25 新しい基地

海老名が、仲間になって、4人になったワスプ。


「ここが新しい基地だ」


そこはレンタル倉庫。鍵を開けると、6畳で中は色々パソコン機器が準備されてる。電気を付けると、意外と綺麗。座ると、話始める海老名。


「ウイルスをまき散らした罪で、~渦~開発者(アマサカ)は、留置場に入れられてたけど、何故か釈放されたんや。そんな釈放金持ってるとは、思えんし不思議やったが、再びアマサカは ~渦~ 製作に戻ったんや。せやけど、どこにいるかは知らんかった。それと、タイミング一緒やな、銀座弥子ちゃんと会ったのは」


倉庫内はシャッターを閉めると、本来居住スペースじゃないけど、空調もしっかりしてる。物置なのに、よく出来たな。


「アマサカが釈放されたのはおかしい、思っとったが、圧力感じて聞けんかったんや、わいは、生活のため再び、~渦~製作に戻ったんやが・・。話はここまでや」


「え?弥子の事は?」

コハルちゃんが突っ込む。


「すまんな、これ以上、何も知らんねん・・」

終わり?中途半端だな。


「何か、隠してない?」

更に突っ込んで聞くコハルちゃん。


「いや、隠してへん。許して―な・・」

なんだろう?不自然な感じ。


「・・今日は久しぶりのバトルで疲れたろ。皆、ゆっくり休んでくれ」

蓮賀さんが、話を終わらせる。・・なんかすっきりしないな。


――――


「コハルを送ってってくれるか?」

ほら、誰か頼まれたぞ、しっかりコハルちゃんを送ってけよ。・・え?


「・・俺が?」


「そうだ」


「は・・はい」

なんだろう、もっと感動とか、するはずじゃないの?このパターンって?突然すぎて、わけわからん。


―――初めてのデートが、夜道 2人きり、のシチュエーション。嬉しいはずなのに、なんでか自然な俺。あれ、俺って、JK好きなはずじゃん?もっと喜ばないの?


「弥子・・何処に居るの?」

呟いてる。そうか、この空気かな?コハルちゃんが好きな余り、嫌われないように、空気を読むようになったのかな?今おかしなことは言えない。


「コハルちゃん、大丈夫?」


「うん、ごめんね、心配かけて」


「いや、全然いいんだよ」


「・・ここまででいいから」


途中までだけど、送れた・・!やったぞ。コハルちゃんと、2人きりで、デートできた。


「やったぜ!!」

夜の公園で1人、おっさんが叫ぶ。


――――


「さっき、なんで話を止めたんだ?」

蓮賀と海老名は倉庫に残っている。


「・・いや、だって、コハルちゃんの前やもん、言いづらいわ」


「黙ってた方が怒られるぞ?」


「ほんまに・・?あの子、怖いん?」


「ああ、1番」


「そらえらいこっちゃ。はよ話すようにするわ・・せや!」


「どうした?」


「さっき、みんなが取り損ねとった、ゲーセンダンジョンの宝箱を拾ってくるで!」


そして、その日は終わる。

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