14 南へと

アラームの鳴る中、ダンジョン脱出に成功した。

間に合ったのか?リセットモード、ってなんなんだろう?結局何も起きなかった。


――その後、蓮賀さんと合流。戦果報告、


手に入れたLと、アイテムは。なし。


「え?」

俺は驚く、確かさっき1000位Lを手に入れたじゃん?


「収穫なしか」

蓮賀さんが確認する。


「いえ、あったと思いますけど・・」

俺は言う。雁部が独り占めしてるんだ。


「金とアイテムは俺が貰うよ。コハルちゃんにはやる」

雁部が300Lコハルちゃんに渡す。俺は0かよ?


「いやーお前正直、これだけ役に立たないとは思わなかったわ、居なきゃもっと早く倒せたな」

俺に言う。なんだと・・


「・・まあみんな、お疲れさん。ただ、まずいことがある。この漫画喫茶の基地を、解散をしなきゃならない」

蓮賀さんは険しい表情。


「理由は十字路ダンジョンで、1度アラームが鳴ったから、危険ということだ」


あ、そうなんだ。やっぱり、すぐ戻ってれば良かったのに!そのとき雁部は、俺の時計を見て。


「蓮賀ちゃんこんなの、気にしてるのか?ビビりすぎじゃねえの?」


・・何言ってるんだ?マニュアルに書かれていたのは、青い時のリセットモード率は0%。しかし一定時間を過ぎると、赤く点滅し始め、やがて、真っ赤に。そうなると、索敵が開始されて、リセットモードの確率が出てくる、と書いてある。でも、100%じゃないらしくて、時間を迎えても、必ずリセットモードに、なるわけじゃないみたいだ。


「ビビって男らしくねえ。なあコハルちゃん?」

コハルちゃんは急に振られて困ってる。


「・・今日はお疲れさん。コハル、またな」

蓮賀さんは空気を読んで言う。


「はい、お疲れ様です」


―――それから、雁部は、アイテムを全部持っていく。


「今度はちゃんと金用意してろよ!役に立たないやつ構う気はねえから」

そう言うと帰った。


「やれやれ、また、ねぐら探しか。」


蓮賀さんはため息をつく。この漫画喫茶は、今日中に出ていく、そして、次の基地予定地は、未定。


「蓮賀さん・・あの雁部って人、どういう人ですか?」


「ん?どうかしたか?」


「いや、なんか・・違和感があって」


「まあ。腕は確かだ。少しクセがあるけどな」


ありすぎだよ!コハルちゃんを誘惑したり!俺を見捨てようとしたし!


「でも、我慢してくれないか?今は雁部しか居ないんだ、それに実際強くなっただろ?」


確かに、レベルアップはしたけど、戦利品もみんな持っていかれたし・・全く疲れた。


「明日も雁部とお願いするよ」


やだ!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る