ユラのためにいろいろな人が動いてくれました(改)
☆・☆・☆
コンコン
「シェアルです」
「入ってちょうだい」
シェアルがギルマスに報告する
「クリスの働き先を調べすぐにわかりました」
「どこだったの?」
「ここの領主ダマスカス公爵家です」
ユリスリーデが公爵家と聞いて驚く
「はぁ~まさかとは思ったけど、それであの子は、そこの使用人か?」
「いえ違うようです、第一婦人の子供です。しかし第二婦人から奴隷のようなひどい扱いを受けていました。」
ユリスリーデは報告を聞いても信じられなかった。
「えー!嘘でしょ?公爵家の子供でしょ?
第一婦人の子供ですよね?信じられないわ」
シェアルが衝撃の報告をする
「あの子は、公爵家の敷地の端にあるボロボロの納屋のようなところで、薄い服1枚で足首に奴隷によく使う魔道具を装着して生活していました。
本人は、いたって明るく振る舞ってますが…
そんな事より、あの子の足枷に装着してる魔道具は、作動し続ける不良品です!今も足から血を流し続けています!
早く外さないとあの子死にます!」
それを聞いてユリスリーデもアスティも驚く
「何て事を!信じられないわ」
「公爵家の子供でしょ!なんて事を…」
ユリスリーデは、すぐに部屋にある魔道具保管場所から一つの小さな魔道具を持って来て渡す。
「これで外せるはずよ」
シェアルは、魔道具を受け取り礼をして一言告げる
「ありがとうございます。あそうだ!
あの子から試食してくれと、モロコシを食べましたよ。では急ぎ戻ります。」
「え?モロコシ?食べた?」
「はぁ?モロコシだって…」
にやり
「シェアル!待ちなさい!」
「ちょっと待って!」
シュン
「何でもっと早く言わないのよ!」
シェアルのやつ問いただされるのが嫌で直前まで言わなかったな…
しかしあの公爵家にこんな問題があるなんて…
☆・☆・☆
クリスは大きなリュックを背負って、急いで鍛治工房へ行き、注文してた物を受け取り、冒険者ギルドに向かった。
ユラ様大丈夫かしら心配だわ、あの状態じゃ長く持たないかもしれない…
でもあの方は、あの状態でも生き残る事を考えてる…
ほんと凄い方だわ
タッタッタッタ…
着いた。
はぁはぁ…
ガチャ
大きなリュックを背負ったクリスが入って来ると、皆がクリスに注目した。
『え?何この異様な雰囲気は、ギルドの食堂の方にこんなに人が、何かまずいわね。
これは依頼報告のカウンターに行った方がよさそうね』
クリスが向かうと若い女の子が対応してくれた。
「依頼達成報告でしょあか?冒険者カード見せてください」
クリスは受付の女性にギルマスに取り次ぎをお願いする
「今は持ってない!私はクリス至急サブマスのアスティかギルドマスター呼んで頂戴」
受付嬢は、マニュアル通りに回答する
「至急と言われましても…どう言った事でしょうか?
お二人共にお忙しいので私でお伺いしますが… 」
プチ!
「いいからさっさと呼びなさい!クリスが急ぎの用件で来てると伝えなさい!行けー!」
クリスが怒鳴ってもマニュアル通り対応する受付嬢
「しかしカードも持たれてないので… 」
ドカン!
「緊急案件よ!あなた名前は?」
「ケリーです」
「そうご苦労様、ケリー立派な対応よ 」
ニヤリ
クリスは受付付近にある机や椅子を破壊していく
バキッ!
ドカン!
ドカン!
ガシャン!
「アスティーーー!出て来なさい!」
受付嬢のケリーはクリスの行動に驚く
「えーー!な・何してるのですかー!」
ケリーは、暴れるクリスを見て思った。
『何この人無茶苦茶してるよぉ…怖いよぉー私悪くないのに…』
周りの冒険者達もひそひそ小声で話す
「おい!あれクリスだろ?」
「誰か止めに行けよ!」
「お前が行けよ!」
「ばかやろー!俺は玉潰されたくねぇぞ!」
「相変わらずの暴れっぷりだな周りの椅子粉々だぜ、怖ぇー」
奥からアスティが慌てて出て来て、クリスの暴れるのを見て驚く
「な・何してるのクリス!止めなさい!」
クリスは、アスティを見て持ってる椅子を置く
「やっと出てきたか…この受付のケリーちゃんがカードの持ってない私の対応を立派に対応したから、仕方なしこうしてるのよ。
こうすればアスティかユリスリーデが出て来ると思って…
よかったわ出て来てくれて…
来ないともうひと暴れするところだったもの」
相変わらずのクリスの行動に呆れる
「はぁ~わかったわ、相変わらず無茶苦茶するわね。奥に来て!」
アスティは涙をため震えるケリーを誉める
「ケリー立派な対応よ。申し訳ないけど空いてる人達で片付けてくれる」
「わかりました」
バタン
ギルドマスターの部屋には、ギルドマスターの他にもう一人の女性がいた。
クリスは、ちらっとその女性を見て荷物をおろして席に着いた
ユリスリーデがクリスに文句を言う
「ずいぶん強引な手段を取ったわねクリス!後であなたの処分考えるからね!」
クリスは、動じずギルマスを睨む
「ふん!緊急案件だから仕方ないわ!何ならこの荷物持って帰ってもいいのよ 」
ユリスリーデとアスティは、荷物から漂う甘い香りに何が入ってるかわかり慌てて止める。
「わかった!緊急と言う事で処分はしないから…それはそのままでいい」
「わかったわ」
クリスは、チラチラ一人の女性を見る
「あぁ、こちらはキャサリン王妃専属護衛ソアラだ」
王家の護衛…何かあった?クリスが見つめてると挨拶をしてくる
「キャサリン様の護衛ソアラですよろしく」
「私は、クリス自称ユラ様専属護衛よ。ただの護衛ではなさそうね。まぁいいわ」
ユリスリーデがクリスに話しかける
「それでクリス今日は、ただの納品ではないだろ!どうしたの?」
クリスは素直に答える
「あの… もういいかどうせ調べてるんだろうしいいか…
公爵家の第二婦人サマンサ様が
ユラ様に装着した足枷の魔道具が作動を続けて、我慢強いユラ様が痛みを訴えているの…今も足から血が流れ続けてます…」
クリスは報告した後荷物を置き、床に正座をする
そして土下座をしてユリスリーデに懇願する。
「ユリスリーデ様お願いします!このままではユラ様が死んでしまいます。
どうか魔道具解除の道具を貸してください!お願いします。」
ベタッ!
アスティは驚いていた。あのプライドの高いクリスが、土下座までするなんて、信じられなかった。
ユリスリーデもクリスの行動に驚きクリスに近寄り言葉をかける
「頭をあげてクリス。大丈夫だから…
もう解除道具は持たせて向かわせてるわ」
それを聞き安心したのか、クリスの緊張がとれ泣き崩れた
「よかった…グスン ユラ様から聞いてはいたけど… グスン あ・ありがとうございます。
魔道具がはずれなければユラ様は明日まで持たないと… グス それなら… 」
「そのサマンサを殺して自分も死ぬと」
クリスは自分の考えがわかった事に驚く
「何で…」
ユリスリーデは、優しくクリスを見つめる
「あなたの性格ならわかるわ」
アスティは、何がクリスをそこまでさせるのかわからなかった…
「クリス、使用人のあなたがあの子のためになぜそこまでするの?」
「私は公爵家のもう一人のお子様にいろいろされまして、我慢も限界に達してました。
そこをユラ様に助けて頂きました。
ユラ様は、他のメイドも助けられほんとに優しい方なのです。
そんなユラ様を一人の男性として好きになりました。
だから私の大切を守るためなら、この命は惜しくありません!」
二人は驚きの声をあげる
「「えーー!」」
「あの子男の子なの?」
「全く見えませんよ!」
クリスは二人に自分が衣装と化粧を施したことを告げる
「ああ、男の子格好で町を動き回ると目立つので、私が可愛いくしたのですよアハハ」
アスティとユリスリーデの二人がぶつぶつ何か言っている
「可愛い男の子だなんてはぁ~」
「妖精のように可愛いのに男の子だなんて、キスもできるムフフフ」
クリスは二人に爆弾発言をする
「ユラ様のファーストキスは頂きましたから」
「「えーーーー!」」
ソアラは、黙って報告を聞いて驚いていた。
公爵家の者が身内を奴隷扱いするなんて、これって報告して信じてもらえるのかしら?
とにかくキャサリン様が気にしてた子供の情報は得た、後は野菜か…
ひょっとしてあのリュックの中が問題の野菜か?
そしてその野菜を作れるのが、その子だったら最重要保護対象者じゃないかー!
ここは慎重に動向を見守ろう
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