第2話:刀剣の構えについて

剣には色んな構え方がありますが、当然それらにはそれぞれ異なる合理性が宿っています。


上段は、振りかぶりが構えた時点で完了しているので、後は振り下ろすだけ。その代わり胴体はガラ空き。分かりやすい構えです。

基本的に打ち下ろししか出来ない構えになりますが、弧を描くように脛を斬る脛斬り(まんま)なる技巧も存在します


青眼、中段は……まぁ、バランスいいですよね。突きがすぐ打てて、体の前に刀剣があるので防御もしやすい。

上段、下段どちらにも素早く移行出来るので水の構えなんて呼ばれ方もします。


下段は刀剣が下向きなので鍔迫り合い(バインド)を拒否出来ます。弾かれたりする事もないです。

右手を支点に、左手で柄尻を引くように刃を突き上げると、てこの原理で素早く突きを打てたりもします。

そこに自分の体を沈めるような動作を加えると、位置エネルギーをてこの原理に利用出来るので、突きの速さは更にすごい事になるはずです。

他にも相手の打ち下ろしを擦り上げて切り返すような事も出来ます。

とにかく守りというか、後の先の構えです。


下段横構え、脇構え。

下段に構えた上で、剣を後方へ振りかぶったような構えです。

待ちからの突き上げが強い下段で振りかぶってどうすんねんと思うかもしれませんが、とりあえず構えた時点で振りかぶりは完了しているので、これは攻めの構えです。

上段との違いは、足と足の間隔が広まるので、フットワークが使いやすいはずです。

あと、下段に構えた相手の刀剣を横薙ぎにぶっ叩けるので、下段対策にもなるはずです。


八双の構え。この構えを描写する時に一番困るのは「野球バットと同じ構え」と書くのが一番手っ取り早いのに、雰囲気的にはそうもいかないって事です。

構えの利点は、上段っぽく振りかぶりつつも、上段ほど振りかぶってないのでフットワークが……脇構えでいいじゃん?

いや、剣を立ててるので狭い市街地や屋内ではこちらに軍配が上がりますよ。


……よし、備忘録終わり!

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