3 ワスプ
「俺は
訳のわからないまま、段ボール小屋の中で座ってる俺、堀田。
ワスプ?一体何の事だろう?
「で、さっきの戦いはどうだった?堀田さん」
「いや、死ぬかと思いましたよ。ほんとに!」
拾ってきたような丸テーブルで、蓮賀さんとコーヒーを飲みながら話す。
「まあ、はじめはあんなもんだから、気にしないで」
「いや気にするでしょう!何なんですか?さっきのモンスターは?!」
「あれは、ダンジョン ~渦~ のモンスター」
「え、それって!」
知ってる。開発途中で、販売停止になった都市伝説なゲーム。あまりのむずさと、グロさで、販売停止になったダンジョンRPG。そういえば、俺自身、やったことがある。多分、法的に、グレーなやり方だったと思うけど。なんとなく、あのモンスターの事、どこかで見たことあると思った。けどなんで、こんなことが?
「奴らは、回線を使って、侵入してくる。そして人を、ダンジョンに飲み込む」
「??」
「世間的には知られていないけど、裏では原因不明の病気で入院する人。失踪、行方不明者、などが増え始めてる。警察は、捜査を行うが、見つかっていない」
ニュースは見てないけど、内容は聞いたことがあった。ネットの大手掲示板なんかでだけど。~渦~ の呪いだ、とか。開発者のしわざだ、とか。まあ、噂だけど。
「それじゃあ、さっきのはゲーム ~渦~ のモンスターなんだ。だから俺が知ってるんですか」
「そうだよ。だから堀田さんが、選ばれたんだろう」
「え?選んだ?一体誰がです?」
「今は、誰かは解らないけど、その剣がその証。さっき使ったでしょ?」
「これってポスターじゃないですか?・・アイドルの」
大好きな推しメンバーだ。
「気持ちがこもってる物なら武器になりえる。ってことかな?」
「なんか意味が解りません・・」
オタクでゲームに詳しいから、選ばれたって事なのか?なんか嬉しいのか?そうでもないのか?
「しかし、どうして、現実にモンスターが居るんですか!?」
「まあ、~渦~が絡んでるのは間違いないけど。正直、調査中な部分は大きい。詳しくは、明日のが良いんじゃない?疲れてそうだけど?」
言う通り、もう色々な事が起こりすぎて、心も体も、疲れ切ってる・・。話も聞く余裕がなくて、頭がボーっとしてる。
「どうぞ。ここで休んで、明日朝6時に、ここへ来てくれ」
メモと、何処かの部屋の鍵を渡される。あまりにもストレスかかって倒れそうだ。今日、正に生死の境をさまよった。もう寝たい!
―――どうやってホテルに来たのか解らないけど。意識を失うように倒れこんで、眠った。
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