第5話 もし私が急に死んだら・・

 頭をドアでぶつけて、怪我をしたことを今、私は思い出した。

 病院へ行き、血は少しでていたけど、たいしたこともなく、特に問題はないらしい。私は、脳の怪我の知識はあまりないけど、硬膜外血種とか硬膜下血腫とか外傷性くも膜下出血などの心配をしていたけど、病院でみてもらったら、なんともないといわれた。

 私は医者から「余命3ヶ月」とか言われるかと心配していたけど、大丈夫なようなので、一安心である。

 でも、やはり医者からそう言われても少し不安な気持ちになった。

 特に症状もなく、なんともなくても数か月後にいきなり頭蓋内出血とかで急に死亡することもあるらしい。

 

 私は、もし急に私が死んだら、どうしようと思った。

 後に残された人は悲しむだろうなと思った。

 誰が1番悲しむだろうか・・・。

 やはり、私を1番大事に愛情をもって育ててくれた母親かな。後は親戚かな。

 

 それ以外の人は誰も悲しまないかな・・。誰も悲しまなかったら、それはそれで悲しいけど、誰も悲しむ人がいなかったら、気楽に死ねるなとも一瞬思った。

 いや、でも誰も悲しむ人がいないなんてことはないだろう。友達は少なく、大学の昼食では1人でぼっち飯をしていることが多いけど、きっと私のことを好きな人もいて、私が死んだらきっと、めっちゃ悲しんでくれる人が、きっといるはずだ。きっとじゃない。絶対いるはずだ。いや、いてほしい!

 

 その私のことを好きな人は、勇気がなく1度も私に話かけてくれたことすらないけど、大学で1番のイケメンで、めっちゃ性格も良くて、私にもやさしくしてくれるんだろうな。急に「好きです。つきあってください。」とか告白されたら、なんてこたえよう。もちろん、つきあうに決まっているけど、なんてこたえようかなと妄想してみた。・・・・・。だんだん、ぼっち飯をしていたこともあり、悲しくなってきたから、そろそろこの妄想はやめよう。でも妄想することは好きだ。好きというか、正確に言えば1人でいることが多いから常にいろいろ考えちゃうだけだ。

(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る