11 仲間 マッチョ 

ワスプ、リーダーの蓮賀さんからの指示で、来た場所は、スポーツジム。任務は、雁部さんと言う人と会って、合流して、基地に連れていくこと。トレーニングしてるマッチョが居る、こっちを見ると


「名前は?」


「あ、堀田ですけど」


「そうか、こういうのは初めてか?」


「え?ジムですか?まあ、あまり来ないですね」


「だろうな、鍛えてるように見えないもんな、痩せてるな?」


「そうですか?」


「ああ、全然だめだな。いつも何してるんだ?」

なんか・・ずっと質問してくるなあ。


「すいません。あの、名前は?」


「ああ、俺か?雁部っていうんだ」

ああ、この人か・・。


「じゃあ、行くか?あんたらのリーダーに会うんだろ?」


「そうですね、よろしくお願いします」


――こうして、ワスプ新基地の、漫画喫茶へ。蓮賀さんは、頻繁に基地を変えるらしい。


「久しぶりだな、蓮賀ちゃん」

馴れ馴れしく、ちゃん付けで、話しかけるマッチョ雁部さん。


「やあ、待ってたよ。狭くて悪いな」

そりゃマッチョには狭いだろうな。俺は心の中で言ってる。


「俺の力が必要なわけだろ?あ、堀田くん、エナジードリンク持ってきてくれるか?」

雁部さんは俺に指図する。なんか納得いかないけど仕方なく持ってくる。


「俺が基地を安定化させる間、3人はダンジョンで、レベル上げと補給を頼む」

蓮賀さんが言う。コハルちゃんも一緒らしい。


「ダンジョンへの出入り口は、確保してる」

前、虫のモンスターを倒した、住宅街の、ダンジョン。入ると、十字路になっていて、前回は北に行ったけど、今度は、東に行く計画。


「コハルが、後で合流する、向かって待っててくれ」


―――――


この雁部さん。強さはどうなんだろう?


レベル 9 HP  99 ATK 44 DEF 11

参考までに堀田圭弥  

レベル2 HP 20 ATK 13 DEF 8


強い、さすがのマッチョマン。ってとこかな。気になるのは、筋肉があるから強いって理屈なのか?それとも長くやってるから、レベルが高いって事なのか解らない。けど、


「女子高生か、やったな」


雁部さんは、嬉しそうだ、そういえば歳は何歳くらいだろう?見た目は、40代?でも、日焼けしてるから、読めない。37才の、俺より若いのも、あり得る。口の利き方は年上だけど。女子高生、って言いながら嬉しがってるのは、俺と似てるような気がして、何とも言い難い。


心配なのは、俺がひ弱なのに、雁部さんはマッチョってこと。そのまま、コハルちゃんと会ったら、どうなるのか心配だ。


―――そして、予感は的中する。


「可愛ねえ、コハルちゃん」


「あなたが、雁部さん?」


「そうだよ、ちょっと食事でもしないか?」

コハルちゃんを誘ってる。いやいや!この後、直ぐに、ダンジョンに行かないと!


「・・雁部さん、ダンジョンに行かないと」

と俺は言う。


「なんだー?少しくらいいいだろ?」

あろうことか、コハルちゃんの背中に手を当てて、


「おごってやるから行こう」

と、半ば強引に連れていこうとする。こいつ!


「住宅街はあっちですよ!行きましょう」

俺が言うけど、無視してる。


「あのさー、お前だけ帰れ」

と言う雁部。なんだとっ?


「それじゃ、ダンジョン行ってからご飯食べましょ?」

コハルちゃんが言う。


「俺のカッコいいとこ見せてやるよ」

雁部はそう言って、またコハルちゃんに触る。セクハラだ。

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