ユラと管理女神エルリエル(改)
☆・☆・☆
神界のある場所から一人の女神がカラリエルの世界を見つめていた。
ふーんあの子がねぇー、せっかく成長を止めて、魔法使えなくしてあげたのに、まさかあのスキルがあんな改良スキルだなんて知らなかったわ、あの方の仕業ね
しかしあの子どうやって、あのポーション作れたのよ!
文献だけでは絶対に作れないはずなのに、それに偶然とはいえ、ポーション職人をコブリンに襲わせて精神的にボロボロにするつもりだったのに…
なんなのよあの魔物!あの魔物は、何であの子に従うのよ!
あの子にティマーのスキルなんて発動しないはずよ。
あの子は、全く理解不能スキルと、文字化け加護があったから、警戒して成長阻害LV.9にして、攻撃系のスキル取得できなくして、補助系もほとんどが取得できなくしたのに…
まさかあの子が、魔物を使ってくるとは思わなかったわ。
あの子のこれからの行動を、注意しておく必要あるわね。
せっかくこの世界の人間が、後少しで滅びそうなのに…
この子が私の計画を妨害しそうね。
気になる存在だわ…私の大切なあの子を死に追いやった人間は、許さないんだから、絶対滅ぼしてあげるんだから!
女神の力を使えば人間だけを滅ぼせるけど…
それやれば、私達の母、全ての世界を統括する創造神アルマテラス様にばれる。
だから自然に滅ぶようにいろいろ変えた。
まず治癒系魔法の聖属性魔法全て封印し発動しなくした。
天候不順、環境変化、が起こる確率を上げ、土壌が悪くなるようにして、食糧問題が起こるようにした。
ポーション制作も、今まで薬師の知識があれば、誰でも作成出来た物を超難問に変え作成できないようにした。
全て順調に行ってるのに、気になるわねあの子
私がこの世界の管理を任されるようになって初めて私が気になった人間、テレス!
彼女が生まれたのは、今から250年くらい前だった。
彼女は、小さな町クレールで生まれ、2歳の頃からこの世界の管理女神である私に、毎日祈りを捧げてくれた、ほんとに可愛い少女だった。
親が屑で満足に食事も与えられてないのに、私への祈りは、ずっと続けてくれたわ。
私はその姿を見て、この子の事がすごく好きになった。
彼女が5歳の洗礼神託の儀で、私の加護と、聖女の証であるユニークスキル全聖魔法LV.9を与えたわ。
スキルに与えることのできる最大がLV.9だから仕方ないわね
中央大陸の大教会の責任者には、私が聖女スキルを与えた事を告げ、大切に扱うようにと念を押したわ、
その後テレスは、多くの人々を献身的に癒し治癒し私の名を高めてくれたわ、
そして私が異世界から、多くの転生者の対応に追われた1年間の間に、テレスが自ら命を絶って亡くなっていた。
向こうの世界では、10年の歳月が経った頃だった。
テレスは数年間は順調に聖女として、多くの人に慕われ愛された。
しかしその人気を利用しようと、その国の国王がテレスを拘束監禁した。
国王は、自分の利益のためにテレスを利用し、言う事を聞かなければ虐待を行った。
それでも拒むと、今度は、関係のない罪のない少女を、目の前で虐待して言う事を聞かせて、回復治癒を行わせ治療者に高額な寄付を要求した。
そのことにテレスは耐えれなくなり、自ら命を絶ったのだった。
女神エルリエルがそのことを知ったのは、死んだ者の魂が輪廻転生の神託を受ける場所である転生審判門の所で、テレスの魂を見つけ、魂の記憶を覗いたからである
「テレス目覚めなさい、女神エルリエルです。
あなたの魂を覗きあなたがここに来た事情を知りました。
ごめんなさい!私はあなたをずっと見てたのに…
でも私にはこの神界で仕事が他にもあり、神界時間で1日ずっとその他の仕事に追われてました。
あなた達の世界では10年です。
私は処理に追われてる間、全く情報が得られませんでした。
その時あなたが命を絶ったのね…
本当にごめんなさい」
「エルリエル様、謝らないでください。こうしてお話ができるだけで、私は満足なんですから…
こんな私をわざわざお救いくださり、ありがとうございます。」
「あなたが人間の理不尽な行いに耐え切れず、自ら命を絶ったことは、あまり好ましいとは思えません
私はあなたが凄く好きなのできれば将来、私の眷属天使として、一緒にここでお手伝いをしてほしいと思ってました。
でもあなたが寿命を全うしなかったことで、まだ私の力でも眷属に引き上げることが出来ません。
そこでもう一度あの世界に行って、寿命を全うしてください」
「エルリエル様もう一度あの世界に行く勇気がありません、もう少し気持ちが落ち着くまでここにいさせてください」
「それは構わないけど、でも向こうの世界で10年以内に戻らないと途中から戻ることになるわよ」
「構いません!」
「この世界の誰かが、成人前に死んだ者の身体に、ランダムで選ばれるのよ、選べないのよ!ほんとにいいの?」
「はい!今はあの世界に戻るのは嫌です、ここで少し向こうの世界がどうなって行くか見てみたいです」
「じゃ見る前にあなたを女神の霊力で保護するわね」
「神界では普通の魂は長く留まれないから」
「ありがとうございます」
『テリスあなたをあの世界にホントは戻したくないのよ。
私があの世界に起こした問題が、解決してしまったら、テリスはこっちの世界に戻すことが遅くなる。
でも自らではなく、事故や病気の場合は、寿命全うとして扱われる。
だから私が難易度を変更したポーション問題、天候や環境悪化確率を変えた食糧問題は、もっと深刻にしないとダメね。』
このユラって子ほんと気になるけど、もう少し様子見て考えましょう。
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