times the white
koi
第1話 白猫
結衣「…夢?」
白石結衣{しらいしゆい}。高校二年生の女子高生だ。
目が覚めた結衣は。不思議な夢を見た。
結衣が見た夢は、幼い結衣がある男の子と楽しく遊んでいた夢だった。
今まで見たことのなかった夢だったのにどこか懐かしく感じでいた。
勝「結衣。早く学校行けよ。いつまで寝てんだ、先行ってるぞ。」
白石勝{しらいししょう}。結衣の兄。高校三年生だ。
結衣「え!こんな時間なの!!やばいじゃんΣ(・ω・ノ)ノ!」
時計を見ながら焦りだす結衣。食パンを食わえながら身支度を終え、
歯磨きしながら、部屋を走り回る騒がしい朝になった。
結衣は急いで家を出た。
結衣「早く行かなきゃほんとに遅刻だ(;・∀・)」
あと少しで高校が見えるとこまで走ってきたとき、
勢いよく道路に白猫が飛び出した。同時に黒い自動車が猫に向かって走ってきた。
結衣「危ない!!!」
結衣はとっさに猫を助けに道路に飛び出した。
キーーーーー!!!!!!!!
……
結衣「いったぁぁぁ。
あれ?私さっき車に引かれたような気が?って猫もいないし(・・;)」
結衣はさっき起きたことが夢かのように不思議でたまらなかった。
結衣「あ!時間!やばい!学校!!」
結衣は、走った。目の前には見慣れない学校の姿があった。
結衣「え?道間違えたかな?」
そして、後ろから聞こえてくる聞き覚えのある声が聞こえた。
?「やべー!遅刻なっちまうーー!!!」
兄の声にそっくりだった。しかし兄は先に行ったはず。そう思った結衣は後ろを振り返った。そしたら信じられないものを目にしてしまった。
それは、学ランを着た、自分にそっくりな男子高校生だった。
もちろん男も自分にそっくりな女を見て唖然としてしまっていた。
?「だ。だれだよおまえ。俺となんでそっくりなんだ…って、俺今から入学式だしそれどころじゃねぇ遅刻しちまう!!!」
あまりの突然の出来事に男は動揺していた。
結衣「白石結衣ですけど。親戚とか…ですか?」
結衣もそっくりすぎて、親族かと、思い出そうとするが思い当たらなかった。
?「白石結衣だと!?」
男はひどく驚いた様子で結衣を見てこう言った。
?「俺の名前も白石結衣だ。」
♀結衣「え?」(どういうこと!?)
その瞬間パッと強い光に覆われた。
目の前にいた男性の結衣の姿はない
結衣「あれ、さっきいた人が、いない?・・・あれ!?」
あの一瞬で結衣の体はさっきの男の結衣と入れ替わってしまった。
中身は女の結衣のまま。
結衣(え!?ぇえええええ!!!!!!いきなりすぎでしょ!!!!!
私さっきの人になったってこと?わけがわからなすぎる!?
でも入学式!え。どうしよう!!さっきの人の入学式出るの?
時間もうないしやばい!!もう行くしか!!)
焦りながら、急いで猛ダッシュ。
教室の扉を勢いよく開けてギリギリの時間に席に着いた。
結衣「ま。まにあったぁあ」
しかし結衣の右隣の席が空いていた。
結衣「入学式そうそう隣の子欠席なのかな。」(って、私何が何だかわかんなくて勢いで来ちゃったけど、どうしよう。さっきの人と入れ替わるなんて非現実的なことあるわけ・・・もう、どうなってんの( ̄ロ ̄lll))
結衣が落ち込んでいると黒いロング髪の先生らしき人が教室に入ってきた。
結衣(あれ?私の高校一年生の頃の先生にそっくり。でも先生この前短くショートに髪切ったし、似てるだけか。妹さんとかかな…?)
先生(おはようございます。一年二組の城沢雪{しろざわゆき}です。
清流{せいりゅう}高校にようこそ!)
結衣(え?えええ!!!)
結衣は驚いた。一年の頃の担任と名字も名前も同じだったのだ。
しかも、高校名まで結衣の通っている高校名と同じだった。
結衣(そんな。どうなってるの、冷静に考えたら今って秋だったよね。なんで桜が咲いているの!昨日は十月だったのにここの大きな教室の見たことのないデジタル時計の日付がなぜか、四月になってるし!!どうなってるの!!!)
先生の話が一息ついて、入学式の話に入ろうとしたとき
結衣があまりに焦って青ざめた表情で、動揺しているのに気付いた
左隣の席の女の子が声をかけてきた。
?「顔色悪いけど大丈夫?」
結衣「えっと。だ、」
結衣は女の子の顔を見ると唖然としてしまった。
大丈夫です。と言おうとしたのだがさらにパニックになった。
なぜなら、高校の親友(滝川蘭{たきかわらん}に
声も顔もそっくりだったからだ。
結衣(なんで蘭が、ここにいるの?またそっくりさんなの…)
頭の中が真っ白になった。
?「ほんとに大丈夫?」
心配そうに見てくる。結衣は静かな声で慌てながらも返事をした。
結衣「だ。大丈夫です!き、気にしないで下さい。」
すると他の生徒たちが体育館に移動しだした。
そのときはじめてクラスの人たちの顔をしっかりと見た
やっと結衣は気付いた
数人は見たことがない人がいたが、この高校の一年二組はほぼ全員が、結衣の一年の頃の同じクラスの同級生の顔にそっくりだった。
結衣はとっさに蘭にそっくりな女の子に名前を聞いた。
結衣「あの。すいません。お名前教えてもらってもいいですか。」
ここにいるはずのない蘭ともしも、同じ名前だったら。
そんな予感が頭をよぎった。
蘭「滝川蘭です。」
突然聞かれて蘭も驚いたようだった。しかし、結衣は話を続けた。
結衣「今って平成ですか?」
蘭「うん。平成三十年よ?」
結衣がいたのは令和一年。今年から年号が変わり西暦が変わったのだ。
それなのに、蘭は平成だといった。
……
結衣はタイムスリップをしてしまったのだ。
人や学校名は同じでも、やけに機械化が進んでいて結衣の知っている高校の
風景ではなかった。過去に来てしまっていたが
結衣は自分の知っている過去ではないことに、少しずつ気付いたのだった。
結衣(そんな。タイムスリップ?そんなことあるわけ…
もしかして、夢を見ているのかな!!)
結衣は頬を思いっきりひねったが尋常じゃない痛さが走っただけだった。
結衣(夢じゃないって、どういうことなの)
結衣は少し溜息をこぼしていると入学式が始まった。
……
無事入学式が終わった。教室に戻り席に着いた。結衣が、
窓から校庭を眺めていると
白い猫が結衣をじっと見ていることに気が付いた。
結衣「あの猫!!!」
結衣は席を突然立ち上がった。
……
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