ユラは決意しました(改)

痛い・・・


つい足使って動いてしまったの…

うぅ…


針が刺さったまま…

痛い…

ぅぅ…


今日誰か来たら… クリスに頼んでた物取りに行ってもらって、ついでに野菜ギルドに売りに行ってもらわないと…

作る場所ないのです…

出来た薬草も使えるか気になるし売って評価してもらいたいし…


血が止まらない…

この魔道具外さないと…

死んじゃう…


「外せますよ」


ボクは突然声がしたことに驚いた


「え?誰?」


シュタ


「突然声をかけ驚かせて申し訳ございません。

私は冒険者ギルドマスターユリスリーデ様の指示でまいりました。

シェアルと申します」


「…ユラ なのです ぅぅ…」



シェアルはユラを見て思う。

こんな小さな子供に何て物を着けるんだ!


シェアルは、ユラに装着されている魔道具を調べる


「ひどい… 辛いでしょユラ様…ん?ココレハ…」


「うんちょっと痛いかも… グゥ…イタイ お姉さん これ外せるですか? ユラ痛くて…グッ 」


シェアルは頷く


「外せるのはほんとです!ただ今は外す道具ないので急ぎ取りに戻ります。

その前に少しお話聞かせてもらっていいですか?」


ユラは、痛みをこらえながら答える


「…は い グッ… 」


「お嬢様のこの状況とご身分を教えてくれますか?」


ユラは痛みをこらえながら答えていく


「ボクは… この公爵家の子供で… 今は死んじゃって いないけど 第一婦人の子供です。

いろいろあって… 第二婦人のサマンサが ぅぅ… そんな事どうでも ぅぅ 詳しくはクリスに聞いたらわかる… ぅぅ」


シェアルはそっとユラの頭を撫でる


「わかりました。ではすぐに戻り道具を持って来ます!辛いでしょうが後少し我慢して下さい。」


ユラは、出て行こうとしたシェアルを捕まえる


「ちょっ と待って… シェアルお姉さん… ボ・ボクが作った野菜食べて見て… 感想教えて欲しいの… ぅぅ…」


シェアルは痛みを我慢しながら話してくるユラを抱き抱える


「ユラ様無理なさらないで…」


ユラは抱き抱えられた状態で野菜を握る


「これ ボクが 作った… モロコシなの… 」


シェアルは、ユラから野菜を取り見つめる


「モロコシ?これが?全然違うように見えるけど…

確かに形はモロコシですね。かなり大きいけど、でもモロコシって家畜の餌… 食べれるの?」


ユラはシェアルを見つめる


「お姉ちゃん… 大丈夫ボクを 信じて…

たべて … い」


シェアルは、ユラの訴えるような目にたまらず野菜にかぶりつく


「わかりました。食べますね。」


『何このモロコシ…こんなに大きかった?私の知ってる3倍くらい大きいし実も一粒が大きいし艶々してるんだけど…』


ガブリ

「!」


ムシャムシャ


「はぁ~~甘くてすごく美味しいー!」


ガブ


「うまうま…」


ガブガブ


「凄い!ほんとに甘くて美味しい!」


ガブガブガブガブ

ムシャムシャ


「はぁ~美味しかった。ありがとうございます。ユラ様今まで食べた物とはもう別の野菜ですよ!

それくらい無茶苦茶美味しかったです。では急ぎ戻って来ますから、ユラ様絶対動いたらダメですよ!」


バタン


シェアルが出て行ってすぐにクリスが入って来る


「ユラ様、誰と話して… ちょっと!ユラ様足!血が出てるじゃないですか!魔道具…

えっ!ずっと作動している!針が刺さったまま… 嘘 これ壊れてる…

こんなになって… こんなの痛いってレベルじゃない…

ユラ様!私に命令してくだい!サマンサを殺して鍵奪って来ます。このままでは、ユラ様死んでしまいます!」


ユラはクリスの訴えに驚く


「ダメ ! …そんな事したら … クリスが… 処罰される! ぜったいダメだから… ぅぅ… そんな命令なんてしない! ぐぅ… ボク…大丈夫 だから …」


クリスはユラを抱き抱え泣きそうになるのをこらえながらユラに話しかける


「大丈夫じゃないでしょユラ様!このままだと確実に死んじゃいます!

お願いです命令してください!

しないなら勝手に〈ガシッ!〉わた…」


ユラは、勝手に殺しに行こうとするクリスの腕を掴む


「ダメだよ… クリス ボクにとって… クリスも マリも… 大切な… ぐぅ… 」


「ユラ様!わかりましたから…もう喋らないで!」


ユラは、クリスを安心させるためにさっきの事を話す


「あのね さっきギルドの お姉さんが来てくれてて… 急いで外す道具持って来てくれるって … 出て行ったから …


クリスはユラに問いただす。


「え?それって誰ですか!」


「シェ アル さん って 言ってました…」


クリスは、ギルドのメンバーを思い出しながら頷く


「ああ、あの子ねなら大丈夫ね」


ユラはクリスが拒否しないように懇願する


「クリスお姉ちゃん… お願いがあるのぉ…」


「はぅ…」


よし!上手くいった…


ボクは、この前出掛けた時注文した物を取りに行ってもらうのと、今ここにある野菜を持てるだけギルドで売って来て欲しい事。

この前出来た薬草の評価もお願いした。


「わ・わかりました。でもユラ様の野菜はどれも大きいですから、数があまり持って行けませんよ。ギルドに行った時相談します。」



「うん…お願い …スル 」


クリスは一旦出て行った。


うぅ…痛い… こんなのボクが弱る前に魔道具で死んじゃう…

何とかしなきゃだけど、お父様は廃嫡って言ってたけど、貴族登録年まで待つてことは、どういう事?

廃嫡しても家名を名乗ってどこかで生活できるようにって考えてるのかな?


貴族のルールなんて知らないからよくわからないけど…


家名なんていらない!今すぐ廃嫡にしてもらって家を出して欲しい…

じゃないとほんと死んじゃう


ボクは、手紙をお父様に書きました


【お父様いきなり手紙を書くことお許しください、お願いがあります。

ボクをすぐに廃嫡にして家を出る事を許してください。

もちろん家を出たら家名を名乗る事はしません!

ただの平民として生きます。お父様はご存知ないかもしれませんが、第二婦人サマンサの横暴はひどいです!

ボクは耐えれません!許可されなくてもボクは死にたくないので家を出ます。

今まで育ててくれてありがとうございました。

お身体に気をつけてお元気でさようなら

ユラ 】


ボクは手紙をセバスにお願いして、サマンサに見つからないように、王都のお父様に届けてもらった。


後はこの魔道具を外してもらって、ここの野菜を全部持って行ってもらえば、元通りのただの小屋なのです。


こんな事なら最初から家を出ればよかった。

でもスキルの事わかったのは、ここでサマンサからの横暴から生き残るために、いろいろやってスキルの凄さがわかったからだ。

サマンサが目覚めさせてくれたようなものだから…

感謝しないと行けないのかな…


うぅ…痛い… のです早く戻って来て…


バタッ



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