第9話 ロックオン

 「なあ太一。彼女作りたいんやろ?そろそろ誰を狙うのか決めたん?」


 ニヤニヤしながら智が聞いてきた。


 「僕ぐらいとなるとね、いろんな女の子が話しかけてくるから困ってるんだよね〜」


 ドヤ顔で僕が返すと


「ハハハハ!まあ確かに女子とは話してるな!」


「う〜ん、そうだね、多分白石さんと神崎さんと楠木さんの内の誰かだね。で、この3人の中から誰を狙うの?」


 悠真と裕二がそんなことを言ってきたので

僕は焦らずに答える。


「は?べ、別に気になってねえし!かわいいとか思ってねえし!好きじゃねえし!ちょっと女の子と喋るのに緊張してただけだし!向こうから話しかけてくるだけだし!」


「ハハハ!バレバレすぎやろ!正直に言えや太一!」


「はい、えっと、白石さんも神崎さんも楠木さんもめちゃくちゃ話しかけてくださるし、かわいいし、優しいし、正直、みんなみんなみんなみんなめちゃくちゃ大好きです。」


「やっぱりやん笑笑」


「まあ悪い印象は持ってないと思うぞ!」


「応援してるよ!笑笑」


 3人が笑いながら僕に言ってくる。


「あ、ありがとう!僕頑張ってみる!」


 僕は白石と神崎さんと楠木さんの中の誰かを攻めることに決めた!


 正直、みんなかわいいし、優しいし、好きだからなぁ〜。なんだこの贅沢な悩みは!選べねえなぁ〜。モテモテのイケメンたちはこんな気持ちだったのか?モテるってのもつらいぜよ。


 でもまあ、隣の席だし、誘いやすいし、いきなり告白するわけでもないし、白石さんをちょっとデートにでも誘ってみようかな!


こうして僕はついに彼女をつくるために動きだした。

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