第5話 高校入学3

 僕は同じクラスのイケメン三人衆と歩いている。


 一体全体どうしてこうなったのだろう。


 イケメンたちに一緒に帰ろうといきなり誘われ、驚きすぎて気づいたら今、イケメンたちと一緒に歩いていた。


 これは一体どういうことなのだろうか?僕はカツアゲでもされるのか?くそう、イケメンたちめ、こっちが下手にしか出れないからって調子に乗りおって!天罰が下るぞ!でも本当になんなのだろうか。


 「あの〜、どうして僕なんかと一緒に帰ろうと思ったんですか?」


と僕が恐る恐る聞いてみると、その中の野球部っぽい短髪のマッチョイケメンが


「悠真と裕二が、小林くんの自己紹介にツボったらしいねん!仲良くなりたいらしいわ!あ、俺もおもろい思たよ!あと敬語なんてやめろや!」


 え?あの自己紹介がおもしろかった?なんだこの優しい人たちは。めちゃくちゃ涙出そう。


 「えっ、うん。えっ!ほんとに!あの自己紹介おもしろかったの!?」


嬉しくて僕がそう聞くと、


 竹内涼真似のイケメンが笑いながら答える。


「マジでおもしろかった。ははっ、夢と希望とサーロインステーキが詰まってるって、ハハハ!」


 茶髪のイケメンも


「おもしろすぎたよ〜!よく最初の自己紹介であんなことできるね!おにぎりくん!」


と言ってくれた。


 「あじがど〜」


 嬉しすぎて、僕が感極まりまくって鼻水と涙を一通り流し終わったあと、僕はあることに気づいた。


 そう、このイケメンたちの名前を僕は知らないのだ。


 緊張と後悔と恥ずかしさで誰の自己紹介も聞いていなかった僕は焦った。


「あっ、褒めてくれてありがとうなんだけど、僕、自己紹介で緊張してて他の人の名前、1人として覚えてないんだ。もしよかったら名前教えてくれないかな?」


 まず野球部っぽい人が答えた。


「わははは!おもろいやつやな!俺は宮田智!野球やってんねん!よろしく!」


 やっぱり野球やってた。


次に竹内涼真似のイケメンが答えた。


「俺は竹内悠真。よく竹内涼真に間違われる。だから悠真って呼んで。」


 やっぱり似てるんだ。


最後に茶髪のイケメンが答えた。


「俺は芦川裕二。バスケとかアニメとかマンガが好き!よろしくね!」


この人とは趣味が合いそうだな。


そして僕は言った。


「うん!僕は小林太一!まだクラスには友達がいないから友達になってくれると嬉しい!」


「よろしくな!」


「これから友達」


「うん友達だね!」


 イケメンたちがそう言ってくれた。


 僕はこのイケメン三人衆に気に入ってもらえたようだ。


 この世の終わりみたいに思っていたが、神様もまだ見捨ててはいないらしい。天罰下れとか思ってすみませんでした。


 いや、これはもしかすると最高の出会いかもしれない!脱ぼっち!脱インキャ!


 僕はそう思いながらそのままイケメンたちと楽しく帰宅した。


 ここから僕の高校生活はスタートしたのだ!


 今日は1人で宴じゃーーーーー!!!!

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