第16話 デルスマーク
「貴族か…」
この世界にも地位は存在する。
基本的に、殆どの人は平民だが、その上と、そして下が存在する。
上には大きく分けると、貴族と呼ばれる者達、そしてその上には
この世界には、日本とかアメリカみたいな国という概念は無い。
街は世界中にあるが、国は無いのだ。
しかし、その代わりに、それぞれの種族の長である族王という地位が存在する。
人族の王、獣人族の王といった感じだ。
逆に、下には、なんと奴隷が存在する。
ゲーム内でもその事が初めて分かった時、かなりのブーイングとバッシングを受けていたのをよく覚えている。
非人道的なシステムだとか、可哀想だとか、とにかく叩かれまくっていた。
しかし、そのバッシングに対しても、なんの反応も改善も示されなかった。そこで離れたプレイヤーもかなり多い。
一応、ゲーム内では、十八禁の言動や、奴隷を買ったりする事は厳しく取り締まられ、それに背こうとすると問答無用でアカウントが吹き飛ぶシステムにはなっていた。
しかし、奴隷という存在自体は消えず、結局残され続けていた。
話が逸れたが、貴族にはゲーム内でもまず関わらない存在だった。ソロプレイで討伐クエストやダンジョン攻略を主に行っていた俺には基本的に関係の無い話だった。
一人を除いて…
「貴族と何かあったのか?」
「一度だけ貴族の護衛をした事があってな。」
「貴族の護衛?!Dランクでか?!」
「あ…いや、荷物持ちでな!インベントリあるし!」
「あー!そういう事か!それはラッキーだったな!」
危ねぇ…またやっちまうところだった…
「それが全然ラッキーじゃ無かったんだよ。」
「報酬は良かったろ?」
「確かに報酬は良かったんだが、二度とやらないと誓ったよ。」
「温厚そうなシンヤがそこまで言う奴ってどんな奴だよ…」
「名前は忘れたが…緑色の髪に緑色の目をした豪勢な服を着たデブの豚だったな。
「あー……」
「ナイサール。イガルド-ナイサールだな。」
「そんな名前だったような気がするな。」
記憶する気もないが、とにかくクソ野郎だった事は覚えている。
「デルスマークでも有名な…身勝手な貴族代表だからにゃー…」
「今でもか?」
「むしろナイサール家を継いでから酷くなっただす。」
「有名な話だと…少し前に冒険者ギルドに顔を出した事があったんだが、その時にギルドの受付嬢を買い取るとか言い出したらしくてな。ギルドマスターがブチ切れて追い出したって話があったな。」
「デルスマークのギルドマスターは元々貴族嫌いな所があったからにゃー…」
「ナイサールもそれに腹を立てて色々と裏で動いたらしい。
ただ、ギルドマスターの方が
「へぇ…」
ギルドマスターなんて大層な相手には基本的にゲーム内では会った事がない。そういう存在が居る事は知っていたし、ポポルの街では何度か見掛けた事があった。
それにしても、貴族相手に一歩も引かず、やり込めるなんて、やり手で男前なギルドマスターも居るものだ。ポポルのギルドマスターを知っているから余計にそう思うのかもしれないが。
「俺達はあった事が無いけれど、そのナイサールって奴は、実際どんな奴なんだ?」
「気分で人を振り回したり、人に尽くして貰うのが当たり前だと思っている……他人をイラつかせる天才。とでも言えば分かりやすいだろうか。」
「それだけで想像出来てしまうにゃ…」
「貴族ってのはどいつもそんなものなのかねぇ。」
「そんな事は無いですよ。」
話をじっと聞いていたドルトーさんが、急に話に入ってくる。
「ドルトーさん?」
「私は仕事柄貴族の方にお会いする機会もありますが、全ての方が同じではありません。心根の優しい、気品のある方も、少数ながらいらっしゃいます。」
「ドルトーさんが認めた人の護衛なら受けても良いかもな。」
「そんな人は冒険者に護衛を頼んだりしないだろ。」
「それもそうか!ははは!」
その日からデルスマークに辿り着くまでの間。俺達は他愛のない話をしては笑い合い、順調に旅路を進めた。
「いやー。シンヤが居てくれて本当に助かったぜ!」
「私達の連携も、この三日でかなり上達したにゃ!」
「だす。」
「それは良かった。俺に出来ることなんてそんなに無かったけどな。」
「いやいや。アドバイスくれただけでも大助かりだっての!」
「それなら、どういたしまして。だな。」
「おう!」
「そろそろ着くだす。」
ベルドの声に、荷台の中から前方を見る。
灰色の高い外壁と、鉄製の大きな門。どちらもシンプルなデザインで、飾り気は無いが、大きな街だということは見て直ぐに分かる。
門前には何人かの鎧を着た門番と、そこに続く長蛇の列。見た限りほとんどが商人だ。
「さてと。ここで一度お別れだな。」
「えっ?!なんでなのにゃ?!」
イシテリアが立ち上がる程に驚いている。
「名前は当然だが、顔もある程度知れ渡ってるだろうからな。入る時に顔で気が付かれて、皆が仲間だと思われたら迷惑を掛ける可能性がある。」
「そんな事気にしなくても、顔でバレるなんて…」
「ダメだ。ここだけは絶対に引かないぞ。
それに、入ったらそのまま冒険者ギルドに行くつもりだ。そこでまた会えるだろ。」
「……分かった。先に行って待ってるからな。」
荷台の中に素材を降ろし、馬車から離れて歩く。
チャムの皆の気持ちは嬉しいが、今は何も分からない状態だ。念には念を入れておきたい。
地下迷宮を踏破してからここまで、神聖騎士団がポポルに報復を仕掛けるという動きは見せなかった。あれだけ派手に動いたのに…だ。
俺の名前が伝わっていないという事は無いだろうが、そもそもポポルの街への興味が薄いのか、それとも別に何か理由があるのか…
どちらにしても動きが無いのならこちらから探りを入れる必要がある。寝耳に水は御免だ。
ポポルを襲った神聖騎士団の連中は、デルスマーク方面から来ていた。この方面にある大きな街はデルスマークのみ。物資の事も考えると、この街を拠点にしていた可能性が高い。
ここで神聖騎士団についての情報を手に入れ、ポポルに対する動きを見張っておく方が、護る為には有効なはずだ。
インベントリから出しておいたフード付きのローブを羽織り、顔を隠して列に並ぶ。
周りはザワザワとしていて、商人同士色々な情報を交換している様子だ。最近の売れ筋商品の話とか、税金の話とか。聞き耳を立てているだけでなんとなく街の情勢が把握出来る。
話を聞く限り、塩の需要は常に高く、野菜が豊作で全体的に値段が落ちているらしい。街に入ったら野菜を買っておくと良さそうだ。
聞き耳を立てるばかりで、特に誰かと喋ることも無く、ゆっくりと門に近付いて行く。次は俺の番だと思っていると…
ガラガラガラガラ!
後方から馬車が勢いよく走ってくる音がする。
「行列が待ってるのに危ない事する奴らだな…」
後ろを振り向くと、真っ白な馬車にカーテンが掛かった、どこかの貴族馬車らしい。馬車を守るように白い鎧を着た獣人族の騎兵数人が走っている。
何を急いでいるのか分からないが、関わるのはよした方が良いだろう。列に紛れて顔を隠す。
「門を開けよ!」
「な、何事ですか?!」
「良いから早くしろ!」
「困ります!」
「ちっ!」
騎兵の一人が降り、何かを見せながら耳打ちしている。
「っ?!も、申し訳ございません!直ぐに!」
門が大きく開き、馬車と騎兵達が中へと入っていく。
「貴族ってのはやりたい放題だなぁ…」
列に並んでいたほとんどの者が走り去っていく馬車を見ていた。
「よし!通れ!
次の者!」
「はいはい。」
首から下げている登録証を見せる。
「冒険者か。」
「はい。」
フードの端を持ち上げて顔を見せる。
門番は登録証と俺の顔を何度か見比べる。
「………」
「…………」
「カイドーか。よし!通れ!」
「ありがとうございます。」
なんだったんだ今の間は?!怖いわ!
いきなり門前でどこかに連れていかれるという事はなくて良かった。当然だが、シンヤという名前で門を通るなんて愚策は侵さない。プカさんがポポルの街で俺の登録名を変えてくれていた。
大きな門を通ってデルスマークへと入る。
「この風景も久しぶりだな……」
門から続く真っ直ぐな大通り。道に面して建っているのは店が多く、屋台も出ている。
そこかしこから客を呼び込む声が聞こえ、色々と美味しそうな匂いが漂ってくる。
「全然変わってないなぁ…買い食いしながらギルドに行くかー。」
匂いに釣られて出店に何軒か寄って大通りを進んでいくと、石造りの街並みの中に一際大きな建物が現れる。
それこそがデルスマークの冒険者ギルドである。
大きさはあるが、飾り気の無い灰色の壁に、木で出来た両開きの丸扉。十年経つのに、ここも変わりない。
ギィー…
丸扉を開いて中に入ると、ガヤガヤと喧騒が聞こえてくる。
天井は高く、施設内は広い。外から見たシンプルなイメージをそのままに、赤を基調とした内装。清潔感のある雰囲気が強く、冒険者達の格好も小綺麗なものが多い。
受付嬢が十人近くズラリと長いカウンターに並び、カウンター、掲示板、休憩所など、様々な場所に多くの冒険者達が集まっている。
「あっ!来たにゃ!」
休憩所の方から聞いた事のある語尾が聞こえてくる。イシテリアの声だ。
「遅かったな?」
「ちょっと買い食いしながら歩いて来たからな。そっちは報告終わったのか?」
「報告は終わったぞ。今はブルータルウルフの素材を換金してもらっているところだ。背負ってるバッグを見るに、シンヤも素材を持ち込むのか?」
「インベントリを人前で披露したくないからな。ちゃんとバッグに入れ直して来たんだ。剣のエンブレムにも布を巻いて隠してあるし。賢いだろう?」
「いや。普通だろ。」
「普通だにゃ。」
「だす。」
「息ピッタリだな。」
内容よりも息の合い方に驚いてしまった。
「直ぐには終わらないから、早く出してこいよ。」
「そうするか。」
ディニズに言われた通りバッグを手に持ってカウンターに向かう。
カウンターは結構混んでいて、空いているのは一ヶ所だけ。受付嬢の制服に身を包む女性達の中、一人だけ私服?っぽい服を着た女性の前だけだ。
外ハネした腰まである黒髪。黒く尖った耳と細く長い尻尾を見るに、黒豹の獣人だろう。
鋭い目付きの中に光る黄色の瞳。左目に黒の眼帯をしているが、端正な顔立ちだと分かる。胸も大きな美女なのだが……黒いビキニの様な服の上に、短い腰布と羽織物を着ただけという実に露出度の高い服装。美女というより……痴女?
「あの前に行きたくねぇ…色んな意味でレベルが高過ぎる…」
「………」
無言で腕を組み、ギルド内を見ている黒い女性。その目線の先に俺を見付けたらしい。ずっと見られている。
「めっさ見られている?!怖いんですが?!
うぅ…他は空いてないし…行くしかないか……」
恐る恐る痴女の前に歩いて行く。
俺の行動に、周りにいた冒険者達から視線が集まる。
「なんだ…?なんで皆そんなに見てくるんだ?」
何故かめちゃくちゃ見られている…だが、その視線には何故か尊敬の念を感じられる。
「えーっと……素材を換金しに来たんだが…」
「なんの素材だい?」
ハッキリとして凛とした声。イメージ通りの声だ。
「ブルータルウルフの素材だ。毛皮三枚と、二匹分の肉と骨だな。」
「どれ。見せてみな。」
何故か上からな感じの喋り方が気になるが、言われた通りに素材をバッグから取り出しカウンターに置く。
「……………」
「…………」
素材を手に取って真剣な目で素材を確認している。
「登録証は?」
「これだ。」
「カイドー……ちょっとそこで待ってな。」
「あぁ……」
素材と登録証を受け取ると、そのままカウンターの奥に消えていく。
ふと気が付くと冒険者達だけでなく受付嬢からもチラチラ見られている。目立ちたくないというのに、何故か目立っている。
なんだこれは…?と思っていると、登録証だけを持った痴女が戻ってくる。
「カイドーとやら。ちょっとこっちへ来な。」
「へ?」
「良いから来な。」
クイッと顔を奥へと向けて動かす痴女。奥に二人で向かうとか……とてつもなく不安な気持ちで一杯なんですが…
半強制的に奥に連れていかれると、ある部屋に通される。
「ここは…?」
何も無いただ真四角なだけの部屋。石材が剥き出しで恐ろしい程に殺風景だ。
「訓練場だ。」
「へぇー…そんな部屋があったんだぁ……で、ここで何を…?」
「あたしと手合わせしな。」
「無理です嫌ですごめんなさい。」
そもそも手合わせという意味が本当に手合わせなのか…?
「なっ?!あたしがここまで言ってんのに嫌だと?!」
「嫌でしょ。普通に。」
「……ほう。ならこの登録証。要らないんだな?」
人差し指に掛けた登録証をクルクルと回して、してやったりの顔を向けてくる。
ダメだ。ここで弱気になったら、この痴女の思うツボ…ここは強気に!
「え?要りますよ。馬鹿なんですか?」
「バッ?!お前……」
「なんですか?」
よし!言った!言ってやったぞ!
「そこまで言われてタダで返すわけにはいかないだろ…ちょっと実力を見てやろうかと思ってたが………ボコす!」
床を蹴り、急速に接近してくる痴女。
一足で数メートルの距離を詰めてきた。
なんでぇーー?!
ブンッ!
拳を突き出してきたのを避ける。速いし鋭い攻撃だ。怨嗟の地下迷宮に入ってなかったら避けきれなかったかもしれない。しかも、女性とは思えない程の力強さを感じる。ステータスはかなり高いはず。
「いきなり何っ?!」
「人の事を馬鹿にしたんだ。これくらい当然だろ!」
ブンッ!ブンッ!
何度も振るわれる手足の攻撃を避ける。顔がマジだ。
「こんなに綺麗に避けられたのは初めてだよ。なんで反撃してこない?」
「いや、そもそもなんでこんな事になってるんだよ?!」
「…そんなに知りたきゃ私を倒してみな。出来たなら教えてやるよ。」
ニヤッと片方の口角を上げて笑う痴女。
どうやらこの手合わせが終わらないと喋る気は無いという事らしい。
「はぁぁ!」
気合いを入れて突き出された拳。後ろへ軽く飛ぶと、胸部の前で腕が伸び切る。
ダンジョン攻略によってこの体にも大分慣れた。ゲーム時は使えなかった体術も使える様になったし、これくらいは軽くいなせる。他人に使うのは初めてだが…
突き出された拳を握り、そのまま手前へと引っ張りながら力を下へと向ける。動きは合気道に近いが、これも父から教え込まれたものの一つ。
「っ?!」
痴女の体が、掴んだ手を中心にフワリと浮かび上がる。そのまま体を一回転させ、背中が地面へと向かって落ちていく。
もう一度握った手を引っ張り、今度は上へと力を向けると、落下速度が急激に下がる。痴女としては一瞬だけ浮いた様に感じるだろう。少なくとも俺が父に教えられた時はそう感じた。二度目からは容赦なく地面に叩き付けられたが……
「…へ?」
来るはずの衝撃はほとんど無く、仰向けに寝転んだ痴女が不思議そうな声を出す。
「体を倒しましたよ。」
「……くっはははは!確かに倒されたな!」
豪快に笑う痴女。彼女を投げた時に返してもらった登録証を首に掛け直す。
「それで?何故こんな事を?というか、そもそも誰ですか?」
「あたしはここのギルドマスターだ。イーサ-ジャルハンって名前だ。よろしくな。」
「そうだったのか………ん?ギルドマスターだと?!」
「今そう言ったろ?」
「ま、待て待て…ここのギルドマスターは男前な奴だと思っていたんだが…いや、男だとは誰も言ってなかった……か?」
「またその話か。お前まであたしの事をそんな風に言うのか?」
「いや。すまん。そんなつもりは無かった。聞いた話から男だと勝手にイメージしていた。女性に対して失礼だったな。謝るよ。」
これは普通に失礼だ。素直に謝ろう。
「わ、分かりゃ良いのさ!」
「いや、待てよ……ギルドマスター…だとしたら、この状況は非常に良くないよな…?
ギルドマスターを倒した新人……目立っちまう!」
やっちまったー!
「聞いていた通りの人物像みたいだな。シンヤ。」
「俺の名前を?」
「ポポルの街のギルドから色々と話が来ていてな。なんでも、良い腕を持っているのに、Dランクで、のんびりやっているらしいじゃないか。」
「目立ちたくないんだよ。」
「良い腕を持っているのにDランクやっている方が目立つと思うがな。」
「えっ?!」
「お前が考えているより冒険者ってのは
「俺がDランクだなんて誰にも分からないだろ?」
「おいおい。ここを何処だと思ってるんだ。ここは冒険者ギルドだぞ。お前一人のランクを知る事くらい秒だ。」
「個人情報の扱いが…」
「そんなもんは有って無いようなもんだ。ここじゃぁな。」
日本なら訴えられるぞ、ギルドよ。
「それならさっさとCランクには上げておいた方が良いのか…」
「それは安心しろ。たった今Cランクに昇格したからな。」
「は?!」
「シンヤ。お前誰を投げ飛ばしたと思ってんだ?」
「そりゃあ、ちじ……はっ!ギルドマスターだ!」
「おい今なんて言おうとしやがったんだ?」
「え?!そそそそそりゃ……ちじ…地上最高の女性と言おうとしたんだよ!」
全力で声が裏返ったぜ…
「声色がおかしいが…まあ良い。本当なら最低Bランク、もしくはAランクくらいには昇格してやりたいが…」
「それは困る!目立つ!」
「分かってる。プカからの書簡にも色々と書いてあったからな。」
「プカさんを知っているのか?」
「ポポルに行った時に仲良くなってな。シンヤの意向を汲んでやってくれとさ。」
「助けられてばかりだな…」
「……助けたのはお前だろう。街を守ったらしいな。」
「そこまで書いてあったのか?」
「神聖騎士団に喧嘩を売ったらしいじゃないか。なかなか骨のある奴だ。」
ニヤリと笑うギルドマスター。
「……」
「あたし含め、冒険者には神聖騎士団に腹を立てている奴が多い。少なくとも、あたしには警戒しなくても大丈夫さ。シンヤを売る気は無い。」
「そうか。」
「信じるのか?」
「プカさんが信じている相手だ。信用しないという選択肢は無い。」
「…くっははは!気持ちの良い野郎だな!気に入った!あたしの事はイーサと呼べ!」
「ギルドマスターをそんな風に」
「呼べ!」
「だから」
「呼べ!」
「……はぁ…分かったよ。」
「よろしい!」
この人強引。怖い。
「それで?ランクアップの処理は?」
「もうしてあるぞ。」
「実力見る前に処理してどうすんだよ…」
「ブルータルウルフの素材を納品してんだ。その時点でランクアップ自体は決まってたんだよ。ただプカが推す男がどんな奴か知りたかっただけだ!くっははは!」
「イーサの知りたかっただけ。ってのに付き合わされたのか?!
俺が避けられなかったら怪我してたぞ?!」
「してないんだから良いだろう?」
「くっ…こいつ……」
腹立つニヤケ顔だったイーサが、一歩俺に近づいて真顔へと変わる。
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