第260話 矜恃

ドガマの分身体の一撃を受けられたのは、間違いなく拙者が持っている刀のおかげだ。

その辺のなまくら刀であったなら、無理な力が掛かり、折れていたはず。


青葉せいは……またセナに借りを作ってしまったでござるな。」


拙者の乱暴な刀の扱いに、セナは文句を言うのではなく、刀の性能を合わせるように打ってくれた。

拙者の未熟な剣術のせいで、セナに苦労を掛けてしまっている事は分かっているし、研鑽けんさんを積むつもりはあった。

でも、セナは今の拙者に合わせた刀を渡してくれた。

元々打っておいた刀というのは本当だと思うが、もし、拙者を見て、合わないと思えば、この青葉を渡してはくれなかったと思う。

トウジ様の教えによって、そういうところは誰より厳しいから。


セナの職人としての目利きと、腕に、拙者はダンジョン内でも、そして出てきてからも、どれだけ救われてきた事か。

一生を掛けても返せない恩を受けてしまった。


「セナの為にも…負けられないでござるな!」

ガギィィン!


傷む左腕を無視して、分身体へと斬り掛かる。


「悪くない剣圧だ!」


ガギィィン!


拙者の横一文字の攻撃に対して、分身体が縦一文字に応える。

刀同士が強く打ち合い、火花を散らす。


分身体程度に苦戦しているようでは、本体には勝てないかもしれない。だが、拙者が分身体に向かって刀を振り続けている今、ドガマは後ろの二人に興味を示していない。それが重要だ。


「おおおぉぉぉっ!」


ガギィィン!ギャリッ!


右斜め下から斬り上げてからの、突き。

斬り上げは弾かれ、突きはいなされる。


「攻撃の隙は与えないでござるよ!」

ギィィン!ガキィィン!


上段からの振り下ろし二連続。


分身体の、刀を受ける腕から、少しずつ力が抜けていくのを感じる。

拙者の攻撃を受け続けているうちに、腕の力が足りなくなってきているのだ。


常に体調が一定の、魔法によるゴーレムとは違い、精巧であるが故に、体力や筋力まで、人のそれを真似てしまっているのだろう。嬉しい誤算だ。


「ぬおおおぉぉぉぉ!」


ガギィィン!ギンッ!ガキャッ!


体の力を振り絞り、ひたすらに刀を繰り出し続ける。


シンヤ殿が、前に一度だけ言ってくれた事がある。


拙者の戦い方は、実に分かりやすく、簡単に言えば、攻撃は最大の防御。というもの。

荒々しく、豪快な剣術で相手を圧倒する事を目的とした剣である。

それは自分でもよく分かっているし、それこそが拙者の真骨頂しんこっちょうであると思っている。

しかし、海底トンネルダンジョンの、ダンジョンボス、ダークデーモンとの一戦で、相手に攻撃をさせない連続攻撃をした後の事。

拙者は、体力を完全に消耗し、動けなくなってしまった。

それを気にしたシンヤ殿が、攻めた時、全てを防がれる、もしくは躱された時の事を考えて、後の手を用意しておくと良いかもしれない。と、呟くように教えてくれた。


拙者は、剛撃で終わらせる事ばかりを考えていて、目からうろこが落ちる思いだった。

別にその剛撃だけで終わらせる必要など無い。

その次の手、それでも駄目ならば更に次の手を使えば良いだけの事。

そんな事も分からなくなってしまう程に、というのは、思考を狭めてしまうのだと気が付いた瞬間でもあった。


「おおおぉぉぉ!」


ガンッガギィィンガギィィン!


「くっ!」


叩き付けるような連撃によって、徐々に分身体の防御をこじ開けていく。

分身体も、かなり苦い顔をしている。


このまま刀を振り続けても良いが、それでは本体との勝負で、拙者の体力は残っていないだろう。


ならば!


剛月ごうげつ!!」


連撃の最後。


拙者は刀を右から左へ向かって横薙ぎに振る。


ガギィィン!


連撃の流れのまま、分身体は刀を受け止める。


それを見た拙者は、体を回転させ、直ぐに左から右への横薙ぎの斬撃に切り替える。


ここまで、回転技は一度も使わず、相手はただの打ち込みだけが来ると思っていただろう。

突然目の前で回転した拙者の動きに、反応が遅れる。

それでも、分身体はどうにか刀を体の右側へともっていく。

しかし、ここまでに与えた剣圧による衝撃によって、分身体の腕は疲労でボロボロ。咄嗟に出した刀に、拙者の遠心力と神力を乗せた一撃が、止められるはずがない。


ガギッザシュッ!!

「ぐうぅぅぅ!」


分身体が止めようと出した刀が、大きく押し戻され、その横腹に大きく食い込んでいく。


分身体とは思えぬ程に生々しい赤黒い血が腹から溢れ出してくる。


鉄分の、血の臭いまでする。


「倒したか。流石に分身体では無理だったか。」


ニヤニヤしながら、拙者の事を見ているドガマ。


「よく出来ているだろう?血の臭いまで本物同様だ。

だが、俺が魔眼の発動を止めれば…」


ブワッ!


ドガマの魔眼が光を失うと、倒れていた分身体。そして、そこから流れ出していた血まで、完全に消え去ってしまう。臭いも当然消えていく。


「凄いだろう?ここまで出来るようになるまで、どれだけ大変だったか。」


「そこまでする価値が、あの男に有るでござるか?人をこまとしてしか見ていない事くらい、分かるでござろう?」


ドガマは、上裸で髪を剃り上げている、豪快な姿だが、分身体を使っていた技量、そして、それをテジム様でさえ見抜けなかったという知恵者ちえしゃだ。そこに疑いの余地はない。

それ程の者ならば、ガラクという男が、自分達をどう見ていて、どういう扱いをしているのかくらい、分かるはずだ。


「別に駒としてだろうが、道具としてだろうが、俺達に復讐の機会をくれるって言うならば、理由なんざどうでも良い。俺にとって、そんな事は些末さまつな事。

絶対に届かないと思っていたお上達の首元に手を届かせてくれるというのならば、それは俺にとって神にも等しい存在だ。」


そう言っているドガマの目は、真っ直ぐに拙者を見ている。

一体どれだけの恨みを抱えていれば、そのような思想になるのだろうか。

拙者は政に関与出来るような立場でも無かったし、そういう事についてはほとんど何も知らないが、お上というのに、どれだけの事をされたのだろうか。


下民という制度も、お上の行った政策の犠牲者、とも言えなくは無いと思うが…

ドガマのような男が、敢えて今回の襲撃に参加するのには、それだけの理由が有る、という事なのだろう。


「だとしても…寿命を削ってまでする事でござるか?」


「俺にとってはそこまでする程の事なんだよ。俺の寿命はもう何日も無いかもしれない。それでも、奴らをこの手で殺せるならば、俺の命くらい簡単に捨てられる。」


「………………」


ここに来るまで、色々な者達を見てきた。

ただ欲求を満たしたいだけの輩も多かったが、復讐の為に参加している者も居た。

それだけお上が悪どい事をしてきたという証拠だろう。それが復讐というのであれば、やってきた事のツケを払わされているに過ぎない。

自業自得とも言えるが……しかし、それを認めてしまったら、拙者がこれまでやってきた事を、全て否定することになる。

拙者は暴力ではなく、努力によって、発言力と、それによる影響力を身に付け、この島を変えようとしてきた。

ハツ殿には、今回の事があったからこそ認めて貰えたが、拙者自身がひたすらに努力を続けていれば、地位に関わらず、拙者の事を見てくれる人は居たはずだ。

きっと、それを続けていけば、いつか島を変えられていたはず。

島全体を巻き込んで、無関係な者達を巻き込んでまで行う復讐を認めてしまえば、拙者のやってきた事を否定することになってしまう。それはつまり、これまで拙者の事を応援してくれていた、人達に対する裏切り以外の何ものでもない。


「下民のお前に、理解してもらおうなどとは思っていない。これは俺の矜恃きょうじみたいなものだからな。」


「であれば、語るだけ無駄…でござるか。」


その矜恃とやらがか。善か悪かというのは、問題ではない。矜恃など人それぞれ。


悪鬼と呼ばれていた頃の拙者にとって、生き残る事こそ矜恃であり、その為にはどんな事でもしてきた。

そんな拙者が他人の矜恃の善悪など語れるわけが無い。


であれば、拙者とドガマ。どちらの矜恃を貫き通せるか。それが全てだ。


「やはりお前…悪くないな。今からでも遅くは無い。こっちにつかないか?」


「それを拙者のが許すと思うでござるか?」


「……くはははははは!それもそうだな!悪い!今のは忘れてくれ!おとこに対して失礼な事を言ったな!」


ドガマが刀を抜く。


下民下民と言ってくるくせに、身分に関係なく、拙者の事を漢として扱っている。

ドガマも、ガラクにそそのかされなければ…いや、お上に強い恨みを抱くような出来事さえ起きなければ、仲良くなれていたのかもしれない。

拙者はサクラ殿達の為、何も知らない人達の為に刀を握っているけれど、お上の為に…とは思えない。


この戦が勝つにしろ負けるにしろ、お上の者達の処罰は免れないだろう。

師匠や、四鬼の皆様も、今回ばかりは口を挟むはず。

しかし、それは拙者の関与する話ではない。

今はただ、目の前のドガマをどう倒すかだけに集中する。


「準備は良いか?」


ドガマが刀を拙者の顔に向ける。


その瞬間、殺気がぶつかってくる。

そこらの敵兵が放つ殺気とは質が違う。

抜き身の刀のような鋭い殺気。


一瞬、自分が殺される想像が頭の中にチラつく程だ。


それでも、拙者は、歯がギリギリと鳴る程に食いしばり、ドガマの顔を見続ける。


「漢に対して手を抜くなんて無礼な真似はしない。

最初から全力でいくぞ。一撃で死ぬなよ。」


「…………………」


「……………」


ドガマも拙者も、互いに飛び込む瞬間を探り合う。

呼吸を読み合っているだけで、冷や汗が背中を伝っていく。


ダンッ!!


拙者も、ドガマもほぼ同時に地面を蹴り、互いの中間点に踏み込む。


「うおおぉぉぉぉぉ!」

「ぬおおおぉぉぉぉ!」


ガギィィィィィン!


ドガマも拙者も、全力で振り抜いた袈裟斬けさぎり。


目の前でぶつかり合った刃から火花が散り、ドガマの顔がその光に照らされる。


「ぐぬっ!」

ギィィン!


一撃目。


拙者は全力で刀を振った。

神力の使い方は拙いかもしれないが、それでも全力を出した。


それでも、ドガマの一撃が、僅かに拙者の剣圧に勝り、刀が大きく後ろへと弾かれる。


テジム様との攻防の演技によって見せた隙とは違う。


命の危機。


殺される。それが自分で分かった。


「ぐうぅぅぅ!!」


弾かれた刀を正面に戻そうと、全力で体に力を入れる。


負けるわけには!


ギャリ!ザシュッ!


「ゴンゾー様ぁぁぁ!!」


自分の腹部から、ドガマの突き出した刀が生えている。

いや…刀に貫かれたのか…


「嫌いじゃあなかったぞ。」


ブシュッ!


ドガマが勢いよく刀を引き抜くと、傷口から真っ赤な血が溢れだしてくるのが見える。


死に至る傷というのは、それこそ死ぬ程痛いのだろうと思っていたが、実際はそうではないらしい。

ただ…刺された場所が少し温かく感じるくらいで、痛みは無い。


これが…死か。


それを認識した時、足から力が抜け、膝を落とす。


折角シンヤ殿に助けて貰った命だというのに、また、こうして志なかばで失ってしまうとは…


口惜しい。


拙者の方へ走ろうとしているサクラ殿。

目には涙を浮かべ、何かを叫んでいる。

また、泣かせてしまった。


拙者に………もっと力があれば……


せめて、最後に一言だけでも…


「逃げ……」


ドサッ…


自分が地面に倒れていくのが分かる。

体の力が抜け出ていく。


音が消え、光が消えていく。


これが……死。


きっと、拙者は地獄に落ちるだろう。


愛する人を守る事も出来ず、何も成せなかった。


理由は有れど、多くの人を殺した。


別に拙者が地獄に落ちる事などどうでも良い。

ただ、サクラ殿が無事に……


真っ暗な視界の中。


ただただサクラ殿の心配をしていた。


どれだけ時間が経ったのだろうか。


数年、いや、数百年だろうか。


死とは、こうも何も無いものなのか。


地獄も天国も無く、ただ広がるのは無。


「おい。いつまで寝ているつもりだ。」


ガンッ!!


「っ?!」


無の世界に、突然の衝撃が伝わってくる。


聞き覚えのある声に、まぶたを開くと、紫色の髪の男性。


「シ、シデン殿まで死んでしまったでござるか?!」


「あ?何を寝惚ねぼけている。お前も俺も死んでなどいない。」


「へぁ?」


周囲を見渡すと、拙者が倒れた場所だった。


「サクラ殿?!」


直ぐにサクラ殿を探してみたが、その姿は無く、ドガマの姿も無かった。


「連れて行かれたらしい。」


「そんな………」


「お前……ハツさんに感謝しろよ。」


「ハツ殿?!」


シデン殿があごをグイッと動かした先には、壁にもたれかかって浅い呼吸を繰り返すハツ殿。

直ぐに駆け寄るが、随分と憔悴しょうすいしている。


「あまり動かすな。お前を助ける為にかなり無理をしたからな。」


「ど、どういう事でござるか?!」


「ハツさんは、他癒眼たゆがんという魔眼を持っているらしくてな。他人の傷を癒せるらしい。

魔力消費が酷かったり、自分は治せなかったりする代物で、使うのにもかなりの危険がともなうものらしいがな。」


自分の傷口を見ると、突き刺された部分が古傷のように盛り上がり、傷が塞がっている。


普通の治癒魔法とは違い、他者の自己治癒能力を引き上げる類の魔眼らしい。

つまり、部位の欠損となると治療は難しいが、拙者の傷ならば治せた…という事らしい。


「はぁ……はぁ……」


ハツ殿は、魔力が残っていないのか、かなり辛そうな顔をして、額から汗を流している。


「ハツ殿……」


「うっ……ゴンゾー…様……?」


ハツ殿は、目を微かに開き、拙者の顔を見て反応を示してくれる。


「良かった……」


「ハツ殿!」


「私より……早く……サクラ様を……」


ただでさえ弱い体なのに……どうにかして魔力を……


そう言えば!!


「少し待つでござる!」


拙者は、懐に入れておいた小瓶を出す。


中には、魔力回復の効果を持つ丸薬が六粒。


帰ってきてから色々とあって、当初渡す予定であった四鬼様方の分と、拙者。そしてサクラ殿の分。シンヤ殿から譲り受けたもの。

色々と有り過ぎて忘れてしまっていたけれど…


「ハツ殿。これを飲んで欲しいでござる。」


拙者がハツ殿の手を取り、そこに一粒だけ丸薬を乗せる。


「はい……」


コクッ…


何の躊躇いもなく、その丸薬を飲み込むハツ殿。


「う…嘘……」


今の今まで辛そうにしていたけれど、突然体調が戻り出すハツ殿。


「ま、魔力が…」


「良かったでござる。」


「魔力の回復薬ですか?!」


「ある人から譲り受けたでござるよ。」


「これ程貴重なものを私に?!」


戦えもしない自分に、何故?とでも言いたいようだが…


「拙者は命を救われたでござるからな。命の対価としては安いくらいでござる。

本当に感謝するでござるよ。」


これで…また戦える。


「それより、サクラ殿は…」


「は、はい…」


ハツ殿が語ってくれた、拙者が倒れた後の話は、簡潔だった。


拙者を倒した後、ドガマがハツ殿とサクラ殿の元へ向かった。


サクラ殿はかなり取り乱し、拙者の名を呼びながらドガマを押し退けようとしていたが、ドガマがそれを許さず、サクラ殿を気絶させて、担ぎ上げた。


ハツ殿も連れて行かれると思っていたのだけれど、ドガマは一瞥いちべつしただけで、サクラ殿のみを連れて、ガラクの居るであろう方向へと去って行ったらしい。


「その後、お前に力を使って、今の状況だ。」


シデン殿が話を纏める。


「どれくらい…倒れていたでござろうか?」


「どうでしょうか…五分程…でしょうか?」


気絶している間、数百年とか思っていた自分が恥ずかしいでござるな…


「しかし…他癒眼を持っていると知っていたはずなのに、敢えてハツさんを置いていったとなると……ゴンゾーを助けさせる為か…?何故そのような事を?」


「……それは何となく分かるでござる。」


ドガマ。

あいつは、知恵者ではあるけれど、戦闘自体も好んでいる。

刀を交える事を根本的に楽しんでいるのだ。

一度だけだが、刀を交えた拙者ならば、それが分かる。


恐らく、あの強さならば、果敢かかんに向かって来る者達も少ないだろう。

そんな中、自分に怖気付く事無く向かって来た下民の男が居た。

もう一度向かって来い。そう言いたいのだと思う。


「しかし……」


一度刀を合わせて分かった。

強い。間違いなく師匠と同等の存在。


もう一度、サクラ殿の元へ行って……拙者に何が出来るというのだろうか。

ドガマが作り出した分身体をやっとの思いで潰せるくらいのもの。それだけの為に向かう…?それならいっそいない方が、サクラ殿が助かる可能性が上がるのでは…?


「おい。」


拙者が頭の中でグルグルと思考を巡らせていると、それをかち割る様にシデン殿の声が響く。


「怖気付いたか。」


「っ?!」


シデン殿に言われて分かった。

これは怖気付いているのだ。怖いのだ。


「ならここで震えて待っていろ。後は俺がやる。」


「っっ!!」


そんな事は無い!と言いたい。でも…


「そんな事はありません!!」


言葉を飲み込もうとした拙者の代わりに、横から声が上がる。


「ゴンゾー様は絶対にこんな所で諦めるような方ではありません!今は少し休んでいただけです!」


ハツ殿が、怒鳴りつける。あの四鬼に対して…だ。


「……………」


しかし、シデン殿は言い返さない。

その代わりに、拙者の目を見下ろし、口を開く。


「……ゲンジロウが言っていたぞ。

お前は自分の力を抑え過ぎだとな。俺から言うつもりなど無かったが、そのまま付いてきても困るからな。」


「ど、どういう事でござる…か?」


「……はぁ……だからお前は馬鹿なんだ。」


「うっ……」


呆れたように溜息を吐くシデン殿。自分が馬鹿だという事は分かっているが、改めて言われると言葉に詰まってしまう。


「ゴンゾー。お前には一度言っているはずだぞ。

お前が三年間、あのダンジョンで生き残ってきた事は、凄いことだとな。それも、四鬼となった俺がだ。

四鬼でも出来ない事をやってきたというのに、お前の実力がだと、本気で思っているのか?」

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