第2話 始まりの街

「おい!バッカル!」


真面目戦士が、チャラそうな男を叱るように怒鳴る。


「あんたはバッカルって言うんだな!」


「くっくっくっ…そうだ。俺はバッカル。よろしく頼むぜ。」


「おう!」


「こいつはルーカス!見た目通りクソ真面目な奴だが良い奴だ!よろしくな!」


バッカルが真面目戦士の肩に腕を乗せて笑いながら言う。


「勝手によろしくするな!」


ルーカスが眉を寄せて、バッカルの腕を強く振り払う。


「本当に真面目な奴だ!よろしくな!ルーカス!」


「むぅ……」


思う様に話が進まず、ルーカスはそっぽを向いてしまう。


「渡人で俺達の名前を聞いた奴は初めてだ!何かあれば声を掛けてくれ!」


逆にバッカルは随分と馴れ馴れしい。何が起きているか分かっていない俺にとっては嬉しい存在だが。


「助かる!じゃあまたな!」


プレイヤーがNPCの名前を聞かないのは当然だ。だって聞かなくても名前が頭上に出てくるし、そもそもNPCにそんな事を聞くプレイヤーはいない。

だが、今俺の目の前にはそんなシステム的な物は無い。ちゃんと聞かなければ分からないのだ。


「バッカルにルーカスか…覚えとかないとな…」


ポポルの街は一通りなんでも揃うが、特別賑わった街という程でもない。

この街で最初にやる事は、冒険者ギルドに登録し、クエストを受注。何回かクエストをこなし、お金が貯まったら次の街に向かう。この辺は他のRPGと変わらない。


俺のインベントリやステータスが変わっていないのであれば、今すぐにでもこの街を出たとしても問題は無い。ただ、夢だとしてもファンデルジュの中に入れたのだ。せっかくなら満喫したい。


それに、ステータスが本当に変わっていないのかは分からないし、門番の二人が引っ掛かる。

あくまでもゲームだった為、NPCと会話するという概念は無かった。受け答えはしてくれないものだったし、必要な情報を流すだけ。だが、門番の二人は受け答えをしていた。つまり、この世界ではNPCはNPCでは無い…という事なのかもしれない。


この世界の事を知る上でも、この街にある程度滞在して情報を入手しておきたい。

寝て起きたら夢でした…なんてオチなら良いが、本当にこの世界で生きていかなければならないなら、この確認をおこたった場合のリスクが大き過ぎる。

それに……既にこの世界が夢では無いと、どこかで信じていた。多分、二度と日本には帰ることが出来ないだろう…と。


「まずは冒険者ギルドか……そう言えばそもそもシンヤの登録はどうなっているのだろうか…?

んー……行ってみよー。」


記憶の片隅にあった冒険者ギルドへと向かう。


街の中でも大きめの建物で、当然木造建築。


「懐かしいなー。ここから始まったんだよなー。」


「ちょっと。邪魔なんだけど。」


「え?」


声を掛けられて後ろを振り返ると、俺の胸の高さ辺りに赤毛が見える。


後頭部にアップした髪を纏めた女性で、ツリ目の淡い赤色の瞳がキツそうなイメージを与えている。

腰に下げられた質素なダガー二本に、全体的に布面積の少ない服と皮の防具。胸が大きいのでとても目のやり場に困る格好だ。


「聞いてるの?」


「え?!あっ!ごめんなさい!」


冒険者ギルドの入口から横にズレると、赤毛の女性は横目に俺を見てから中へと入っていく。


「やっぱり女性って……怖いなー…」


女性に対する免疫めんえきが皆無な俺には近付き難い相手だ。


よし。なるべく近付かない様にしよう。


「お邪魔しまーす……」


そーっと扉を開くと、木製の丸テーブルに椅子がいくつかのセットが三セット。その一つに三人の冒険者らしき男達が座り、先程の赤毛の女性はカウンターに居る。


カウンターには赤毛の女性に対応しているくねくねした長い茶髪女性と、横にニコニコして立っている鮮やかな青髪を肩まで伸ばした女性の二人が居る。


パタン……


「もう少し待とう。」


入らずに扉を閉めて待つことにする。今行くとあの赤毛の女性の横に立たなければならない。それは……嫌だ。あの半径数メートルの空間だけ女性のみ。間違いなく俺は死ぬ。


ガチャ…


「あのー…」


「ふぇっ?!」


「ひゃっ?!」


扉を開けたのは青髪の受付嬢。俺の驚いた声に驚いている。


「あ!ごめんなさい!邪魔でしたね!」


まさかこの短時間で二度も出入りの邪魔をしてしまうとは…


「あ!いえ!そうではなくてですね…先程顔を覗かせていらしたので、何か御用でもあったのかな…と。」


「あー…」


見られていたのか…


「ちょっと冒険者登録をしよかと…先客が居たようなので、ここで待ってようかなー…なんて思ったりしてまして…」


「先客…と言うとエリーの事ですか?」


「名前は分からないのですが、赤毛の…」


「受付は二人居ますので直ぐにお伺い出来ますよ?」


仰る通りですが!あの空間に投げ込まれるなんて耐えられません!なんて言えないからなー…

社畜していたのだし、女性だから会話が出来ない、コミュニケーション能力ゼロ、ということは無い。普通に会話は出来るし…行くしかないか…


「えーっと…それでは…お願いします…」


「はい!」


弾けるような笑顔で対応してくれる青髪の女性。

こうなってしまっては、行くしかない!意を決してギルドの中へと入る。


「こちらへどうぞ。」


「は、はい。」


赤毛の女性…エリーさんは俺の事をチラッと見た後、直ぐに前へ向き直る。


平常心だ…俺!


「改めまして、私はプカと申します。」


「これはご丁寧にどうも。シンヤと申します。」


「シンヤ様ですね。こちらへ必要事項の記入をお願いします。」


「あ、はい。」


渡された用紙には漢字で、氏名や年齢等と書いてある。読めない文字で無くて良かった……

必要事項を記入し、プカさんに用紙を渡す。


「これで大丈夫ですか?」


「はい。ありがとうございます。少々お待ち下さいね。」


「分かりました。」


用紙を持って奥へと入っていくプカさん。


「渡人なんか登録する必要無ぇだろ。」


椅子に腰掛けていた三人の男性。その内の一人が俺に聞こえる様にそう呟く。


「どうせ簡単な依頼もこなせない様な連中だ。登録したところで無駄なんだよ。」


こういうのは関わらない方が良い。無視していれば大事にはならない。自分の今の状態も分からないし、そもそも荒事は嫌いだ。

完全無視を決め込んでいると、それが気に食わなかったのか一人が立って近寄ってくる。


「お前の事を言ってるんだよ!」


胸ぐらを掴もうと出された手に反応して右手が動きそうになる。もし俺のステータスが昨日のログアウト時のままなら、力を軽く入れただけで彼くらいならば簡単に殺せてしまう。それこそ力加減を間違えた程度で。良いのか悪いのか、シンヤというキャラクターのステータスは、それ程までに高いものになっていた。

ゲームでは攻撃しない限りNPCを傷付けることは出来ない為、こんな気遣いは必要無かった。だが、攻撃したらNPCを殺せてしまうゲーム。つまり、その中に入った今、下手な事をしたらこの人達も殺してしまう可能性が高い。


「聞いてんのか!?」


ガッ!


胸ぐらを掴まれてしまうが、痛みはない。


防御力は結構有るみたいだなー…などと冷静に考えていると、後ろから声が飛んでくる。


「やめときなよ。」


「あ゛?!エリー!お前こいつの肩を持つのか?!お前だって渡人の事嫌ってただろ!」


「何しているんですか?!ギルド内では暴力厳禁ですよ!」


プカさんが慌てた様子で止めに入ってくれる。


「……ちっ。」


乱暴に胸ぐらを掴んだ手が離され、男は元いた場所に戻っていく。


「大丈夫ですか?!」


「あ、はい。大丈夫です。ご迷惑をお掛けしました。」


「え?!いえ!シンヤ様は何もしていませんよ?!」


「え?あー…俺が来たせいでこんな事になってしまったのですから。それと、エリーさん…でしたか?ありがとうございました。」


良いぞ!業務的会話なら普通に話せる!社畜根性に乾杯!


「…………」


エリーさんは、何やら俺の事をまじまじと見ている。


「??」


「なんでもない。」


何か言いかけたみたいだけど、そのままきびすを返してギルドから出て行ってしまう。


「ごめんねー!あの子、根は良い子なんだけど…」


プカさんの横にいるくねくね茶髪ロングの女性が声を掛けてくる。


「シルビー。いつも言っているでしょう?そんな喋り方はダメですよ。」


「あ…ごめんごめん!」


プカさんが叱ると、反省していない反応を返す。茶髪女性。


「気にしないで下さい。楽に喋って下さって大丈夫ですよ。」


「本当?!それなら…」


「シルビー。」


「うっ…」


「シンヤ様も。冒険者の方はあまり敬語を使わない方が良いですよ。軽く見られてしまいますから。」


「え?!そうなんです…そうなの?」


「荒っぽい人が多いですからね。」


「そっか…分かったよ。忠告ありがとう。気をつけるね。」


「はい。色々ありましたが、こちらがシンヤ様の冒険者登録証です。」


「へぇー。登録証ってこんな風になってたんだ。」


小さめのカードを首から下げられる様になっている。ゲーム内では単純なカードとしてインベントリに入れていたから知らなかった。


「見たことがあったのですか?」


「え?!あー…エリーさん!エリーさんがさっきカウンターに出してたから!」


「確かに、エリーは首から下げていませんからね。他の人には使えない物ですし、盗まれたりはしないとは思いますが、紛失した場合は再発行にお金が掛かりますのでお気を付け下さいね。」


「分かった。」


「街に入る際などに掲示する事で、身分証としても使えますので、くれぐれも無くさないように気を付けてくださいね。」


「ありがとう。」


冒険者登録証を首から下げる。


「冒険者ギルドの利用方法や、クエストについては説明しますか?」


「お願いしようかな。」


「それでは、あちらに見えます掲示板に、クエスト、つまり依頼が貼られています。」


プカさんの手で示されたのは、ロビーの壁に打ち付けてある掲示板。そこには紙がいくつか貼られている。


「クエストの種類は大きく分けて三つ。薬草等を採取する採取クエスト。

モンスターの討伐、素材回収、撃退等の討伐クエスト。

そして、護衛や荷物運搬等のその他クエストとなっています。」


「ふむふむ。」


当然よく知っている内容だが、知らないふりをしておく。


「それぞれのクエストには難易度がありまして、Dが最も簡単なクエストになります。C、B、A、S、SSと、ランクが上がるにつれて難易度は上昇していきます。」


「ランクがあるって事は、冒険者側にもあるのかな?」


「仰る通りです。冒険者の方々は、実績によってランクが上がっていく仕組みになっていまして、Dランクから始まります。自分と同じランクの依頼が適切な難易度となっています。」


「なるほどね。沢山依頼をこなせばランクが上がっていく仕組みなんだ。」


「はい。一つ上のランクまで依頼を受けることが出来ますが、自分の実力を見て…ですね。あまり上のランクの依頼を受ける人はいません。」


「ふむふむ。」


「依頼を受けるには、掲示板から依頼書を持ってきて下されば、私達ギルドの者が処理致します。

依頼を完遂かんすいした時は、依頼書に書き込まれた成功報酬がギルドから支払われます。」


「失敗したら?」


「簡単に言ってしまえば罰金となります。内容によってはランクの降格も有り得ます。」


「故意に失敗する事を防ぐ為…かな?」


「はい。」


「なるほど。よく分かったよ。ありがとう。」


「ふふ。どういたしまして。」


「??」


口に手を当てて笑うプカさん。何かまた変な事をしてしまったのだろうか?


「冒険者の人はあまりお礼を言わないのよ。プカは何度もお礼を言われて嬉しいの。」


「シ、シルビー!」


少し恥ずかしそうにシルビーさんを見るプカさん。

日本では割と当たり前にしていたから気にしていなかった…


「だって本当の事だもーん。」


「まずかったかな?」


「そんな事は無いよ!私達も嬉しいし!」


「そっか。それなら良かった。

最初はどんな依頼が良いのかな?」


「初めてのクエストですし、採取クエストが宜しいかと思いますよ。」


「薬草とかを取ってくるやつだね。」


「はい。クエストには、内容とは別に分類があります。薬草の採取等、常に需要があり、採取数に応じて報酬が支払われる常時クエスト。

緊急性が高く、迅速じんそくな対応が求められる緊急クエスト。

緊急性も無く、常時性も無い普通クエスト。こちらが一番依頼としては多いですね。

特殊な条件が課せられている特殊クエスト。

個人やパーティを名指しして依頼する指名クエスト。

この五つの分類に分けられます。」


「始めたばかりの俺には、常時クエストと普通クエスト以外は関係無さそうだね。」


「ランクが上がれば受けられるクエストも増えますので、直ぐに関係のあるクエストになりますよ。」


「それもそうか…うん。考えておくよ。ありがとう…あ。」


「ふふ。どういたしまして。」


ちょっと気恥しい。


「シンヤ君は良い子だねー。シルビーお姉さんは気に入っちゃったよ!」


「こらっ!シルビー!」


「だって本当の事なんだもーん!あ!そうだ!最初のクエスト選んであげるよ!えーっとねー。」


「もう!シルビー!」


シルビーさんは随分とラフな女性らしい。

プカさんの制止も聞かずに、掲示板にスタスタと歩いていってしまう。


「良いから良いから!はい!これがいいよ!」


「申し訳ございません!シンヤ様!」


「いえいえ。勝手が分からないし、ありがたいよ。」


勝手に依頼を持ってきてしまうシルビーさんと、頭を下げて謝るプカさん。とても対照的な二人だ。


「ほらー。」


「ほらー。じゃないの!」


二人は随分と仲が良いらしい。


「えーっと…エクテル草の採取。最低十本か。」


「エクテル草は、傷薬になるんだよ!軽い傷に塗り込むと治りが早くなるんだよ!」


「ゴホン!…シルビーの態度は良くないですが、常時クエストでもあるエクテル草の採取は、最初のクエストとしては妥当だとうかと思います。最低十本ですが、それ以上納品して下されば、その分報酬は上乗せされます。」


「よし。二人のオススメならこれにしよう!」


「はーい!」


「あ!こらっ!シルビー!」


ピッと俺の手から依頼書を取っていくシルビーさん。


「私がやるのー!」


「私の仕事でしょ?!」


「なに?もしかしてプカも気に入っちゃったの?」


「な、何を言っているのですか!」


「真っ赤になっちゃって!可愛いー!」


「シルビー!怒るわよ!」


「はい!処理出来ました!」


「あっ!シルビー!」


「早い者勝ちー!」


二人の世界に巻き込まれている感が凄い…


「あははー……」


二人の女性トークにはなかなか付いていけないかもしれない。いや、俺にはレベルが高すぎる。もっとコミュニケーションランクを上げてから挑まなければ…


「行ってくる!」


脱兎だっとごとくその場を抜け出してギルドを出る。


「あっ!シンヤ君!終わったら私に渡してねー!」


「いい加減にしなさい!シルビー!」


後ろから聞こえてくる声に反応はしない。

いきなり最高難易度、SSランクの絡みに会うとは……


「Dランクの俺には無理だぁー!」


ーー・ーー・ーー・ーー・ーー・ーー・ーー



ギルドを出た俺は、街を出て南へと向かっていた。


ファンデルジュを始めた当初、色々な意味でお世話になった場所だ。ここであらゆる基礎知識と、戦闘を学ぶ事になった。

俺のファンデルジュ史上最も死亡回数の多かった場所でもある。

太く大きな広葉樹が生え揃う広大な森。通称、深緑しんりょくの森。


深緑の森は大まかな円形となっていて、大きく三つの層に別れている。好戦的なモンスターが少なく、戦闘が起きにくい外層。

好戦的なモンスターが多く、戦闘が避けられない中層。

好戦的で凶暴なモンスターが闊歩かっぽする内層。

つまり、森の中心に向かうにつれてモンスターが好戦的で、強くなる。


エクテル草の採取は、深緑の森外層で行う。

モンスターとの戦闘はほぼ無いが、絶対に無いわけではない。モンスター自体は居るし、運が悪ければ戦闘になる。


「おー!久しぶりだなー!………いかん。死に戻りの嫌な記憶が……」


頭を横に振って嫌な記憶を吹き飛ばす。


「気を取り直して行くかー!」


インベントリは間違いなくそのままだったし、開けばエクテル草なんて腐る程持っている。それを適当に提出すれば終わる依頼だが、少し楽しくなってきていた。


勝手を知ったファンデルジュの世界。その世界をもう一度、最初から直に体験出来るのだ。初心者に戻った気分でゆっくりやっていくのも悪くない。


「と言っても、使えるものは使ってしまう俺なのだが…」


指先を動かし魔法陣を描くと、鑑定魔法が発動する。目に入る物を鑑定してくれる便利な魔法。消費する魔力も少ないし、使い勝手はかなり良い。神玉を鑑定した魔法だ。


「そう言えば、インベントリにあの神玉入ってたな。」


インベントリを開き、蒼き神玉を取り出して見るが、鑑定結果は変わらない。現れたウィンドウに同じ文言もんごんが書かれているだけだ。


「これは一体何に使う物なんだ…?

最高難易度のダンジョンだったし貴重な物だとは思うが………よし。分からんな。」


今はその時ではないという事だろう。インベントリに神玉を戻して薬草採取に戻る。


「こうして見ると、結構エクテル草って生えてたんだな。」


視界には『エクテル草』という文字が沢山見える。


「そう言えば、エクテル草の鑑定ってした事無かったな…」


一本根元からナイフで切り取って近くで見てみる。


【エクテル草…傷薬の元となる植物。軽い傷に効果有り。そのまま潰して塗り付けても効果は有るが、煮出にだして軟膏なんこうにすると、より高い効果を得られる。食すと吐き気に襲われる。】


「へぇ。塗り付けても効果があるのか。それに、軟膏か…エクテル草は基本的に煮出し汁を布に吸わせて貼る湿布しっぷ方式だった様な…

というか、食べちゃダメな植物だったのか。知らずに食わなくて良かったぜ…」


エクテル草を採取しつつ、考え事を巡らせる。


「軟膏…軟膏ねぇ……」


プチッ…プチッ…


「確か、油性成分の白色ワセリンをベースにした物だったはずだが…」


プチッ…プチッ…


「ワセリンって石油から作る物だったよな。そんな物が作れるはずは無いし……」


プチッ…プチッ…


「それっぽい物があれば軟膏が作れるかもしれないのになぁ…」


プチッ…プチッ…


「はっ?!取りすぎた!」


考え事をしていたらとエクテル草を採取してしまっていた。


「こ、ここまでにしよう。」


ガサッ…


物音がして近くの草が揺れる。

腰に差した剣を抜き取り、揺れた草の方へ構える。


ガサガサッ!


草を分けて出てきたのはボーリング玉程度の大きさのプルプルした生き物。RPGではお馴染みのフォルム。透き通った水色のモンスター、スライムだ。


「スライムか…」


この世界のモンスターには、依頼や冒険者達と同じ様にランクが存在する。

スライムのランクはDだが、最弱のモンスターでは無い。核が弱点であり、核を破壊する事で倒せるが、魔法は効きにくい。どんな形にも変形出来、どんな物も取り込んで消化してしまうこのモンスターは、Dランクの中でも強い部類に入る。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る