第2話

「やはり、君だったんだ」

拍手の主は、クラスメイトの女の子。

正確には、元がつくが・・・


「久しぶりだね」

「・・・ああ・・・」

「迷惑そうだね?」

「ああ」

「即答すな。少しは悩んでよ」


ひとりで楽しく時を過ごしているのに、邪魔されて、迷惑でない人はいない。


「それより、とても、上手いよね?慣れてるの?」

女子が尋ねてくる。


「まあ、数少ない趣味だからね」

「好きこそ物の上手なれ・・・だね」

「そんなところ」


この女子の名前は、マーガレット。

断っておくが、ニックネームで本名はある。

でも、みんなマーガレットと呼んでいた。


本名は、伊勢春子という。


ニックネームの由来は、省く。

勝手に想像してくれ。


「ところで、マーガレットはひとり?」

「ううん。友達と一緒」


ああ、あいつらか。

いつも、つるんでいたな。


「ねえ、一緒に唄っていい?」

「だめ」

「一緒に唄っていい?」

「NO]


そのような、やり取りが続き、時間がもったいないので、しぶしぶOK.


「じゃあ、あの子たちに断ってくるね」

「何を?」

「私が抜けるということを伝えに」

「と、いうことは?」

「君と私の、ふたりカラオケ」


2分で、マーガレットは戻ってきた。

女は行動が、早い。


こうして、ひとりカラオケが、ふたりカラオケになる。

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