ユラとマヤ村の奇跡

ドドドドドドドドドドドドドド


ガウガウ《ユラ様、こちらでよかったの》


「うん、テレストに行く前に他の場所見ておきたかったいから」


ガウガウ《それならいいんですが》


ドドドドドドドドドドドドドド


「ねぇ、コルリこの笛って何処まで届くの?」


ガウガウ《どうかされたのですか?》


「ユラは、戦う能力ないから、襲われたら死んじゃうから、」


ガウガウ《はぁ・・ ユラ様なんで一人くらい護衛残して、もらわなかったのですか?》


「うう… キャサリンお母様に何かあったらって思って、ソアラお姉ちゃんやシルキーお姉ちゃんは、凄く強いから、それに王様との交渉に、ユラのお父様もいるから、あの人無茶苦茶強いから、だから守る人減らしたくなかったの」


ガウガウ《ユラ様は優しいのですね、ユラ様は、もう少し私達魔物の力を知ってくださいね」


「え?どういう事?」


ガウガウ《私達ラースキラータイガーの強さは、わかっていただけてると思いますが、今ユラ様に変形して付いてるレッドスライムのピアは、防御だけなら、私達が連携しても簡単には倒せませんよ」


「え?そうなの?知らなかった…」


ガウガウ《もしユラ様に何かあったらピアがユラ様を飲み込み守りますから》


ピキー《ユラ様は、絶対守るのぉ》


「アハハまだハッキリピアの言葉わからないけど、何となくわかる、宜しくね」


ピキピキ《任せるの!絶対守る》


ガウガウ《心配しなくても私達は、ユラ様を降ろした付近の森にいますから、笛吹けば駆けつけますから》


「うん♪みんな宜しくなのです」



ドドドドドドド


ガウガウ《ユラ様到着しましたよ、ここから少し進むと村があるはずですよ》


「わかった、ありがとなのです、行って来るね」


ガウガウ《私達は、付近のバカなコブリンやオーク達を狩っておきますね》


「うん♪行ってきまーす」


ユラは、コルリ達と別れ森を出て、しばらく歩くと、馬車が通る道にでた。


「少し寒いけど、ピアが温めて調整してくれてるから、大丈夫なのね」


歩いてると村の入り口が見えて来たのね


「誰も入り口に立つていないけど…」


中に入ると、ひどい臭いなのです!

うっ… 何この臭いひどい、あっちこっちに糞尿があるのです、


家の前にも、桶が置いてあるのが目立ちます、え?水は?あ!井戸がある

ユラが中を覗き見ると、水はなかったのです。涸れてる… それで雨水を貯めてるんだ。


外にある畑も虫に食べられて全滅してるのです。これは早く何とかしてあげないと、ダメなのです


ユラが村の中を、歩いてると大きな家の外に出てる人がいたのです、ユラが近づくと、ガリガリに痩せた女の人が、話しかけてくる



「こんな何にもない村に、何のようじゃ」


「ごめんなさい、ユラは一人で旅してて村があったので入って来ました。」


「ふーんそんな小さな身体で、一人旅だと、怪しい娘じゃ。見ての通り何もない!さっさとよそに行きな!」


「すみません、少しお話ししていいですか?」


じーーーーー


「お嬢ちゃん、何か食べ物持ってるか?」


「あります!」


「ちょっと待ってな!」


女の人は、家の中から何か持って出てきた


プオーー!


「何?笛?吹いた!えーー!」


村の人達が虚ろな眼差しで集まってくる


『え?何… ひどいみんなガリガリに痩せてるのです! はって出て来ようとしてる人達もいるのです、これってまだ家の中には、動けない人達もいるって事?』


ユラは、女の人にお願いしました



「あの、まだ家の中に寝てる人とか、居ますよね、見て回っていいですか?」


「何をする気じゃ!どうせ何もできんのじゃ。ならん!」


「どうして、こんなになるまで…」


「お嬢ちゃんは、何も知らないようだから、教えてあげる。元々この村は、麦とモロコシ栽培をして、少ないけど家畜も飼育して生活してたのじゃ。数年前に家畜の病気が流行り、家畜は全滅、麦やモロコシもその年の干ばつで全滅した。

その事を領主様に報告したが、他の町や村でも作物の不作で援助できないと言われた。その翌年から今日まで、僅かな雨しか降ってないのじゃ!

最近では、疫病まで流行り男たちは大きな町に働きに行ったきり戻って来ん。わずかに残ってた食糧も底をつき、危険を承知で森に茸や木の実を取りに行ってたが、最近はコブリンやオーク達が出て来て取りに行けなくなったのじゃ。もうこの村はおしまいじゃ!」


「領主様には?言ったですか?」


「言ったが対応してくれなんだ。」


「でも今度新しい国ができると思うけど… 」


「お嬢ちゃん!もうその事知ってるのか?ほぉ… キャサリン王妃が、国を統治するみたいだけど、あまり期待はしてない。」


ユラは、集まった人達を見渡して、村長さんを睨む


「だったらここにいる人達全員、ユラが治します!お家の中にいる人たちも全員ここに連れて来てください」


「何を言ってる!治すだと!子供が持ってるような回復用の薬なんかで簡単に治るもんじゃない!私達だって何もしなかったわけじゃない!いろいろ手を尽くして、この状態だ!子供に何ができる!さっさと帰りな!」


村長の言葉に強い言葉で言い返す。


「いいから連れて来て!早くして!」


「わからない子供じゃ、さっさと帰りなさい!」



「むーーー!」


ユラは、周りを見渡すとお母さんに抱かれ顔に発疹のある小さな女の子がいました。


ユラは小さな女の子をだいてる母親に近づき話しかける。


「ユラはミラブルの森に住んでいます。これユラが作った新しいポーションです。飲ませて下さい!必ず治るはずです。」


ユラの言葉を聞いた村長は激怒する。


「何言ってるんじゃ!国のポーション職人でもHP回復ポーションがやっとだった!この子の病気は、ポーションでは治らないのじゃ!余計な事しないで、酷くなったらどうするのじゃ!」


ユラは村長さんを睨みつけ話す。


「ユラを信用してください!どうせこのまま何もしなかったら死ぬんでしょ?だったらこれ飲ませて!」


「だいたいミラブル大森林に住んでると言ってる事が、怪しいのだ!おまけにフードも被ってるし、あんな魔物が沢山いる森に子供が住めるわけないだろ!信用できん!」


ユラはみんなの前でフードコートを取り姿をさらす。


すると村長はじめ周りの者達はユラの容姿に驚く


「!」


『何この子、髪は凄く珍しい綺麗な銀髪、肌も透き通るように綺麗だし、手足も細いし、まるで妖精じゃない』


『え?この子人間なの?妖精?』


周りの者もユラの姿に見とれる


ユラは静かになってる間に子供のお母さんの手にエックスシールを持たせる


「この子のお母さんですよね。ユラを信じて下さい。この回復薬飲めばこの子助かるのです」


「この子が助かる...」


村長は慌てて止める。


「ならん!ダリアそんな怪しい子供が作った物など捨てるのじゃ!」


「ケーシー村長、私もこの子も食べる物もなく頑張ってもあと数日でしょう、私もう疲れました、私この子のを信用してみます」


「わかった、もしその子が死ぬような事があったら、あんたもここで死んでもらうからね」


「わかったのです」


ダリアは娘にエックスシールを飲ませようとするが、弱り切って飲むこともできない


「ユラが飲ませます見ててください」


ユラは口にエックスシールを口に含み口移しで飲ませる


「お願い飲んで・・・」


ブチュ


ゴクゴク


飲んだ、今ならユラは口を離してエックスシールを口にゆっくり入れて飲ませていく


ゴクゴク


暫くすると子供の身体が光始め皆がそれを見て驚く


パァーーン



「嘘!ミーシアの身体が光ってる、身体全体が温かい・・ 発疹もだんだんと消えて肌も綺麗になっていく・・」


村長は驚き口が開いたままその光景を見ている


弱って口も動かなかった子供が話し出す


「お母さん、お腹すいたぁ」


「うわーーんミーシアよかった助かったのね、お母さん嬉しい・・グスン」


「治ってよかったのね」


その様子をみてた村人達が騒ぎ出す


「なんと奇跡じゃ!」

「おお!」

「妖精様じゃ!」


「信じられん・・ す・すまぬ、どうしても信用できなかったのじゃ・・ です」


「よ・妖精様あなた様はこの村を助けることが出来るとおっしゃいました。今までの無礼深く謝罪しますので、どうかお力をお貸しください」


「ユラは気にしてないのです、怪しかったし、仕方ないのです」


ユラは村長さんが話そうとしてくるのを止めてピアに持ってきてもらってるトメトを取り出し子供にあげる


「ミーシアちゃんこれユラが作った野菜なの食べて。たぶん元気になるのです。」


「お姉ちゃんこんな大きい野菜見たことない、なにこれ」


「ごめんね。これはねトメトって言うの甘くて美味しいから食べるです」


「ありがとう食べてみる」


ガブッ

ブシュー


「うわーーー美味しいーー!こんなに美味しいトメト初めて」


「フフフお母さんもどうぞなの」


「妖精様ありがとうございます」


ガブッ

ブシュー


「はぁ~凄く美味しい♪  はぁー何この美味しいの初めて」


ガブガブガブガブ

ゴックン


「え?嘘!なんか身体疲れが取れていきます。それに体力も少し回復してます!」


村長たちは母親の発言に驚きの声を上げる


「「えーーーー!」」


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