第48話 6人なら
誠からの電話を切って、すぐに作戦会議をすることに。また、面倒なことを考えるよな、相手も。
「取り敢えず、俺は政府に連絡してくる」
そう言い、焔が席を外した。報告は大切だからな。にしても、電気系の能力か…。
「あの誠って子、凄いよね。何者なの? 」
「誠は、俺の双子の弟でアクアキネシストですけど」
「うん、それは知ってるんだけどさ」
いや、今は彩予とそんな話をしている場合ではないな。焔が戻ってきた時、瞬が言った。
「相手が何時に来るか、あと能力について何か分からない? 」
彩予は「やってみるよ」と言い、能力を使う。数十秒後に言った。
「犯人が来るのは、21時。能力は電気を操る、エレクトロキネシスだよ」
「彩予、ありがとう」
さて、どう作戦を練るべきか。1番良いのは、犯人に能力を使わせないことだが、そんなこと……できるな。俺の能力を使えば可能だ。嫌な使い方にはなるが。
「要は、犯人に能力を使わせなきゃいいんですよね? なら、俺が相手の脳に干渉して、能力を使わせないよう指令を送ります。そうすれば……」
「それだと、奏が危険だ……って言いたいけど、それしかないか」
焔がため息を吐く。これで、失神したことがあるし危険ではあるんだよな。まぁ、あの時は状況が状況だったし、今度は大丈夫なはずだ。
「じゃ、その間の時間稼ぎは、僕がやるよ。僕のもう1人の兄も、電気系の能力を持っててね。喧嘩する度に、電気を浴びせられていたから、それなりに耐性はあるよ」
もう、どこから突っ込んだらいいのか、分からないが……そうしてもらえると有難い。それにしても、一条家はどうなってるんだ。本当に。
「俺も時間稼ぎ、手伝うっすよ。離れた所からなら、大丈夫っす」
「分かった。2人とも気をつけろよ。俺と彩予は、奏と一静を守る」
作戦は決まった。今回の相手は、本当に危険だ。いつも以上に、気を引き締めてやらないと。それに誠は、俺らを信じて頼んでくれたんだ。成功させるしかないだろ。
「6人ならどうにかなる、でしょ? 」
不安そうな表情をしていた、のか。彩予がにっと笑う。
「そうですね」
先天性の能力者が6人もいるんだ、大丈夫だろ。彩予につられて、口元が緩む。大丈夫だ。6人なら。
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