第4話 高校入学2


 高校に到着し、自分のクラスを確認し、教室へと向かった。


 僕のクラスは、1年2組。かわいい子がいるといいなぁ〜。


 教室につき、自分への席に座る。


 とりあえず僕は情報収集をすることにした。


 なるほど、このクラスはかわいい子が多いぞ。


ショートカットで明るい感じのもう典型的な美少女もいれば、ギャルっぽいけどマジでめちゃくちゃかわいい子や窓際で読書をしている地味めだけど超かわいい子もいる。


 実に時間にして5秒。僕はその間にこのクラスの女子の全てを悟った。


 これは勝った。僕は確信した。やばいやばい、いきなりガッツポーズしてしまった。


 正直、さっき説明した誰と付き合っても僕はバラ色のスクールライフを手にすることができる。むふふふふふ〜〜


 そう思った瞬間、その妄想は崩れ落ちた。


 イケメンの3人組が入ってきた。


 女子たちが集まる。


 ギャルっぽい子や明るいショートカットはわかるが、読書をしていた子でさえもチラチラとイケメンたちを見ている。


 さよなら、僕のバラ色スクールライフ。

 滅びよ、バルスイケメン。

 ビバぽっちゃり。


 これはこの世の常。100年後には絶対にぽっちゃりが優遇される時代がくるはずだ!未来のぽっちゃりたちに幸あれ。


 切り替えた僕は、入学式に向かった。


 校長のだるい話はさておき新入生あいさつは、さっきのイケメンの中の、竹内涼真に似てるやつか。


 おい、女子たち!入学式だぞ!キャーキャーするな!あーあ、だりいだりい、寝よっと。イケメンはどうせいいことしか言わねえからな。さっき見たこの世界の理を再度見たくない。


 そう思ってたら本当にいつのまにか寝てしまい、自分の「ふがっ」という豚鼻で目覚めてしまった。そして入学式は終わっていた。


 教室に帰り、自分の席に座ると、担任の先生がきた。


「私がこのクラスの担任をすることになった新川恭子です!よろしくね!」


 とてもとてもとても美人だった。


 だが、だ。


 現実世界に先生と恋愛できるような猛者がどれほどいるだろう。


 そしてこれほどの年上の美人と自分が付き合えるとどうして思えるのだろう。


 夢は夢のままでいい。現実に絶望する前に2次元に逃げ込むのだ!


 帰ったら美人教師と恋愛する系の小説でも読もっと。


「これからみなさんには自己紹介してもらいます!」


 新川先生が笑顔で言った。


 僕は小林だから結構すぐだな。


 でもここでかまさないと、僕のワンチャンモテるおもしろ印象を与えることができない!


 やるしかないのだ!やるしか!


 僕は面白い自己紹介をする決意を固めた。


「芦川裕二です。バスケとマンガが好きです。よろしくお願いします。」


 イケメンがなにか言ってるが集中している僕には聞こえない。


 そしてついに僕の順番がきた!


「小林太一です。

このお腹には夢と希望と昨日食べたサーロインステーキが詰まってます。

とても美味しかったです。

よく人から、おむすびに似ていると言われます。おむすびくんなんて、絶対に絶対に呼ばないでください。絶対ですよ?

それではよろしくお願いします。」


 結果は、失笑だった。


 本当に死にたくなった。


 終わった。


 僕のバラ色スクールライフは終わったのだ。


 ミスった。


 早すぎたのか。


 ボケるのはもっとあとにして、今日は様子見したほうがよかったのか。早まった。


 陰キャになるしかないか。


 そんな後悔とこれからの振る舞い方を考えていたらいつのまにか自己紹介も終わり、先生の話も終わって解散の時間になっていた。


 とりあえず帰ってからやけ食いしながら反省会を1人で開こう思い、帰る準備をしていると


「小林くん!一緒に帰ろうよ!」


と声が聞こえ、顔を上げるとそこにはイケメン三人衆がいた。

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