第2話 時空

白猫はさっと姿を消した。

その場には一冊の小説本サイズの本が一つ残されていた。

結衣がその本を手に取る

結衣「猫の落とし物?なわけ、ないか」

その本は青色の小さな肉球のマークが中央に小さく描かれているだけの他は真っ白の表紙。裏の表紙はマークも何もない真っ白なだけだった。

結衣が中身をめくってみても真っ白なページだけが続いている。

結衣(メモ帳?かわいい肉球のマークだけど子供の落書き帳かな?)

不思議に思いながら肉球のマークに触れた瞬間

また結衣は光に覆われた

そして青い肉球が赤くなっていた

結衣「あれ、肉球触ると色が変わってる(;´・ω・)」

(ん?なんか違和感が。もしかして!!!?)

結衣は服装はそのままだが体が女の姿に戻っていた

結衣「も。戻った!!!」(まってもっと混乱してきた!?服装男なのに女に戻ったってことはどうすればいいの?入学式では完全に男の列にいたし、男としていなきゃいけないのよね?でも胸あるし声も高くなってるし、ばれちゃうんじゃ)

結衣があたふたしていると黒猫が草むらから出てきた

猫「少しは落ち着け」

結衣「え?誰が声かけてきたの?」(周りに人はいないし、猫のほうから聞こえたような。いやいやさすがにそんな馬鹿なことまで起きるわけ・・・でも、ここまで不自然なことが立て続けだと。その可能性あるかも)

猫「何を不自然そうにわい(自分)をみているんや」

結衣「猫がしゃべった・・・なんかもう驚けない。それにわいっておじさんのパクリか」

猫「何を言うかパクリやなどしておらん。」

結衣「猫ならもう少しかわいくしゃべってよ」

猫「人間のイメージなんぞしらんわ」

結衣「私が言いたいのはそんなことじゃなかった!?

   なんで私はこのわけわかんない世界にいるの?

   私は白猫を助けた時からなんかおかしなことになってるの黒猫さんはなにか知ってる?」

猫「あ。知るわけなかろう」

結衣「え。ここで知らないはだめでしょ!?何のためしゃべる猫なの?」

猫「いやいや、なんで鍵キャラみたいな役せにゃあかんのや」

結衣「この本のことは?」

猫「その本の肉球に人が触れると猫と話せるっちゅうのは知ってるが

  なんで一般的に猫の世界で管理されとるその本がこの人間の世界に  あるんかはしらん。」

結衣「猫の世界?」

猫「猫はな時空を超えられるんや。で、パラレルワールドちゅうのを

 行き来できるんや、ま、一部の猫だけだが。

 その一部の猫が住む世界があるんや。それが時空の隙間。

 そいが猫の世界や。わいもいったことはあるが、もういかれへん」

結衣「な。なにそれ」

結衣は唖然としてしまった

猫「お前に何があったかは知らんが白猫を助けたっていったが

  そいが時空超えれる一部の猫やったんやろな」

結衣「それで、私も時空超えてきたってこと?

   でもそのあとすぐ自分とそっくりの性別が逆の同一人物に出くわして

   その男の子と体が入れ替わったのよ?」

猫「なんやそいわ。予測やけど、一つの世界に同一人物がいたら

  おかしなことになるから一つになったかなんかちゃうか?」

結衣「万が一そうだとしても男の子の心はどこに行ったの?」

猫「お前の元の世界のほうのお前の体に入ってるんちゃうか?」

結衣「そうなのかな。でもね。この本の肉球触ったら自分の体に戻ったの」

猫「なんやさっきから、色々おきすぎやないかお前(笑)」

結衣「笑いごとじゃないんだけど(一一")」

猫「なら簡単にその肉球触ったらなんか体だけ時空超えて戻ったんやないか?もうそうしか考えつかんわ(笑)」

結衣「てことは、またこの本の小さな肉球を触ったら男に?」

結衣は肉球に触れてみるが何も変化はない

猫「一回きりみたいやな、ま、体が戻ってよかったんやないか?」

結衣「もうなにがなんだかわかんないって!

それにもし、私の元の世界に男の私と同一人物がいってたらパニックになってしまう気がするし、一刻も早く元の世界に戻んなきゃ、猫さん戻り方知らないよね?」

猫「知るかアホ」猫はプイっとそっぽを向いた

結衣「冷たい(-_-;)」(これからどうしよう私)





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