第10話 白石さんから告白!?
「太一くん、今日の放課後、ちょっと話があるんだけど、空いてるかな?」
隣の席の白石さんが目をうるうるさせながら、いつもとは違う緊張した雰囲気でお願いしてきた。僕が白石さんをデートに誘おうと決意した矢先に向こうから何か重要そうなお話ですか。なんだろうなぁ。
「う、うん大丈夫だよ。」
「じゃあ、放課後、絶対ひとりで教室で待っててね。絶対ひとりだよ!絶対絶対だよ!」
「う、うん。」
これは一体なんだ?なんなんだ?
どういうこと?
えと、待って、一人で教室に待たされて、あの白石さんのいつもとは違う雰囲気、も、も、もしかして、こ、こ、告白?
ついにきたか?ついにきてしまったか?
でも仲よかったのは確かだし、友情が愛情に変わるのは突然だっていうしな。やばいやばい!モテキで神輿みたいに担がれてる主人公くらい舞い上がってる!!今が人生のピークだと自信を持って言えます!
うわうわ!うわうわうわうわー!
どうしよどうしよ!とりあえずデート行ってからとか考えてたから、いきなり告白なんて心の準備できてないよ!!
めちゃくちゃ緊張してきた!告白されたらなんて返そう。めちゃくちゃダンディーな顔して、
「僕も好きだよ。白石さんのこと、一目あった時からずっと」
こんな感じでいこう!体言止めにしたらなんか雰囲気出るよね!
そうこう考えまくっている間にいつのまにか放課後になっていた。
ぼ〜っとしてたら、教室には誰もいなかった。
親友たちもみんな部活に行ったようだ。
すると白石さんが教室に入ってきた。
「太一くんごめんね!先生にちょっと仕事頼まれて遅れちゃった!」
「い、いや、大丈夫だよ!そ、それで、話ってなに?」
「うん、えっと、話なんだけど、あ〜、なんか緊張しちゃう!笑」
これはもう99%の確率で告白だこれ!きたこれ!やばいぞこれ!人生で初めて告白されちゃう!それもこんなかわいい子に!
僕は静かに白石さんの言葉を待つ。
「えっと、私ね、じ、実は、、、、」
つ、ついにくる!
「み、宮田くんのことが好きなの!」
「うん!僕も、す、え?なんて?」
「えっと、私、実は宮田くんのことが好きなの!それで宮田くんと仲が良くて話しやすい太一くんに相談しようと思って!」
みやたが好き?
どういうこと?
みやたってなに?
だれ?
幕之内一歩のライバル?
おっと、危ない。
気を失いかけていたようだ。
状況を整理しよう。
絶対に僕に告白すると思っていた白石さんは、僕の親友である宮田智が好きだと。
で、僕にその手伝いをしてほしいと。
なるほどなるほど。
マジか〜。恋終わった〜。恋の終わり突然すぎてワロタンゴ。
でも危なかった〜。告白しなくてよかった〜。あぶねー。
「それで、どうかな?相談乗ってくれる?」
両手を合わせて首を傾げ、目をウルウルさせながら、上目遣いでお願いしてくる白石さんを見て
「うん!僕に任せて!」
即答していました。女の子の上目遣い目ウルウル首傾げお願い恐るべし。脳が支配されて勝手に返事してしまったじゃないか!
「わぁ!ありがとう!さすが太一くん!宮田くんって本当に優しくて面白くてかっこいいの!学級委員の仕事もいつも助けてくれるし!この前もね!野球の試合の応援に行ったんだけどね!もうほんとにまだ1年生なのにすごい活躍しててね!それでね!…」
それから僕は最終下校時間が来るまで白石さんに智の好きなところを延々と語られるという地獄の時間を過ごすのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます