ユラの協力者ポーション職人さんの常識とユラの常識

 全員の意志がまとまったところで、セバスがユラの横に立つ


「では皆様本格的に動くのは明日にして、今日はお食事していただいて、部屋にて明日までお休み下さい。後でお風呂もご用意します。」


 パラオラース達が驚く


「おお♪お風呂も入れる何てほんとにここは最先端の設備が揃ってそうだ。」


 この後みんなで楽しく食事をしてお風呂に入って、セバス達の案内で各自部屋で休んでもらった。


 皆が部屋に入りユラも与えられた大きな部屋でくつろいでいると、セバス達が入って来る。


 コンコン


「ユラ様少しよろしいでしょうか?」


 どうしたのかな?


「はいなのです」


「失礼します」


 ガチャ

 

ユラはセバスの後に公爵家のメイドだったチアリー達が入ってきたのに意味が分からず困惑する


 あれ?セバスとチアリー、キルエラ、ダーリア、パルマもいる…


「みんなどうしたの?」


 セバスが代表して答える


「はい!ユラ様に改めてお願いに参りました。私達は皆公爵家から追放され、皆死にかけていた者達です。

ユラ様とそのお仲間に救われ、今こうしてお会いする事が出来ました。ユラ様私達は、生涯ユラ様にお仕えさせていただきたいと思っています。

ユラ様はこれから、ここを拠点に世界を救うために動かれると思います。私達は、そんなユラ様の帰るこの場所をお守りさせて下さい。」


「「「「お願いします」」」」


 セバスとチアリー達はユラの前で深々とお辞儀をする

ユラは目をウルウルさせながら答える


「セバス… チアリー…みんなユラでいいの?」


「もちろんでございます」

「はい!このままずっとお仕えさせて下さい」

「そうです!私は離れませんから!」

「そう離れないし、離さない!」

「ずっと一緒にいたいです」




「何かすごい声聞こえたけど、わかったのです」


ユラが了承したことでそれぞれ挨拶をしていく。


「では、これからもよろしくお願いいたします」


「ユラ様ありがとう♪これからもよろしくお願いします」


「嬉しい♪またこっそり添い寝できる、ユラ様これからもよろしくお願いします」


「ウフフ♪ユラ様の下着がまた洗えるわ♪ユラ様よろしくお願いします」


「クリスがいない間にユラ様とムフフなことしてもらって…あ!ユラ様よろしくお願いします」


「「「「おやすみなさい」」」」


 ガチャ

 バタン


 何か心の声がもろ出てたけど、うちのメイドってヤバいの?シルキーお姉ちゃんと同じだぁ…考えるのヤメもういいや寝よ


 …………

 ………

 ……


 次の日、朝食を食べた後集まってもらって全員に役割を与え仕事をしてもらった


 工芸スキル持ってる人達とパラオラースさんについて来た護衛の人達は、森に材料を取りに行ってもらって後の人達は、畑仕事をしてもらった。


 ユラは、パラオラースさん、シリルさん、セラステーレさんの3人にポーション作りを教える事にしました。


 3人に洞窟に来てもらって話をしました。


「ここでユラちゃんポーションを作ってるんだ」


「何か私達がいた町と全然違うのね」


「何か周りがまるで違う、そう清らか?っていう感じかなあ」


「パラオラースさんおはようございます、ここがユラのポーション作ってるところなの」


「何か周りの雰囲気が私達の作ってた場所と全然違う、これも関係してるのか… 」


 ユラは、3人を見つめポーション作りの話を始める


「これから作るやり方は、めちゃくちゃ大変です。だから今までの自分のやり方は全て忘れて下さい!これがほんとのポーション作りの工程なのです」


3人はユラの今までと違う発言に驚き質問をする。


「ユラちゃんそんなに違うの?」


「はい!やり方が完全に間違ってます!たぶん最初の段階から・・ 」


「最初からだと!」


 パラオラースが驚く


 ユラは頷き違いを説明をするためにいろいろ質問する


「お姉ちゃん達、町の中で作ってますよね?」


「もちろんだギルドから薬草を買って作るからギルドに近い場所に作業場所がある」


「それは薬草の生き生きした状態が関係するからですか?」


 シリルは答える


「いやどちらかと言えば大量に購入するから取りに行きやすく依頼しやすいからかな」


 パラオラースは違う回答をする


「私は状態優先だな」


「ふーんわかってるのかな?」


「何だユラちゃんちゃんと教えて下さい!」


「パラオラースさん、薬草は微量ですが魔力を含んでいるの知ってますよね」


「もちろんだ!ポーション作る時にその薬草の魔力も影響するからな」


「じゃ採取した薬草はどんな状態か知ってますか?」


「そのままだろ微量に魔力が残ってるだろ」


「薬草は採取したとたん魔力が抜け日数が経過すればするほど成分が抜けていきます。生き生きして状態がよく見えても実際はどうかわかりませんよ。薬草の魔力含有調べました?」


「いや、魔力含有の鑑定なんてギルドでしかできない!だから私は最初に含有を聞いて薬草の状態を見て残ってると判断し作成していた。」


「私たちはそんなこと気にせずギルドなら含有薬草しか売ってないから大丈夫と思い気にしてなかった、近くて取りに行きやすさだけ優先した」



「なるほどなのです、全然ダメなのです薬草の事もっと勉強してください」


「今町の近くにある森には薬草はあっても低品質で魔力含有の少ないです。冒険者が薬草を採取して、ギルドに持ってきて鑑定してもらう時は、含有量はほんのわずかしか残ってないはずなのね。

それをお姉ちゃん達が購入してポーションを作ってたのです。たぶんお姉ちゃん達が買って持って、帰って作るころには魔力含有は0になってるのです。」


「そんな・・・」


「薬草は採取した瞬間から魔力が抜けていきます。それに薬草の採れる場所の土壌も悪いから含有量も少ないのです。だからお姉ちゃん達が持って帰る薬草はほとんど使えるものではないのです。」


「マジか・・・」


「保管方法とか関係なかったのか・・葉が生き生きしてても魔力は含まれてなかったと言う事か・・」


「がっかりしないでください。ユラの畑にはいろいろな種類の中品質の薬草を栽培しています。」


 3人が驚く


「「「はぁー薬草を栽培ですってー!」」」


「え?ダメなのですか?」


「違う違う!そもそも薬草は栽培方法が難しく誰も成功していなかったからだ」


 セラステーレは呆れている



「ほんとユラちゃんは森の妖精様にピッタリね。薬草栽培・・・しかも他にもしてるってほんと信じられないわ」


 シリルも呆れてる


「ほんとね」


「アハハハ・・ これで薬草の事わかってくれたと思うのです。でも他にもお姉ちゃん達の作り方が間違ってるのです」


 3人は何も言わず頷く


「それを今から説明するので聞いて下さい」


「「「わかりましたよろしくお願いします。」」」


 3人共メモを用意して真剣な眼差しでユラを見る



「では、始めるのです!」


 ユラは、説明しながらボードに書いて行く


【ポーション作りには、まず準備と環境が必要なのです。ポーションはこの世界の特別な薬なのです。薬造りの最大の問題が制作中の異物、不純物の混入です。そのために綺麗な環境がいります。】


「ここまでいいですか?」


 皆が驚いてるけど、ふんふんと頷いてるからいいかな


『なんと私達は、ポーションを作る前の段階で既に間違ってたのか…』



【ユラが今いる洞窟は、綺麗な森の奥地で洞窟の中も非常にきれいで湧き水もあります。この中なら埃やゴミも少ないのでクリーンテーブルに簡単な囲いをするだけで埃など防げてポーションを作ることが出来ます。】


 パラオラースが質問をする


「ちょっと待って!クリーンテーブルって何?埃ってそんなに影響するのか?」


「さつき説明したのです!私達今呼吸してるこの周りに見えないレベルの物があるって、それをできるだけ少なくしたのがクリーンテーブルなのです」


「それほど気をつけなければダメなのか… 」


「私たちの周りにある空気中には、いろいろな埃、植物の細かな花粉なんかもあります。それらが漂っているのです。中には身体に悪い影響与える物もあります。だからポーション作りには細心注意が必要なのです。」


 シリルが呟く


「私達はそれを知らずに作ってたのか、無知ちもほどがあるな・・」


 セラステーレもぼやく


「ほんと愚かだ。だからあの状態では失敗ばかりなのだ。」


 3人はユラに改めてお願いをする


「ユラ様、私達の今までの知識完全にリセットする!まずHP回復ポーションが

 作れるまで教えてください」


「「よろしくお願いします」」








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