記念日

虚無に憑りつかれた僕が見たものは


君の最後の微笑み


綻んだ桜の蕾のような唇は いつかの記憶を呼び起こす


最初に裏切ったのは君


だから罰を下すのは僕なんだ


抹消してしまいたいかい? こんな僕を


気が狂った訳ではないよ


虚無とは初めから僕の中に芽生えていたものなんだ


君と僕 運命の糸で繋がっていた筈だ


断ち切ったのはあの日の君の仕業さ


知っているよ 気づいていたんだ


昔から 君は向こう側へ行きたがっていたよね


糸を全て切ったつもりかい?


君が持つ糸より 僕が持つ糸の方が一本多いんだよ


何処が繋がっているのかは君は知らない


僕にしか分からない場処だ


教えるつもりは無いよ 永遠にね


だってこれが神様が僕にくれた幸福


そして君が背負う罪さ

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