第47話 おしゃれ下着

「マリア、この子の名前聞いて?」

「お名前教えて貰って良いかな?」


「チュールです」


「チュールちゃん。私と一緒に来ないかな? 今は護衛以来で王都まで行ってるんだけど普段はファンダリアの街で冒険者やってるんだよ。私は孤児院の出身で今もそこの孤児院で毎日ご飯とか作りに行ってるし、成人を迎えるまでチュールちゃんも一緒に過ごせばいいよ」

「でも……私、獣人だからカノン以外の街ではいじめられるって聞いてるけど、大丈夫かな?」


「私の過ごしたところではそんないじめなんて絶対無いし、させないから安心して付いておいで」


 少し考えてたけど、結局はついて来ることに決めたようで「マリアお姉ちゃんよろしくお願いします」って返事をしてくれた。


 今はほとんどスラム孤児の様なポーター生活で薄汚れた感じが有るけど、この子って小奇麗にしたら絶対可愛いよなと思った。

 マリアに俺やリュミエルと一緒の写真とかとって貰ったぜ!


「マリア、チュールの洋服とか一通り揃えてあげて宿でお風呂に入って貰おうよ」

「解ったよ。じゃぁお買い物に行こう!」


 その後はマリアがチュールちゃんを連れて服を買い揃えてあげた。

 宿に戻りサンチェスさんが貸し切りにしてくれているお風呂に入った。

 マリアがチュールちゃんと俺とリュミエルにもシャンプーしてくれて、気分爽快だぜ。

 マリアが俺の身体をワシャワシャ洗ってくれる時に、目の前で揺れる物体に目が釘付けになるのは、しょうがないよね?

 香織に「スケベ」って言われても平気だぜ!


 お風呂を上がって、リュミエルの風魔法で乾かしてあげたチュールちゃんは、予想以上に可愛かった。

「あ、香織、下着いっぱい用意してるんだろ? マリアの分出してあげてよ。付け方とか教えながら」

「なんか俊樹兄ちゃんの視線が気になるからちょと嫌だけど、ここで付けて貰う方が自然だからしょうがないね」


「マリア、これを身に着けてみて?」

「え、なんですかこの小さな布は?」


「下着だよ、女の子らしさを発揮できて、機能的だから着けたら解ると思うよ?」

「解った着けてみるね、よく解んないから教えてね?」


「マリアはメリハリがメチャはっきりしてるから、これかな? 70のG位だね?」

「70のGっての言うのが良く意味が解らないですけど?」


「あ、サイズの事だから70って言うのが胸の下を一周グルっと測った長さで、Gって言うのはカップの大きさだね。マリアちゃんのおっぱいが凄く大きいって言う事だよ」


 その場で俺が姿見を出してあげて装着した姿を確認したマリアが「なんだかちょっと恥ずかしいけど凄く可愛いです。着け心地も気持ちいいです」


 と言って気に入ってくれたようだ。

 一部始終を眺めたてた俺も、至福の一時だったぜ!


 まだブラジャーの必要のないチュールちゃんにもパンティーだけは、出してあげてシンプルな綿のパンツだけど履き心地の良さにびっくりしてたよ。

 でも、尻尾を出す部分が必要だから、ちょっと俺がミスリルエッジで、丸く切り取ったけどね!


 今度日本で、香織が尻尾用の穴を開けたパンツを用意してくれるって言ってた。

 切り取っただけじゃそこからほつれるしね。


 お風呂から上がると、サンチェスさんも既に宿に戻って来ていて、一緒に夕飯を取る事になった。


「マリア、その猫人属の女の子はどうしたんじゃ?」


 経緯を説明すると「そうか、それではチュールちゃんも後十日ほどの間は一緒の旅仲間じゃからよろしくな」

「よろしくお願いします」

 

 身ぎれいになった格好で挨拶したチュールちゃんに、サンチェスさんの表情も緩んだぜ。


 翌朝は香織が仕事の打ち合わせで日本へと戻っていった。

 俺は次は明日の昼過ぎに海辺の町に到着してからになるな。

 そういや明後日は青木が、ポルシェ持ってくる予定だったな。


◇◆◇◆


(香織視点)


 朝になって、仕事のミーティングの為に転移門で戻ると、お爺ちゃんが頼んでいた装備を渡してくれた。


 ミスリル製のプリーツスカートの様な感じで見た目は可愛い桜色になってた。

 パグな私が装着しやすそうなフォルムで仕上がっている。


「お爺ちゃんありがとう、何でミスリルなのに桜色なの?」

「それは、可愛さを出すために少しだけヒヒイロカネを混ぜて作り上げたんじゃ、動きを阻害しないような感じでデザインするのに苦労したぞ。最近話題の女子プロテニスプレーヤーのユニフォームを参考にしたぞ。見えそうで見えないギリギリを攻めてみた。防御力も高いし、香織の魔力に応じて更に防御と魔法防御が上がる優れ物じゃ」


「あの、結構有名な日本の女子選手の? なんだか嬉しいけどお爺ちゃんがその写真見ながら、装備作成している姿が想像つかないね……」

「ほっほっほっ、気にしたら負けじゃぞ」


 翌朝のラジオのプロデューサーとのブリーフィングで、前回放送分の反響が凄い大きくて、スポンサーとして有名投稿サイトと、ラノベの出版社が三社ほど付いて、主要都市の六局ネットでの放送にした上で、毎週投稿サイト側から提案を受けた小説を紹介する番組にしたいと言う企画が持ち上がってるって言われた。


 もうびっくりだよ。

 当然私のギャラも一挙に五倍にしてくれる提案だ。


 元々のギャラがびっくりする程安かったから五倍でもやっと普通のサラリーマン程度だけどね!


「今は、時間があまり取れない状況なので、週一の放送と週一の打ち合わせと言う今の状況が変わらないのであれば、是非お受けします」


 って伝えたよ。

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