする場所に居た物を見た瞬間刀剣で出来た小山に隠れた。其処に居たのは
『──────。』
全身に無色透明な剣と刀の刀身が背後に向かって流線上に生えて居た人型の何かだった。それにそいつは右腰に透明な刀を持ち、背後に透明な剣を携えていた。
無論、その刀剣も例に漏れず俺が想像した刀剣『剣ソード』『刀ブレード』と何の色も着いておらず、能力も特性も何も無い。唯の刃物だ。
俺が幼い頃、一番最初に考えたものだ。オーソドックスで扱いやすく、全ての大元の刀剣。
それに全身刀剣の人型にも何故か見覚えがあった。確か小さい頃に………ダメだ記憶に無い。一度描いた物は忘れないんだけど。
取り敢えず彼奴の名前は『
取り敢えず足音をたてずにこのまま離れよう。すっかり忘れていたがこの世界に来る前に桜色の女に切られたんだ。刀剣使徒にも切られるかもしれないし。
「そうと決まればダッシュ!」
パッパと足を動かしてその場から逃げていく。小山を避け刀剣で出来た地面を踏み抜いていき息絶え絶えになって走っていく。
「ハァ、ハァ………よしここまでくれば大丈夫だ…………!」
額の汗を腕で拭き後ろを見ると刀剣使徒が居た。刀剣使徒は既に居合いの構えに移っており左手で刀の柄を握り、腰を低くし左足を前に出し右足は後ろに伸びている。
その構えはは桜色の女と寸分違わず全く同じだった。
先程の胸が切られた時の傷みを思い出し、手で思わず触ってしまう。
「!?」
その瞬間には既に刀を握っていた左手は既に右腰から消えており左背後に高々と掲げていた。それと同時に俺の右横腹から左肩に掛けて強烈な傷みが走る。
「ガァッ!」
刀剣使徒に切られた風と共に俺は後方に吹き飛ばされ、ゴロゴロと横になって転がり剣が刺さっている所にぶつかる。
あの女の時と何一つ変わらずどうにも出来ずに切られてしまう。尋常無いくらい痛い。傷口からはドクドクと赤い血が流れ出す。
「ウッ………」
止めどなく流れ出した血が地面の刀剣にぶち撒けられる。痛みに耐えながら顔を上げ傷の原因の頭部を見る。
髪の様に流線状に生えている。マスクの様に耳の方向に着けて、前髪の様な刀剣。そこにある隙間は黒いが目の様にも見える。身体だけじゃなくて頭部まで全て刀剣で出来ていた。
正直に言ってしまえばもうどうしようも無い…………いや、まだ1%以下の可能性が若干残っている。
彼が転がってぶつかった刀剣は今まさに敵が使っている剣と刀だった。
彼は身体に鞭打って剣を支えに立ち上がり刀を左手に握り剣を引き抜く。鞘から抜刀された剣には光沢も何も無くただ無色透明の物だから今は何よりも頼もしい。
ソードもブレードも自分の身体の様に重みは感じず寧ろ軽くなった気がする。
「グゥッ…………どう、にか逃げ、無いと」
逃げようとは考えてはいるけど奴の高速移動によって意味を為さない。それにたった一回の切り傷で満身創痍だ。この状況で唯一出来るのは
「……たたか、う事………」
無理だ。俺は剣を扱った事も無いしさっきの居合いを見る限り勝てる見込みは0に近い。
でも、どうせこの世界は夢だから真剣に考える必要なんて元々無いかもしれない。そう思うとほんの少しだけだけどやる気が湧いてくる。
「……でも、やる、しかねぇ………それが道を切り拓く俺の刃なんだ!」
刀剣市とは刀を鞘にしまい背中に携えている剣を鞘から引き抜く。剣を振り下ろし手首を捻り光沢がある側面を正面にし、肩に剣を掛け構える。
「来るっ!」
刀剣使徒は物凄い勢いで地面を踏み出し驚く程の速さで俺の正面に急接近する。身体全体を右上から左下に捻る様に動かし刃が振り降ろされる。
「ヘァッ!!!!」
持っていた剣を手首を思い切り捻る事で逆手にし左手を交差させ刀身に当て盾の様に構え、襲いかかる刃を全力で受け止める。カン、と剣と剣がぶつかる音が俺と刀剣使徒の間に鳴り響く。
「ウゥ!………」
受け止めたは良いものの相手の方が恐らく筋力は高いので徐々に俺が押し込まれていく。
奴はこのまま力押しでいけると思ったのか剣を両手で握り締め更に切り押してくる。
このままでは押し負けて俺が負ける。なので刀身に当てている左手を徐々に柄の方にズラしていく。そのまま相手の剣をこちらの剣擦らせながら身体ごと左前、奴の真横に飛び出す。
すると相手の力を受ける的が居なくなったので前のめり倒れていく。
「ここだぁ!」
飛び出した身体を止める為左足を横に出して強く踏み付け留まり、逆手に構えた剣を奴の横腹目掛けて右手で掴み左手で柄を強く押し、身体全体で飛び込む。これにより俺の剣先が奴に当たる筈だった。
「ッ!」
何と刀剣使徒は左手を柄から離しており刀の柄を握り鞘ごと横方向に出し鞘で剣先を止めながら擦れさせ、いなしたのだ。
そこから左足で前のめりの勢いを殺し右手の剣を離し身体をこちら側に向かせながら接近した俺の顔を手刀でその勢いで叩こうとする。
更に手刀が当たる前に剣先を止めていた鞘から刀を抜刀し回転する勢いで手刀、刀と顔と右横腹に攻撃を喰らう。
「ガバァ!!!!」
またもや吹き飛ばされてしまう。今度は横腹が痛い。オマケに奴は全身刃物だから手刀だとしてもナイフと何ら変わりはしない。だから頬が切れて血が出る。
パーカーがどんどん赤く染まっていく。
「痛えよ………痛え」
もうこれ以上は無理だ。
「………まだだ」
どうせ勝てっこない。
「………負けてたまるもんか」
自分で考えた剣で負けるんだから本望だ。
「……自分で考えた剣を使って負けるなんて冗談じゃ、ない!」
悔しい悔しい悔しい悔しいッ!そうだ悔しいのだ。誰とも知れない奴に俺の思い出を、時間を、想いを横からは掠め取られたかの様に!
悔しさをバネに重症を二箇所負っている身体を無理矢理立たせる。動くだけで全身が痺れ体が悲鳴を上げた。それでも尚、剣を刀を握る。自分の刀剣でやられるのは結構結構。でも自分が使っているのに負けるなんて、何より
「ウォォォォオ!何処ぞの知りもしねぇ奴なんかに!俺の刀剣を使わせて溜まるかよぉ!もぉどうにでもなれやぁ!」
剣を肩に掲げ、刀を腰に帯刀し掛ける、この自分だけの刀剣の世界を。此方に気付いたのか刀剣使徒も走って来た。右腕を上げ剣先を此方に向け、刀を刃を前に真横に構えている。
「ハァァァァァッ!」
先ずは奴の構えている刀を此方の剣で側面を叩き斬る。だがそれを行うには奴の剣を何とかしなければならない。
剣先が向かわれているが突きなのか、直前で上から振るってくるのか、傍また刀か、下から来るか。俺には検討も付かない。
「グォオラァ!」
己を奮い立たせる為声を張り上げる。
刀剣使徒がすぐ其処に迫る。奴の腕を見る。奴は刀か剣かのどっちかしか使わないと思われる。
たった数回の事で推測するのはどうかと思うのがもうどうしようも無い。だからもうそれしか出来ない。
腕をただ凝視する。先に動いたのは左腕、つまり水平切りッ!いやっそれだけじゃない。刀よりは多少遅いが剣が突きに来る。
「其処ォ!!!!」
携えていた剣を振り降ろす。肘の動きは最小限、肘から先の動きは
「最大限ッ!」
振るわれた剣は空気を振動させ直角に下がっていき敵の刀の側面を刃から背面に掛けて切り込み、刀はパキンと言う音共に割れた。だけど刀は見ず直ぐ様動揺を一切見せないまま突いてくる剣を見る。
───突きへの対処ならさっき目の前の奴が教えてくれたよ!
腰の刀を鞘に入れたまま下から振り上げる。勢い良く突っ込んで来る剣の刃に鞘が食い込んだ。別方向からの力が入った事により剣は勢いを失った。
そこから刀を一気に引き抜き同じく横から切り込む。それと同時に右手の剣を振り降ろした方向とは反対の方向に斬り上げる。
「アァァァァッ!」
剣は下から、刀は横から、その両方の斬撃は胴体に確実に入った。刀剣使徒の体と刀剣はぶつかり軋んだ音を鳴らす。両腕に精一杯の力を込めて奴の胴体を斬切り裂く。
俺の渾身の一撃は見事に成功し初めて相手にダメージを与えることが出来た。その証拠に斬撃喰らったと同時に敵はノックバックをした。
「俺のロードは!」
両足を地面に食い込ませ斬撃の勢いで剣と刀を合わせながら回転し再び奴の胴体に追い打ちを掛ける。
斬撃の入った胴体に大きな切り傷が出来奴の身体の刀剣も折れていった。思いきし刀剣を喰らった刀剣使徒は吹き飛ばされ動かずその場で倒れている。
「俺の刃が切り拓く!」
喜びの余りに声を上げてしまう。やっとアイツにダメージを負わせられたんだ。俺の考えた刀剣でアイツに一矢報いる事が出来たぞぉ!
「ハァハァ………イテテテテテ」
流石にあんなダメージ喰らった挙句動いたんだから結構疲れたぜ。俺は一種の安心感を得たのか両手の刀剣を離し倒れる。緊張感が解けた瞬間に胸と横腹の傷が傷みを訴えて来る。
「あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛………」
そろそろ夢も覚めてもいい頃だ。いや何時だろうが関係無く速く目覚めろ俺の身体。じゃないと俺の精神が死ぬ、と言うかもう無理。誰でも良いから俺を起こしてくれよ………
「うぅ怖いが彼奴の所に行ってみるか。他にどうしようもないし」
パーカー、ズボンの袖を両方引き千切って紐の様な形にし傷口に巻いていく。応急処置にもならんだろうがしないよりはマシだ。手当てもした所で剣と刀を持ってゆっくりと近付いて行く。
「改めて見ても歪な造形してんなコイツ。ヨイショっと」
再び起きられても怖いので頭部分を剣で思い切り叩き斬っていく。それに合わせて両手両足切り取っていく。傷口を見ても中にあるのは刀剣の断面図の様なものがぎっしり詰まっていた。
「へえーこんな風になってんだ。面白いもんだな」
切り取った右腕を手に取り関節部分はどうなっている調べると人間の骨の様な仕組みに成っていた。そのまま胴体の方も調べていく。心臓部分がどうなって居るのが気になってしまう。
胸に付いていた刀剣を此方刀剣で気を付けて剥ぎ取っていく。コイツの体は全身凶器だからこれ以上怪我したら世話ない。
「う〜んヨイショ!」
全身透明の癖して何層にも重なっているせいで見えなくなっているだ。まぁそれだけ剥ぎ取るのには苦労する。しかし
「何にも無いじゃないか。」
そう、ただ何層にも重なっているだけで何処にもそれらしき物は無いのだ。
「ハァ、疲れた。」
何ということか!?剥ぎ取るのにはそれなりの力が居るし、何十層にも別れていたので時間も掛かったのが全て無駄足になってしまったじゃないか。
「最悪だ」
尻餅を付いて刀剣使徒の身体をよ〜くみてみると何百本の刀剣が小刻みに動き刃の擦れ合う音が響いていく。やがてそれらの刀剣は一斉に別れ俺の傷口に突き刺さった。
「ッ!………あれ?痛く、無い?っていうかどんどん俺の中に入っていく!?……何だよこれぇ!」
突き刺さったと思えば痛みはしないでも何故か身体の中に傷口を介して入ってくるのだ。全てが入り終わると身体の中で何かが流れ回っていく。
全身の隅から隅、髪の毛に及ぶまで。それと同時に身体にあった傷口からは刀剣が生えてきてそれと共に痛みが再び身体に鞭打つ。数十秒もすると
「いってぇぇぇえ!!!………………………うぅ何だか気持ちわりぃ」
数十秒もすると生えていた刀剣の姿は一切無く傷口は跡形も無く消え去っていた。
家で回転式のイスで何回も回った時に感じた吐気以上に気持ち悪くなっていく。
そして何故か脳裏には『剣ソード』と『刀ブレード』の立体的な像が思い浮かんでくる。
「何でいきなり!?」
その設計図のみが頭の中に埋まりグチャグチャに掻き回している。余りの気持ち悪さ思わず下を向き自分の両手を見てみると何故か剣と刀が創られていた。
「ま、まさか『
それ以外に考えられない。傷口の刀剣による再生、刀剣の創造。それは全部俺の考えた設定だ。
それにこんなデメリットのある能力なんて誰も考えない。もしそうじゃなくてもそういう風に考えた方が気楽だ。
因みに『剣ソード』と『刀ブレード』の制作時デメリットは無い。だって大元の刀剣なんだからデメリット有りにしちゃ意味ないし。
「試しに制作時のデメリットが他にも無い『水剣ウォーターソード』と『水刀ウォーターブレード』でも作ってみるか」
『水剣ウォーターソード』『水刀ウォーターブレード』共に青色の刀身で切ったときに水を発生させ水の刃を放つ剣。
制作時の刀身身体同一化というデメリットの発生は全身が水で濡れた感触がするという比較的マシなものなので創ろうとする、が
「造れねぇ。どういうこった…………もしかしてこんな化物を一体一体各能力ずつ倒さねぇと行けないってことかぁ!?」
俺の脳裏で想像する。今俺が制作出来るのはさっき倒したノーマルの刀剣の使い手、それを倒す事によってソイツの扱う武器は制作出来た。つまりはそういう事だろう。
「今から俺はもしかして数百体以上の刀剣使徒、コイツの能力持ちと戦わなきゃいけないって事かよ」
途方にくれる俺にさらなる絶望が燃え広がり始めた。ふと熱いな感じて辺りを見合わすと全身が火で包まれた『火刀剣』の使い手が現れた。
「………嘘だろオイ」
俺は立ち上がり作ったばかりの刀剣を構えた。
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