第3話 先に来ていた2人
階段を下り、大広間を覗くと2人の男性が会話をしていた。1人は金というよりは、黄色い髪の人。もう1人は黒髪の人。2人とも能力者なんだろうな。
大広間に入ると、扉の音に視線がこちらに集まる。
「お、新しい能力者だ! 」
そう言ったのは、黄色い髪の人。彼も歳が近そうだ。取り敢えず2人の近くにある椅子に腰をかける。
「僕は、
黄色い髪の人こと、彩予さん。前髪に黒のピンを付けていて、どこか可愛さを感じる。
「んで、こっちがいといと!」
いといと? あぁ、黒髪の人か。
「
黒いマスクを付けていて、表情がよく分からない。にしても、プレコグニションにサイコメトリー。過去の記憶を見る能力者と、未来を予測する能力者か。真逆だな。
「俺は、香月 奏。能力はテレパシーです」
「じゃあ、そーちゃんって呼んで良い? 僕のことも好きに呼んで良いよ! 」
焔より距離が近い人がいた。
「何でも良いですよ。俺は……彩予と呼びますね」
にしても、もう2人もいたとは。これで6人のうち4人が集まったことになる。一通り自己紹介が終わったところで、焔が大広間に来た。彩予が焔に構ってるうちに、一静さんに声をかける。
「一静さんはいつ此処に来たんですか? 」
「昨日です。彩予さんの方が先にいましたけど」
まぁ、国からの呼び出しだし、住んでた所が近ければ早く着くか。
なんだろう、焔や彩予と話してたせいか、一静さんと話していると心地良いというか、距離感が丁度いい。
「あと、呼び捨てでいいですよ。多分、僕の方が年下なんで」
「ちなみにいくつです? 俺は17ですけど」
学校なんかじゃ、1、2歳の差で上下関係が決まったりするけど、此処でもそうなのか? 出会った瞬間に、あだ名をつける人もいるから、そういうのは無いのかと。
「なら、彩予さんと同じですね。僕は16歳です」
でも、1歳差か。なら、6人とも同じくらいの歳だな。もしかすると、それが能力者の共通点だったりするのか?
「そーちゃん、いといと! 焔っちも僕と同い年だって! 」
焔っち……もうあだ名をつけたのか。ということは、焔も17歳。やっぱり何か引っかかるけど、それを調べるのは医者や研究者の仕事だ。俺の仕事ではない。面倒なことはしたくない。
それよりも、残りの2人の能力と政府が俺らを集めた理由が知りたい。まぁ、後々分かるだろうが。
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