第39話 薬草探し

「ここが発注先でしょうか?」

「だろうな」


 私とマディソンはクエストの発注先に着くと、そこには大きな森が目の前に広がっていた。

 確かに依頼内容は薬草採取だったのだが、私の目の前にあった森は深く、入るには少々、勇気がいるように感じた。


「森の中から薬草を探すという事でしょうか?」

「あぁ、一応そう言うことになる」

「むぅ」


 だが、そうなってしまうとここに行かなければいけないよな。


「ちなみに薬草と入った言い、どのような形をしているので?」

「薬草か?」

「えぇ」


 私の中ではただのハーブのような形でしか頭の中では浮かばない気のだけど、これであっているのだろうか。


「薬草とは、いったいどのような形でしょうか?」

「薬草か?」

「はい」


 私はメディ損のことを話し抱えると、マディソンは少しだけ不思議そうな顔で私のことを見つめると、すぐに森の方へと向き、森の中へと入ると森の入り口を周りを眺めると、何故かすぐに座り込みブチっ、と足元にあった植物を契り私の目の前へとその植物を持ってくる。


「……それは?」

「これが薬草だ」


マディソンが私の前に出した植物とは、生命の色がより輝く緑色のハーブだった。

 

「これが、薬草ですか」


 雑草と見るには少し見るには少し難しく。そこらへんに生えている雑草群と見比べるには明らかに物が違かった。


「理解したか?」

「えぇ、この程度なら大量に見つかりますね」

「何?」


 私はそう言うと、マディソンはピクッと耳を動かす。


「お前、本当に理解しているのか?」

「えぇ、昔はよく田舎で野草採りなどが趣味でしたから」

「……………はは」

「?」


 私がそう言いながら、森の中に入ろうとすると、マディソンはまるで私の事をを嘲笑するように鼻を鳴らす。


「ははは、なんだ、その程度か」

「その程度、とは?」

「その程度、とは、その程度だよ」

「?」


 一体、何を言っているのだろうか?

 私は不思議そうな顔で森の中へと進んで行く。


「まぁ、その時はその時だよ」


 マディソンはなぜか私に対して嘲笑うかのように顔で私の事をただ静かに眺めていた。


                 ☆


「ふむ、どれがどれなんだ?」


 そして、私は森の中に入り込むと、迷ってしまった。

 何に、と言われてしまうのであれば答えるのが大事だろう。それは、薬草の見分けがつかないことだ。


「確かにこれは依頼を頼むわけだな」


 私が薬草を取ろうとすると、私はそんな些細なことに気付く。

 まずは葉の模様、葉の色や艶の違い、そのほかにも違う点がたくさんあり、確かにこの薬草採取の依頼が冒険者に与えられる最初の依頼になるのかさえも理解できる。

 簡単に言えば、自らの観察眼をここで鍛えろという事なのだろう。

 野草採りをしたことも無いただの初心者であるというのなら、確かにこの程度の事では難しいと感じてしまうが、今の私にとってはそんなことは関係ない。今の私に必要な物は私が持ち得るこの目を更に鍛える事と言う事だ。


「どうだ、難しいだろう?」

「えぇ、確かにそう簡単では無いですね」

「どうだ? 降参か?」

「いいえ、まだいけますね」

「ちっ、しぶといな」


 そんな私に対して監視者のマディソンは私に向かってああやって嫌味に近しいものを吐いて来る。

 だが、私はそれを言われる度に、その探す手を進める。


「よく諦めないな。一体、何がそんなにお前を動かすんだ」

「そうですね。貴女でしょうか?」

「え?」


 私がそう言うとマディソンは鳩が豆鉄砲を受けたかのような顔で私の事を見てくると徐々にその顔を赤くしながら私に向かって大きな声でこのような事を言ってくる。


「な、何を言っているんだ!」

「何、とは、その通りです。貴女が先に目的の薬草を見つけてくれたおかげで私は薬草と言うものがまだ見つけられるという希望を得たのですか」

「なっ!!」


 そのように淡々と言うと、マディソンは頬を赤く染めた顔で驚いたような素振りを見せる。

 ふむ、このような可愛らしい女子おなごの姿をたた見せているのであればとても可愛らしいものなのだが、彼女の腰元には一振りの剣が携わっておりいつ私の事を殺しにかかってもおかしくない物だろう。故に一時であろうとも気が抜けない。


「ですから、私は貴女のことを尊敬していますし、感動していますよ」

「……………っ、そんな事よりさっさと薬草を探せ!」

「はい」


 林檎の様に赤く染まる頬を一瞬だけ眺めると、マディソンから大きな叱責が飛び私の視線は地面へと落とされる。

 だが、こう見ているだけではよく分からないものだな。一体、どのような薬草が依頼対象のなっているのかよく分からない。見分ける物に必要な情報が欠落しているし、やはりここでは経験は大きく欠落している。


「……………」

「どうした? リタイヤか?」

「……………」

「……………ちっ、反応も無しか」


 一体、どれだ。

 彼女は一体、どのようにして良質の薬草を見分けたのだろうか? 彼女の経緯、生き様、経験、それら全てを予測して、足元に広がる雑草群を見定める。

 笹型、広葉型、まるでツタのように広がっている奴もある。まず、この中から、広葉型のハーブに限定化して次には、そこから質状態などを見てみる。

 

 良好 柄あり 結果無し

 不良 柄無し 結果無し

 良好 柄無し 結果有り

 良好 柄あり 結果無し

 良好 柄あり 結果無し

 不良 柄あり 結果無し

 不良 柄無し 結果無し

 良好 柄無し 結果有り

 

 複数の薬草の中から依頼達成になりそうなものを選び出すと、採取し、そのまま懐の中へと入れた。

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