ユラの好きな公爵家の使用人達はサマンサに意地悪されました

領土割譲の知らせは、いろんな所に影響を与え、ユラが出て行った、公爵家にもその内容が知らされ、使用人達も騒ぎ出していた。


サマンサは、使用人達が騒いでるのを聞き、発言する


「あなた達は、何をさわいでるの!」


セバスが代表して答える


「この度新しい国家をキャサリン王妃様が統治すると聞き、今なら新国の移民許可が出やすいと聞き皆で話してました。」


「あなた方は、何を言ってるの!まずこの私がここを辞めることを許可するわけないでしょ!」


「奥様、我々契約期間がまもなく終了しますので、今回皆で延長しないときめたのですが…」


「何を言ってるの!そんな事認めません!」


「しかし奥様は、毎回この時期になると、口うるさく延長するなら早く言えと、公爵家は、長期雇用契約しないと、おっしゃいました。

今ここにいる者達は、皆5年以上の者ばかりです。それでこの際皆で辞める事にいたしました。」



「た・確かに言ったかもしれません!契約は、このように変更してあります。

だからあなた方の公爵家を辞して出て行くことは、できませんよ!」


「サマンサ様それは無茶苦茶でございます」


「ふん!今まで面倒を見てあげたのに、何をふざけた事言ってるのかしら、そんなに辞めたいなら違約金を払いなさい!10人で白金貨10枚です!」


「そんな大金払えるわけ… 」


「そんなに辞めたいなら1年間無償で働きなさい!それとメイドのチアリーとキルエラは、毎晩トータスちゃんの部屋で奉仕しなさい!それが条件です」


「サマンサ様それはメイドへの性的要求になり、明確な違反です!」


「そんな事私達できません!」


「あら誰がそんな事言ったかしら、夜部屋に行くことが性的な要求って事になるのかしら?相手は、まだ9歳ですよ!」


「それでもできません!」




「そんなにここを辞めたいわけ?どうしても辞めたいなら、あなた達の勤務態度で決めてあげます、 どうかしら?

向こうは1年くらいの猶予があるはずだからどう?勤務する態度で許可しますわよ」


使用人達は、お互い顔を見合せ頷く


「わかりました、それでお願いします奥様」


「わかったわ、じゃ引き継ぎも必要でしょうから新しく使用人を募集いたします。

あなた方は、その者達にきっちり引き継ぎを終わらせて下さい!

もちろんその時の勤務態度も評価させてらうわ」


それから使用人達の過酷な日々が始まった


セバスは、執事長として全ての使用人の監督振り分けをし、サマンサの対応、主バッカスの対応、嫡男トータスの対応、新しく生まれたカーリアお嬢様の対応と朝早くから、夜遅くまで働き、精神的肉体的にも1日20時間労働は、限界に近く、ミスも次第に増えて行った、そしてついに過労で倒れてしまう


倒れたセバスにサマンサは容赦なかった、


「セバスいつまで寝込んでいるのですか!メイドのチアリーのトータスちゃんへの対応をきちんとするように今すぐ言いなさい!」


「奥様今しばらく・・ゴホゴホ・・お待ちください」


「セバス!約束が違うんじゃないかしら!約束が守られなかったと言う事で全員契約の延長と言う事でよろしいわね」


「奥様今日一日だけお待ちください・・ ゴホゴホ・・ 明日には、復帰して全員に今一度指導を徹底いたしますので」


「わかったわ、セバスには早く回復してもらわないと困るから、これ回復薬らしいからこれでもお飲みなさい」



「奥様ありがとうございます、」


「・・・・・」


「何をしているの?遠慮はいらないわよ、早くお飲みなさい」


「はい・・ 」


ゴクゴク


「ぐっ・・・」


「どうしたの?」


「いえ・・少し苦しいだけです」


「それは効果の現れね、あの子と同じ薬だからフフフ」


さっきよりも苦しい・・


『しぶとい執事だこと、私に逆らった使用人は全員廃棄してやるわ!』


次の日セバスは寝床に臥せったまま起き上がって来ることはなかった


サマンサはキルエラとチアリーに命じる


「キルエラ、チアリーこちらに来なさい!」


「はい!奥様、お呼びでしょうか?」


「二人とも今日私の湯浴みの補助をお願いね」


「「はいわかりました」」


当然サマンサが一人で入ることはなく、サマンサの湯浴み中にトータスが入って来る


「お母様久しぶりにご一緒してよろしいですか?」


二人はそれを聞き慌てる


「奥様ちょっとお待ちください私達薄い湯浴み着だけです。いくらトータス様でもお断りいたします」


「ふん!いいわよ入ってきなさい!」


「奥様!酷いです」


この後二人はかなり酷いセクハラ行為を受け、その後もトータスからセクハラ行為を受け続ける


「キルエラ私もう無理・・ 次は絶対させられてしまうわ・・ 死にたい」


「チアリー私もこれ以上は耐えれない・・ こんな時ユラ様がいてくれたら・・」


その後も私達は、トータスの命令を拒み続けてると、サマンサからギルドに行くように言われる


「キルエラ私達、明日朝早く起きて、ミラブルの森の調査団に同行するように言われたの… 」


「え?何で私たちが、そんな危険な所に行かないといけないの?」



「冒険者ギルドからお願いされたらしいの、食事の作れるメイドを紹介してほしいと」


「そんな依頼聞いた事ないわ!」


「サマンサ様は、トータス様に私たちが、身体を許さないから、こうなったと思うわ」


「チアリー私たちはこういう運命だったのよ・・公爵家のメイドになれたと喜んでいたのにこんなに酷いとは、ユラ様がいてくれた時が一番よかった・・ 」


「そうね、ユラ様優しかったから、最後にもう一度会いたかったなぁ・・」



この後チアリー達は、ミラブルの森で同行した、でもパーティーがオークの集団に襲われて、チアリーとキルエラは手を握り夢中で逃げた、大森林の濃い霧に救われ魔物たちから、逃げることが出来たが、二人とも完全に迷い食糧もなく、歩き続けついに力尽きる


「チアリー私もうダメ動けない・・ 私を置いて行っていいから」


「キルエラ私ももう無理・・ でもこんな形になったけど、あの公爵家のエロガキにエッチなことされるよりいいよ」


二人は手を取り合って力尽き静かに眠りについた




セバスは、フラフラする足取りで冒険者ギルドを訪れていた


「あのユリスリーデ様かアステイ様をお願いします」


「その二人なら辞めたわよ」


「そうですか、ではミラブルの森にオークの調査に向かった、冒険者の捜索をお願いしたいのですが?」


「ああその件なら、フェアールギルドは管轄外ね、ヤマタイコク冒険者ギルドの管轄になるわ」


「そうですか?わかりました」



この件をサマンサ様に報告すると、もういいと捜索は打ち切られたが、私個人として捜索したいと懇願したら、意外にも許され私はテレストに向かった。

馬車の使用を禁止されていたため、フェア―ルからテレストまで約400kmこの身体で歩くのは、無理がありフェアールから4日ほど歩いたところで、力尽き倒れてしまう


「どうやら私はここまでのようです。公爵家に仕え続けた20年、何かいいことあったでしょうか?


やはり一番はユラ様が生まれてくれたことでしょうか…

あの方はホントに優しいお子様だった。全ての使用人に優しく接して下さり、困ってると手まで差し伸べて下さった。


そのお姿は大きくなられても同じで、私とマリがサマンサ様の書類を紛失したと、激しく叱責されてた時も、言葉でサマンサ様の間違いを指摘され救われた事は、未だに忘れることは出来ません。


そんなユラ様もサマンサ様に殺されるからと、あの小さな身体で出て行かれました。

行方は未だわからないとのことですが、ミラブルの森に行くのを見たとの情報もありましたが、噂では少し前にミラブルの森で小さい可愛い妖精が現れたとか言われてますが・・


 一度会ってみたかったですね。ここで朽ち果てると、公爵家の使用人たちに迷惑をかけてしまいます。

あそこに森があります、あそこなら魔物が処理してくれるでしょう」


セバスは何とか森までたどり着き大木の側で倒れる


ガウガウ


「どうやら魔物に見つかったようです、ユラ様・・セバスはここでさよならさせていただきます・・」




庭師のトムスは、無茶ぶりの要求を全てやり遂げるも、庭木の剪定中に転落し大腿部の骨折、働けない者は不要と解雇される。

トムスは足を引きずりながら定期運航馬車を使い故郷のトキス村に戻って行った。


パルマとダーリアも同じくサマンサの無茶ぶりで過労で倒れる。


今は亡きアマリアを慕い故郷のブランドールより出て来た二人だったが、どこで発症したのか疫病の独特の発疹が身体にが現れ、公爵家を解雇された。


二人はフェア―ルの町で少し回復するも、働くことが出来ない二人は、ブランドール領に帰る事にしたのだが、移動中の馬車で容態が悪化し、発疹が顔にまで現れた。


馬車の御者は同乗者にうつるからと、彼女たちを強制的に馬車から降ろし近くの木の側に移動させた。


「悪く思わないでくれよ、皆にうつると困るから、申し訳ないがその病気は治らない。

だから森に近いここなら魔物が処理してくれるだろう、ごめんな」


二人は、静かに頷きそして手をとるように、ユラからもらった小さなハンカチを握りしめ静かに眠りについた。


☆・☆・☆


「私に逆らった愚かな連中はいなくなってすっきりしたわ。

本当にイライラさせる使用人達だったわ、あのいまいましいユラを思い出すわ!

あれだけしてあげたら使用人達も喜んでくれたでしょう。次働けるかわからないけどフフフ」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る