光と闇の退廃 Ⅲ
昨日の暗殺が終わった
俺は先に電話のため部屋に戻った
「終わりましたよ」
「そっか、ならよかった」
「そうですか、じゃあきって良いですか?」
「駄目よ、待って待って」
そんなに、待ってと言うことは滅多に無い
「そんなに待て待て言うなら何かあるんですか」
「あなたの師匠の手紙が見つかった」
「それはほんとですか!」
俺は嬉しさと悲しさもあってわからない
だが涙が出てくることも無く
頬が上がることも無い
まるで何も感じられてないような
「それSDカードに入っていたのよ」
「あの師匠がですか?」
「彼女SDカードの使い方良く聞いてたのよね、だから大体は察してたのよ」
「そうだったんですか」
「後は彼女の分のことまでよろしくね」
「わかりましたミレーヌさん」
俺はその手紙はまだ見ないことに決めていた
今見ると弱気になる気がしたから
すまない、師匠
ノックの音がなった
「鈴音だけど、いいかな」
「良いが、どうしたんだ」
「唐突にゴメンね、話を聞いて欲しいんだ」
「良いぞ」
「そっか、じゃあ入るね」
俺は鍵を開けた
「それで話ってのはなんだ」
「私の過去の話だよ」
過去か、入学式のとき
様々な問題があるといってたな
こういうことか
「私はね、1人スラム街に居たの
スラム街にはヤバい連中が沢山だった
だけど私は人を殺す術を覚えたから生き残れたんだ、ただ私には妹が居たの」
スラム街で姉妹か、
「その妹は私の犠牲になったの」
犠牲になった、どういうことだ
「妹は私がご飯を探してたときに撃たれたの
心臓は無事だったんだけど肺はもう駄目で
そのまま死んだの」
「それは大変だったな」
「大変だったかも知れない、だけどわからない」
「わからない?」
「私がどうして生きてるのかが」
自分が何故生きてるか思い質問が来た
「妹は優秀だったのに、生きてるのが妹ならば、そう考えてしまう私の心臓は妹のだからかな」
鈴音は涙を流していた
これまでの苦しさに話をして解放された
そのように見えた
「元々心臓の弱い私は妹が死んで心臓は残っていたからそれを使われたの」
「そうか、それじゃあ俺からは言えることを言おう」
死んだ物は戻らない
そんな技術はあるわけが無い
だから人は何かを失ったとき前へ進める
お前が前へ進めてるのは
その尊い犠牲があったからだろ
いつなんどきでも魂は宿る
きっと、お前のことをどこからか見てるさ
「なによ、その言葉 意味がわからねーのにただ意味が分からないのに…」
ポロポロとをながしてる
「涙がとまらない」
子供のように泣きじゃくる彼女は
嗚咽を漏らして泣き続けていた
「それ汐谷から生まれた言葉?」
「違う。これは俺の師匠の言葉だ」
「そうなのね」
「お前は妹の分まで生きろ、そしていつか
天国に言ったときに、私は頑張ったと誇れるようになれ」
「ありがとう、本当にありがとう」
「私、一つ気になってたことがあったの」
「なんだ」
「私のこの能力アルテミスって名前なんだけどもなんでなんだろうなって」
「アルテミスは狩人の神でもあれば愛の神でもあるんだ、多分お前の妹への愛じゃないか」
「そっか、この能力に意味があったんだ」
今日はここで寝られても気にしないでおくか
「今日はここで寝ても気にしない」
「そっか、ありがとう」
鈴音の境遇はもしかしたら俺と似ていたのかもしれない
師匠が居なかった場合俺もスラム街にいて
妹が居ただろう
そう考えると胸を締め付けられた
「俺はちょっと珈琲を買ってくる」
俺は夜空を眺めていた
師匠の事を思い出しながら
俺は星を見ていた
「どうしようも、無いんだろうな」
俺は星を見ながら昔師匠とした約束を思い出した
お前が自由を求めるならば生きろ
生きる意味が無くなった人を救うことにしろ
ただし、目の前から救う人が居なくなったら
それは死んでも構わねー
「本当にあの師匠ということは頭に残る」
そして俺は学園長室に向かった
「今週から半週間、学園で頼まれた仕事は全部断ることになりそうです」
「そう、それは仕方がないわね」
俺は自分の部屋に戻った
これから二週間巡のことについて
詮索することにした
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます