第87話 瞬と圭
『お願いします』
そう返事をすると、圭さんは背後から無能力者を襲う。仲間だと思っていた人たちが困惑する。圭さんに向かって、金属バットが振り下ろされるが、バットは圭さんをすり抜けた。幻か。
再び背後に回り、無能力者を蹴り飛ばしていく。瞬の針で、ほとんどの人が床に転がっているのを見て、圭さんが合流する。
「圭、大丈夫か? 辛かったら下がってていいんだぞ」
「いえ、むしろ体を動かしたい気分です。体が辛くなったら、勝手に下がります」
「分かった」
潜入していて疲れているはずなんだが、凄いな。テレパシーで拓哉さんと令さんに、圭さんと合流できたことを伝える。それと、圭さんとのテレパシーは切った。
「それにしても、どれだけいるの。針も足りないと思うんだけど」
瞬が言う。ネットの記事で見た、他のグループとの戦いで勢力を拡大させた、と考えるのが妥当か。
「針が無くなったら教えてくれ。電気でどうにかする」
「いや、僕が戦うよ。能力者と戦うときも電気は必要でしょ? 」
そう言いつつ、瞬は針をテレポートさせていく。会話しながら戦うって……。
「それもそうだな。針が無くなったら、頼むぞ」
「任せて」
瞬も先天性の能力者だ。無能力者に
「よし、行ってきます」
「あ、僕も行きます」
針が無くなったらしく、瞬と圭さんが敵のところへ行く。すると、敵を囲むように瞬と圭さんが増える。光を利用した幻覚だな。戦術とはいえ、同じ人が沢山いると気味が悪い。敵が幻の方を殴ったり、怯んでる隙に2人で一気に敵を倒していく。
「流石だな」
京さんが呟いた。能力の使い方は勿論だが、武器を持たずにあそこまで戦えるとは。
「それで……京さんは何を? 」
誠が訊いた。すると、京さんは持っていたスタンガンを誠に渡す。
「これを、思い切り俺に当ててくれるか? 」
「いいですけど……」
誠が京さんにスタンガンを押し当てて、電気を流していく。バチバチという音と、青白い光が見える。
「悪いな。俺は自分で作れる電気の量が少なくてさ」
あぁ、それで体に直接流し込んだのか。……ということは。京さんの体から、青白い電気が見えた。
「最後の仕上げだ」
京さんから、ぐったりとしている無能力者に向けて、電気が放たれた。
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