バトルテクニック備忘録
ぼくです
第1話:刀の握りについて
日本剣術において刀の握りは「両手を可能な限り離す(柄首と柄尻を握る)」のが正しいという考えが主流のはずですが
一方で「両手をしっかりくっつけて握っていた事もある」という主張もあります。
曰く「(自分では真偽を確かめられませんでしたが)現存している刀の柄を見てみると、すり減り方がそのようになっている物もある」「土方歳三が使っていた刀もそうである」といった具合で。
大抵の場合、前者を知っている人間は、後者の表現をしている創作物に対して「間違っている」という感想を抱いたり述べたりします。
ですが実際には、恐らくそれら二つの握りは追求する合理性が違うだけなのです。
つまり前者の合理性は「てこの原理によって最大限の剣速、威力が発揮し得る」事です。右手を支点、左手を力点、剣先を作用点とすると、右手と左手は離れていた方がより大きな力が生まれます。
一方で後者の合理性は……まず「刀を数十センチ短く扱える」事が挙げられます。
これは狭い市街地、屋内や木立の中において、非常に重要な要素になり得ます。
家屋や木に刀身が食い込んで武器を失うなんてバカバカしいですもんね。
加えるなら、これは相対的な話である上にあくまで推論なのですが「相手が甲冑や帷子を装備しておらず、または急所を正しく狙えるのなら、恐らくその握りでも十分に人は殺せる」のでしょう。
つまり十分に腕の立つ剣客が、狭所において甲冑や帷子を着込んでいない人間を殺そうとする場合、刀を握る両手は密着していた方が合理的という事になります。
この考え方だと、新選組とかいう暗殺集団の一員だった土方歳三の握りがそれであった事も不思議ではない。むしろ必然的であったと考えられます。
……よし、備忘録終わり!
『技巧』ではない『スキル』が物を言う異世界に転生した剣客が狭所にてそのような握りを見せ、
「なんだ、その握り。スキルも使えない上に、剣の扱いもド素人かよ」
などと言ったセリフをほざいた噛ませ犬を、地の利を活かして斬り伏せる。
そんなシーンをいつか書きたいですね(はなほじ
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